サツマイモ(薩摩芋)の育て方|つる苗の植え付けから収穫・保存、代表品種まで解説

サツマイモの育て方|つる苗の植え付けから収穫・保存、代表品種まで解説

サツマイモ

サツマイモは、ほくほくした食感や、しっとりとした甘さを楽しめる秋の味覚です。焼きいもや天ぷら、大学いもなど、品種の特徴に合わせてさまざまな料理に利用できます。

家庭菜園では、種ではなく「つる苗」を植えて育てる方法が一般的です。日当たりと水はけを確保し、肥料を与えすぎないことが栽培のポイントになります。大型プランターや栽培袋でも、いも掘りを楽しめます。

この記事では、サツマイモの代表品種、つる苗の植え方、水やり、つるの管理、収穫と保存の方法を紹介します。

サツマイモの基本情報

  • 和名:サツマイモ(薩摩芋)

  • 別名:カンショ、甘藷

  • 学名:Ipomoea batatas

  • 科名:ヒルガオ科

  • 属名:サツマイモ属

  • 分類:多年草。日本の露地栽培では通常、一年で収穫する

  • 主な利用部位:肥大した根

  • 草姿:つる性

  • 主な植え付け時期:5〜6月ごろ

  • 主な収穫時期:9〜11月ごろ

  • 好む環境:日当たりと水はけのよい場所

  • 主な増やし方:つる苗の挿し植え

植え付けや収穫の適期は、地域と品種によって変わります。寒冷地では、霜が降りるまでに十分な栽培期間を確保することが大切です。

サツマイモの特徴と魅力

食べるいもは肥大した根

サツマイモは、つるの節から出た根の一部が太ったものです。このように養分を蓄えて肥大した根を「塊根」と呼びます。

茎が肥大したジャガイモとは、食べている部分が異なります。サツマイモでは、苗の節を土に埋め、そこから発根させて育てます。

品種によって食感が変わる

サツマイモには、ほくほくした粉質の品種と、しっとり・ねっとりした粘質の品種があります。

  • ほくほく系:天ぷら、大学いも、煮物などに使いやすい

  • しっとり・ねっとり系:焼きいも、ペースト、菓子などに向く

同じ品種でも、収穫後の保存期間や加熱方法によって甘さと食感が変わります。

植え付け後の活着が大切

つる苗は、植え付け直後には十分な根がありません。この時期に乾燥すると、苗が傷んで生育が遅れることがあります。

根づいたあとは比較的乾燥に耐えますが、植え付け直後と、その後の管理を分けて考えることが大切です。

サツマイモの代表的な品種

べにはるか

加熱すると甘みが強く、しっとりとした食感を楽しめる品種です。適切に貯蔵すると、ねっとりした口当たりも引き立ちます。焼きいもや菓子に向き、甘さを重視して品種を選びたい家庭菜園に取り入れやすい品種です。

ベニアズマ

ほくほくした食感が特徴の代表的な品種です。黄色い果肉をもち、焼きいものほか、天ぷらや大学いもなどにも利用できます。粉質の食感を好む人に向き、料理に合わせて切り方や加熱時間を調整すると楽しみが広がります。

高系14号

ほくほくした食感をもつ、長く栽培されてきた品種です。各地で選抜された系統があり、地域ブランドのもとにもなっています。苗を購入するときは「鳴門金時」などの名称と、系統や栽培上の特徴をあわせて確認しましょう。

サツマイモに適した栽培環境

日当たりのよい場所を選ぶ

サツマイモは、葉でつくった養分を根に蓄えます。日照が不足すると、つるや葉が伸びても、いもが十分に太らないことがあります。

背の高い野菜や建物の陰を避け、つるが広がったあとも葉に光が当たる場所で育てましょう。

暖かくなってから植え付ける

寒さに弱いため、遅霜の心配がなくなり、地温が上がってから植えます。早植えで栽培期間を延ばそうとしても、低温で根づきが悪くなる場合があります。

苗の販売時期だけで判断せず、地域の気候と畑の状態を確認しましょう。

排水のよい土で育てる

水が長くたまる土では、根の生育が悪くなったり、いもが傷んだりします。

水はけの悪い畑では高畝にし、畝の間から水が抜けるように整えます。粘りの強い土は、完熟堆肥などを適量混ぜ、土の状態を改善しておきましょう。

サツマイモの土づくり

肥料は前作の残りも考慮する

サツマイモは養分を吸収する力が強く、特に窒素が多すぎると、葉やつるばかりが茂る「つるぼけ」が起こりやすくなります。

前作で肥料を多く使った畑では、その残りも考慮して元肥を控えます。ただし、肥料がまったく不要という意味ではありません。土の状態に合わせて適量を施しましょう。

カリだけを多量に与えない

いもの肥大にはカリも必要ですが、カリだけを増やせば大きくなるわけではありません。

サツマイモ用肥料などを使う場合は表示量に従い、養分の偏りを避けます。石灰も、土の酸度を確認せず毎回追加しないようにしましょう。

高畝で根が伸びる空間をつくる

畝は、幅60〜80cm程度、高さ20〜30cm程度を一つの目安に、土質や排水に合わせてつくります。

黒マルチを使うと、地温の確保や雑草の抑制に役立ちます。植え穴から熱いマルチに葉が触れないよう、植え付け時に位置を調整してください。

サツマイモのつる苗の選び方

葉と茎が健全な苗を選ぶ

つる苗は、葉色がよく、茎に腐れや大きな傷のないものを選びます。

  • 茎がしっかりしている

  • 葉や茎に病斑がない

  • 節が複数あり、植え付けに十分な長さがある

  • 極端に乾燥していない

  • 品種名が確認できる

家庭菜園では、栽培用として販売される健全な苗を利用すると始めやすくなります。

購入後は蒸れと乾燥を避ける

すぐに植えられない場合は、苗の説明に従い、直射日光を避けた涼しい場所で短期間管理します。

密閉した袋の中で高温になると傷みやすいため、到着後は状態を確認しましょう。長期間置かず、植え付けの準備が整ってから購入すると安心です。

サツマイモの植え付け方法

節を土に埋め、葉は地上に出す

つる苗は、数節が土に入るように植えます。根を出す節を土に密着させ、葉とつるの先端は地上に出しましょう。

株間は30cm程度を一つの目安に、品種と畝の幅に合わせて調整します。

水平植えと斜め植えを使い分ける

  • 水平植え:苗を浅く横たえ、複数の節を土に埋める方法

  • 斜め植え:苗を斜めに差し込み、数節を土に埋める方法

水平植えは根が出る節を多く確保しやすく、斜め植えは比較的作業しやすい方法です。いもの数や大きさは、植え方だけでなく、苗の状態や栽培環境でも変わります。

植え付け直後は十分に水を与える

植え付け後は土を軽く押さえ、水を与えて苗と土を密着させます。曇りの日や、強い日差しが和らぐ時間帯に作業すると、苗の乾燥を抑えやすくなります。

根づくまでは土の乾き具合を確認し、晴天が続く場合は水を補いましょう。

サツマイモの水やりと追肥

活着後の地植えは降雨を基本にする

新しい葉が伸び始めたら、根づきが進んでいる目安です。地植えでは、その後は降雨を基本に管理します。

ただし、長く雨が降らず、土が強く乾いて生育が止まるような場合は水を補います。

容器栽培では水切れを放置しない

プランターや栽培袋は土量が限られるため、地植えより乾きやすくなります。

表面が乾いたら内部の湿り具合も確認し、必要なときに底から流れるまで水を与えます。いもを甘くしようとして、極端な乾燥を続けないようにしましょう。

追肥は生育を見て判断する

葉色がよく、つるが十分に伸びている場合は、追加の肥料が不要なこともあります。

葉色が薄いときも、肥料不足だけでなく過湿や根傷みなどを確認します。原因を確かめずに窒素肥料を増やすと、つるぼけにつながる場合があります。

サツマイモのつる管理と除草

生育初期の雑草を取り除く

つるが畝を覆う前は、雑草との競合を避けるために除草します。

株元を深く掘ると根を傷めるため、雑草が小さいうちに浅く作業しましょう。

つる返しは必要に応じて行う

地面に触れたつるの節から根が出て、畝の外に根づくことがあります。必要に応じてつるを持ち上げ、そこから出た根を土から外す作業を「つる返し」と呼びます。

マルチ上などで発根していなければ、無理に行う必要はありません。つるを折ったり、株元から引き抜いたりしないように扱います。

健康な葉を切りすぎない

葉は、いもを太らせる養分をつくります。つるが長いからといって、健康な葉を大量に切り取らないようにしましょう。

通路へ伸びたつるは、まず向きを変えて整理します。つる返しや剪定だけで、肥料過多によるつるぼけを解決できるわけではありません。

サツマイモのプランター・袋栽培

一株に十分な土量を確保する

容器栽培では、深さ30cm程度以上、土量30L程度以上を確保できる大型容器が一つの目安です。

  • 容器:大型プランターや丈夫な栽培袋

  • 株数:小規模な袋栽培では一袋一株を基本にする

  • 用土:排水がよく、窒素肥料が多すぎない土

  • 排水:底に水が抜ける穴を確保する

  • 置き場所:日当たりがよく、つるを広げられる場所

少ない土に苗を詰め込むと、いもが十分に太りにくくなります。

収穫時は周囲の土から崩す

袋栽培では、土を少しずつ取り除きながら、いもの位置を確認できます。

茎を強く引っ張るといもが折れるため、周囲の土をゆるめてから取り出しましょう。

サツマイモの病害虫と生育トラブル

葉を食べる幼虫や土中の害虫に注意する

葉を食べるイモムシ類や、いもを傷つけるコガネムシ類の幼虫などが発生することがあります。

葉の食べ跡や株の状態を観察し、収穫時に被害があった場合は、次作の土づくりや防除方法を見直しましょう。

株元の黒変や腐敗を見逃さない

株元が黒くなったり、株が急にしおれたりする場合は、病気や根傷みが疑われます。

病気の疑いがある株からは、次作の苗を取らないようにします。傷んだ残さを片付け、健全な苗と排水のよい畑を使うことが基本です。

つるばかり伸びる原因を確認する

いもが太らない原因には、次のようなものがあります。

  • 窒素肥料が多すぎる

  • 日当たりが不足している

  • 土が過湿になっている

  • 植え付けが遅く、栽培期間が足りない

  • まだ収穫時期に達していない

葉が茂っているだけで判断せず、植え付け日や栽培環境も確認しましょう。

サツマイモの収穫時期と方法

植え付けから120〜150日程度が目安

収穫までの日数は品種によって異なりますが、植え付けから120〜150日程度が一つの目安です。

適期が近づいたら端の株を試し掘りし、大きさを確認します。葉が完全に枯れるまで待つ必要はありません。

霜が降りる前に収穫する

低温に弱いため、霜が降りる前に収穫を終えるようにします。

土がぬれていると作業しにくく、いもも傷つきやすいため、晴天が続いて土が適度に乾いた日が向いています。

いもを傷つけずに掘り上げる

つるを整理し、株元から少し離れた場所に道具を入れます。周囲の土をゆるめ、いもの位置を確かめながら掘り上げましょう。

掘りたての皮は傷つきやすいため、強くこすらず丁寧に扱います。傷や折れのあるものは分け、早めに使います。

サツマイモの保存と甘さを引き出すコツ

保存するいもは洗わない

保存用は土を軽く落とし、洗わずに表面を乾かします。長時間の強い日差しや雨を避けて扱いましょう。

乾いたら紙などで包み、通気性を確保しながら保存します。

低温と蒸れを避ける

保存温度は13〜15℃程度が目安です。寒すぎる場所では低温障害が起こりやすく、暖かすぎる場所では芽が出やすくなります。

生のいもを家庭用冷蔵庫へ長期間入れることは避けます。箱に詰める場合も密閉せず、ときどき腐敗や結露がないか確認しましょう。

適切な貯蔵で食味が変わる

品種によっては、収穫後に適切な環境で数週間以上保存することで、甘みや食感が変化します。

ただし、高温の場所で蒸らすこととは異なります。傷んだいもを長く置かず、家庭では保存状態を確認しながら使いましょう。

サツマイモのおいしい食べ方

  • 焼きいも:品種ごとの甘さと食感を楽しむ

  • 天ぷら:ほくほく系の食感を生かす

  • 大学いも:揚げたいもに甘いたれを絡める

  • 煮物:だしやレモンなどで風味を変える

  • スイートポテト:やわらかく加熱してペーストにする

  • いもご飯:角切りにして米と炊き込む

収穫直後と保存後で食べ比べると、同じ品種でも味わいの変化を楽しめます。

まとめ

サツマイモは、つる苗をしっかり根づかせ、日当たりと排水を確保して育てることが大切です。

  • 好みの食感や用途に合わせて品種を選ぶ

  • 暖かくなってからつる苗を植える

  • 植え付け直後の乾燥を防ぐ

  • 窒素肥料の与えすぎに注意する

  • 健康な葉を残し、必要に応じてつるを整理する

  • 試し掘りで大きさを確認し、霜が降りる前に収穫する

  • 保存時は低温、蒸れ、傷みに注意する

畑だけでなく、大型容器でもいも掘りを楽しめます。栽培場所に合った株数から始め、秋の収穫と品種ごとのおいしさを味わいましょう。

botanny

「BOTANICA」の編集者です。本記事はAIを活用した記事です。内容に誤りがある場合には、コメント欄、あるいはお問合せよりお知らせください。

前へ
前へ

ザーサイ(搾菜)の育て方|種まきから茎の肥大、収穫・食べ方まで解説

次へ
次へ

サトイモ(里芋)の育て方|種いもの植え付けから土寄せ、収穫・保存まで解説