ヨルガオの育て方|夜に咲く白い花の魅力とユウガオとの違い
ヨルガオは、夕方から夜にかけて大きな白い花を咲かせるつる植物です。花には芳香があり、夏から秋の夕涼みに楽しむ植物として親しまれています。
「白花夕顔」「ユウガオ」の名前で販売されることもありますが、かんぴょうの原料になるウリ科のユウガオとは別の植物です。
この記事では、ヨルガオの特徴と育て方、つるの管理、夜に咲く花の楽しみ方を紹介します。
ヨルガオの基本情報
植物名:ヨルガオ
漢字名:夜顔
学名:Ipomoea alba
別名・流通名:白花夕顔、ユウガオ、ムーンフラワー
科名:ヒルガオ科
属名:サツマイモ属。旧分類ではヨルガオ属とする資料もある
原産地:熱帯~亜熱帯アメリカ
生活形:つる性多年草。日本では通常、一年草として栽培
つるの長さ:数mに伸びる
開花時期:夏~秋
花色:白
花径:およそ10~15cm
種まき時期:5~6月ごろ
日照:日なた
耐暑性:強い
耐寒性:弱い
主な用途:フェンス、トレリス、鉢植え、グリーンカーテン
種まきや開花の時期は、地域や生育条件によって変わります。
ヨルガオの特徴
夕方から夜に開く大きな白い花
ヨルガオは、夕方の薄暗くなるころから花を開き、翌朝にはしぼむ性質があります。開花する時刻や花が残る時間は、気温や天候などによって前後します。
つぼみがほどけるように開いていく様子も見どころです。日中の庭では気付きにくい、夜咲きの花ならではの魅力があります。
白い花と芳香を楽しめる
大輪の白い花は、夕暮れの薄暗い庭でも目に留まりやすくなります。芳香もあり、花の近くで過ごすと香りを楽しめます。
窓辺やテラスから見える位置に誘引すると、夜に庭へ出なくても花を観賞しやすくなります。
暑さに強く、つるがよく伸びる
暖かい時期には、つるを勢いよく伸ばします。葉は大きく、ハート形を基本に、切れ込みのあるものも見られます。
自分の茎を支柱などへ巻き付けて登るため、ネットやトレリスを用意して育てます。周囲の植物や設備へ絡む前に誘引することが大切です。
ヨルガオとユウガオの違い
かんぴょうのユウガオはウリ科
園芸店で「夕顔」として売られる白花のつる植物は、ヨルガオであることがあります。一方、植物名としてのユウガオは、かんぴょうの原料になるウリ科の植物です。
ヨルガオ:ヒルガオ科。大きな白い花を観賞する
ユウガオ:ウリ科。大きな果実を付け、かんぴょうなどに利用される
ヨルガオを育てても、かんぴょうになる大きな実はできません。購入するときは、名前だけでなく科名や学名を確認しましょう。
アサガオとは開花する時間が異なる
アサガオとヨルガオは、どちらもヒルガオ科のつる植物ですが、一般的に花を楽しめる時間帯が異なります。
アサガオ:主に早朝から午前中
ヨルガオ:主に夕方から夜、翌朝まで
両方を育てると、朝と夕方で異なる花を楽しめます。ただし、つるが混み合わないよう、それぞれの生育スペースを確保します。
ヨルガオの品種・流通名
白花夕顔
国内で広く販売されるヨルガオの代表的な流通名です。夕方に開く大輪の白い花と芳香が特徴で、フェンスや緑のカーテンに利用できます。単一の園芸品種名とは限らず、かんぴょうのユウガオとは別の植物です。
ヨルガオは、アサガオほど多数の名前付き品種が一般に流通している植物ではありません。「ムーンフラワー」という英名も別の植物に使われることがあるため、学名の確認が役立ちます。
ヨルガオの育て方
日当たりと置き場所
日当たりと風通しのよい場所で育てます。夜に咲く植物ですが、昼間の日光は生長に欠かせません。
日照不足ではつるが間延びし、花付きが悪くなる場合があります。鉢植えは、夏に鉢が熱くなりすぎないようにしながら、十分な光を確保します。
つるが数mに伸びることを想定し、通路や隣家へはみ出しにくい場所を選びましょう。
用土と植え付け
適度な保水性があり、余分な水が抜ける土が適しています。
庭植え:植え場所を耕し、必要に応じて完熟堆肥などを混ぜる
鉢植え:草花用培養土などを使い、根が伸びる容量を確保する
水がたまりやすい場所:盛り土や高畝で排水を改善する
苗は、遅霜の心配がなくなってから植え付けます。根鉢を大きく崩さずに植え、十分に水を与えます。
種まき
ヨルガオは暖かい環境で発芽するため、十分に気温が上がってから種をまきます。早くまきすぎると、発芽が遅れたり種が腐ったりすることがあります。
種皮が硬いため、種袋の指示に従って吸水させると発芽をそろえやすくなります。処理済みの種子もあるので、すべての種に追加の処理が必要とは限りません。
清潔な種まき用土を使う
種袋の案内に従って覆土する
発芽までは乾燥させすぎない
発芽後は十分に日に当てる
苗が小さいうちから支柱を用意する
種皮を傷付ける処理をする場合は、内部まで傷めないように注意します。
庭植えの水やり
植え付け直後は、根づくまで土の乾燥を確認します。根づいたあとは降雨を基本にし、雨が少なく、土の内部まで乾く場合に水を補います。
葉が多く茂る夏は水の消費も増えます。表面を軽くぬらすだけでなく、必要な水を根の周囲へ届けましょう。
鉢植えの水やり
土の表面が乾いてきたら、内部の状態も確認して水を与えます。一回の水やりで用土全体を湿らせ、受け皿に残った水は捨てます。
夏は朝に確認し、夕方にも乾いている場合は追加します。朝夕必ず二回という決まりではなく、鉢の大きさや葉の量、天候に合わせて判断します。
肥料
植え付け時に適量の元肥を施し、その後は生育を見ながら追肥します。鉢植えでは肥料分が流れやすいため、草花用肥料などを表示どおりに使います。
窒素分が多すぎると、葉やつるばかりが茂ることがあります。花が少ない場合は、肥料不足だけでなく、日照や生育段階も確認しましょう。
つるの誘引と摘心
早めにネットや支柱へ誘引する
つるが伸び始めたら、支柱やネットへ導きます。必要に応じて柔らかいひもで緩く固定し、茎を締め付けないようにします。
若いつるは傷みやすいため、無理に引っ張ったり、絡んだつるを強くほどいたりしないようにしましょう。
摘心で枝数を調整する
主なつるが十分に伸びた段階で先端を摘むと、わき芽が伸び、枝数を増やしやすくなります。
ただし、摘心は必須ではありません。小さな株を繰り返し切ったり、開花直前につぼみの付いたつるを大量に切ったりすると、花を楽しむ時期が遅れる場合があります。
混み合う部分を整理する
葉が重なりすぎると、内側の風通しが悪くなります。枯れ葉や傷んだ葉、不要な方向へ伸びたつるを整理します。
グリーンカーテンでは、葉を密集させすぎず、全体へつるを分散させることがポイントです。
ヨルガオの楽しみ方
夕涼みの庭やベランダに
夕方に過ごすテラスや、室内から見えるフェンスに誘引すると、花と香りを楽しみやすくなります。
花を近くで見たい場合は、つるを高く伸ばすだけでなく、目線の高さにも横へ誘引しましょう。
グリーンカーテンとして
大きな葉と旺盛なつるの伸びを生かし、窓辺の日よけにも利用できます。
葉が茂ったネットは風を受けるため、支柱や固定部分をしっかり設置します。避難経路や換気口をふさがないようにし、強風前には状態を確認しましょう。
花が開く瞬間を観察する
夕方、ふくらんだつぼみがある日は、少し時間を置いて観察すると、開花の変化を楽しめます。
開く時刻は毎日同じとは限りません。天候や気温も記録すると、植物と環境の関係を知るきっかけになります。
種採りと翌年への準備
熟した実から種を採る
花後に結実した場合は、実が褐色になり、十分に乾いてから種を採ります。未熟な実を早く摘むと、翌年の発芽につながらない場合があります。
採った種はよく乾かし、植物名と採取年を書いて、涼しく乾燥した場所に保管します。
寒冷地や開花が遅かった株では、寒くなるまでに種が成熟しないこともあります。
日本では一年草として育てるのが一般的
原産地では多年草ですが、日本の多くの地域では冬の寒さに耐えられず枯れます。家庭では、翌春に種をまき直す方法が一般的です。
栽培を終えたつるは、ネットを傷めないように切り分けて片づけます。こぼれ種を増やしたくない場合は、不要な実を早めに取り除きましょう。
ヨルガオの病害虫と注意点
葉裏や新芽を確認する
アブラムシやハダニ、葉を食べる幼虫などが発生する場合があります。葉の変色や穴を見つけたら、葉裏やつるの先端も確認します。
葉が茂ると被害を見落としやすいため、誘引や水やりの際に観察しましょう。
観賞用として扱い、種を食べない
ヨルガオは、ウリ科のユウガオと混同せず、観賞用として扱います。種子などを口に入れないようにし、採種したものも食品とは分けて保管してください。
子どもと種まきをする場合は、作業後に手を洗い、余った種を手の届かない場所へ片づけます。
ヨルガオの栽培でよくある疑問
つるばかり伸びて花が咲かないのはなぜですか?
株がまだ若い、日照が足りない、窒素分が多すぎるなどの原因が考えられます。開花の時期は日長や気温にも影響されるため、つるが伸び始めてすぐに咲くとは限りません。
まずは日当たりと肥料の量を確認し、葉が健全であれば生育を見守ります。
朝に花が残っていてもヨルガオですか?
ヨルガオの花は、夕方から翌朝にかけて開きます。曇天や涼しい日には、朝まで花が残ることがあります。
一度見た時刻だけで判断せず、夕方からの開花の様子や、葉・つるの特徴も確認しましょう。
小さな鉢でも育てられますか?
育てることはできますが、つると葉が増えると水切れしやすくなります。十分に花を楽しむには、根が伸びる容量を確保できる鉢やプランターを選ぶと管理しやすくなります。
まとめ
ヨルガオは、夕方から夜に咲く白い大輪花と芳香を楽しめるつる植物です。昼間は十分に日に当て、支柱やネットへ早めに誘引しながら育てます。
「夕顔」の名前で販売されることがありますが、かんぴょうの原料となるユウガオとは別の植物です。種類を確かめて取り入れ、夏から秋の夕暮れに咲く花を楽しみましょう。