チドメグサ(血止草)とは?特徴・名前の由来・似た植物との違い・駆除方法
チドメグサとは?特徴・名前の由来・似た植物との見分け方・芝生での駆除方法を解説
チドメグサは、庭や芝生、水田のあぜなどに生えるウコギ科の多年草です。丸みのある小さな葉を広げ、細い茎を地面にはわせながらマット状に増えていきます。
小さな葉にはかわいらしさがありますが、茎の節から次々に根を出すため、芝生に入り込むと取り除きにくい雑草になることがあります。
この記事では、チドメグサの特徴や名前の由来、ノチドメやオオチドメとの見分け方、庭や芝生での駆除方法について詳しく解説します。
チドメグサとは
チドメグサは、本州以南の湿った場所に広く分布する多年草です。かつてはセリ科に分類されていましたが、現在はウコギ科として扱われるのが一般的です。
基本情報は次のとおりです。
和名:チドメグサ
漢字表記:血止草
学名:Hydrocotyle sibthorpioides
科名:ウコギ科
旧分類:セリ科
属名:チドメグサ属
分類:多年草
分布:本州、四国、九州、沖縄など
草丈:約5~10cm
開花時期:6~10月ごろ
花色:緑白色、淡緑色
主な繁殖方法:ほふく茎と種子
地面をはうため高さはあまり出ませんが、横方向へ広がって密生します。
チドメグサの名前の由来
チドメグサという名前は、生の葉を揉んで傷口へ当てると血が止まるとされ、民間で利用されてきたことに由来します。
ただし、野生植物の葉を傷口へ直接当てる方法はおすすめできません。
野生の葉には、次のようなものが付着している可能性があります。
土壌中の細菌
動物の排せつ物
農薬や除草剤
寄生虫
汚れや異物
切り傷ができた場合は、清潔な水で洗い、清潔なガーゼなどで圧迫して止血します。出血が止まらない場合や傷が深い場合は、医療機関を受診してください。
チドメグサの特徴
茎の特徴
茎は非常に細く、地表をはうように伸びます。茎の節から根と葉を出し、新しい株を形成します。
茎は地面を横に伸びる
茎の節から根を出す
複数に枝分かれする
地表を覆うように広がる
茎が切れても、根のある部分から再生する
湿った場所では成長が速い
芝刈りで葉だけを切っても、地表近くの茎と根が残るため再び葉を出します。
葉の特徴
葉は小さな円形から腎臓形で、長い葉柄の先に一枚ずつつきます。
葉の直径は約0.5~1.5cm
葉の基部はハート形にくぼむ
葉の縁に浅い切れ込みがある
切れ込みは通常5~7個程度
葉の表面には光沢がある
葉や葉柄には毛がほとんどない
葉柄が茎から立ち上がる
上から見ると、小さな丸い葉が地面に多数浮かんでいるように見えます。
花の特徴
花は非常に小さく、葉の下に隠れるように咲きます。
緑白色の小花をつける
花は数個から十数個集まる
花序は小さな球形になる
花柄は葉柄より短い
花序が葉より低い位置につく
花弁は5枚あるが、肉眼では目立ちにくい
花が咲いていても、近くから注意して観察しなければ気づかないことがあります。
果実と種子の特徴
花が終わると、小さく平たい果実ができます。果実は熟すと分かれ、中にある種子が周囲へ落ちます。
チドメグサは種子でも増えますが、庭や芝生で急速に広がる主な原因は、節から発根するほふく茎です。
チドメグサが生える場所
チドメグサは、やや湿り気のある土を好みます。乾燥した場所よりも、日陰や水分の多い場所で増えやすい植物です。
主な生育場所は次のとおりです。
庭
芝生
公園
水田のあぜ
湿った道端
石垣の周辺
側溝の近く
植木鉢の周囲
日陰の花壇
水やりの多い場所
芝生では、水はけが悪い場所や日当たりの弱い場所に集中して生えることがあります。
チドメグサの生育サイクル
チドメグサは多年草のため、冬に地上部が少なくなっても、茎や根が残っていれば再び成長します。
一般的な生育サイクルは次のとおりです。
春:越冬した茎や種子から葉を出す
初夏:ほふく茎を伸ばして広がる
夏から秋:小さな花を咲かせる
秋:果実をつけ、種子を落とす
晩秋から冬:成長が緩やかになる
冬:根や茎の一部が残って越冬する
暖かい地域や霜の当たりにくい場所では、冬でも緑色の葉が残ることがあります。
チドメグサが芝生で増える理由
チドメグサは草丈が低いため、通常の芝刈りでは生長点やほふく茎を取り除けません。
芝生で増えやすい理由は次のとおりです。
地表近くをはうため芝刈りを避けやすい
茎の節ごとに根を出す
切れた茎から再生する
湿った土を好む
芝が薄くなった場所へ入り込む
日陰でも生育できる
踏みつけに比較的強い
小さく目立たないため発見が遅れる
芝生の密度が低下し、地表に隙間ができると広がりやすくなります。
チドメグサとノチドメの違い
ノチドメはチドメグサによく似た多年草です。どちらも地面をはいますが、葉の切れ込みや毛の有無に違いがあります。
チドメグサ
葉は直径0.5~1.5cmほど
葉の切れ込みが浅い
葉は円形に近く見える
葉や葉柄に毛がほとんどない
茎は地面に沿って平らに広がる
花柄は短く、花が葉の下に隠れやすい
湿った庭や芝生に多い
ノチドメ
葉は直径2~3cmほどになる
葉の切れ込みが深い
葉が花弁のように分かれて見える
葉の裏や葉柄に毛がある
茎の先端がやや立ち上がる
道端や野原にも多い
最も確認しやすいポイントは、葉の切れ込みです。浅く丸い葉ならチドメグサ、深く切れ込んでいればノチドメの可能性があります。
チドメグサとオオチドメの違い
オオチドメは、チドメグサよりも葉が大きい多年草です。
チドメグサ
葉の直径は約0.5~1.5cm
花柄は葉柄より短い
花序は葉より低い位置につく
茎全体が地面に沿って広がる
人家周辺や芝生に多い
オオチドメ
葉の直径は約1.5~3cm
葉には比較的強い光沢がある
葉の切れ込みは浅い
花柄が葉より高く伸びる
花序が葉の上に出る
水田のあぜや湿った草地に生える
花が確認できる場合は、花序が葉より上に出ているかどうかが重要な識別点です。
チドメグサとヒメチドメの違い
ヒメチドメは山地や湿った場所に生える小型の多年草です。チドメグサと同じように、地面をはって広がります。
チドメグサ
人家周辺や芝生に多い
葉の切れ込みは浅い
葉は比較的厚く、光沢がある
花柄は短い
葉が円形に近く見える
ヒメチドメ
山地や湿った林内に多い
葉の切れ込みがやや深い
葉が薄く、繊細に見える
株全体が小さい
湿度の高い自然環境に生育する
葉の大きさだけでは区別しにくいため、生育場所や花序の位置も確認します。
チドメグサとカキドオシの違い
カキドオシの若い株も、丸い葉を地面に広げるためチドメグサと間違われることがあります。
チドメグサ
葉は一枚ずつ互い違いにつく
葉は直径0.5~1.5cmほど
茎は細く、柔らかい
花は緑白色で非常に小さい
強い香りはない
カキドオシ
葉は茎に向かい合ってつく
葉はチドメグサより大きい
茎の断面は四角形
春に紫色の唇形花を咲かせる
葉を揉むとシソ科特有の香りがする
紫色の花や葉のつき方を確認すれば、比較的簡単に区別できます。
ブラジルチドメグサとの違い
ブラジルチドメグサは、南アメリカ原産の大型の水生植物です。日本在来のチドメグサとは異なり、水面を覆うように急速に広がります。
チドメグサ
日本に自然分布する植物
葉は直径0.5~1.5cmほど
庭や芝生、湿った地面に生える
地面をはう小型の多年草
花は葉より低い位置につく
ブラジルチドメグサ
南アメリカ原産の外来植物
葉が数cm以上と大型
河川や水路などの水面に広がる
太い茎を水面へ伸ばす
日本では規制対象となる特定外来生物
大型のチドメグサ類を水辺で見つけても、自己判断で持ち帰ったり、別の水域へ移したりしてはいけません。
チドメグサは雑草なのか
チドメグサは日本に自然分布する身近な植物です。水田のあぜなどでは、生物多様性を確認するための指標植物の一つとして扱われることもあります。
ただし、チドメグサがあるだけで、必ず環境が良好である、農薬が使われていないと判断できるわけではありません。
庭や芝生では、次のような理由で雑草として扱われます。
芝の間をマット状に覆う
ほふく茎が芝の根元に絡む
芝刈りだけでは取り除けない
湿った場所から周囲へ広がる
花壇の小さな植物と競合する
生えている場所や庭の利用目的に合わせて、残すか取り除くかを判断しましょう。
チドメグサは食べられる?
海外の一部地域では利用例がありますが、日本では一般的な食用植物ではありません。
野生のチドメグサを自己判断で食べることはおすすめできません。
似た植物が多く、識別が難しい
農薬や除草剤が付着している可能性がある
動物の排せつ物で汚染されている場合がある
道路沿いでは排気ガスや粉じんが付着する
食品としての適切な処理方法や摂取量が明確でない
民間療法や海外での利用例があることと、身近な野生株を安全に食べられることは同じではありません。
チドメグサを駆除する方法
チドメグサは、ほふく茎の節から根を出します。葉だけでなく、根のついた茎まで取り除くことが駆除のポイントです。
手で茎と根を取り除く
発生面積が小さい場合は、手作業で除去します。
雨の後など土が柔らかい日に作業する
ほふく茎を途中で切らないよう持ち上げる
節から出ている根を土から抜く
熊手や除草フォークで茎を浮かせる
取り残した茎がないか確認する
数週間後に再発生を点検する
勢いよく引っ張ると茎が細かく切れます。端から少しずつたどり、節の根を外しながら回収しましょう。
芝刈りだけに頼らない
チドメグサは草丈が低いため、芝刈りだけでは十分に除去できません。
芝刈りには、花や種子の形成を抑える効果は期待できますが、地表のほふく茎は残ります。芝刈り後に残った株を手で抜く方法を組み合わせましょう。
土の過湿を改善する
チドメグサが局所的に増えている場合、その場所だけ水分が多くなっていないか確認します。
水やりの量や回数を見直す
くぼみにたまる水を排出する
土が固い場合は芝用の穴あけ作業を行う
排水経路を確保する
日陰をつくる枝を適度に剪定する
散水設備の向きを調整する
チドメグサを抜くだけでなく、増えやすい環境を改善すると再発を抑えやすくなります。
芝生を密に育てる
芝が弱って隙間ができると、チドメグサが入り込みます。
芝の種類に適した高さで刈る
刈り込みすぎを避ける
裸地へ芝を補植する
適切な時期に目土を入れる
芝の生育に合わせて施肥する
日照不足や排水不良を改善する
芝の密度を高め、地表へ光が届きにくくすることが予防につながります。
除草剤を使用する
広範囲に増えた場合は、除草剤を検討することがあります。
使用場所に登録された製品を選ぶ
芝生で使用できるか確認する
日本芝と西洋芝の違いを確認する
対象雑草にチドメグサ類が含まれるか確認する
散布量、使用時期、回数を守る
花壇や樹木への飛散を防ぐ
強風時や降雨前の散布を避ける
芝生用の選択性除草剤でも、芝の種類や気温によって薬害が出ることがあります。製品ラベルを確認し、目立たない一部で影響を確かめてから使用すると安心です。
除去したチドメグサの処分方法
抜き取ったチドメグサは、湿った土の上へ放置すると節から再び根を出すことがあります。
袋やシートの上に集める
土を落として十分に乾燥させる
生きた茎を花壇へ戻さない
種子のある株は袋へ入れる
自治体の分別方法に従って処分する
自家製堆肥へ入れる場合は、茎や種子が確実に枯れる管理ができるときに限ります。
チドメグサを増やさないための予防方法
チドメグサは小さいため、広がってから気づくことがあります。早期発見が最も有効です。
芝生の湿った部分を定期的に確認する
小さな群落のうちに抜く
花や種子ができる前に除去する
芝生やグラウンドカバーを密に育てる
水の与えすぎを避ける
植木鉢や購入苗の土を確認する
抜いた茎を別の場所へ落とさない
芝生周辺の発生株も管理する
芝生の外側に生えている株を放置すると、そこからほふく茎が芝へ侵入することがあります。
チドメグサをグラウンドカバーとして育てられる?
丸い葉をマット状に広げるため、自然風の庭や湿った鉢植えで観賞されることがあります。
育てる場合は、広がりすぎないよう管理しましょう。
地植えより鉢や容器で育てる
明るい半日陰で管理する
土を極端に乾燥させない
容器の外へ伸びた茎を切る
切った茎を庭へ捨てない
水辺から野外へ流出させない
一度芝生や花壇へ入り込むと除去に手間がかかるため、植える場所を限定することが大切です。
チドメグサに関するよくある質問
チドメグサは外来種ですか?
チドメグサは日本に自然分布する植物です。一方、同じ属にはブラジルチドメグサなどの外来植物もあります。
チドメグサは多年草ですか?
多年草です。根やほふく茎が残っていれば、冬を越して翌年も成長します。
チドメグサは本当に血を止められますか?
葉を止血に使ったことが名前の由来とされていますが、野生の葉を傷口へ当てる方法は衛生上おすすめできません。清潔なガーゼなどで圧迫止血してください。
チドメグサは食べられますか?
日本では一般的な食用植物ではありません。似た種類が多く、薬剤や細菌による汚染の可能性もあるため、野生株を自己判断で食べることは避けましょう。
芝刈りをすればなくなりますか?
草丈が低く、茎が地表をはうため、芝刈りだけではなくなりません。ほふく茎と節から出た根を手作業で取り除く必要があります。
チドメグサが生えるのは水の与えすぎですか?
必ずしも水やりだけが原因ではありませんが、湿った土や排水の悪い場所では増えやすくなります。局所的な過湿、日照不足、芝の密度低下などを確認しましょう。
ノチドメとの簡単な見分け方は?
チドメグサは葉の切れ込みが浅く、ほぼ円形に見えます。ノチドメは葉の切れ込みが深く、葉や葉柄に毛が見られます。
除草剤は使えますか?
使用できる製品はありますが、芝の種類や使用場所によって適否が異なります。対象雑草、適用場所、散布量を製品ラベルで確認してください。
まとめ
チドメグサは、湿った庭や芝生、水田のあぜなどに生えるウコギ科の多年草です。小さな丸い葉をつけ、ほふく茎を地面にはわせながら広がります。
覚えておきたいポイントは次のとおりです。
現在はウコギ科に分類される
草丈は約5~10cm
葉は小さな円形から腎臓形
葉の縁には浅い切れ込みがある
緑白色の目立たない花をつける
ほふく茎の節から根を出して増える
芝刈りだけでは駆除しにくい
ノチドメは葉の切れ込みが深い
名前は民間の止血利用に由来する
野生の葉を傷口へ当てることは避ける
庭や芝生から取り除く場合は、土が湿っている日にほふく茎を持ち上げ、節から出た根まで丁寧に回収します。水はけや芝の密度も見直すことで、再発を抑えやすくなるでしょう。