クロタケ(黒竹)の育て方|黒い稈の魅力と剪定・地下茎対策を解説
クロタケは、黒く色づく稈と、涼しげな緑の葉の組み合わせが美しい竹です。一般には「クロチク」という名前で知られ、和風庭園や坪庭、玄関まわりの植栽などに利用されています。
新しく伸びた稈は緑色ですが、時間をかけて黒紫色から黒色へと変化します。この色の移り変わりも、クロタケならではの魅力です。
一方で、地下茎を伸ばして広がる性質があるため、庭に植える場合は植栽範囲を管理する必要があります。この記事では、クロタケの特徴から育て方、剪定、増えすぎを防ぐ方法までを紹介します。
クロタケの基本情報
植物名:クロタケ
一般的な名称:クロチク
漢字名:黒竹
学名:Phyllostachys nigra
科名:イネ科
属名:マダケ属
原産地:中国
園芸分類:常緑のタケ類
高さの目安:3〜5m程度。環境によってはさらに大きくなる
主な観賞部分:稈、葉、株姿
開花:まれに開花する
主な用途:庭植え、坪庭、目隠し、鉢植え、竹材
竹の地上に伸びる茎は、専門的には「稈(かん)」と呼びます。クロタケは木のような姿になりますが、植物の分類ではイネ科の仲間です。
クロタケの特徴
時間をかけて黒くなる稈
クロタケの最大の特徴は、成熟した稈の黒い色です。
地面から出たばかりの稈は緑色で、次第に黒紫色の斑点が現れ、一般には1〜2年ほどかけて黒さが増していきます。色づく速さや濃さには、環境や個体による違いがあります。
新しい稈が緑色でも、すぐに別の竹と判断する必要はありません。若い緑の稈と、成熟した黒い稈が並ぶ姿も楽しめます。
細い稈と葉がつくる軽やかな景観
細く立ち上がる稈と、風に揺れる葉が、庭に涼しげな雰囲気をもたらします。
明るい色の壁や砂利を背景にすると、黒い稈が引き立ちます。和風の庭だけでなく、石やコンクリートを使った現代的な外構にも合わせやすい植物です。
ただし、葉が混み合いすぎると稈が見えにくくなるため、適度に間引いて見せ方を整えるとよいでしょう。
地下茎によって植えた場所の外へ広がる
クロタケは、地下茎を横へ伸ばし、その先から新しい稈を出します。
植え付け直後はおとなしく見えても、根づいてから離れた場所に芽を出すことがあります。株元だけを見ていると、地中での広がりに気づけません。
小さな庭や隣地境界付近では、植える前の地下茎対策が重要です。
常緑でも葉は落ちる
クロタケは一年を通して緑を保ちますが、葉がまったく落ちないわけではありません。葉の更新に伴って古い葉が落ちるほか、乾燥や寒風によって落葉が増えることもあります。
玄関や通路の近くに植える場合は、落ち葉を掃除しやすい配置にすると管理が楽になります。
クロタケの育て方
日当たり・植える場所
日なたから半日陰で育てられます。日当たりがよく、適度な湿り気があり、風が通る場所が基本です。
極端に暗い場所や、乾いた強風が吹き続ける場所は避けましょう。鉢植えでは、夏の強い西日で鉢が高温になり、水切れしやすくなる点にも注意します。
植える場所は、現在の苗の大きさだけでなく、将来の高さと地下茎の広がりを考えて決めてください。
用土・土づくり
水はけがよく、適度に水分を保てる土が適しています。
庭植えでは、土が固く締まっている場合は植え付け範囲を耕し、完熟腐葉土などを混ぜて土の状態を整えます。雨のあとに長く水がたまる場所は避けましょう。
鉢植えには、水はけと保水性のバランスがよい庭木用培養土などを利用できます。底穴のある丈夫な鉢を選びます。
植え付け
厳しい暑さや寒さを避け、春や秋の穏やかな時期に植え付けます。寒冷地では、冬までに根づく時間を確保しやすい春が扱いやすいでしょう。
根鉢を極端に崩さず、元の地際の高さに合わせて植えます。植え付け後は十分に水を与え、ぐらつく場合は支柱で支えます。
庭植えで防根材を使う場合は、植え付け前に設置しておきます。
水やり|庭植え
植え付け直後は、根鉢と周囲の土の乾き具合を確認し、乾燥する前にしっかり水を与えます。
十分に根づいたあとは降雨を基本としますが、雨が少ない時期や真夏の乾燥時には補います。土の表面だけを少量ずつ濡らすのではなく、根のある範囲に水が届くように与えましょう。
水やり|鉢植え
鉢植えは根が使える土の量が限られるため、庭植えより水切れしやすくなります。
表土が乾き始めたら、鉢底から流れ出るまで水を与えます。夏は朝に確認し、夕方にも乾いているようなら追加します。
受け皿の水はため続けず、冬も土の乾燥を確認してください。葉が丸まる場合は乾燥の可能性がありますが、土が湿っているなら、根詰まりや根の傷みも疑います。
肥料
春の生育が始まるころを中心に、必要に応じて緩効性肥料などを控えめに与えます。量や施用間隔は製品表示に従いましょう。
庭植えで十分に生育している株は、多量の肥料を必要としません。施肥を増やすと新しい稈が増え、管理の負担が大きくなる場合があります。
地下茎の広がりを抑える方法
庭植えでは竹に対応した防根材を使う
植栽範囲を囲む場合は、竹の地下茎に対応した防根シートや遮根板を使用します。
重要なのは、材料の強度だけでなく、継ぎ目、設置深さ、上端の処理です。薄い鉢底ネットや一般的な防草シートを埋めるだけでは、地下茎対策として十分ではありません。
設置は製品の施工要領に従い、上端を地表から出して、地下茎が乗り越えていないか点検できる状態にします。土や落ち葉で上端が埋まらないように管理しましょう。
防根材を設置しても点検を続ける
防根材は、設置すれば永久に管理不要になるものではありません。
継ぎ目に隙間ができていないか
地下茎が上端を越えていないか
囲いの外に新芽が出ていないか
材料が劣化・変形していないか
こうした点を定期的に確認します。範囲外に芽が出た場合は、地上部を切るだけでなく、つながる地下茎の位置を確認して対処します。
小さなスペースでは大型鉢も選択肢
地下茎の管理が難しい場所では、大型鉢や丈夫なプランターで楽しむ方法があります。
ただし、鉢底穴から地下茎が伸びたり、根詰まりで鉢が傷んだりすることがあります。鉢は点検しやすい場所に置き、植え替えや株分けを続けましょう。
クロタケの剪定・手入れ
古い稈や混み合う稈を根元から間引く
黒い稈を美しく見せるには、株全体を一律に刈り込むより、不要な稈を選んで減らす方法が向いています。
枯れた稈
傷んだ稈
極端に細く弱い稈
内側で混み合う稈
残したい稈と接触する稈
これらを根元近くから切り、風と光が入るように整えます。切り株を高く残すと足に当たりやすいため、作業後の地際も確認しましょう。
高さは稈ごとに調整する
高くなりすぎた稈は、新しい稈の伸長が落ち着いてから、残したい高さの節のすぐ上で切ります。葉のある枝を残し、株のバランスを見ながら整えましょう。
一度先端を切った稈は、その先端が元どおり上へ伸び続けるわけではありません。ただし、翌年以降に地下茎から出る新しい稈は別に伸びるため、高さの管理は継続して必要です。
下枝を整理して黒い稈を見せる
地際付近の細い枝を適度に取り除くと、稈の黒さや節の並びが見えやすくなります。
葉を減らしすぎると株の負担になるため、一度に大きく整理せず、見え方を確認しながら少しずつ行ってください。
植え替え・増やし方
鉢植えは根詰まりを確認する
水がしみ込みにくい、すぐに乾く、鉢底から根や地下茎が多く出るといった状態は、植え替えを検討する目安です。
生育状態に合わせて一回り大きな鉢へ移すか、株分けして大きさを調整します。長期間放置すると根鉢が固まり、鉢から抜きにくくなることがあります。
増やす場合は株分けする
家庭では、地下茎と根のついた株を分けて増やす方法が一般的です。
芽や根を十分に残し、小さく分けすぎないようにします。作業中は根を乾かさず、植え付け後は水切れと強風を避けて養生してください。
切り取った稈だけを土に挿しても、通常の挿し木のように簡単に増やせるわけではありません。
代表的な品種・関連する竹
クロチク(黒竹)
稈が緑色から黒紫色、黒色へ変わる基本的なタイプです。黒い稈と緑の葉の対比が美しく、坪庭や鉢植えで親しまれます。若い稈は緑色なので、成熟した稈を残しながら更新すると観賞しやすくなります。
メグロチク(目黒竹)
クロチクの品種として扱われ、緑色の稈に対して芽溝の部分が紫黒色になるのが特徴です。稈全体が黒くなるクロチクとは異なり、縦方向の色の対比を楽しめます。地下茎の広がりには同様の管理が必要です。
病害虫と栽培中のトラブル
カイガラムシやアブラムシ
枝や葉にカイガラムシ、アブラムシなどが発生することがあります。株が混み合わないようにし、葉裏や枝の付け根を点検しましょう。
ベタつきや、すすのような汚れが見られる場合は、害虫の排泄物が関係している可能性があります。薬剤を使う際は、対象植物と害虫への適用を確認します。
新しい稈が黒くならない
出たばかりの稈が緑色なのは、通常の状態です。黒くなるまでには時間がかかります。
まずは稈が出てからの期間を確認し、健全に育っていれば経過を見守りましょう。黒くしたいからといって、乾燥させたり肥料を多く与えたりする必要はありません。
葉が黄色くなる・落ちる
古葉の更新による自然な落葉のほか、水切れ、過湿、根詰まり、寒風などが原因になります。
一部の古い葉だけなのか、株全体が急に変色しているのかを見分け、土の状態や新芽の様子と合わせて判断してください。
花が咲いたあとの衰弱
竹はまれに開花し、その後に衰弱したり、枯死したりする場合があります。ただし、クロタケの開花を「必ず何年ごと」と単純に予測することはできません。
開花後は株や地下茎の状態を観察し、新しい芽の発生を確認します。肥料を増やせば回復するとは限らないため、過湿や乾燥を避けながら管理しましょう。
まとめ
クロタケは、成熟とともに黒くなる稈と、軽やかな緑の葉が美しい竹です。適度な間引きや下枝の整理によって、落ち着いた株姿を楽しめます。
栽培では、植える前に地下茎への対策を考えることが大切です。庭植えは防根材と定期的な点検を組み合わせ、鉢植えは水切れや根詰まりに気を配りましょう。
成長に合わせて手入れを続けることで、クロタケならではの黒い稈を庭のアクセントとして楽しめます。