オヒシバとは?特徴やメヒシバとの違い、芝生・庭での駆除方法を解説
オヒシバとは?特徴やメヒシバとの違い、芝生・庭での駆除方法を解説
夏になると、道路のすき間や庭、駐車場などに、地面へ張りつくような丈夫な草が生えてきます。茎の先に指を広げたような穂をつけていれば、「オヒシバ」かもしれません。
オヒシバは踏みつけや乾燥に強く、硬く締まった土でも育つイネ科の一年草です。根がしっかり張るため、成長すると手だけでは簡単に抜けません。
この記事では、オヒシバの特徴や名前の由来、メヒシバとの見分け方、生育サイクル、芝生や庭での駆除方法を解説します。
オヒシバとは
オヒシバは、イネ科オヒシバ属に分類される一年草です。人が頻繁に歩く道端やグラウンドなどにも生育することから、代表的な「踏み跡植物」の一つとされています。
基本情報は次のとおりです。
和名:オヒシバ(雄日芝)
学名:Eleusine indica
科名:イネ科
属名:オヒシバ属
分類:一年草
草丈:約20~60cm
穂が見られる時期:主に8~10月
分布:本州以南を中心に日本各地
生育場所:道端、庭、畑、芝生、駐車場、グラウンドなど
世界の熱帯から温帯に広く分布しており、日本でも夏を代表する身近な雑草です。
オヒシバの名前の由来
オヒシバは、よく似たメヒシバより太く、全体的に頑丈な印象があることから「雄日芝」と名づけられたとされています。
名前を分けると、次のような意味になります。
オ:太く丈夫な姿を「雄」に見立てたもの
ヒ:日当たりのよい場所に生えることを示す
シバ:地面を覆うように生えるイネ科植物を表す
植物学上の雄株という意味ではありません。オヒシバにもメヒシバにも、「雄の株」「雌の株」という区別はありません。
オヒシバの特徴
茎は太く、平たくつぶれている
オヒシバの茎は丈夫で、根元付近が平たくつぶれた形をしています。
茎の主な特徴は次のとおりです。
株元から複数の茎を伸ばす
根元付近が白っぽい
茎が扁平で硬い
地面を斜めにはってから立ち上がる
踏まれても折れにくい
株全体が放射状に広がる
人や車が通る場所では、草丈を低くして地面へ張りつくように育ちます。踏みつけの少ない畑などでは、茎が立ち上がって大きくなることがあります。
葉は細長く、中央で折れやすい
葉は細長い線形で、やや硬く、中央からV字形に折れたようになります。
葉の特徴は次のとおりです。
先端が鋭くとがる
葉の中央が折れたように見える
葉の縁がざらつく
葉鞘に白い毛が見られる
葉と葉鞘の境目が白っぽくなる
株元では葉が扇状に広がる
葉の縁で皮膚を傷つけることがあるため、除草するときは園芸用手袋を着用しましょう。
穂が手の指のように広がる
オヒシバは夏から秋に、茎の先端へ2~7本ほどの穂をつけます。
穂の特徴は次のとおりです。
茎の先端から放射状に伸びる
手の指を広げたように見える
一本一本の穂が太い
小穂が穂の片側に規則正しく並ぶ
穂は緑色から緑褐色
成熟すると多数の種子を落とす
穂の下に、少し離れてもう一本の穂がつく場合もあります。
根が強く、簡単には抜けない
オヒシバは一年草ですが、根が丈夫です。細い根を密に張り、地面へしっかり固定されます。
特に次のような場所では、抜きにくい株になります。
踏み固められた通路
グラウンド
駐車場
砂利のすき間
縁石や舗装の境目
乾燥した畑
大きくなった株を茎だけ引っ張ると、葉や茎が途中で切れ、株元が残ることがあります。
オヒシバの生育サイクル
オヒシバは一年草です。春から夏に発芽し、秋までに種子をつくります。
一般的な生育の流れは次のとおりです。
晩春から夏に発芽する
夏の高温期に急速に成長する
株元から複数の茎を伸ばす
8~10月ごろに穂を出す
穂に多数の種子をつける
秋から冬に地上部が枯れる
地面に落ちた種子が翌年以降に発芽する
冬に株が枯れても、種子が土の中に残っていれば翌年も発生します。
オヒシバはなぜ踏まれても枯れない?
オヒシバは、人や車による踏みつけが多い環境に適応しています。
踏みつけに強い理由は次のとおりです。
茎が太く丈夫
株元が平たく広がる
成長点が地面に近い
葉が折れても株元が残りやすい
根を密に張る
草丈を低くして成長できる
ほかの植物が育ちにくい硬い地面でも生育できるため、道路沿いやグラウンドなどでよく見られます。
オヒシバとメヒシバの違い
オヒシバとメヒシバは、どちらも夏に発生し、指状の穂をつけるイネ科雑草です。
見分けるときは、茎の太さ、株元、葉の毛、穂の形を確認します。
オヒシバの特徴
茎が太く頑丈
根元が白っぽく扁平
株元から放射状に広がる
穂が太く、まっすぐ伸びる
小穂が規則正しく並ぶ
葉が硬い
踏みつけの多い場所に強い
根が強く抜きにくい
メヒシバの特徴
茎がオヒシバより細い
茎が地面をはうように広がる
節から根を出すことがある
葉や葉鞘に白い毛が多い
穂が細く、柔らかく見える
日当たりのよい畑や庭に多い
全体的にオヒシバより繊細な印象がある
穂が太く、株元が白く平たい場合はオヒシバ、穂や茎が細く、葉に毛が目立つ場合はメヒシバの可能性があります。
オヒシバとエノコログサの違い
エノコログサも、夏から秋に道端や庭でよく見られるイネ科植物です。
エノコログサの特徴は次のとおりです。
穂が円柱形
穂の周囲に長い毛が密生する
猫じゃらしのような形になる
茎の先端に基本的に一つの穂をつける
オヒシバほど株元が平たくない
オヒシバは複数の細長い穂が指状に開きます。猫じゃらしのような一本の穂であれば、エノコログサの可能性が高いでしょう。
オヒシバは雑草なの?
オヒシバは自然に生育する植物ですが、庭、芝生、畑などでは雑草として扱われます。
雑草になりやすい理由は次のとおりです。
暑い時期に急速に成長する
多数の種子をつくる
踏みつけに強い
硬い土でも発芽する
根が強く抜きにくい
芝生のすき間に入り込む
刈り込み後も低い位置で成長できる
畑では作物と水分や養分を奪い合います。また、水田の畦畔などに繁茂すると、害虫の隠れ場所になる場合があります。
庭に生えたオヒシバの駆除方法
オヒシバは大きくなるほど抜きにくくなります。穂が出る前の小さな株を取り除くことが、最も効果的です。
小さいうちに根から抜く
発芽直後から株が小さい時期であれば、比較的簡単に抜き取れます。
作業のポイントは次のとおりです。
雨の翌日など、土が湿った日に作業する
株元を低い位置で持つ
真上へゆっくり引き抜く
根が残らないよう確認する
抜いた株を土の上に放置しない
数週間後に新しい株がないか確認する
乾燥して硬くなった地面では、無理に引っ張らないようにします。
除草道具で株元を掘り取る
大きく成長したオヒシバは、手だけでは抜きにくくなります。
次のような道具を利用すると作業しやすくなります。
移植ごて
雑草抜き
除草フォーク
ねじり鎌
細い根切り道具
株の周囲へ道具を差し込み、土をほぐしてから根ごと持ち上げます。茎だけを切るのではなく、根元の成長点を取り除くことが重要です。
穂が出る前に刈り取る
広い範囲に生えている場合は、草刈りを行います。
草刈りのポイントは次のとおりです。
できるだけ穂が出る前に刈る
地面に近い位置で刈る
刈り取った草を回収する
再生した株を繰り返し刈る
穂がある株は種子を落とさないよう扱う
オヒシバは低い位置から穂を出すことがあります。草丈が低いからといって、種子をつけていないとは限りません。
防草シートを利用する
駐車場や通路など、植物を育てない場所では防草シートが有効です。
施工時のポイントは次のとおりです。
既存のオヒシバを根から取り除く
地面の凹凸をならす
耐久性のある防草シートを選ぶ
継ぎ目を十分に重ねる
端や固定穴をしっかりふさぐ
シートの上へ砂利を敷く
定期的に破れやすき間を確認する
オヒシバは、シートの継ぎ目や壁際から発芽することがあります。
除草剤を使用する
手作業で対応できない場合は、使用場所と対象雑草に適合する除草剤を検討します。
使用時の注意点は次のとおりです。
一年生イネ科雑草に対応した製品を選ぶ
オヒシバへの適用を確認する
草丈などの使用条件を守る
農耕地用と非農耕地用を区別する
周囲の作物や草花に薬液をかけない
強風や雨の日を避ける
子どもやペットを近づけない
同じ成分の製品だけを繰り返し使用しない
地域によっては、特定の除草剤が効きにくいオヒシバが確認されています。効果が不十分な場合でも、自己判断で濃度や使用回数を増やしてはいけません。
芝生に生えたオヒシバの駆除方法
芝生もオヒシバもイネ科植物です。そのため、除草剤の選び方を間違えると芝まで傷める可能性があります。
芝生での対策は次の順序で行います。
小さな株を見つけ次第抜く
大株は芝を傷めないよう株元から掘る
穂が出る前に除去する
抜いた部分へ目土を入れる
芝が薄い場所を補修する
土が硬い場合はエアレーションを行う
芝生の種類に使用できる除草剤だけを選ぶ
芝生が薄く、地面が露出している場所ではオヒシバが発芽しやすくなります。除草後は芝を健全に育て、空いた場所を早めに覆うことが予防につながります。
オヒシバを増やさないための予防法
オヒシバ対策では、新しい種子を地面へ落とさせないことが重要です。
予防のポイントは次のとおりです。
春から庭や畑を定期的に確認する
発芽したばかりの株を抜く
穂が出る前に除草する
穂のついた株を放置しない
土を必要以上に踏み固めない
芝生の裸地を補修する
花壇にマルチングを行う
防草シートのすき間を修復する
数年間継続して管理する
前年までに落ちた種子が土の中に残っていると、除草後も新しい株が発生します。一度の作業で終わらせず、定期的に確認しましょう。
オヒシバは食べられる?
オヒシバは、一般的な食用植物ではありません。近縁には穀物として利用される植物もありますが、野外に生えているオヒシバを食べることはおすすめできません。
主な理由は次のとおりです。
食用として栽培、管理されていない
ほかのイネ科植物と誤認する可能性がある
除草剤や農薬が付着している場合がある
道路や駐車場では汚染の可能性がある
動物の排せつ物などが付着していることがある
硬い葉や穂が口内を傷つける可能性がある
オヒシバは食材ではなく、野草として観察するにとどめましょう。
オヒシバに関するよくある質問
オヒシバは多年草ですか?
オヒシバは一年草です。通常は秋から冬に枯れますが、地面に落ちた種子から翌年も発芽します。
オヒシバはどこに生えますか?
道端、庭、畑、芝生、グラウンド、駐車場などに生えます。特に日当たりがよく、踏み固められた場所でよく見られます。
オヒシバの穂が出る時期はいつですか?
主に8~10月です。地域や気候によっては、これより早く穂をつけることもあります。
オヒシバとメヒシバは同じ植物ですか?
別の植物です。オヒシバは茎や穂が太く、株元が白く平たいのに対し、メヒシバは茎や穂が細く、葉や葉鞘に毛が多く見られます。
オヒシバはなぜ抜けないのですか?
細い根を密に張り、硬い地面へしっかり固定されるためです。大きな株は、移植ごてや除草フォークで土をほぐしてから抜きましょう。
オヒシバは草刈りだけで駆除できますか?
一度の草刈りでは、株元から再び葉や穂を伸ばすことがあります。穂が出る前の刈り取りを繰り返し、可能であれば根元も取り除きましょう。
オヒシバは除草剤が効かないことがありますか?
地域や個体群によっては、特定の除草剤が効きにくい場合があります。製品表示どおりに使用しても効果が不十分なときは、成分や防除方法を見直す必要があります。
オヒシバを庭で育ててもよいですか?
観賞価値が高い植物ではなく、多数の種子によって広がるため、積極的な栽培には向きません。庭で見つけた場合は、穂が出る前に除草するのが管理しやすい方法です。
まとめ
オヒシバは、日当たりのよい道端や庭、畑などに生えるイネ科の一年草です。踏みつけに強く、硬い地面へしっかり根を張ります。
主な特徴は次のとおりです。
草丈は約20~60cm
茎は太く扁平
株元が白っぽい
株全体が放射状に広がる
2~7本の太い穂を指状につける
8~10月ごろに穂が見られる
踏みつけや乾燥に強い
一年草だが種子で毎年発生する
メヒシバより太く頑丈
大きくなると手では抜きにくい
駆除の基本は、発芽後の小さな株を穂が出る前に根から抜くことです。成長した株は、除草道具で土をほぐしてから株元ごと取り除きます。
芝生では、オヒシバを抜いた後に芝を補修し、地面が露出した場所を減らすことも大切です。種子を新たに落とさせない管理を続け、翌年以降の発生を少しずつ減らしましょう。