カタバミとは?花や葉の特徴、クローバーとの違い、駆除方法を解説
カタバミとは?花や葉の特徴、クローバーとの違い、駆除方法を解説
庭や道端で、ハート形の小葉を3枚つけ、黄色い花を咲かせる植物を見かけることがあります。この身近な野草が「カタバミ」です。
カタバミは丈夫な多年草で、地面をはう茎と種子によって広がります。かわいらしい花を楽しめる一方、庭や芝生、家庭菜園では抜いても繰り返し生えてくる雑草になることがあります。
この記事では、カタバミの特徴や名前の由来、クローバーやオッタチカタバミとの見分け方、庭や芝生での駆除方法を解説します。
カタバミとは
カタバミは、カタバミ科カタバミ属に分類される多年草です。日本全国の道端や庭、畑などに広く生育しています。
基本情報は次のとおりです。
和名:カタバミ(片喰、酢漿草)
学名:Oxalis corniculata
科名:カタバミ科
属名:カタバミ属
分類:多年草
草丈:約5~20cm
開花時期:主に春から秋
花色:黄色
分布:日本全国
生育場所:庭、道端、畑、芝生、空き地、石垣のすき間など
日当たりのよい場所を好みますが、明るい半日陰でも育ちます。乾燥や踏みつけにも比較的強く、わずかな土があれば舗装や石垣のすき間にも定着します。
カタバミの名前の由来
カタバミという名前の由来には諸説あります。
よく知られているのは、夜や悪天候時に葉を閉じた姿が、葉の一部を食べられたように見えるため、「片喰」と呼ばれるようになったという説です。
漢字では、主に次のように表記されます。
片喰
酢漿草
傍食
「酢漿草」という表記は、葉や茎に酸味があることに関係しています。
カタバミの特徴
ハート形の小葉を3枚つける
カタバミの葉は、長い葉柄の先に3枚の小葉がつく三出複葉です。
葉の特徴は次のとおりです。
小葉はハート形
小葉の先端中央にくぼみがある
3枚の小葉が一か所から広がる
葉色は緑色
茎や葉が赤紫色になる個体もある
葉の表面には細かな毛がある
夜や雨の日には葉を閉じる
カタバミが葉を閉じる動きは、就眠運動と呼ばれます。強い日差しや乾燥を避けるときにも、葉を閉じることがあります。
黄色い5弁花を咲かせる
カタバミは春から秋に、直径約8mmの黄色い花を咲かせます。温暖な地域では、冬でも花が見られることがあります。
花の特徴は次のとおりです。
花びらは5枚
花色は鮮やかな黄色
花の直径は1cm未満
葉の付け根から花柄を伸ばす
一つの花茎に数個の花をつける
晴れた日に開きやすい
夕方や雨天時には閉じやすい
一般的なカタバミの花は黄色です。ピンク色や紫色の花を咲かせるものは、ムラサキカタバミやイモカタバミなど、別の種類である可能性があります。
茎が地面をはう
カタバミの茎は、地面をはうように横へ伸びます。
茎の主な特徴は次のとおりです。
細く地面をはう
赤みを帯びることがある
節から根を出す
周囲へ枝分かれして広がる
地面へ張りつくように成長する
茎の途中から発根するため、途中で切れても地面に残った部分から再生することがあります。
果実から種子を弾き飛ばす
花が終わると、細長い円柱形の果実をつけます。
果実の特徴は次のとおりです。
細長く上向きにつく
熟すと内部に多数の種子ができる
刺激を受けると果皮がはじける
種子を周囲へ飛ばす
小さな株でも種子をつける
果実が成熟すると、触れたり雨粒が当たったりした刺激で種子が飛び散ります。庭で増やしたくない場合は、果実ができる前に除草することが重要です。
カタバミの生育サイクル
カタバミは多年草なので、根や茎が残っていれば翌年も生育します。
一般的な生育の流れは次のとおりです。
春に茎や葉を伸ばす
春から秋に花を咲かせる
花の後に細長い果実をつける
種子を周囲へ飛ばす
茎が地面をはって広がる
節から根を出して新しい株をつくる
寒い地域では冬に地上部が少なくなる
暖かくなると再び成長する
種子と茎の両方で増えるため、一度広がると完全に取り除くまで時間がかかることがあります。
カタバミとクローバーの違い
カタバミとクローバーは、どちらも3枚の小葉をつけます。しかし、葉の形や花を見ると見分けられます。
カタバミの特徴
小葉はハート形
小葉の先端中央に深いくぼみがある
黄色い5弁花を咲かせる
茎が地面をはう
細長い果実をつける
葉を閉じる就眠運動が目立つ
クローバーの特徴
小葉は丸形または楕円形
葉に白いV字模様が入ることが多い
白色や淡紅色の球状の花をつける
多数の小花が集まって一つの花序になる
マメ科植物に分類される
葉の先端がハート形にくぼみ、黄色い花を咲かせていればカタバミの可能性が高いでしょう。
カタバミとオッタチカタバミの違い
オッタチカタバミは、カタバミによく似た黄色い花を咲かせる外来植物です。
最もわかりやすい違いは、茎の伸び方です。
カタバミの特徴
茎が地面をはう
草丈が低い
地面に張りつくように広がる
茎や葉が赤みを帯びることがある
農地周辺や庭などに多い
オッタチカタバミの特徴
茎が斜め上または直立する
草丈が10~50cmほどになる
カタバミより全体に毛が多い
黄色い小花を咲かせる
道路沿いや植え込みなどにも多い
若い株では茎の立ち上がりが目立たず、区別しにくいことがあります。成長した株全体を確認すると見分けやすくなります。
カタバミとアカカタバミの違い
アカカタバミは、葉や茎が赤紫色を帯びるカタバミの一型です。
アカカタバミの特徴は次のとおりです。
葉全体が赤紫色
茎も赤みを帯びる
花は黄色
花の中央に赤みが見られることがある
日当たりのよい乾燥した場所に多い
葉が緑色と赤紫色の中間になるものは、ウスアカカタバミと呼ばれることがあります。
カタバミとムラサキカタバミの違い
ムラサキカタバミは、南アメリカ原産のカタバミ属植物です。観賞用として持ち込まれたものが野生化しています。
ムラサキカタバミの特徴は次のとおりです。
花は淡い紅紫色
花がカタバミより大きい
花の中心部が黄緑色
地下に小さな鱗茎をつくる
鱗茎によって増える
地上をはう茎が目立たない
カタバミは黄色い花を咲かせます。淡い紫色の花がまとまって咲いている場合は、ムラサキカタバミの可能性があります。
カタバミとイモカタバミの違い
イモカタバミも、ピンク色の花を咲かせる外来のカタバミ属植物です。
イモカタバミの特徴は次のとおりです。
花は濃いピンク色
花の中心部が濃い赤紫色
雄しべの葯が黄色
地下に塊茎がある
群生しやすい
ムラサキカタバミより花色が濃く、中心部もはっきり色づくのが特徴です。
カタバミは縁起のよい植物?
カタバミは繁殖力が強く、一度根づくとなかなか絶えません。その性質から、子孫繁栄や家運隆盛を象徴する植物として扱われてきました。
葉を図案化した「片喰紋」は、日本の代表的な家紋の一つです。
片喰紋には、次のような種類があります。
片喰
剣片喰
丸に片喰
三つ割片喰
八重片喰
庭では雑草として扱われることがありますが、文化的には縁起のよい植物として親しまれてきました。
カタバミとヤマトシジミの関係
カタバミは、ヤマトシジミという小型のチョウの幼虫が食べる植物です。
ヤマトシジミは、都市部の公園や住宅地でも見られます。幼虫はカタバミの葉を食べて育ち、成虫は春から秋に活動します。
庭にカタバミを少し残すと、ヤマトシジミが訪れる可能性があります。ただし、家庭菜園や芝生へ広がらないよう、残す範囲を決めて管理しましょう。
カタバミは食べられる?
カタバミにはシュウ酸などが含まれ、葉や茎をかむと酸味を感じます。過去には食用や民間利用の例もありますが、積極的に食べることはおすすめできません。
注意したい理由は次のとおりです。
シュウ酸を含む
大量摂取に適さない
野外の株には農薬や除草剤が付着している場合がある
動物の排せつ物などで汚染されている可能性がある
似た植物と誤認するおそれがある
食用として栽培、管理されていない
酸味があることだけを理由に、安全な植物だと判断してはいけません。観察や観賞にとどめましょう。
庭に生えたカタバミの駆除方法
カタバミは、茎を引っ張るだけでは根や節が残りやすい植物です。種子をつける前に、株元から丁寧に取り除きます。
小さいうちに根から抜く
発芽して間もない株は、比較的簡単に抜き取れます。
作業のポイントは次のとおりです。
雨の翌日など、土が湿った日に抜く
茎ではなく株元を持つ
地面をはう茎をたどる
節から出た根も取り除く
根を途中で切らないようゆっくり抜く
抜いた株を土の上へ放置しない
大きく広がった株には、除草フォークや移植ごてを使用すると効率的です。
果実ができる前に除草する
カタバミの果実は、熟すと種子を勢いよく飛ばします。
花を見つけた段階で除草すれば、新しい種子が土へ加わるのを防げます。
すでに果実がある場合は、次のように作業します。
株全体を袋で覆う
果実へ強く触れない
種子を飛ばさないよう静かに抜く
抜いた株を袋へ入れる
地域の分別方法に従って処分する
種子ができた株を、そのまま庭に放置しないようにしましょう。
マルチングで発芽を抑える
花壇や家庭菜園では、土の表面を覆うことで発芽を抑えられます。
利用できる方法は次のとおりです。
バークチップを敷く
腐葉土などを厚めに敷く
家庭菜園用のマルチを使用する
防草シートを敷く
砂利の下に防草シートを施工する
薄いマルチでは、カタバミが突き抜けたり、表面で発芽したりすることがあります。定期的に状態を確認してください。
熱湯や塩は使用しない
カタバミ対策として、熱湯や塩をまく方法が紹介されることがありますが、庭や家庭菜園ではおすすめできません。
避けたい理由は次のとおりです。
熱湯でやけどする危険がある
周囲の植物の根を傷める
土壌中の生き物へ影響する
塩分が土に残る
植物が育ちにくい土になる
雨水とともに塩分が周囲へ流れる
将来ほかの植物を育てる可能性がある場所では、手作業や適用のある除草剤を選びましょう。
除草剤を使用する
広範囲に発生している場合は、使用場所と対象雑草に適合する除草剤を検討します。
使用時の注意点は次のとおりです。
多年生広葉雑草に対応した製品を選ぶ
カタバミへの適用を確認する
農耕地用と非農耕地用を区別する
ラベルに記載された使用量を守る
周囲の草花や作物に薬液をかけない
強風や雨の日は散布を避ける
子どもやペットを近づけない
一度で枯れない場合でも、自己判断で濃度や回数を増やしてはいけません。
芝生に生えたカタバミの駆除方法
芝生のカタバミは、茎が芝の間をはうため、成長すると取り除きにくくなります。
対策の手順は次のとおりです。
小さな株を見つけ次第抜く
茎をたどって株元を確認する
除草フォークで根を持ち上げる
果実ができる前に除去する
抜いた場所へ目土を入れる
芝が薄い部分を補修する
芝生に使用できる除草剤だけを選ぶ
芝生が弱って土が露出すると、カタバミが発芽しやすくなります。適切な刈り込み、水やり、施肥によって芝を密に育てることも予防につながります。
カタバミを増やさないための予防法
カタバミを減らすには、種子を飛ばさせないことと、茎の節を残さないことが重要です。
予防のポイントは次のとおりです。
春から庭を定期的に確認する
若い株のうちに抜く
黄色い花を見つけたら早めに除草する
細長い果実をつけた株を放置しない
地面をはう茎をまとめて取り除く
花壇や菜園をマルチングする
芝生の裸地を補修する
防草シートのすき間を点検する
数年間継続して管理する
土の中に残った種子から、翌年以降も新しい株が生えることがあります。一度の除草で終わらせず、発生するたびに取り除きましょう。
カタバミを庭で育ててもよい?
カタバミは黄色い花がかわいらしく、ヤマトシジミの幼虫を育てる植物でもあります。自然観察を楽しむ庭では、範囲を決めて残すこともできます。
残す場合の注意点は次のとおりです。
花壇や家庭菜園から離す
果実が熟す前に摘み取る
地面をはう茎の広がりを抑える
増えすぎた部分を定期的に抜く
鉢植えで管理する
周辺の土地へ種子を広げない
完全に放置すると、庭全体へ広がる可能性があります。観察用に残す範囲と、除草する範囲を分けて管理しましょう。
カタバミに関するよくある質問
カタバミは多年草ですか?
カタバミは多年草です。冬に地上部が少なくなっても、根や茎が残っていれば再び成長します。
カタバミの花が咲く時期はいつですか?
主に春から秋です。温暖な地域や日当たりのよい場所では、冬でも花が見られる場合があります。
カタバミとクローバーは同じですか?
別の植物です。カタバミはカタバミ科で黄色い5弁花を咲かせ、クローバーはマメ科で白色や淡紅色の球状の花をつけます。
カタバミはなぜ抜いても生えてくるのですか?
地面をはう茎の節から根を出し、残った部分から再生するためです。また、熟した果実が種子を周囲へ飛ばすため、新しい株も次々に発芽します。
カタバミには毒がありますか?
強い毒草として扱われる植物ではありませんが、シュウ酸を含みます。食用目的で大量に摂取することは避けてください。
カタバミは外来種ですか?
カタバミの起源や日本への渡来時期には複数の見解がありますが、日本では古くから全国に広く定着している植物です。オッタチカタバミやムラサキカタバミなど、近縁の外来種もあります。
カタバミの種はどのように飛びますか?
細長い果実が熟すと、刺激によって果皮が急に開き、種子を周囲へ弾き飛ばします。果実へ触れなくても、雨や風などの刺激で飛ぶことがあります。
カタバミを枯らすにはどうすればよいですか?
小さいうちに株元から根と茎を取り除くのが基本です。広範囲に生えている場合はマルチングや防草シートを併用し、必要に応じてカタバミに適用のある除草剤を使用します。
まとめ
カタバミは、3枚のハート形の小葉と黄色い花が特徴の多年草です。日本全国の庭や道端、畑などで見られます。
主な特徴は次のとおりです。
ハート形の小葉を3枚つける
葉は夜や雨天時に閉じる
黄色い5弁花を咲かせる
茎が地面をはう
茎の節から根を出す
細長い果実をつける
熟した果実から種子を弾き飛ばす
クローバーとは別の植物
ヤマトシジミの幼虫が葉を食べる
庭や芝生では多年生雑草になる
駆除するときは、黄色い花や細長い果実ができる前に、根と地面をはう茎をまとめて取り除きます。
芝生や花壇では、除草後に土が露出した場所を補修し、新しい種子が発芽しにくい環境をつくることも大切です。発生するたびに早めの除草を続け、少しずつ株と種子を減らしていきましょう。