紅葉と逆!赤い葉が緑になる「出猩々(デショウジョウ)」の不思議|春の芽吹きと葉色が変わる仕組み

紅葉と逆!赤い葉が緑になる「出猩々」の不思議|春の芽吹きと葉色が変わる仕組み

出猩々

画像:AI作成

モミジといえば、秋に緑の葉が赤く染まる姿を思い浮かべるでしょう。ところが、春に真っ赤な葉を広げ、その後に緑へ変わるモミジがあります。それが「出猩々(デショウジョウ)」です。

出猩々は、春に赤く芽吹き、夏に向かって緑になり、秋には再び紅葉します。春から夏の色の変化だけを見ると、一般的な秋の紅葉とは逆の順番です。

赤い葉が緑になっても、通常は病気や育て方の失敗ではありません。葉が成熟するにつれて、色素のバランスが変わるという自然な成長過程です。

この記事では、出猩々を中心に、赤い新葉が緑になる仕組みと秋の紅葉との違いを解説します。後半では、同じように新葉の赤さを楽しめるレッドロビンも紹介します。

出猩々とはどんなモミジ?

春の赤い芽吹きを楽しむ園芸品種

出猩々は、春に展開する鮮やかな赤い葉が特徴の、イロハモミジの園芸品種です。周囲の木々が淡い緑色に芽吹くころ、ひときわ目を引く赤い葉を広げます。

秋の紅葉だけでなく、春の芽吹きそのものが大きな見どころになるモミジです。

  • 品種名:出猩々

  • 読み方:デショウジョウ

  • 学名:Acer palmatum ‘Deshojo’

  • 科名:ムクロジ科

  • 属名:カエデ属

  • 分類:落葉樹

  • 春の葉色:鮮やかな赤色

  • 夏の葉色:主に緑色

  • 秋の葉色:赤色や橙色など

  • 主な用途:庭木、鉢植え、盆栽

一年中赤い葉を保つ品種ではない

出猩々は、芽吹きの赤さを楽しむ品種です。葉が成熟して緑になることも、品種本来の特徴に含まれます。

購入時の赤い姿が印象に残っていると、緑になったときに不安を感じるかもしれません。しかし、葉が順調に広がり、張りを保っていれば、色の変化だけを問題視する必要はありません。

出猩々の葉色は一年でどう変わる?

春:鮮やかな赤い葉が広がる

芽が動き始めると、赤く柔らかな新葉が展開します。枝先に若い葉がそろう時期は、株全体が赤く染まったように見えます。

見ごろの時期や赤さの続く期間は、地域、気温、日当たり、株の状態によって変わります。

初夏から夏:赤みが薄れ、緑が強まる

葉が大きくなり、成熟するにつれて、赤みが弱くなって緑色が目立つようになります。

一斉に色が切り替わるとは限らず、赤みの残る葉と緑の葉が混じることもあります。新しい枝が伸びた場合には、枝先の若い葉と、すでに成熟した葉の色の違いも楽しめます。

秋:緑の葉が再び色づく

秋になると、落葉に向かう葉が赤色や橙色などに変化します。その後、葉を落として冬を迎えます。

ただし、秋の色づきは気温や日照、夏の葉傷みなどに左右されます。春のような鮮やかな赤色が、毎年同じように再現されるとは限りません。

なぜ赤い葉が緑になるのか

赤色は主にアントシアニンによるもの

出猩々の新葉の赤色には、主にアントシアニンという色素が関わっています。

アントシアニンは細胞内の液胞に蓄えられる色素で、葉の中で目立つようになると、赤色や赤紫色に見えます。出猩々では、若い葉の段階でこの赤さが強く表れます。

緑色はクロロフィルによるもの

葉の緑色を生むのは、主にクロロフィルです。クロロフィルは葉緑体に含まれ、光合成に使う光を吸収します。

若い葉が展開し、成熟していく過程では、葉緑体の発達とともに、クロロフィルの量や働きも変化します。

成長に伴って色素のバランスが変わる

若葉が赤から緑になる植物では、一般に次のような変化が組み合わさっています。

  • クロロフィルが増え、緑色が目立つようになる

  • アントシアニンの合成が少なくなる

  • アントシアニンが分解される

  • 葉の成長に伴い、色素の濃度や分布が変わる

それぞれがどの程度関わるかは、植物や品種、環境によって異なります。

赤い色素そのものが緑色に変身するのではなく、異なる色素の量や見え方が変わることで、葉色が変化します。

赤い新葉も光合成をしている

赤く見える葉にも、通常はクロロフィルが含まれています。赤い色素が目立つため、緑色が見えにくくなっている場合があります。

そのため、「赤い間は光合成をせず、緑になって初めて光合成を始める」という説明は正確ではありません。ただし、展開途中の葉と成熟した葉では、光合成の能力に違いがあります。

春の赤い葉にはどんな意味がある?

若い葉を強い光から守る働きが考えられる

展開途中の葉は、光合成の仕組みや保護機能が十分に整っていない場合があります。そこに強い光が当たると、吸収したエネルギーを使い切れず、負担になることがあります。

アントシアニンには、葉の内部へ届く光の一部を吸収し、光による障害を和らげる働きがあることが、さまざまな植物で研究されています。

出猩々の赤さを一つの理由だけで説明しない

赤い色素には、光の調整や酸化ストレスへの対応など、複数の働きが考えられています。

ただし、ほかの植物で確認された働きが、出猩々でも同じ程度に当てはまると断定はできません。「春の赤い葉には保護的な役割が考えられる」と捉えるのが適切です。

また、赤い葉だから強い日差しや乾燥に耐えられる、という意味でもありません。

秋の紅葉と何が違う?

春は葉が育つ過程で赤から緑へ

春の出猩々は、これから光合成を担う新しい葉を展開しています。

赤い若葉が成長し、緑色を強めながら夏の葉へ移っていくため、葉色の変化は成熟に伴うものです。

秋は葉が役目を終える過程で緑から赤へ

秋の紅葉は、葉が老化し、落葉へ向かう過程で起こります。

クロロフィルが分解され、赤く色づく葉ではアントシアニンの蓄積も関わります。春と秋では、同じような赤色に見えても、葉の状態が異なります。

  • 春の赤色:展開途中の若い葉に現れる

  • 夏の緑色:成熟した葉で緑色が目立つ

  • 秋の赤色:落葉に向かう葉の変化として現れる

見た目の順番は「紅葉の逆」ですが、秋の紅葉をそのまま逆再生しているわけではありません。

出猩々が緑になったときの管理

緑になっても肥料を増やさない

本来の葉色変化であれば、肥料不足ではありません。

赤い色を取り戻そうとして肥料を多く与えても、期待した結果になるとは限らず、過剰施肥で根を傷めるおそれがあります。枝の伸び方や葉の大きさ、株の状態を見て判断しましょう。

赤くするために強い西日へ当てない

日当たりは葉色に影響しますが、強い光を当てるほどよいわけではありません。

出猩々の繊細な葉は、夏の強い西日、乾いた風、水切れなどで葉先が傷むことがあります。特に鉢植えは、鉢土の乾燥と根の過熱に注意します。

赤い新芽を出させるための切りすぎを避ける

緑になった葉を取り除けば、新しい赤い葉を楽しめるのでは、と考えるかもしれません。

しかし、葉を大量に失わせると、株が養分をつくる力も下がります。盆栽で行う葉刈りなどは、樹勢や時期を見極める技術であり、庭木や弱った株に安易に当てはめる方法ではありません。

春の赤、夏の緑、秋の紅葉を、そのまま季節の変化として楽しむことが基本です。

正常な変化と不調の見分け方

葉全体が徐々に緑になるのは自然な変化

赤い新葉が順調に大きくなり、葉の張りを保ちながら緑になるなら、通常の成熟と考えられます。

葉の色だけでなく、正常に展開しているか、枝が健全かも確認しましょう。

葉先が茶色く乾く場合は別の問題

葉の縁が縮れる、先端が茶色く枯れる、葉がしおれるといった状態は、単なる緑化とは異なります。

水切れ、強光、乾いた風、根傷みなどを確認し、原因に合わせて管理を見直します。

接ぎ木部分より下の枝にも注意する

出猩々が接ぎ木で育てられている場合、台木から別の性質の芽が伸びることがあります。

一部の枝だけ葉の形や芽吹きの色が明らかに違う場合は、枝が出ている位置を確認します。ただし、株全体が夏に緑になること自体は、台木の芽や先祖返りの証拠ではありません。

レッドロビンも新葉が赤から緑へ変わる

赤い新葉と緑の成熟葉を楽しむ常緑樹

レッドロビンは、カナメモチ類の交雑種に由来する園芸品種です。新葉は鮮やかな赤色で、成熟すると濃緑色になります。枝先の赤と内側の緑が重なる姿が美しく、生け垣や庭木として広く利用されています。

  • 学名:Photinia × fraseri ‘Red Robin’

  • 科・属:バラ科カナメモチ属

  • 分類:常緑樹

  • 葉色の変化:若葉の赤色から成熟葉の濃緑色へ

出猩々と同じように、赤い葉が緑になるのは通常の成長過程です。

剪定後に赤く見えるのは新しい葉が出るため

レッドロビンは、生育期に新しい枝が伸びると、その先に赤い葉が現れます。適切な剪定後に赤い部分が増えるのも、新芽が伸びるためです。

緑になった古い葉が、剪定によって赤く戻るわけではありません。

赤い新葉を楽しむためでも、頻繁な強剪定は避け、成熟した葉を十分に残して管理します。

出猩々とは一年の変化が異なる

出猩々は落葉樹で、春の赤い芽吹き、夏の緑、秋の紅葉、冬の落葉という変化を見せます。

一方、レッドロビンは常緑樹です。新芽が伸びるたびに赤い葉が現れますが、落葉樹のように秋に株全体が赤くなって落葉するとは限りません。

両者は「若い葉が赤く、成熟すると緑になる」という点で共通していますが、季節の過ごし方や剪定方法まで同じではありません。

出猩々の葉色についてのよくある質問

夏に緑になると、出猩々ではなくなりますか?

いいえ。夏に向かって緑になることも、出猩々の特徴です。春の赤い芽吹きだけでなく、その後の変化も含めて楽しめます。

赤い期間が前年より短いのは異常ですか?

必ずしも異常ではありません。芽吹きの時期や葉の成長速度は、気温や日照などで変わります。前年と同じ日付でも、葉の成熟段階が違う可能性があります。

緑になった葉は秋に必ず真っ赤になりますか?

秋には再び色づきますが、鮮やかさや色合いは環境によって異なります。夏に葉を傷めず、健康な状態を保つことが大切です。

出猩々とレッドロビンは同じ仲間ですか?

別の仲間です。出猩々はムクロジ科カエデ属、レッドロビンはバラ科カナメモチ属です。新葉の色の変化が似ていても、植物分類上は異なります。

まとめ

出猩々は、春に赤く芽吹き、夏に緑になり、秋に再び紅葉するモミジです。春から夏の変化は、一般的な秋の紅葉と逆に見えますが、葉が成熟する過程で起こる自然な変化です。

赤色のアントシアニンと、緑色のクロロフィルなどのバランスが変わることで、季節ごとに異なる葉色を見せます。緑になったことを不調と考えず、健康な葉を保ちながら、一年を通した表情を楽しみましょう。

botanny

「BOTANICA」の編集者です。本記事はAIを活用した記事です。内容に誤りがある場合には、コメント欄、あるいはお問合せよりお知らせください。

次へ
次へ

【比較】センダン(栴檀)とハゼノキ(櫨の木)の見分け方|葉・花・実・紅葉の違いを解説