桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿:ことわざで学ぶ庭木の知識
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」とは?
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」とは、
桜はむやみに剪定してはいけないが、梅はきちんと剪定しないとよく育たない
という意味のことわざです。
庭木の剪定に関する有名な言葉で、桜と梅の性質の違いをよく表しています。
ことわざの意味
桜切る馬鹿
桜は、太い枝を切ると切り口から腐朽菌が入りやすく、枝や幹が傷みやすい木です。
そのため、むやみに大きな枝を切ると、樹勢が弱ったり、枯れ込みの原因になったりします。
つまり「桜切る馬鹿」とは、
桜を何も考えずに強く剪定するのはよくない
という意味です。
ただし、これは「桜は一切切ってはいけない」という意味ではありません。枯れ枝、混み合った枝、危険な枝などは、適切な時期と方法で剪定する必要があります。
梅切らぬ馬鹿
梅は、剪定によって枝を整理することで、花つきや樹形がよくなる木です。
放任すると枝が混み合い、日当たりや風通しが悪くなります。その結果、花が少なくなったり、病害虫が発生しやすくなったりします。
つまり「梅切らぬ馬鹿」とは、
梅は剪定しないとよい花や実がつきにくい
という意味です。
梅は古い枝だけでなく、新しく伸びた枝にも注意しながら、毎年適度に剪定することが大切です。
桜と梅で剪定の考え方が違う理由
桜と梅はどちらも春に花を咲かせる樹木ですが、剪定への反応が大きく異なります。
樹木
剪定の考え方
桜
強剪定を避ける。切るなら最小限にする
梅
毎年剪定して枝を更新する
共通点
花後や落葉期など、時期を見て剪定する
桜は大きな切り口から傷みやすく、腐りが入りやすい傾向があります。
一方、梅は枝がよく伸び、剪定によって花芽のつく枝を整えることができます。
桜は本当に切ってはいけないのか?
桜は「切ってはいけない木」と思われがちですが、実際には必要な剪定もあります。
たとえば、以下の枝は剪定対象になります。
枯れ枝
折れ枝
病気の枝
建物や電線に当たる枝
通行の邪魔になる枝
内側に混み合う枝
幹から勢いよく出る不要な枝
ただし、桜を剪定する場合は、太い枝を一気に切らないことが大切です。
切るなら細い枝のうちに行い、切り口には癒合剤を塗って保護するとよいでしょう。
桜の剪定は、木を小さくする目的で強く切るよりも、傷んだ枝や不要枝を最小限取り除く管理が基本です。
梅はなぜ剪定が必要なのか?
梅は枝がよく伸びるため、剪定しないと樹形が乱れやすい木です。
また、枝が混み合うと日当たりが悪くなり、花芽がつきにくくなります。
梅を剪定する目的は、主に以下の通りです。
花つきをよくする
実つきをよくする
樹形を整える
風通しをよくする
病害虫を防ぐ
古い枝を更新する
梅は剪定に比較的強く、枝を切ることで新しい枝が出やすくなります。
そのため、放任するよりも、毎年手入れした方が美しく育ちます。
剪定時期の違い
桜の剪定時期
桜の剪定は、基本的に落葉期に行います。
目安は11月〜2月頃です。
ただし、厳寒期や雨の日は避け、切り口が乾きやすい日に作業するのが望ましいです。
花後すぐに軽く整理することもありますが、太枝の剪定は避けます。
梅の剪定時期
梅の剪定は、目的によって時期が変わります。
剪定の種類
時期
内容
花後剪定
2月〜3月頃
花が終わったあとに枝を整える
夏剪定
6月〜7月頃
徒長枝を整理する
冬剪定
12月〜1月頃
樹形を整え、花芽を見ながら剪定する
花を楽しむ梅の場合は、花後に剪定すると管理しやすいです。
実を収穫する梅の場合は、日当たりと枝の配置を意識して剪定します。
庭木管理としての教訓
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」は、単なることわざではなく、庭木管理の本質を表しています。
つまり、
木にはそれぞれ性質があり、同じように剪定してはいけない
ということです。
庭木は、種類によって剪定に強い木、弱い木、花芽がつく位置、剪定に適した時期が異なります。
たとえば、庭木でも以下のように剪定の考え方は変わります。
剪定に注意が必要な木
剪定に比較的強い木
桜、モミジ、ハナミズキ、コブシ
梅、サルスベリ、キンモクセイ、ツバキ、カシ類
もちろん、剪定に強い木でも切りすぎれば弱ります。
逆に、剪定に弱い木でも、必要な枝を適切に切ることはあります。
大切なのは、木の種類ごとの性質を知って手入れすることです。
まとめ
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」とは、桜と梅の剪定に対する性質の違いを表したことわざです。
桜は太い枝を切ると傷みやすいため、むやみに強く剪定してはいけません。
一方、梅は剪定しないと枝が混み合い、花つきや実つきが悪くなります。
ただし、桜もまったく切らないわけではなく、枯れ枝や危険な枝は適切に剪定する必要があります。
梅もただ強く切ればよいわけではなく、花芽や枝の向きを見ながら整えることが大切です。
このことわざは、庭木の手入れにおいて、
植物ごとの性質に合わせた剪定が大切である
という教訓を伝えています。