ドロサンテマムの育て方|きらめく葉と鮮やかな花の特徴・種類を解説
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ドロサンテマムは、露の粒をまとったようにきらめく葉と、鮮やかな花が魅力の多肉植物です。小さな葉をつけた枝が広がり、開花期には株を覆うように花を咲かせる種類もあります。
南部アフリカ原産で、日当たりと水はけのよい環境を好みます。ただし、ドロサンテマムは一つの植物の名前ではなく属名であり、種類によって草姿や生育のリズム、寒さへの強さが異なります。
この記事では、ドロサンテマムに共通する特徴を紹介しながら、日本で育てる際の水やりや夏越し、代表的な種類について解説します。
ドロサンテマムの基本情報
植物名:ドロサンテマム
学名:Drosanthemum
科名:ハマミズナ科
属名:ドロサンテマム属
原産地:南アフリカ、ナミビアなどの南部アフリカ
園芸分類:多肉植物
生活型:多年草または低木状になるものが中心
草丈の目安:数cm〜60cm程度のものなど、種類によって異なる
開花期:春を中心に、種類や栽培環境によって異なる
花色:ピンク、紫、白、黄、オレンジ、赤など
観賞部分:葉、茎、花、株姿
主な用途:鉢植え、寄せ植え、ロックガーデン、グランドカバー
多肉植物の園芸では「メセン」と呼ばれる仲間の一つです。属全体を指す一般的な漢字名は、広く定着していません。
ドロサンテマムの特徴
葉の表面が露のように輝く
多くの種類では、葉や若い茎の表面に、透明感のある細かな突起が見られます。光が当たると、水滴やガラス粒をまとったように輝きます。
これは葉についた水滴ではなく、植物の表皮にある細胞によるものです。属名も、ギリシャ語の「露」と「花」に由来します。
葉の形は細い円筒状や短くふっくらしたものなどがあり、花のない季節にも質感を楽しめます。
細い花びらが広がる鮮やかな花
花は、細い花びらが放射状に広がるような姿をしています。キクに似て見えますが、キク科ではありません。
紫やピンクのほか、赤や黄色の花を咲かせる種類もあり、開花時には葉が隠れるほど華やかになることがあります。
晴れて暖かい時間帯に開き、夕方や曇天時には閉じる種類もあります。つぼみがあるのに花が開かない場合は、時間帯や天候も確認しましょう。
地面を這うものと、低木状になるものがある
ドロサンテマムには、地面を覆うように枝を伸ばす種類と、枝が立ち上がって低木状になる種類があります。
這う種類は鉢の縁から垂らしたり、排水のよい場所で地面を覆わせたりして楽しめます。一方、立ち上がる種類は、枝の姿や木質化した株元にも観賞価値があります。
購入する際は、属名だけでなく種類名まで確認すると、将来の姿をイメージしやすくなります。
ドロサンテマムの育て方
日当たり・置き場所
十分な光が届き、風通しのよい場所が基本です。日照不足になると、枝が間延びしたり、花つきが悪くなったりすることがあります。
ただし、室内や日陰で育てられた株を、急に強い直射日光へ移すと葉焼けする場合があります。明るい日陰から少しずつ日差しに慣らしましょう。
日本の真夏は、日光だけでなく高温多湿にも注意が必要です。西日で鉢が過熱する場所では、午後の強光を避け、空気が流れる位置に置きます。
用土
水が滞りにくく、根の周囲に空気が通る用土を使います。
鉢植えでは、市販の多肉植物用培養土を基本に、乾きにくい環境なら軽石などを加えて調整できます。ただし、排水性を優先しすぎると、小鉢や若い株では乾燥が速くなるため、置き場所とのバランスが大切です。
庭植えにする場合は、雨水がたまりやすい場所を避けます。雨の多い地域では、地植えよりも鉢植えのほうが水分を管理しやすいでしょう。
水やり|生育している時期
新しい葉や枝が伸びている時期は、用土の乾き具合を確認し、乾いたら鉢底から流れるまで水を与えます。受け皿に残った水は捨ててください。
多肉植物だからといって、長期間の断水がいつでも適しているわけではありません。小さな葉が著しくしぼむほど乾燥させると、回復に時間がかかったり、枝が枯れたりすることがあります。
種類、株の大きさ、気温、用土の乾き方を見ながら、水やりの間隔を調整しましょう。
水やり|高温期や生育が鈍る時期
暑さで生育が鈍っている株は、水の消費も少なくなります。土が湿ったまま追加で水を与えず、根元が長く蒸れないようにします。
一方、すべての種類を夏に完全断水する方法も適切ではありません。葉や枝の状態を確認し、極端な乾燥を避けながら管理します。
腰水は鉢内を常に湿らせやすいため、属全体に共通する通常管理として取り入れるのは避け、用土や生育状態に合わせて判断してください。
肥料
肥料は控えめで十分です。生育している時期に、製品表示に従って薄めた液体肥料を少量与えるなどして調整します。
肥料を多く与えると、枝葉が伸びすぎて株姿が乱れることがあります。高温期に生育が止まっている株や、根が傷んでいる株には施肥しません。
植え替え
根詰まりや用土の劣化が見られたら植え替えます。水がしみ込みにくい、乾き方が極端に速い、根が鉢底から多く出ているといった状態が目安です。
厳しい暑さや寒さを避け、株が生育する穏やかな時期に行います。種類によって生育期が異なるため、月だけで決めず、新芽の動きも確認しましょう。
植え替え後は強光と過湿を避け、根が落ち着いてから通常の管理に戻します。
夏越し・冬越しのポイント
夏越しは長雨と蒸れを避ける
乾燥した夏を経験する地域に自生する種類では、日本の梅雨や蒸し暑い夏が負担になることがあります。
長雨が続くときは、雨の当たりにくい場所へ移す
鉢を密集させず、風の通り道を確保する
枯れ葉や花がらをためない
鉢が熱くなる強い西日を避ける
生育が鈍いときは、水や肥料を増やさない
雨よけをしても、密閉された場所では温度と湿度が上がります。屋根と通気を両立させることが大切です。
冬越しは種類による耐寒性の違いに注意
軽い霜に耐える種類もありますが、属全体に同じ耐寒温度を当てはめることはできません。
種類や耐寒性が不明な株は、まず霜や凍結を避けて管理するのが無難です。寒冷地では、明るく凍らない場所で越冬させましょう。
冬に生育する種類もあるため、「寒い季節は必ず休眠する」と決めつけず、葉や新芽の状態を見ながら水やりします。
剪定・切り戻し
花後に株姿を整える
花が終わったら、枯れた花がらや傷んだ枝を取り除きます。伸びすぎた枝は、葉の残る部分で軽く切り戻すと、株姿を整えやすくなります。
株元が古く木質化し、葉がほとんどない部分まで一度に切り詰めると、回復しにくい場合があります。深い切り戻しより、元気な枝を残す手入れを心がけましょう。
古株は挿し木で更新する
長く育てると、枝が木質化して花つきが落ちたり、株元が寂しくなったりする種類があります。
元気なうちに挿し木で若い株をつくっておくと、姿が乱れた際に更新できます。株全体を強く剪定する前に、予備の苗を確保しておくと安心です。
ドロサンテマムの増やし方
挿し木
健康な枝を使い、穏やかな生育期に挿し木します。
病害虫のない枝を選んで切り取る
用土に埋まる部分の葉を取り除く
切り口の状態を整え、清潔で水はけのよい用土に挿す
明るい日陰で、過湿と極端な乾燥を避ける
発根して新しい成長が見られたら、徐々に日光に慣らす
葉が小さく枝が細いものは乾燥しやすいため、ほかの大型多肉植物と同じ感覚で、長期間乾かし続けないようにします。
種まき
種子からも増やせます。細かな種子は厚く覆土せず、清潔で排水性のよい用土にまきます。
発芽までは乾かしすぎず、細かな霧や静かな給水で種を流さないように管理します。発芽後は、蒸れを避けながら徐々に光に慣らします。
適した温度や時期は種類によって異なるため、種子の販売元の説明も確認しましょう。
代表的な種類・品種
ここでは、園芸品種ではなく、ドロサンテマム属の代表的な「種」を紹介します。国内での流通量には違いがあります。
ドロサンテマム・フロリブンダム
学名:Drosanthemum floribundum
低く地面を這うように広がり、春に紫から藤色の花を多数咲かせる種類です。小さな多肉質の葉を密につけ、鉢の縁から垂れる姿も楽しめます。雨の多い地域では、排水性と梅雨時の管理が重要です。
ドロサンテマム・スペキオスム
学名:Drosanthemum speciosum
高さ60cmほどになることもある低木状の種類で、赤、黄、オレンジなどの鮮やかな花が魅力です。南アフリカでは春の花景色をつくる植物として知られます。古株は木質化するため、挿し木での更新にも向きます。
ドロサンテマム・ビカラー
学名:Drosanthemum bicolor
黄色を基調に、花びら状の部分の先端が赤褐色を帯びる、色の対比が美しい種類です。暖かく晴れた日に花が開き、夕方には閉じます。花色を楽しむには、十分な日照と水はけのよい環境を確保しましょう。
病害虫と栽培中のトラブル
根腐れ・株元の腐敗
土が長く湿った状態や、高温時の蒸れに注意します。株元が黒く軟らかくなる、湿った土でも葉がしおれるといった症状が見られたら、根や茎の状態を確認してください。
傷んだ部分は元に戻らないため、健全な枝が残っていれば挿し木での救済を検討します。
カイガラムシなどの害虫
枝の分かれ目や株元など、見えにくい場所を定期的に点検します。白い綿状のものや、不自然な付着物があれば、植物本来の表皮の突起と区別して確認しましょう。
少数のうちに除去し、薬剤を使う場合は、対象植物や害虫への適用を確認します。
枝が伸びるのに花が咲かない
開花しない場合は、まず種類ごとの開花期と株の成熟度を確認します。そのうえで、次の条件を見直しましょう。
日照が不足していないか
肥料を与えすぎていないか
花芽がつく枝を繰り返し切っていないか
根詰まりや根の傷みがないか
花が閉じているだけの場合もあるため、晴れた日の日中にも観察してみてください。
ドロサンテマムの楽しみ方
葉のきらめきを近くで観賞する
花だけでなく、葉の表面の輝きも魅力です。やわらかな光が横から当たる位置で見ると、細かな突起が浮かび上がります。
鉢植えなら、日照を確保できる範囲で、葉を近くから眺められる場所に置くとよいでしょう。
鉢の縁から枝を垂らす
這う種類は、鉢の縁から自然に垂らすと、花と葉の広がりを楽しめます。寄せ植えでは、枝が広がる余地を残し、日照や水分の好みが近い植物と組み合わせます。
地植えで広く覆わせる場合も、見た目だけでなく、その地域の降雨や冬の冷え込みに適しているかを確認してください。
まとめ
ドロサンテマムは、露のように輝く葉と、鮮やかな花を楽しめる多肉植物です。這うものから低木状になるものまであり、種類によって異なる魅力があります。
栽培では、十分な光と水はけを確保しながら、過湿と極端な乾燥を避けましょう。特に日本では、梅雨から夏の蒸れへの対策が大切です。
属名だけで管理を決めず、種類名と株の生育状態を確認することが、長く育てるためのポイントになります。