シカクマメ(四角豆)の育て方|種まきから収穫、品種選びとグリーンカーテンのコツまで解説
シカクマメの育て方|種まきから収穫、品種選びとグリーンカーテンのコツまで解説
シカクマメは、四枚のひだがついた独特のさやを食べるマメ科の野菜です。若いさやは歯切れがよく、天ぷらやおひたし、炒め物などで楽しめます。
つるを旺盛に伸ばし、淡い青紫色の花を咲かせるため、収穫を兼ねたグリーンカーテンにも利用できます。栽培では、十分に暖かくなってから種をまくことと、さやが硬くなる前に収穫することが大切です。
この記事では、シカクマメの代表品種、種まきや植え付け、支柱への誘引、水やり、花や実がつかないときの確認ポイントまで紹介します。
シカクマメの基本情報
和名:シカクマメ(四角豆)
学名:Psophocarpus tetragonolobus
科名:マメ科
属名:シカクマメ属
分類:熱帯性のつる植物。日本の露地では主に一年草として栽培する
主な利用部位:若いさや
花色:淡い青紫色など
主な種まき時期:5〜6月ごろ
主な収穫時期:夏〜秋。地域や品種によって異なる
好む環境:日当たりがよく、適度な水分を保てる場所
増やし方:種まき
沖縄などの暖かい地域と本州では、栽培できる期間が異なります。種袋や苗ラベルに記載された地域別の栽培暦を確認しましょう。
シカクマメの特徴と魅力
四枚のひだがついた若さやを食べる
シカクマメのさやには、縦方向に四枚の翼のようなひだがあります。断面が四角く見えることが名前の由来です。
一般的な家庭菜園では、豆が十分に成熟する前の若さやを収穫します。ひだまでやわらかいうちに採ると、独特の食感を楽しめます。
花と葉も観賞できる
マメ科らしい形の花が咲き、受粉後にさやが伸びます。葉もよく茂るため、ネットに広げると緑のカーテンになります。
収穫だけでなく、花が咲いてさやが育つ様子を観察できることも魅力です。
開花の早さには品種差がある
シカクマメには、日が短くなると花をつけやすい性質をもつものがあります。そのため、夏につるがよく伸びていても、収穫が秋に集中する場合があります。
一方、長日の条件でも開花しやすい品種が育成されています。暖かい期間が短い地域では、開花特性を確認して品種を選ぶことが大切です。
シカクマメの代表的な品種
国内では、品種名を付けずに「シカクマメ」として販売される種子もあります。ここでは、名前が確認できる代表的な二品種を紹介します。
ウリズン
日本の亜熱帯地域の夏野菜として育成された品種です。高温・長日条件での開花と結実に優れ、淡緑色の若さやを収穫します。さやの長さ10〜13cm程度が目安ですが、気候で生育が変わるため、やわらかさも確認しましょう。
わこさま
つるが旺盛に伸び、比較的早く開花する品種です。若さやがやわらかく、天ぷらや塩ゆで、肉料理などに利用できます。15cm前後を収穫の目安とし、採り遅れを避けます。グリーンカーテンにも取り入れやすい品種です。
シカクマメに適した栽培環境
十分に暖かくなってから育てる
シカクマメは高温を好み、低温では生育が遅くなります。発芽には25〜30℃程度の暖かさが目安になります。
遅霜の心配がなくなり、土が暖まってから種まきや植え付けを行いましょう。寒冷地では、苗から始める方法も選択肢になります。
日当たりとつるを広げる場所を確保する
日照が不足すると、つるの生育や開花、さやの肥大に影響します。よく日の当たる場所に植え、伸びたつるを広げられるネットを用意します。
周囲の野菜に覆いかぶさらないよう、栽培場所の配置も考えておきましょう。
乾燥させすぎず、排水も整える
夏に大きく育った株は、多くの水分を使います。極端な乾燥を避けながら、余分な水が抜ける土で育てます。
畑に水が停滞する場合は高畝にし、容器では排水穴を確保してください。
シカクマメの土づくり
マメ科作物の連作を避ける
シカクマメを同じ場所で続けて育てることは避け、ほかの科の野菜と組み合わせて輪作します。
前作でマメ類に病気が出た場合は、残さを片付けて栽培場所を変えるなど、土壌病害への対策を考えましょう。
完熟堆肥と元肥を適量混ぜる
植え付け前に土を耕し、完熟堆肥と元肥を均一に混ぜます。肥料は使用する製品の表示量を基準にしてください。
マメ科だから肥料が不要というわけではありませんが、窒素肥料が多すぎると、つるや葉ばかりが茂ることがあります。
酸度調整は土の状態に合わせる
酸性に傾いた土では、必要に応じて石灰を使います。過去の施用状況や土の酸度を確認して判断しましょう。
市販の野菜用培養土を使う場合は、通常、最初から石灰を追加する必要はありません。
シカクマメの種まきと植え付け
種の処理は種袋の案内を優先する
シカクマメの種には、水を吸いにくく、発芽がそろいにくいものがあります。
吸水を促す処理が案内される場合もありますが、長時間水に浸けると腐敗につながることがあります。種皮を削るなどの処理も、自己流で深く傷つけず、販売元の方法に従ってください。
直まきかポットまきを選ぶ
十分に暖かければ、育てる場所に直接まけます。鳥害や温度管理が気になる場合は、ポットで育苗する方法もあります。
土を適度に湿らせる
深さ2cm程度を目安に種をまく
土をかぶせて軽く押さえる
やさしく水を与える
暖かい場所で管理する
覆土の厚さなどは、種袋に具体的な指示がある場合に優先します。
発芽後は光を当てて丈夫に育てる
発芽した苗は、よく日に当てて育てます。複数の芽が出たら、生育のよい株を残して間引きましょう。
土が常にぬれている状態を避け、乾き具合に応じて水を与えます。
若苗を根鉢ごと植える
育苗した場合は、根が回りすぎる前に植え付けます。根鉢を崩さず、苗を深く埋めすぎないようにしましょう。
株間は60〜80cm程度を一つの目安とし、旺盛に育つ品種では広めに取ります。購入した品種の案内に合わせて調整してください。
シカクマメの支柱立てと誘引
つるが伸びる前にネットを張る
シカクマメは大きく育つため、丈夫な支柱とネットが必要です。植え付けのころに準備しておくと、あとから根やつるを傷めずに済みます。
高さは手入れや収穫ができる範囲にし、葉が茂ったときの重さと風圧に耐えられるよう固定しましょう。
つるを左右へ分散させる
伸びたつるをネットへ導き、一か所に集中しないように広げます。
つるが自然に巻きつくまでは、柔らかいひもで補助してもよいでしょう。茎が太くなる余裕を残し、強く締め付けないようにします。
伸びすぎた先端は必要に応じて摘心する
支柱の上に達したつるは、管理できる位置で先端を摘む方法があります。脇から伸びるつるも、混み合いすぎないように整理します。
ただし、健康な葉や枝を一度に大量に切り取ると、収穫につながる部分も減ります。品種の整枝方法を参考に、必要な範囲で行いましょう。
シカクマメの水やりと追肥
開花・収穫期の水切れを防ぐ
花が咲いてさやが育つ時期は、特に水分管理が重要です。乾燥が続くと、花が落ちたり、さやの生育が悪くなったりする場合があります。
地植えは降雨と土の状態を見ながら水を補い、容器栽培では夏の乾き具合をこまめに確認しましょう。
敷きわらなどで乾燥を和らげる
株元を敷きわらなどで覆うと、土の乾燥や泥はねを抑えられます。
株の中心に厚く詰め込まず、水やり後の湿り具合を確認できるようにしておきます。
追肥は株の状態を見て行う
収穫が続き、葉色が薄くなったり生育が弱くなったりした場合は、必要に応じて追肥します。
葉が濃く茂っているのに花が少ないときは、肥料不足とは限りません。日長や気温、品種の特性も確認し、肥料だけを増やさないようにしましょう。
シカクマメのプランター栽培
大型容器で少数株を育てる
長く伸びるつると多くの葉を支えるため、土量に余裕のある容器を使います。
容器:深さ30cm程度以上の大型プランター
土量:一株あたり20〜30L程度以上を一つの目安にする
株数:小さな容器に詰め込まない
用土:保水性と排水性を備えた野菜用培養土
支え:丈夫な支柱とネットを設置する
置き場所:日当たりがよく、強風を避けられる場所
土量が少ないと、水分や肥料の変化が大きくなります。初めてなら、大きめの容器で一株から始めると管理しやすくなります。
グリーンカーテンは風への備えも行う
葉が茂ると、ネット全体が強く風を受けます。支柱のぐらつきや容器の転倒に注意し、固定状態を確認してください。
ベランダでは避難経路をふさがず、収穫のために無理なく手が届く範囲へ誘引しましょう。
シカクマメの病害虫と生育トラブル
葉裏や若いさやを観察する
アブラムシ、ハダニ、葉を食べる幼虫、カメムシ類などが発生することがあります。
新芽や葉裏、さやに異常がないか確認し、少ないうちに対処しましょう。薬剤を使う場合は、シカクマメへの適用と使用条件を確認します。
葉が茂るのに花が咲かない原因
花が少ない場合は、次の点を確認します。
日が短くなると開花するタイプではないか
品種本来の開花時期に達しているか
窒素肥料が多すぎないか
日当たりが不足していないか
気温が低く、生育が遅れていないか
つるが元気でも、開花時期には品種差があります。葉を切ったり追肥したりする前に、品種の特性を確認しましょう。
花が落ちるときは水分と気温を確認する
花が咲いてもさやが育たない場合は、乾燥や高温などが影響している可能性があります。
暑さに強い作物でも、極端な環境では結実が不安定になることがあります。土の状態を整え、株を弱らせない管理を続けましょう。
シカクマメの収穫時期と方法
若くやわらかいさやを収穫する
さやの長さは、品種によって収穫目安が異なります。「ウリズン」では10〜13cm程度、「わこさま」では15cm前後が一つの目安です。
長さだけでなく、ひだがやわらかいこと、豆のふくらみが目立たないことも確認しましょう。
採り遅れを防ぐ
収穫が遅れると、さややひだが硬くなり、筋っぽさが目立ちます。収穫期はこまめに観察し、葉の陰のさやも確認してください。
若さやを食べる栽培では、成熟したさやを多く残さず、適期に採り続けます。
花房やつるを傷めずに採る
片手でさやを支え、はさみで柄を切って収穫します。強く引っ張ると、つるや近くの花を傷めることがあります。
採れたさやは強い日差しの下に放置せず、早めに涼しい場所へ移しましょう。
シカクマメの保存方法と食べ方
乾燥を防いで冷蔵する
収穫した若さやは、表面の水分を拭き、袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
新鮮なうちほど食感を楽しめるため、早めに使いましょう。長く保存したい場合は、さっとゆでて冷まし、小分けにして冷凍できます。
加熱して食感を楽しむ
両端を切り、必要に応じて筋を取り除いてから調理します。加熱時間はさやの太さや料理に合わせ、硬さを確認して調整しましょう。
天ぷら:さやの形を生かして衣をつけ、揚げる
おひたし:ゆでて切り、だしやしょうゆで味をつける
ごまあえ:ゆでたさやをすりゴマと調味料であえる
炒め物:豚肉や卵などと組み合わせる
サラダ:ゆでて冷まし、好みのドレッシングで食べる
四枚のひだを生かした天ぷらは、見た目と歯ごたえの両方を楽しめます。
まとめ
シカクマメは、特徴的な若さやと花を楽しめる、つる性の夏野菜です。品種の開花特性を知り、やわらかいうちに収穫することが栽培のポイントになります。
地域に合った開花特性の品種を選ぶ
十分に暖かくなってから種まきや植え付けを行う
つるが伸びる前に丈夫な支柱とネットを準備する
開花・収穫期の水切れを防ぐ
花が少ないときは日長や気温も確認する
さやが硬くなる前に、こまめに収穫する
大きな容器とネットを用意すれば、家庭でも収穫を兼ねたグリーンカーテンに挑戦できます。品種に合う食べごろを見極め、採れたての食感を楽しみましょう。