【比較】ブタクサとセイタカアワダチソウの見分け方|葉・花の違いと花粉症との関係を解説
ブタクサとセイタカアワダチソウの見分け方|葉・花の違いと花粉症との関係を解説
画像:AI作成
秋の空き地や河川敷で目立つ、背の高い黄色い花。その植物を「ブタクサ」と呼んでいませんか。実際には、セイタカアワダチソウであることが少なくありません。
ブタクサとセイタカアワダチソウは、どちらも北アメリカ原産のキク科植物ですが、葉の形や花の色、増え方などに違いがあります。特に見分けやすいのは、葉に深い切れ込みがあるかどうかと、鮮やかな黄色い花を咲かせるかどうかです。
この記事では、両者の見分け方を中心に、混同しやすいオオブタクサとの違い、花粉症との関係、庭に生えたときの対処方法を解説します。
ブタクサとセイタカアワダチソウの違いを簡単に確認
まずは、代表的な違いを押さえておきましょう。
ブタクサの葉:細かく深い切れ込みがあり、羽のように見える。
セイタカアワダチソウの葉:細長く、ブタクサのような深い切れ込みがない。
ブタクサの花:黄緑色の小さな花が、細い穂に並ぶ。
セイタカアワダチソウの花:鮮やかな黄色の小花が多数集まり、枝分かれした大きな花のまとまりをつくる。
ブタクサの生活型:一年草で、翌年は種子から芽生える。
セイタカアワダチソウの生活型:多年草で、種子に加えて地下茎でも増える。
草丈や生えている場所だけでは判断しにくいため、花と葉を組み合わせて確認することが大切です。
ブタクサの基本情報
植物名:ブタクサ
漢字名:豚草
学名:Ambrosia artemisiifolia
科名:キク科
属名:ブタクサ属
原産地:北アメリカ
生活型:一年草
草丈:およそ30〜150cm
開花時期:夏〜秋
花色:黄緑色
主な生育場所:空き地、道端、畑の周辺、河川敷など
ブタクサは、春に芽生えて夏に成長し、花を咲かせて種子を残す一年草です。茎は枝分かれし、深く切れ込んだ葉をつけます。
花は小さく、遠くから見ると株全体が緑色に見えやすい植物です。セイタカアワダチソウのように、鮮やかな黄色で一面を彩ることはありません。
セイタカアワダチソウの基本情報
植物名:セイタカアワダチソウ
漢字名:背高泡立草
学名:Solidago altissima
科名:キク科
属名:アキノキリンソウ属
原産地:北アメリカ
生活型:多年草
草丈:およそ1〜3m
開花時期:秋、主に10〜11月ごろ
花色:黄色
主な生育場所:空き地、河川敷、道路沿い、造成地など
セイタカアワダチソウは、まっすぐ伸びた茎の上部に、多数の黄色い花を咲かせる多年草です。群生すると、秋の景色の中で黄色い帯のように目立ちます。
地上部が冬に枯れても地下部は生き残り、再び芽を伸ばします。種子だけでなく地下茎でも増えるため、同じ場所にまとまって生えやすいことが特徴です。
※草丈や開花時期は、地域や気候、刈り取りの有無などによって変わります。
葉で見分ける方法
ブタクサは葉が細かく深く切れ込む
ブタクサの葉は、中央の葉脈に沿って左右に深い切れ込みが入り、さらに細かく分かれます。全体として、羽やシダの葉を思わせる姿です。
葉の縁に小さなギザギザがあるだけではなく、葉そのものが細い部分に分かれて見える点が目印になります。
ただし、芽生えたばかりの葉は成長後と形が異なることがあります。幼い株を調べるときは、十分に展開した本葉を複数枚確認しましょう。
セイタカアワダチソウは細長く、深い切れ込みがない
セイタカアワダチソウの葉は、先端のとがった細長い形です。葉の縁に浅いギザギザが見られることはありますが、ブタクサのようには深く裂けません。
茎には葉が左右交互につき、葉や茎の表面には細かな毛があります。
花が咲いていない時期でも、細かく裂けた葉か、切れ込まない細長い葉かを比べると、両者を区別しやすくなります。
花で見分ける方法
ブタクサは黄緑色の小さな花が穂状に並ぶ
ブタクサは、茎や枝の先に細長い花穂を伸ばします。花粉を出す雄花の集まりが、小さな粒を連ねたように並び、下向きにつきます。
花色は黄緑色で、葉や茎の色に紛れやすく、華やかな印象はありません。また、雌花は上部の葉の付け根などにつきますが、小さいため目立ちません。
「花が見えないから、まだ開花していない」と思っていても、実際には花粉を出している場合があります。
セイタカアワダチソウは黄色い花が大きくまとまる
セイタカアワダチソウの花は鮮やかな黄色です。小さな花の集まりが枝分かれした先に多数つき、全体として三角形や円錐形に近いまとまりになります。
遠くからでも黄色がはっきりと見え、開花期にはブタクサとの違いが分かりやすくなります。
ただし、黄色い花を咲かせる草はほかにもあります。黄色いという理由だけで決めず、細長い葉や花のつき方も確認しましょう。
草丈や開花時期だけでは見分けにくい理由
どちらも背が高くなることがある
セイタカアワダチソウは大きく育ちますが、刈り取られた後や生育条件の悪い場所では、低いまま花を咲かせることがあります。
一方、ブタクサも条件がよければ人の腰や胸ほどの高さまで育ちます。
そのため、「背が高いからセイタカアワダチソウ」「低いからブタクサ」という判断は確実ではありません。
開花する季節が重なる
ブタクサは夏から秋、セイタカアワダチソウは主に秋に開花します。地域によっては、両方の花が同じ時期に見られます。
また、空き地や河川敷など、生育場所も重なります。季節と場所は参考になりますが、見分ける決め手にはなりません。
オオブタクサとの違いにも注意
オオブタクサはブタクサとは別の植物
ブタクサとセイタカアワダチソウを見分ける際には、オオブタクサにも注意が必要です。
オオブタクサはブタクサと同じ属の別種で、単に大きく育ったブタクサを指す名前ではありません。
植物名:オオブタクサ
漢字名:大豚草
学名:Ambrosia trifida
生活型:一年草
特徴:大きな葉と高い草丈をもち、2〜3m以上になることもある。
大きく手のひら状に裂ける葉が目印
オオブタクサの葉は幅が広く、手のひらのように3〜5つに大きく裂けるものがよく見られます。ただし、切れ込みが少ない葉や、ほとんど裂けない葉もあります。
ブタクサの葉が細かく分かれるのに対し、オオブタクサは大きく幅広い裂片をもつ点が違いです。
花はブタクサと同じく目立ちにくい穂状で、セイタカアワダチソウのような鮮やかな黄色い花のまとまりにはなりません。
花粉症との関係はどう違う?
ブタクサは風で花粉を運ぶ植物
ブタクサは、風によって花粉を運ぶ風媒花です。空気中に飛散した花粉が、秋の花粉症の原因になります。オオブタクサも同様に、花粉症に関係する植物です。
花が小さく目立たなくても、花粉が飛ばないわけではありません。開花した株を揺らしたり、顔を近づけたりして確認することは避けましょう。
セイタカアワダチソウは主に昆虫が花粉を運ぶ植物
セイタカアワダチソウは、主に昆虫が花粉を運ぶ虫媒花です。ブタクサに比べて花粉が風に乗って飛散しにくく、一般に秋の花粉症の主要な原因植物とはされていません。
ただし、「花粉をつくらない」「アレルギーが絶対に起こらない」という意味ではありません。
秋に黄色い花が目立つ時期と、ブタクサなどの花粉が飛ぶ時期が重なるため、セイタカアワダチソウが原因だと誤解されやすいのです。近くで目立って咲いている植物だけを見て、症状の原因を決めることはできません。
庭に生えたときの対処方法
ブタクサは開花前に抜き取る
ブタクサは一年草なので、種子をつくらせない管理が基本です。株が小さく、花が咲く前に抜き取ると作業しやすくなります。
幼い株のうちに、根元を確認して抜き取る。
刈り取った場合は、再び伸びた枝も確認する。
花や種子がつく前に、繰り返し管理する。
土に残った種子から翌年以降も芽生える可能性を考える。
一度取り除いても、地中に残る種子や周囲から運ばれた種子によって、再び発生する場合があります。
セイタカアワダチソウは地下茎も意識する
セイタカアワダチソウは、地上部を切るだけでは地下茎から再生することがあります。
庭の小さな株なら、周囲の植物の根を傷めない範囲で、地下茎も含めて取り除きます。広い範囲に増えている場合は、繰り返し刈り取り、新しく伸びた芽を管理していきます。
種子ができる前の刈り取りは周囲への拡散を抑えるために役立ちますが、一度の作業で地下部までなくなるわけではありません。
作業時は花粉や種子を広げないようにする
除草には手袋や長袖を使い、花粉に敏感な人は開花中のブタクサの作業を避けるなど、状況に合わせて対応しましょう。
種子がついた株は強く振り回さず、袋などにまとめ、地域の処分方法に従います。公共の土地や他人の敷地に生えているものは、管理者に確認して対応してください。
まとめ
ブタクサとセイタカアワダチソウを見分けるには、葉の形と花の色を確認するのが基本です。
ブタクサ:葉が細かく深く切れ込み、黄緑色の目立たない花を穂状につける。
セイタカアワダチソウ:葉は細長く、鮮やかな黄色い花を大きくまとめて咲かせる。
オオブタクサ:大きく幅広い葉をもち、手のひら状に裂けるものが多い。
また、ブタクサは風で花粉を運ぶため、秋の花粉症の代表的な原因植物になります。セイタカアワダチソウは主に昆虫が花粉を運び、花粉は風に乗って飛散しにくい植物です。
背の高さや季節だけで判断せず、葉と花の両方を観察すると、混同を防ぎやすくなります。