レモン(檸檬)の育て方|剪定・肥料・収穫方法と実をつけるコツを解説
レモンの育て方|剪定・肥料・収穫方法と実をつけるコツを解説
レモンは、さわやかな香りと強い酸味を持つ果実をつける常緑果樹です。果汁だけでなく果皮も利用でき、料理、菓子、飲み物、調味料など幅広い用途があります。
日当たりのよい暖かな場所を好み、寒さにはやや弱い性質があります。関東以西の温暖な地域では庭植えもできますが、霜が降りる地域や寒冷地では鉢植えにして、冬に軒下や室内へ移動する方法が適しています。
レモンは一株でも実をつけやすく、接ぎ木苗を選べば比較的早く収穫を期待できます。枝にはトゲがあり、成長すると枝葉が密集しやすいため、剪定、摘果、肥料、冬越しの管理が重要です。
この記事では、レモンの特徴、品種、植え付け、水やり、肥料、剪定、受粉、摘果、収穫、実がならない原因、鉢植え管理、冬越し、病害虫、増やし方まで詳しく解説します。
レモンの基本情報
和名:レモン(檸檬)
学名:Citrus limon
科名:ミカン科
属名:ミカン属
分類:常緑低木、常緑小高木、果樹
原産地:インド北東部からヒマラヤ東部周辺とされる
樹高:2m〜5m程度
開花期:5月〜6月頃。環境によっては春から秋まで複数回咲く
花色:白色、つぼみや花びらの外側は赤紫色を帯びる場合がある
収穫期:10月〜3月頃。青レモンは夏から秋にも収穫可能
実の色:緑色から黄色
植え付け時期:3月〜5月頃
植え替え時期:3月〜5月頃
剪定時期:3月〜4月頃、収穫後
成長速度:やや早い
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
栽培難易度:初心者〜中級者向き。日当たり、寒さ対策、肥料、剪定がポイント
レモンとは?
レモンは、ミカン科ミカン属に分類される常緑果樹です。
枝には光沢のある緑色の葉がつき、春から初夏に白い花を咲かせます。つぼみや花びらの外側は、淡い赤紫色を帯びることがあります。
受粉後は緑色の小さな果実ができ、秋から冬にかけて黄色く成熟します。暖かな地域や栽培環境によっては、春だけでなく夏や秋にも花を咲かせ、異なる大きさの果実が同時につく場合があります。
果汁にはクエン酸が多く、強い酸味があります。果皮には香りの成分が多く含まれ、料理や菓子の風味づけにも利用されます。
レモンは柑橘類の中では寒さに弱く、霜や凍結によって葉や枝が傷むことがあります。栽培地域に合わせて、庭植えと鉢植えを選ぶことが大切です。
レモンの特徴
さわやかな香りの果実をつける
レモンは、果汁と果皮の両方に強い香りがあります。
果汁は料理、飲み物、菓子、ドレッシングなどに利用できます。果皮はすりおろし、ピール、マーマレード、香りづけなどに使えます。
未熟な青レモンは、香りが鋭くさわやかです。黄色く熟したレモンは果汁が増え、酸味と香りがややまろやかになります。
一株でも実をつけやすい
レモンは自家結実性があり、基本的には一株でも実をつけます。
受粉樹を別に植える必要はありません。屋外ではハチやアブなどが花粉を運びます。
室内や網戸の内側で開花した場合は、訪花昆虫が少なく、受粉しにくくなることがあります。筆や綿棒による人工授粉を行うと結実を助けられます。
年に複数回花を咲かせることがある
レモンは、暖かな環境では年に複数回花を咲かせることがあります。
春の花は結実しやすく、秋から冬の収穫につながります。夏や秋に咲く花は、低温や日照不足によって果実が十分に育たない場合があります。
樹に負担をかけないため、遅い時期についた小さな実を摘果する判断も必要です。
枝にトゲがある
レモンの枝には鋭いトゲがあります。
品種や樹齢によってトゲの多さは異なります。若い枝や徒長枝では、長いトゲが出ることがあります。
剪定や収穫では、厚手の手袋と長袖を着用しましょう。通路へ伸びる枝や作業の妨げになるトゲは、清潔な剪定ばさみで切り取れます。
寒さにやや弱い
レモンは、ユズや温州ミカンより寒さに弱い柑橘類です。
霜に当たると葉や果実が傷み、強い寒さでは枝が枯れる場合があります。
庭植えでは、建物の南側や北風の当たりにくい場所を選びます。寒冷地では鉢植えにし、冬に保護できるようにしましょう。
レモンの主な種類・品種
リスボン
リスボンは、一般的なレモンの代表品種です。
酸味と香りが強く、果汁も豊富です。樹勢が強く、枝にトゲが多い傾向があります。
比較的寒さに強いレモンとして知られ、庭植えにも利用されます。
ユーレカ
ユーレカは、世界的に広く栽培されている品種です。
果実は香りがよく、果汁が多い特徴があります。四季咲き性が比較的強く、暖かな環境では複数回開花することがあります。
リスボンと比べて寒さにやや弱いため、冬の防寒が必要です。
マイヤーレモン
マイヤーレモンは、レモンとオレンジ類の交雑種と考えられている柑橘類です。
一般的なレモンより酸味が穏やかで、果皮は熟すと濃い黄色から橙黄色になります。
樹が比較的コンパクトで、鉢植えにも向いています。
ビラフランカ
ビラフランカは、香りと酸味のよい果実をつける品種です。
トゲが比較的少なく、樹形を管理しやすい特徴があります。
家庭栽培用のレモンとしても利用されます。
ポンテローザ
ポンテローザは、大きな果実をつけるレモンの仲間です。
果皮が厚く、強い香りがあります。一般的なレモンより果実が大きく、観賞価値もあります。
樹は比較的コンパクトで、鉢植えにも利用できます。
ピンクレモネード
ピンクレモネードは、斑入りの葉を持つ観賞価値の高い品種です。
未熟な果実には緑色と黄色の縞模様が入り、成熟すると黄色になります。果肉は淡い桃色を帯びる場合があります。
一般的な緑葉の品種より葉緑素が少なく、生育がやや遅い傾向があります。
レモンの育て方
日当たり
レモンは、日当たりのよい場所を好みます。
一日6時間以上日が当たる場所が理想です。日照不足になると、花つきと実つきが悪くなり、枝葉ばかりが伸びる場合があります。
果実の肥大や香りにも日照が関係します。
庭植えでは建物の南側などを選び、鉢植えは春から秋に屋外の日当たりのよい場所へ置きましょう。
風通し
風通しのよい場所で育てます。
枝葉が密集すると、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ、すす病、かいよう病などが発生しやすくなります。
枝同士が重ならないように剪定し、樹冠内部へ光と風を入れましょう。
冬の冷たい風や強風が直接当たる場所は避けます。
用土
レモンは、水はけと保水性のバランスがよい土を好みます。
水が長時間たまる場所では根腐れを起こしやすく、乾燥しすぎると花や果実が落ちることがあります。
庭植えでは、植え付け場所を深く耕し、腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。
粘土質で水がたまりやすい場所では、周囲より少し高く植えましょう。
鉢植えでは、柑橘用培養土や果樹用培養土を利用できます。赤玉土、腐葉土、軽石などを混ぜた用土も適しています。
植え付け時期
レモンの植え付けは、寒さが和らぐ3月〜5月頃が適しています。
新しい根が動き始める暖かな時期に植えると、活着しやすくなります。
寒冷地では、遅霜の心配がなくなってから植え付けましょう。
秋に植えると、根付く前に冬を迎える場合があります。寒さのある地域では春植えが安全です。
植え付け場所の選び方
日当たり、水はけ、風通しのよい場所を選びます。
北風の当たりにくい建物の南側や、塀の内側などが適しています。
レモンは成長すると枝を広げます。建物、通路、隣地、駐車場などから距離を確保しましょう。
枝にトゲがあるため、人が頻繁に通る場所のすぐ近くは避けます。
庭植えの方法
苗木の根鉢よりも広く、深い植え穴を掘ります。
掘り上げた土へ腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。肥料が根へ直接触れないようにしましょう。
接ぎ木部分が土に埋まらない高さで苗木を置きます。
土を戻して軽く押さえ、たっぷりと水を与えます。
風で苗木が動かないように支柱を立て、ひもでゆるく固定しましょう。
鉢植えの方法
レモンは鉢植えでも育てられます。
小さな苗木には、8号〜10号程度の深鉢を用意します。成長に合わせて10号以上の大型鉢へ植え替えましょう。
鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れます。
接ぎ木部分を土の上へ出し、根鉢を大きく崩さずに植え付けます。
植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えましょう。
水やり
基本の水やり
庭植えでは、植え付け後に根付くまで土を乾燥させないように水を与えます。
根付いた後は、通常の降雨だけでも育ちます。高温と乾燥が続く場合は、株元へたっぷりと水を与えましょう。
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
春の水やり
春は新芽が伸び、花が咲く時期です。
開花期に水切れすると、花や幼い実が落ちることがあります。
鉢植えでは、土の表面を確認しながら乾燥させすぎないようにしましょう。
気温が低い時期は土が乾きにくいため、過湿にも注意します。
夏の水やり
夏は枝葉がよく茂り、果実も大きくなるため、水を多く必要とします。
鉢植えでは、朝に土の状態を確認しましょう。真夏は夕方にも確認が必要になる場合があります。
高温の日中を避け、朝か夕方の涼しい時間帯に水を与えます。
株元へ敷きわらやバークチップを敷くと、土の乾燥と地温上昇を抑えられます。
果実肥大期の水やり
果実が大きくなる時期に水切れすると、果実が小さくなったり、落果したりする場合があります。
乾燥後に大量の水を与える管理を繰り返すと、果実や根へ負担がかかります。
土の乾湿差を大きくしないようにしましょう。
秋の水やり
秋は果実が成熟し、枝も冬へ向けて充実する時期です。
土の表面が乾いたら水を与えます。
気温が下がるにつれて、鉢植えの水やり回数を少しずつ減らしましょう。
冬の水やり
冬は生育が鈍くなり、水を吸う量が減ります。
庭植えでは、雨が長期間降らず土が乾燥している場合を除き、水やりは必要ありません。
鉢植えでは、土が乾いてから暖かい日の午前中に水を与えます。
受け皿に水をため続けると根腐れの原因になります。
肥料
レモンは、枝葉を育てながら花や果実をつけるため、比較的肥料を必要とします。
庭植えでは、春、初夏、秋の年3回程度に分けて肥料を与えます。
春は新芽と花の生育、初夏は果実の肥大、秋は果実の成熟と樹勢回復を目的に施します。
鉢植えでは土の量が限られるため、肥料切れが起こりやすくなります。春から秋に緩効性肥料を定期的に与えましょう。
窒素肥料を与えすぎると枝葉ばかりが伸び、花つきが悪くなることがあります。
肥料を幹や根元へ直接触れさせず、株元から少し離れた場所へ施します。
冬は生育が鈍るため、基本的に肥料を与えません。
レモンの花
レモンは、5月〜6月頃を中心に白い花を咲かせます。
つぼみや花びらの外側は、赤紫色や桃色を帯びる場合があります。
暖かな環境では、春以外にも夏や秋に花を咲かせることがあります。
花には甘い香りがあり、ハチやアブなどの昆虫が訪れます。
一株でも実をつけますが、開花期に低温や長雨が続くと、受粉や結実がうまく進まないことがあります。
レモンの受粉
レモンは自家結実性があるため、一般的には一株だけでも実をつけます。
屋外では、ハチやアブなどが花粉を運びます。
室内、温室、網戸の内側など、昆虫が少ない環境では人工授粉を行いましょう。
筆や綿棒で花の中心をやさしくなで、別の花へ花粉を移します。
開花期間中に数回行うと、結実を助けられます。
花房を軽く揺らし、花粉を動かす方法もあります。
レモンの摘果
摘果が必要な理由
レモンは、樹の大きさに対して多くの実をつける場合があります。
すべて残すと果実が小さくなり、枝が重みで下がります。若木や鉢植えでは、樹が消耗して翌年の生育が悪くなることもあります。
樹の大きさや葉の量に合わせて、果実の数を減らしましょう。
摘果の時期
生理落果が落ち着く6月〜8月頃に行います。
小さい実、形の悪い実、傷のある実、病害虫の被害がある実を取り除きます。
夏や秋に遅く咲いた花からできた小さな果実は、冬までに成熟しにくい場合があります。樹の負担を減らすために摘果する方法があります。
若木の摘果
植え付けて間もない若木は、根や枝を育てる時期です。
多くの果実を残すと生育が遅れるため、最初の年はすべて摘果するか、数個だけ残しましょう。
幹や主枝が充実してから、少しずつ収穫量を増やします。
鉢植えの摘果
鉢植えは根を伸ばせる範囲が限られます。
樹高1m程度の小さな株では、数個程度から始め、樹勢に合わせて調整しましょう。
葉が少ない枝や細い枝についた実は、早めに取り除きます。
レモンの剪定
剪定が必要な理由
レモンは枝葉が密集しやすく、放置すると樹冠内部が暗くなります。
日当たりと風通しが悪くなると、花つき、実つき、果実の成熟に影響します。
害虫や病気も発生しやすくなるため、不要な枝を整理しましょう。
剪定時期
基本的な剪定は、寒さが和らぐ3月〜4月頃に行います。
寒い時期に強く剪定すると、切り口や残した枝が寒害を受けることがあります。
収穫後に、混み合う枝や長く伸びた枝を軽く整理することもできます。
秋遅くの強剪定は、新しく伸びる枝が冬までに充実しないため避けましょう。
若木の剪定
若木では、主幹から外側へ伸びる枝を3本〜4本程度選び、主枝として育てます。
内側へ向かう枝、極端に上へ伸びる枝、地面近くから出る枝を整理します。
一度に強く切りすぎず、数年かけて樹形を作りましょう。
成木の剪定
成木では、枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝などを取り除きます。
樹冠内部まで日光が入る程度に枝を間引きましょう。
枝先をすべて短く切ると、花芽が減り、徒長枝が増える場合があります。
不要な枝を付け根から切る間引き剪定を中心にします。
剪定で取り除く枝
剪定では、次のような枝を取り除きます。
枯れた枝
病害虫の被害を受けた枝
内側へ向かって伸びる枝
ほかの枝と交差する枝
真上へ強く伸びる徒長枝
下向きに伸びる枝
細く弱い枝
樹冠内部を暗くする枝
接ぎ木部分より下から伸びるひこばえ
通路や隣地へ伸びる枝
太い枝を一度に多く切ると、樹勢が乱れる場合があります。毎年少しずつ整えましょう。
トゲの処理
作業の妨げになるトゲは、清潔な剪定ばさみで切り取れます。
トゲだけを切っても、樹の生育へ大きな影響はありません。
すべてのトゲを取り除く必要はなく、収穫や通行に支障がある部分を中心に処理しましょう。
レモンの果実
レモンの果実は、受粉後に緑色の小さな実として成長します。
夏から秋にかけて大きくなり、気温が下がると緑色から黄色へ変化します。
暖かな地域では、果実が成熟しても緑色が残る場合があります。
果実の表面には油胞があり、果皮をこすると強い香りが出ます。
果実の大きさ、果皮の厚さ、種の数は品種によって異なります。
レモンの収穫
青レモンの収穫時期
青レモンは、果実が十分な大きさになった夏から秋に収穫できます。
果皮が濃い緑色の状態では、香りが強く、酸味も鋭く感じられます。
料理、飲み物、菓子、薬味などに利用できます。
樹へ果実を残しすぎると負担になるため、青いうちから必要な分を収穫する方法もあります。
黄レモンの収穫時期
黄レモンは、10月〜3月頃に収穫します。
果皮全体が黄色くなり、香りが強くなった頃が目安です。
地域や気温によって着色時期が異なります。
霜に当たると果皮が傷み、果肉も低温障害を受ける場合があります。寒さが厳しくなる前に収穫しましょう。
収穫の目安
果実が品種本来の大きさになり、果皮につやが出た頃が目安です。
黄色くなる前でも利用できます。
果実を長く樹へ残すと、果皮が厚くなり、果汁が減る場合があります。必要な熟度で収穫しましょう。
収穫方法
果実を手で引っ張らず、果梗をハサミで切ります。
枝のトゲに注意し、厚手の手袋と長袖を着用しましょう。
果皮を傷つけると保存性が低下するため、果実を強く握らないようにします。
果梗を長く残すと、保存中にほかの果実を傷つけることがあります。果実を傷つけない長さに切り整えましょう。
保存方法
収穫したレモンは、乾燥を防いで冷暗所や冷蔵庫で保存します。
一つずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、保存袋へ入れると乾燥を抑えられます。
長期保存する場合は、果汁、輪切り、くし切り、果皮などに分けて冷凍できます。
果汁を製氷皿で凍らせると、料理や飲み物へ少量ずつ使えます。
レモンの利用方法
レモンは、果汁と果皮をさまざまな用途に利用できます。
料理の風味づけ
焼き魚や揚げ物
ドレッシング
マリネ
レモネード
レモンスカッシュ
紅茶
シロップ
ジャム
マーマレード
レモンカード
ゼリー
ケーキ
タルト
ピール
果実酒
果皮を利用する場合は、表面をよく洗いましょう。
白い内皮には苦味があります。香りを生かしたい場合は、黄色い表皮部分を薄く削ります。
レモンが実をつけない原因
樹が若い
レモンは、植え付けてすぐに実をつけるとは限りません。
接ぎ木苗では、植え付けから2年〜4年程度で実をつけ始める場合があります。
苗木の大きさや栽培環境によっては、さらに時間がかかります。
若木のうちは樹形づくりと根の成長を優先しましょう。
種から育てている
食べたレモンの種から育てた株は、開花まで長い年月がかかります。
親と同じ品種や品質の果実になるとも限りません。
早く収穫したい場合は、品種名の明確な接ぎ木苗を選びましょう。
日当たりが悪い
日照不足になると、花芽がつきにくくなります。
枝葉は茂っているのに花が少ない場合は、周囲の建物や樹木による日陰を確認しましょう。
枝が密集している場合は、間引き剪定を行います。
肥料が多すぎる
窒素肥料を与えすぎると、枝葉ばかりが伸び、花が少なくなることがあります。
新梢が長く伸び、葉色が濃い場合は、肥料を控えましょう。
肥料が不足している
肥料不足でも、花や果実がつきにくくなります。
葉色が薄い、新梢の伸びが弱い、果実が小さい場合は、肥料不足が考えられます。
春から秋に適量の肥料を与えましょう。
剪定が強すぎる
枝を毎年強く切り戻すと、花芽をつける枝が不足します。
徒長枝ばかりが伸び、実つきが悪くなる場合もあります。
枯れ枝や混み合う枝を中心に、間引き剪定を行いましょう。
開花期の天候が悪い
開花期に低温や長雨が続くと、受粉や結実がうまく進まないことがあります。
鉢植えでは、長雨の間だけ軒下へ移動する方法があります。
室内で受粉できていない
室内や網戸の内側では、受粉を助ける昆虫が少なくなります。
花が咲いたら、筆や綿棒を使って人工授粉を行いましょう。
寒さで花芽や枝が傷んだ
冬の霜や強い寒風によって枝が傷むと、春に花が咲かない場合があります。
冬は不織布や寒冷紗で保護し、鉢植えは軒下や明るい室内へ移動しましょう。
レモンの実が落ちる原因
レモンは、受粉後に一部の花や幼果を自然に落とします。
樹が育てられる果実を選ぶ生理落果であり、すべてが異常ではありません。
実が落ちる主な原因には、次のようなものがあります。
受粉不良
樹が若い
水切れ
水の与えすぎ
日照不足
肥料不足
肥料の与えすぎ
実のつけすぎ
急激な温度変化
強風
病害虫
幼い実が多数落ちる場合は、水分管理、肥料、日当たり、温度を確認しましょう。
レモンの実が小さい原因
摘果が不足している
実を多く残しすぎると、養分が分散して果実が小さくなります。
小さい実や傷のある実を取り除き、残した果実へ養分を集中させましょう。
水切れしている
果実が大きくなる夏に水切れすると、肥大が止まる場合があります。
鉢植えは特に乾燥しやすいため、土の状態をこまめに確認します。
肥料が不足している
肥料不足では、枝葉や果実の成長が弱くなります。
春から秋に適量の肥料を与えましょう。
日照不足
日当たりが悪いと、光合成で作られる養分が不足します。
枝を整理し、樹冠内部まで光を入れましょう。
根詰まりしている
鉢植えで根詰まりすると、水分や養分を十分に吸収できなくなります。
鉢底から根が出ている、水切れが早い、新芽の伸びが悪い場合は、植え替えを検討しましょう。
レモンの葉が黄色くなる原因
肥料不足
葉全体の色が薄くなっている場合は、肥料不足が考えられます。
鉢植えでは土の養分が流れ出やすいため、春から秋に定期的な施肥が必要です。
根腐れ
土が長期間湿った状態では、根腐れによって葉が黄色くなることがあります。
水やりを控え、水はけと鉢底穴の状態を確認しましょう。
水切れ
強い乾燥が続いた場合も、葉が黄色くなって落ちることがあります。
土の乾燥状態を確認し、適切に水を与えます。
低温
冬の寒さや冷たい風によって、葉が黄色くなり、落葉することがあります。
鉢植えは風の当たりにくい場所へ移動し、必要に応じて防寒しましょう。
根詰まり
鉢の中で根が詰まると、水分や養分を吸収しにくくなります。
植え替え時期に、ひと回り大きな鉢へ移しましょう。
レモンの鉢植え管理
レモンは鉢植えでも花と果実を楽しめます。
鉢植えは樹を小さく管理しやすく、冬に寒さを避けて移動できる利点があります。
鉢の選び方
深さと安定感のある鉢を選びます。
小さな苗木には8号〜10号程度の鉢を使い、成長に合わせて10号以上の大型鉢へ植え替えましょう。
果実と枝葉が増えると重くなるため、倒れにくい鉢が適しています。
置き場所
春から秋は、屋外の日当たりと風通しのよい場所へ置きます。
梅雨時期に土が乾きにくい場合は、雨が当たり続けない軒下へ移動します。
強風や台風が予想される場合は、鉢を移動するか、支柱と鉢を固定しましょう。
冬は寒風や霜を避けられる場所へ移します。
植え替え
鉢植えは、2年〜3年に1回を目安に植え替えます。
鉢底から根が出る、水切れが早い、新梢の伸びが悪い場合は根詰まりが考えられます。
植え替えは、3月〜5月頃に行います。
根鉢の外側を軽くほぐし、傷んだ根を取り除いて、ひと回り大きな鉢へ植え替えましょう。
根を大きく切ると株が弱るため、整理は最小限にします。
鉢植えで実をならせるコツ
日当たりを確保し、水切れと肥料切れを防ぎます。
花が咲いたら、昆虫が少ない環境では人工授粉を行いましょう。
実が多くついた場合は摘果し、樹の大きさに合った数へ減らします。
剪定では枝を切りすぎず、風通しを悪くする枝を中心に整理しましょう。
レモンの冬越し
冬越しの温度
レモンは寒さに弱く、霜や凍結で傷むことがあります。
最低気温が5℃を下回る地域では、防寒対策を行うと安全です。
品種、樹齢、株の状態によって耐寒性は異なります。
庭植えの冬越し
庭植えでは、株元へ腐葉土、わら、バークチップなどを敷き、根を寒さから守ります。
若木は幹や枝を不織布、寒冷紗、わらなどで包みましょう。
北風が強く当たる場合は、防風ネットを設置する方法もあります。
寒害を受けた枝は、春に新芽の状態を確認してから剪定します。
鉢植えの冬越し
鉢植えは、霜の当たらない軒下や明るい室内へ移動します。
室内では、南向きの窓辺など日当たりのよい場所へ置きましょう。
暖房の風が直接当たる場所は、葉と土が乾燥しやすいため避けます。
夜間の窓辺は冷えることがあるため、窓から少し離します。
冬の水やり
冬は土が乾いてから、暖かい日の午前中に水を与えます。
低温時に土が湿り続けると、根腐れしやすくなります。
水やり後は受け皿の水を捨てましょう。
冬の肥料
冬は生育が鈍るため、基本的に肥料を与えません。
低温時に肥料を与えると、根を傷める場合があります。
春に新芽が動き始めてから肥料を再開しましょう。
レモンの増やし方
種まき
レモンは、果実から取り出した種をまいて育てられます。
種の表面を洗い、乾燥させないうちに種まき用土へまきます。
暖かく湿った状態を保つと発芽することがあります。
実生苗は、親と同じ品種や品質の果実になるとは限りません。
開花と結実まで長い年月が必要なため、観葉植物として楽しむ方法に向いています。
接ぎ木
品種を維持し、早く収穫するためには接ぎ木を行います。
カラタチなどを台木として、育てたいレモンの枝や芽を接ぎます。
市販されているレモン苗の多くは接ぎ木苗です。
家庭で収穫を目指す場合は、品種名の明確な接ぎ木苗を購入しましょう。
挿し木
レモンは挿し木でも増やせます。
春から初夏に伸びた充実した枝を切り、数枚の葉を残して挿し穂にします。
清潔な挿し木用土へ挿し、発根するまで乾燥させないように管理しましょう。
挿し木苗は接ぎ木苗より根が弱く、寒さや土壌環境の影響を受けやすい場合があります。
レモンに発生しやすい病気
かいよう病
かいよう病は、葉、枝、果実に褐色の盛り上がった病斑が現れる病気です。
風雨によって広がりやすく、傷ついた部分から感染することがあります。
強風を避け、被害を受けた枝葉や果実を取り除きましょう。
ミカンハモグリガによる葉の傷も感染のきっかけになります。
そうか病
そうか病は、葉や果実にいぼ状の病斑が現れる病気です。
若い葉や果実が雨に当たる時期に発生しやすくなります。
枝葉の風通しを確保し、被害部分を早めに取り除きましょう。
黒点病
黒点病は、果実や葉に小さな黒い斑点が現れる病気です。
枯れ枝などに病原菌が残り、雨によって広がることがあります。
枯れ枝を剪定し、樹冠内部を清潔に保ちましょう。
すす病
すす病は、葉、枝、果実が黒いすすで覆われたようになる病気です。
アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミなどの排せつ物を原因として発生します。
原因となる害虫を取り除くことが重要です。
根腐れ
根腐れは、水はけの悪い土や水の与えすぎによって起こります。
葉が黄色くなる、新芽が伸びない、枝が枯れるなどの症状が現れます。
水がたまる場所を避け、鉢植えでは受け皿の水を捨てましょう。
レモンにつきやすい害虫
アゲハチョウ類
アゲハチョウ類の幼虫は、レモンの葉を食べます。
若木では、数匹の幼虫でも葉が大きく減ることがあります。
葉を定期的に確認し、卵や幼虫を見つけたら取り除きましょう。
ミカンハモグリガ
ミカンハモグリガの幼虫は、若い葉の内部へ入り込んで食害します。
葉に白い曲線状の跡が現れ、葉が縮れることがあります。
夏から秋に伸びる新芽で発生しやすくなります。
被害葉が少ない場合は、取り除いて処分しましょう。
アブラムシ
アブラムシは、新芽や若い葉に集まり、樹液を吸います。
新芽が縮れ、生育が悪くなることがあります。
排せつ物によってすす病が発生する場合もあります。
数が少ないうちに水で洗い流すか、手で取り除きましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは、枝、幹、葉へ付着して樹液を吸います。
数が増えると樹勢が低下し、すす病の原因になります。
少数であれば、ブラシや布でこすり落としましょう。
ハダニ
ハダニは葉裏に発生し、葉の汁を吸います。
被害を受けた葉は、白くかすれたようになります。
高温で乾燥した時期に増えやすいため、夏は葉裏を確認しましょう。
コナジラミ
コナジラミは葉裏へ寄生し、樹液を吸います。
株に触れたときに、小さな白い虫が飛ぶことがあります。
排せつ物によってすす病が発生する場合もあります。
カメムシ類
カメムシ類は、果実へ口を刺して汁を吸います。
被害を受けた果実は、変形や変色が起こる場合があります。
見つけたら捕殺し、ほかの果実も確認しましょう。
農薬を使用する場合は、レモンやかんきつへの登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数、収穫前日数を確認します。
レモンを育てるときの注意点
寒さに当てない
レモンは霜や凍結に弱い果樹です。
庭植えでは北風を避け、若木を不織布などで保護しましょう。
鉢植えは霜が降りる前に軒下や明るい室内へ移動します。
接ぎ木部分より下の枝を残さない
接ぎ木部分より下から伸びる枝は、台木の芽である可能性があります。
放置すると台木の枝が強く伸び、レモンの枝が弱る場合があります。
見つけたら付け根から取り除きましょう。
強く剪定しすぎない
レモンは強剪定を行うと、徒長枝が多く伸びる場合があります。
花芽のつく枝も減り、実つきが悪くなることがあります。
不要な枝を付け根から切る間引き剪定を中心に行いましょう。
実をつけすぎない
多くの果実を残すと、樹が消耗します。
若木や鉢植えでは早めに摘果し、樹の大きさに合った数へ調整しましょう。
トゲによるけがに注意する
剪定や収穫では、厚手の手袋、長袖、保護眼鏡を着用します。
顔を枝へ近づけないように注意しましょう。
作業や通行の妨げになるトゲは、清潔な剪定ばさみで切り取れます。
枯れ枝を放置しない
枯れ枝は病原菌が残る場所になることがあります。
見つけたら健康な部分まで切り戻し、樹冠内部を清潔に保ちましょう。
果皮を利用するときはよく洗う
家庭で収穫したレモンの果皮を料理や菓子に利用する場合は、表面をよく洗います。
農薬を使用した場合は、使用方法と収穫前日数を必ず守りましょう。
レモンの育て方に関するよくある質問
レモンは一本だけでも実がなりますか?
レモンは自家結実性があり、一般的には一株でも実をつけます。
室内や昆虫の少ない環境では、人工授粉を行うと結実しやすくなります。
レモンは植えてから何年で実がなりますか?
接ぎ木苗では、植え付けから2年〜4年程度で実をつけ始める場合があります。
苗木の大きさや栽培環境によって異なります。
種から育てた実生苗では、さらに長い年月が必要です。
レモンは鉢植えでも育てられますか?
大型の鉢と日当たりのよい場所を用意すれば、鉢植えでも育てられます。
鉢植えは冬に移動できるため、寒さのある地域にも向いています。
水切れ、根詰まり、肥料切れ、実のつけすぎに注意しましょう。
レモンの剪定はいつ行いますか?
寒さが和らぐ3月〜4月頃に行います。
枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝などを取り除きます。
強く切り戻すよりも、間引き剪定を中心に行いましょう。
レモンの花が咲かないのはなぜですか?
樹が若い、日照不足、肥料過多、強剪定、寒害などが考えられます。
種から育てた株は、開花まで長い年月がかかります。
レモンの花は咲くのに実がならないのはなぜですか?
開花期の低温、長雨、水切れ、受粉不足、樹勢低下などが考えられます。
室内や昆虫の少ない場所では、人工授粉を行いましょう。
レモンの実が毎年ならないのはなぜですか?
前年に実を多くつけすぎたことによる樹勢低下が考えられます。
実が多い年に摘果し、収穫後に肥料を与えて樹勢を回復させましょう。
レモンの葉が黄色くなるのはなぜですか?
肥料不足、根腐れ、根詰まり、低温、水切れなどが考えられます。
発生した時期、土の湿り方、肥料、根の状態を確認しましょう。
レモンの葉が食べられているのはなぜですか?
アゲハチョウ類の幼虫が葉を食べている可能性があります。
葉の表裏や枝を確認し、卵や幼虫を取り除きましょう。
レモンの実が黄色くならないのはなぜですか?
気温が高いと、成熟しても果皮に緑色が残る場合があります。
秋から冬に気温が下がると黄色くなりやすくなります。
果実が十分な大きさになっていれば、緑色の状態でも収穫して利用できます。
レモンのトゲは切っても大丈夫ですか?
作業や通行の妨げになるトゲは切っても問題ありません。
枝を傷つけないように、清潔な剪定ばさみでトゲの根元から切りましょう。
まとめ
レモンは、さわやかな香りと強い酸味を持つ果実を楽しめる常緑果樹です。
一株でも実をつけやすく、接ぎ木苗を選べば比較的早い時期から収穫を期待できます。
日当たりと水はけのよい場所を選び、春から秋は十分に日光へ当てましょう。寒さにはやや弱いため、庭植えでは北風を避け、鉢植えは冬に軒下や明るい室内へ移動します。
レモンは肥料を必要とする果樹です。春、初夏、秋に分けて施肥し、鉢植えでは肥料切れにも注意しましょう。
剪定は寒さが和らぐ3月〜4月頃に行います。枝を強く切り戻すのではなく、枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝を付け根から切る間引き剪定を中心にします。
若木や鉢植えに多くの実がついた場合は摘果を行い、樹の負担を減らしましょう。
青レモンは夏から秋、黄レモンは秋から冬に収穫できます。果汁だけでなく、香りの強い果皮も料理、菓子、飲み物などに利用できます。
枝には鋭いトゲがあるため、剪定や収穫では厚手の手袋と長袖を着用しましょう。
日当たり、肥料、水分、剪定、寒さ対策を適切に行えば、家庭でも香り豊かなレモンを収穫できます。