マンゴー(芒果)栽培の基本|種からの育て方と実がならない原因を解説
マンゴーの育て方|鉢植え・剪定・受粉・冬越しのコツを解説
マンゴーは、濃厚な甘味と芳香を持つ果実をつける常緑果樹です。完熟した果実は果汁が多く、なめらかな食感を楽しめます。
熱帯から亜熱帯地域を原産とするため、寒さに弱い性質があります。日本では沖縄県や宮崎県、鹿児島県などで栽培されています。家庭では鉢植えにして、春から秋は屋外、冬は室内で管理する方法が一般的です。
種から発芽させることもできますが、収穫を目指す場合は品種名の明確な接ぎ木苗が適しています。日当たり、温度管理、剪定、受粉、冬越しが栽培の重要なポイントです。
この記事では、マンゴーの特徴、品種、植え付け、水やり、肥料、剪定、受粉、摘果、収穫、実がならない原因、鉢植え管理、冬越し、病害虫、増やし方まで詳しく解説します。
マンゴーの基本情報
和名:マンゴー
学名:Mangifera indica
科名:ウルシ科
属名:マンゴー属
分類:常緑高木、果樹
原産地:インド北東部から東南アジア周辺
樹高:5m〜20m程度。鉢植えでは剪定により1m〜2m程度に管理可能
開花期:1月〜5月頃。地域や栽培環境により異なる
花色:黄白色、淡黄色、淡い桃色
収穫期:6月〜9月頃。品種や地域により異なる
実の色:緑色、黄色、橙色、赤色、赤紫色など
植え付け時期:4月〜6月頃
植え替え時期:5月〜7月頃
剪定時期:収穫後、5月〜9月頃
成長速度:やや早い
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
栽培難易度:中級者〜上級者向き。日照、温度管理、受粉、冬越しがポイント
マンゴーとは?
マンゴーは、ウルシ科マンゴー属に分類される常緑果樹です。
原産地では大きな高木に育ちます。日本の家庭では、鉢植えにして樹高を抑えながら栽培する方法が向いています。
葉は細長く、厚みと光沢があります。新芽は赤褐色や赤紫色を帯び、成長すると濃い緑色へ変化します。
枝先に多数の小さな花を円錐状につけます。一つの花房には多くの花が咲きますが、実になる花は一部です。
果実は品種によって大きさや形が異なります。楕円形、卵形、腎臓形などがあり、果皮の色も緑色、黄色、赤色などさまざまです。
マンゴーの特徴
濃厚な甘味と香りを持つ
マンゴーの果肉は黄色から橙黄色で、濃厚な甘味と芳香があります。
品種によって、なめらかな食感のもの、繊維質が多いもの、酸味を感じるものなどがあります。
完熟果は生食に向いています。少し酸味が残る果実は、ジュース、ジャム、菓子、料理などにも利用できます。
寒さに弱い
マンゴーは熱帯から亜熱帯地域の果樹です。
低温に弱く、気温が下がると生育が止まります。霜や凍結に当たると、葉や枝だけでなく株全体が枯れることがあります。
本州で育てる場合は鉢植えにし、冬は暖かく明るい室内へ移動する方法が基本です。
日光を好む
マンゴーは強い日光を好みます。
日照不足になると枝が弱く伸び、花芽がつきにくくなります。果実の肥大や糖度にも日照が関係します。
春から秋は屋外の日当たりのよい場所で育てましょう。
花は多くても実は少ない
マンゴーは枝先に多数の花を咲かせます。
花には雄花と両性花があり、両性花の一部が受粉して果実になります。一つの花房に数百から数千の花が咲いても、収穫まで残る果実は数個程度になることがあります。
開花期の低温、湿度、風、訪花昆虫の少なさなどによって結実率が変わります。
ウルシ科の植物
マンゴーはウルシ科に分類されます。
樹液、果皮、果梗の周辺には、体質によってかぶれを起こす成分が含まれます。
剪定や収穫を行うときは手袋を着用し、樹液が皮膚につかないように注意しましょう。ウルシにかぶれやすい人は、果皮へ直接触れる作業にも注意が必要です。
マンゴーの主な種類・品種
アーウィン
アーウィンは、日本で「アップルマンゴー」として流通することが多い品種です。
果皮は成熟すると赤色から赤紫色になり、果肉は橙黄色です。甘味が強く、なめらかな食感があります。
日本の施設栽培でも多く利用されています。家庭で収穫を目指す場合は、品種名の明確な接ぎ木苗を選びましょう。
キーツ
キーツは、大きな果実をつける晩生品種です。
完熟しても果皮に緑色が残ることがあります。果皮の色だけでは成熟を判断しにくいため、果実の大きさや香り、果肉のやわらかさを確認します。
果肉は繊維が少なく、濃厚な甘味があります。
ケント
ケントは、大玉で果汁の多い品種です。
果肉の繊維が比較的少なく、なめらかな食感を楽しめます。成熟すると果皮に赤色や黄色が現れます。
樹勢が強いため、鉢植えでは剪定による樹高管理が必要です。
トミー・アトキンス
トミー・アトキンスは、輸送性や保存性に優れる品種です。
果皮は赤色を帯び、果肉にはやや繊維があります。海外から輸入されるマンゴーにも多く見られます。
家庭で種をまいた場合、同じ性質の果実ができるとは限りません。
ナムドクマイ
ナムドクマイは、タイを代表するマンゴーの一つです。
細長い形をしており、成熟すると果皮が黄色くなります。果肉は甘味が強く、やわらかい特徴があります。
寒さに弱いため、日本では温室や室内管理が必要です。
マハチャノック
マハチャノックは、細長い果実をつけるタイ系の品種です。
果皮は黄色から赤色に色づき、甘味と香りがあります。見た目が美しく、家庭栽培でも人気があります。
金蜜
金蜜は、台湾系の黄色い果実をつける品種です。
甘味が強く、香りのよい果肉を楽しめます。果実は比較的大きくなるため、着果後は枝を支える必要があります。
マンゴーの育て方
日当たり
マンゴーは、一日を通してよく日が当たる場所を好みます。
春から秋は、屋外の日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。
日照不足になると、枝が細く伸び、花芽がつきにくくなります。果実がついても糖度が上がりにくくなる場合があります。
室内で冬越しさせる場合も、南向きの窓辺など、できるだけ明るい場所へ置きます。
急な直射日光に注意する
室内で冬越ししたマンゴーを春に屋外へ出す場合は、急に強い直射日光へ当てないようにします。
室内の弱い光に慣れた葉は、強い日光によって葉焼けすることがあります。
最初は明るい日陰へ置き、数日から1週間程度かけて少しずつ日光に慣らしましょう。
風通し
風通しのよい場所で育てます。
枝葉が密集すると、カイガラムシ、ハダニ、すす病などが発生しやすくなります。
開花期に湿度が高すぎると、花房に病気が発生する場合があります。枝の混み合いを避け、空気が動く環境を作りましょう。
強風が当たる場所では、鉢が倒れたり、果実の重みで枝が折れたりすることがあります。支柱や鉢の固定も必要です。
温度
マンゴーの生育には高い温度が必要です。
春から秋は、気温が20℃以上になるとよく成長します。気温が15℃を下回ると生育が鈍くなります。
冬は最低気温を5℃以上に保つことが基本です。安定した生育を保つには、10℃以上を確保すると安全です。
花芽の形成には、一定期間の涼しい温度と乾燥が関係します。暖かすぎる室内で一年中管理すると、枝葉は伸びても花芽がつきにくい場合があります。
用土
マンゴーは、水はけと通気性のよい土を好みます。
水分を含んだ状態が長く続くと、根腐れを起こしやすくなります。
鉢植えでは、果樹用培養土、観葉植物用培養土、赤玉土と腐葉土を混ぜた用土などを使用できます。
軽石やパーライトを加えると排水性を高められます。
庭植えできる温暖な地域でも、水がたまりやすい場所は避けましょう。
植え付け時期
マンゴーの植え付けは、気温が十分に上がる4月〜6月頃が適しています。
最低気温が15℃以上になってから植え付けると、根が動きやすくなります。
秋や冬に植え替えると、低温によって根が回復しにくくなります。
購入した苗をすぐに植え替える必要がない場合は、暖かくなるまで元の鉢で管理する方法もあります。
鉢植えの方法
マンゴーは寒さに弱いため、日本の多くの地域では鉢植えが適しています。
苗木の根鉢よりもひと回り大きな鉢を選びます。最初から大きすぎる鉢を使うと、土が乾きにくくなり、根腐れしやすくなります。
鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れます。
根鉢を大きく崩さずに植え付け、株元の高さが変わらないようにします。
植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。
庭植えの方法
沖縄県や南西諸島など、霜がほとんど降りない温暖な地域では庭植えも可能です。
日当たり、水はけ、風通しのよい場所を選びます。
苗木の根鉢よりも広い植え穴を掘り、掘り上げた土へ腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。
根鉢を崩さずに植え付け、たっぷりと水を与えます。
強風で根が動かないように支柱を立てましょう。
水やり
基本の水やり
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。
常に土が湿った状態にすると、根腐れを起こしやすくなります。
季節、気温、鉢の大きさ、葉の量によって土の乾き方が変わります。決まった日数ではなく、土の状態を確認して水やりを行いましょう。
春の水やり
春は気温の上昇とともに、新芽が伸び始めます。
土の表面が乾いたら水を与えます。まだ気温が低い時期は土が乾きにくいため、過湿に注意しましょう。
屋外へ移動した後は、日光と風によって土が乾きやすくなります。
夏の水やり
夏は成長が盛んになり、水を多く必要とします。
朝に土の状態を確認し、乾いていればたっぷりと水を与えます。
真夏の小さな鉢では、夕方にも確認が必要になる場合があります。
日中の高温時に水を与えると、鉢の中が蒸れることがあります。朝または夕方の涼しい時間帯に行いましょう。
開花期の水やり
開花期に土を過湿にすると、枝葉の成長が強くなり、花が落ちやすくなる場合があります。
極端に乾燥させない範囲で、やや乾燥気味に管理します。
花房へ直接水をかけると、花が傷んだり病気が発生したりすることがあります。株元へ静かに水を与えましょう。
果実肥大期の水やり
果実が大きくなる時期は、水切れに注意します。
水分が不足すると、果実が大きくならない、幼い実が落ちるなどの原因になります。
乾燥した後に大量の水を与える管理を繰り返すと、根や果実へ負担がかかります。土の乾湿差を大きくしないようにしましょう。
秋の水やり
気温が下がるにつれて、土の乾き方が遅くなります。
水やりの回数を少しずつ減らし、土の表面がしっかり乾いてから与えましょう。
冬越しの準備として、過湿を避けることが大切です。
冬の水やり
冬は生育が鈍くなり、水を吸う量が減ります。
土の表面だけでなく、鉢の内部まで乾いてきたことを確認してから水を与えます。
暖かい日の午前中に水やりを行い、夜までに余分な水分が抜けるようにします。
受け皿に水をため続けないようにしましょう。
肥料
マンゴーは成長期に肥料を必要としますが、与えすぎると枝葉ばかりが伸びます。
鉢植えでは、春に新芽が動き始めた頃から緩効性肥料を与えます。
初夏から夏にも、株の状態を確認しながら追肥します。収穫後は、枝を充実させるために少量の肥料を与えます。
窒素肥料が多すぎると、新梢が長く伸び、花芽がつきにくくなることがあります。
花芽の形成を目指す株では、秋以降の窒素肥料を控えましょう。
冬は生育が止まるため、基本的に肥料を与えません。
マンゴーの剪定
剪定が必要な理由
マンゴーは放置すると上へ大きく伸びます。
鉢植えでは、室内へ移動できる高さと幅に保つ必要があります。
枝先に花芽をつけるため、強い剪定を繰り返すと花が咲かなくなる場合があります。樹形と花芽の位置を考えながら剪定しましょう。
剪定時期
基本的な剪定は、収穫後から夏の生育期に行います。
実がつかなかった株でも、新梢が十分に伸びた5月〜9月頃に樹形を整えます。
秋の遅い時期に剪定すると、新しく伸びた枝が冬までに充実せず、寒さで傷むことがあります。
冬の強剪定は避けましょう。
幼木の剪定
若い苗木は、樹高が60cm〜100cm程度になったら先端を切り戻します。
主幹の先端を切ると、下の芽から複数の枝が伸びます。
四方へバランスよく伸びる枝を3本〜4本程度残し、主枝として育てます。
主枝がさらに伸びたら先端を切り、枝数を増やします。
成木の剪定
成木では、収穫後に実をつけた枝の先端を切り戻します。
枯れた枝、重なる枝、内側へ伸びる枝、下向きの枝、細い枝を取り除きます。
樹冠の内部へ光と風が入るように整えましょう。
一度に多くの葉を失うと株が弱るため、強く切りすぎないことが大切です。
剪定で取り除く枝
剪定では、次のような枝を取り除きます。
枯れた枝
病害虫の被害を受けた枝
内側へ向かって伸びる枝
ほかの枝と交差する枝
下向きに伸びる枝
細く弱い枝
樹冠の内部を混み合わせる枝
真上へ強く伸びる徒長枝
室内への移動を妨げる長い枝
剪定時には樹液が出ることがあります。手袋、長袖、保護眼鏡を使用しましょう。
剪定後の注意点
剪定後は、切り口や葉へ強い直射日光が当たり、枝が日焼けすることがあります。
葉を一度に減らしすぎないようにしましょう。
剪定ばさみは清潔なものを使用します。太い枝を切った場合は、切り口から病原菌が入らないように管理します。
マンゴーの花
マンゴーは、枝の先端に円錐状の花房をつけます。
一つの花房には、多数の小さな花が咲きます。花色は黄白色、淡黄色、淡い桃色などです。
花には雄花と両性花があります。両性花が受粉すると果実になります。
花房から独特な香りがすることがあります。自然環境ではハエ、アブ、ハチなどが花粉を運びます。
鉢植えを室内や温室で育てている場合は、訪花昆虫が少ないため人工授粉が必要になることがあります。
マンゴーの受粉
自然受粉
屋外で開花したマンゴーは、昆虫や風によって受粉します。
ハエや小型の昆虫が花を訪れることがあります。
農薬を開花期に使用すると、受粉を助ける昆虫にも影響する場合があります。使用時期を確認しましょう。
人工授粉
訪花昆虫が少ない場合は、筆や綿棒を使って人工授粉を行います。
花が開いている時間帯に、花房全体をやさしくなでるように筆を動かします。
別の花房にも同じ筆を使い、花粉を移しましょう。
一度だけではなく、開花期間中に数回行うと結実しやすくなります。
花房を揺らす方法
花房を軽く揺らし、花粉を動かす方法もあります。
強く揺らすと花が落ちるため、枝や花房へ負担をかけないようにします。
室内では小型の扇風機で弱い風を送る方法もあります。花へ強風を直接当てないようにしましょう。
マンゴーの摘果
摘果が必要な理由
マンゴーは、受粉後に複数の幼果をつけることがあります。
すべての果実を残すと、実が小さくなり、枝が重みで折れる場合があります。
鉢植えでは根の量が限られるため、着果数を少なくすることが大切です。
摘果の方法
幼果が成長し始めたら、小さい実、傷のある実、形の悪い実を取り除きます。
一つの花房に複数の実が残っている場合は、大きく形のよいものを1個程度残します。
若木では、樹を育てるために果実をすべて取り除く判断も必要です。
樹高1m程度の小さな鉢植えでは、1個〜2個程度に抑えると株への負担を減らせます。
枝を支える方法
マンゴーの果実は大きく重くなります。
細い枝へ果実を残すと、枝が折れることがあります。
支柱を立て、ひもやネットで果実や枝を支えましょう。
果実へひもを直接強く巻くと傷がつくため、ネットや布を利用して重さを分散します。
マンゴーの袋かけ
果実が大きくなったら、必要に応じて袋かけを行います。
袋かけには、害虫、鳥、強い日差し、傷、汚れなどから果実を守る効果があります。
果皮を赤く色づかせたい品種では、日光の当たり方を調整する必要があります。
袋をかける前に、果実に傷や病気がないか確認しましょう。
風で袋が外れないように、果梗部分へ固定します。
マンゴーの収穫
収穫時期
マンゴーの収穫時期は、6月〜9月頃です。
品種、開花時期、地域、栽培温度によって変わります。
開花から収穫までには、数か月かかります。
収穫の目安
果実の肩部分がふくらみ、品種本来の大きさになった頃が目安です。
果皮の色は品種によって異なります。赤くなる品種だけでなく、完熟しても緑色が残る品種があります。
果実から甘い香りが出る、果皮につやが出る、果梗周辺がふくらむなどの変化も確認しましょう。
自然落果による収穫
アーウィンなどは、完熟すると自然に落果します。
生産現場では果実へネットをかけ、落ちた果実を傷つけずに受け止める方法が利用されます。
家庭栽培でも、果実袋やネットで支えておくと落果による傷を防げます。
収穫方法
果実を片手で支え、果梗をハサミで切ります。
果梗を切ると樹液が出ることがあります。樹液が果皮につくと変色や傷みの原因になります。
果梗を少し長めに残し、果実を逆さにして樹液を出してから保管しましょう。
手袋を着用し、樹液が皮膚につかないようにします。
追熟
硬い状態で収穫したマンゴーは、常温で追熟できます。
果実がやわらかくなり、甘い香りが強くなったら食べ頃です。
直射日光の当たらない室内で管理し、毎日状態を確認しましょう。
完熟後は冷蔵庫へ入れ、早めに食べます。
マンゴーの食べ方
マンゴーの中心には、平たく大きな種があります。
種を避けるように果実を縦に3枚に切ります。
種のない両側の果肉へ格子状の切り込みを入れ、果皮側から押し出すと食べやすくなります。
次のような利用方法があります。
生食
ジュース
スムージー
プリン
ゼリー
アイスクリーム
シャーベット
ケーキ
タルト
ジャム
ソース
サラダ
ドライマンゴー
果皮の近くにはかぶれの原因となる成分が含まれることがあります。皮をむき、果肉だけを食べましょう。
マンゴーが実をつけない原因
樹が若い
マンゴーは、苗木を植えてすぐに実をつけるとは限りません。
接ぎ木苗でも、開花まで数年かかる場合があります。
種から育てた実生苗では、開花や結実までさらに長い年月が必要です。
種から育てている
食べたマンゴーの種から発芽させた株は、観葉植物として楽しめます。
親株と同じ品質の果実になるとは限りません。開花まで5年以上かかる場合もあります。
収穫を目的とする場合は、接ぎ木苗を選びましょう。
日照不足
日照不足になると、花芽が形成されにくくなります。
春から秋は屋外の日当たりのよい場所へ置きます。
冬もできるだけ明るい場所で管理しましょう。
冬も暖かすぎる
マンゴーの花芽形成には、一定期間の涼しい温度や乾燥が必要になる場合があります。
一年中暖かく、水と肥料を多く与えると、枝葉ばかりが成長することがあります。
株を枯らさない範囲で、冬は肥料を控え、水やりも減らしましょう。
肥料が多すぎる
窒素肥料を与えすぎると、新梢や葉ばかりが伸びます。
葉色が濃く、枝が長く伸び続けている場合は、肥料の量を見直しましょう。
秋以降の窒素肥料は、花芽形成を妨げる場合があります。
剪定時期が遅い
マンゴーは、充実した枝の先端へ花芽をつけます。
秋や冬に枝先を切ると、花芽を取り除いてしまうことがあります。
剪定は収穫後から夏の間に行い、秋までに枝を充実させましょう。
受粉していない
花は咲いても、受粉しなければ実はつきません。
室内や網戸のある場所では、受粉を助ける昆虫が少なくなります。
筆や綿棒を使って人工授粉を行いましょう。
開花期の温度が低い
開花期に気温が低いと、花粉の働きや受精が悪くなることがあります。
寒風や急な温度低下を避け、できるだけ暖かい場所で管理します。
花房が病気になっている
湿度が高く、風通しが悪いと、花房にカビや病斑が発生することがあります。
花が黒くなって落ちる場合は、風通しと水やりを見直しましょう。
マンゴーの実が落ちる原因
マンゴーは、受粉後に多くの幼果を自然に落とします。
樹が育てられる果実だけを残す生理的な現象であり、すべての落果が異常とは限りません。
実が落ちる主な原因には、次のようなものがあります。
受粉不良
水切れ
水の与えすぎ
日照不足
低温
急激な温度変化
肥料不足
肥料の与えすぎ
果実のつけすぎ
強風
病害虫
小さな鉢植えでは、根の量に対して果実が多すぎると落果しやすくなります。早めに摘果しましょう。
マンゴーの鉢植え管理
マンゴーは、日本の多くの地域で鉢植え栽培が適しています。
季節に合わせて置き場所を移動でき、冬は室内で保温できます。
鉢の選び方
苗木の根鉢よりもひと回り大きな鉢を選びます。
小さすぎる鉢では水切れと根詰まりが起こりやすくなります。
大きすぎる鉢では土が乾きにくくなり、根腐れの原因になります。
樹高が高くなると倒れやすいため、安定感のある鉢を選びましょう。
置き場所
春から秋は、屋外の日当たりと風通しのよい場所へ置きます。
梅雨時期に土が乾きにくい場合は、雨が当たり続けない軒下へ移動します。
台風や強風が予想される場合は、室内へ取り込むか、鉢と枝を固定しましょう。
冬は明るく暖かい室内へ移動します。
植え替え
鉢植えは、2年〜3年に1回を目安に植え替えます。
鉢底から根が出る、水を与えても染み込みにくい、新芽の伸びが悪い場合は根詰まりが考えられます。
植え替えは、気温が十分に高い5月〜7月頃に行います。
根鉢を大きく崩さず、ひと回り大きな鉢へ移しましょう。
太い根を多く切ると株が弱るため、根の整理は最小限にします。
樹高を抑える方法
幼木のうちから先端を切り、低い位置で枝分かれさせます。
主枝を3本〜4本程度に整え、収穫後に枝先を切り戻します。
毎年少しずつ樹形を調整すると、室内へ運べる大きさを保ちやすくなります。
マンゴーの冬越し
冬越しの温度
マンゴーは寒さに弱いため、冬は最低気温5℃以上を保ちます。
安定した生育には、10℃以上が理想です。
気温が低い窓辺では、夜間に外気の影響を受けます。夜は窓から少し離しましょう。
室内へ入れる時期
最低気温が15℃を下回り始めたら、室内へ移動する準備をします。
急に環境を変えると葉が落ちる場合があります。屋外の明るい日陰、玄関、室内の順に移動し、環境へ慣らしましょう。
室内へ入れる前に、葉裏や枝へ害虫がついていないか確認します。
冬の置き場所
南向きの窓辺など、明るく暖かい場所へ置きます。
暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。葉や土が急激に乾燥します。
床付近は冷えやすいため、鉢を台の上へ置く方法もあります。
冬の水やり
冬は土が乾いてから数日待ち、暖かい日の午前中に水を与えます。
葉が少なく、生育が止まっている株へ頻繁に水を与えると根腐れしやすくなります。
水やり後は受け皿の水を捨てましょう。
冬の肥料
冬は肥料を与えません。
低温で根の働きが弱い時期に肥料を与えると、根を傷めることがあります。
春に新芽が動き始めてから肥料を再開しましょう。
マンゴーの増やし方
種まき
マンゴーは、食べた果実の種から発芽させられます。
果肉をきれいに洗い落とし、硬い外殻を慎重に開きます。内部の種子を取り出し、乾燥させないようにします。
湿らせたキッチンペーパーや水苔で包み、暖かい場所へ置くと発根することがあります。
発根後は、水はけのよい土へ植え付けましょう。
実生苗は親と同じ品種にはならず、果実の品質も異なる可能性があります。
種の上下
マンゴーの種子は平たい形をしています。
根が出ている側を下に向け、種子の一部が土から見える程度の浅さに植えます。
深く埋めすぎると腐りやすくなります。
接ぎ木
収穫を目的とするマンゴーは、接ぎ木で増やします。
実生苗を台木として、果実品質のよい品種の枝を接ぎます。
接ぎ木苗は、実生苗よりも早く開花し、品種本来の果実を収穫できます。
家庭では、専門店から品種名の明確な接ぎ木苗を購入する方法が確実です。
挿し木
マンゴーは挿し木で発根しにくい果樹です。
家庭で増やす場合は、種まきや接ぎ木が一般的です。
マンゴーに発生しやすい病気
炭疽病
炭疽病は、葉、枝、花、果実に黒褐色の斑点が現れる病気です。
高温多湿な環境で発生しやすく、開花期や果実の成熟期に被害が広がることがあります。
枝葉の風通しを確保し、花房や葉へ水をかけないようにしましょう。
被害を受けた葉や果実は早めに取り除きます。
うどんこ病
うどんこ病は、葉や花房に白い粉をまぶしたような症状が現れる病気です。
風通しが悪い環境で発生しやすくなります。
症状のある葉や花房を取り除き、枝の混み合いを改善しましょう。
すす病
すす病は、葉や枝が黒いすすで覆われたようになる病気です。
カイガラムシやアブラムシの排せつ物を原因として発生します。
原因となる害虫を駆除し、葉の汚れをやさしく拭き取ります。
根腐れ
根腐れは、水の与えすぎや水はけの悪い土によって起こります。
葉が黄色くなる、新芽が伸びない、土が長く湿ったままになるなどの症状が現れます。
水やりを控え、水はけのよい用土と鉢を使用しましょう。
枝枯れ
低温、根腐れ、剪定傷、病原菌などによって枝先が枯れ込むことがあります。
枯れた枝は、健康な部分まで切り戻します。
切り口から出る樹液に触れないように注意しましょう。
マンゴーにつきやすい害虫
カイガラムシ
カイガラムシは、枝、葉、幹へ付着して樹液を吸います。
数が増えると株が弱り、すす病の原因になります。
少数であれば、ブラシや布でこすり落としましょう。
ハダニ
ハダニは葉裏に発生し、葉の汁を吸います。
被害を受けた葉は、白くかすれたようになります。
高温で乾燥した室内や軒下で増えやすいため、葉裏を定期的に確認しましょう。
アブラムシ
アブラムシは、新芽や花房に集まり、樹液を吸います。
新芽の変形や花の生育不良を起こすことがあります。
数が少ないうちに取り除きましょう。
アザミウマ
アザミウマは、花、若い葉、幼い果実を吸汁します。
果実の表面に傷や褐色の跡が残る場合があります。
開花期から幼果期に、花房や新芽を確認しましょう。
コナジラミ
コナジラミは葉裏に寄生し、樹液を吸います。
株へ触れたときに、小さな白い虫が飛ぶ場合があります。
排せつ物によってすす病が発生することもあります。
コガネムシ類
コガネムシ類の成虫が葉を食害することがあります。
幼虫は鉢土の中で根を食べる場合があります。
植え替え時に幼虫がいないか確認しましょう。
農薬を使用する場合は、マンゴーへの登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数、収穫前日数を確認します。
マンゴーを育てるときの注意点
樹液によるかぶれに注意する
マンゴーはウルシ科の植物です。
剪定、収穫、植え替えでは樹液に触れる可能性があります。
手袋、長袖、保護眼鏡を使用し、作業後は手や道具を洗いましょう。
体質によっては果皮へ触れただけでもかぶれる場合があります。
寒さに当てない
マンゴーは霜や凍結に弱い果樹です。
最低気温が15℃を下回る前に、室内へ取り込む準備をします。
窓辺の夜間冷却や暖房の停止にも注意しましょう。
水を与えすぎない
土が湿った状態を保ち続けると、根腐れしやすくなります。
特に冬は水を吸う量が減ります。
土の乾燥を確認してから水を与えましょう。
秋以降に強く剪定しない
秋に剪定すると、新しい枝が冬までに充実しない場合があります。
枝先の花芽を切り落とす原因にもなります。
剪定は収穫後から夏に行いましょう。
果実をつけすぎない
小さな鉢植えへ多くの果実を残すと、株が消耗します。
果実が小さくなり、枝が折れる場合もあります。
樹の大きさに合わせて摘果しましょう。
実生苗と接ぎ木苗の違いを理解する
種から育てたマンゴーは、親と同じ果実をつけるとは限りません。
開花まで長い年月がかかり、結実しない場合もあります。
収穫を目的とする場合は、品種名の明確な接ぎ木苗を選びましょう。
マンゴーの育て方に関するよくある質問
マンゴーは鉢植えでも実がなりますか?
品種名の明確な接ぎ木苗を育て、日照、温度、受粉、剪定を適切に管理すれば、鉢植えでも結実する可能性があります。
根を伸ばせる範囲が限られるため、果実は少なめに残しましょう。
食べたマンゴーの種から実がなりますか?
種から育てた株も、成長すれば花や実をつける可能性があります。
開花まで長い年月がかかり、親と同じ味や大きさの果実にはならない場合があります。
観葉植物として葉を楽しむ栽培に向いています。
マンゴーは植えてから何年で実がなりますか?
接ぎ木苗では、苗木の大きさや環境によって2年〜5年程度で開花する場合があります。
実生苗は、開花まで5年〜10年以上かかることがあります。
マンゴーは室内だけで育てられますか?
明るく暖かい室内で育てられますが、一年を通して室内だけでは日照不足になりやすくなります。
春から秋は屋外の日当たりのよい場所で育て、冬だけ室内へ移す方法が適しています。
マンゴーの花が咲かないのはなぜですか?
樹が若い、日照不足、肥料過多、冬も暖かすぎる、剪定時期が遅いなどの原因が考えられます。
秋以降は肥料を控え、明るい場所でやや乾燥気味に管理しましょう。
マンゴーの花は咲くのに実がならないのはなぜですか?
受粉不良、開花期の低温、湿度過多、病気などが考えられます。
筆や綿棒による人工授粉を行い、花房の風通しを確保しましょう。
マンゴーの葉が茶色くなるのはなぜですか?
低温、水切れ、根腐れ、肥料焼け、葉焼け、乾燥などが考えられます。
発生した時期、土の湿り方、置き場所、肥料の量を確認しましょう。
マンゴーの葉が落ちるのはなぜですか?
急な温度変化、低温、日照不足、水の与えすぎ、乾燥などが考えられます。
秋に室内へ移した直後や、冬の低温時には葉が落ちる場合があります。
幹や枝が生きていれば、春に新芽が出る可能性があります。
マンゴーは何度まで寒さに耐えられますか?
短時間であれば5℃程度に耐える場合がありますが、品種や株の状態によって異なります。
安全に冬越しさせるには、最低気温を10℃前後に保つとよいでしょう。
霜や凍結には当てないようにします。
マンゴーの剪定はいつ行いますか?
収穫後から夏に行います。
実がならない株でも、5月〜9月頃に枝を整えます。
秋から冬の剪定は、翌年の花芽を切る可能性があるため避けましょう。
まとめ
マンゴーは、濃厚な甘味と香りを持つ果実を楽しめる常緑果樹です。
熱帯から亜熱帯地域を原産とし、寒さに弱いため、日本の多くの地域では鉢植えで育てます。春から秋は屋外の日当たりのよい場所へ置き、冬は明るく暖かい室内へ移動しましょう。
水はけのよい土を使い、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えることが基本です。冬は生育が鈍るため、水やりと肥料を控えます。
収穫を目指す場合は、種から育てるよりも品種名の明確な接ぎ木苗が適しています。花が咲いたら、訪花昆虫が少ない環境では人工授粉を行いましょう。
果実が複数ついた場合は摘果を行い、株の大きさに合った数へ減らします。枝が細い場合は、支柱やネットで果実を支えることも大切です。
剪定は収穫後から夏に行い、秋までに枝を充実させます。枝先に花芽をつけるため、秋から冬の強い剪定は避けましょう。
樹液や果皮は体質によってかぶれを起こすことがあります。剪定や収穫では手袋と長袖を着用します。
日照、温度、水やり、受粉、冬越しを適切に管理すれば、家庭の鉢植えでもマンゴーの花や果実を楽しめます。