エンダイブの育て方|品種選び・種まき・軟白・収穫方法まで解説
エンダイブの育て方|品種選び・種まき・軟白・収穫方法まで解説
エンダイブは、ほろ苦い風味と歯切れのよい葉を楽しむキク科の野菜です。サラダに加えると味のアクセントになり、細かく縮れた葉は料理の彩りにも役立ちます。
家庭菜園では、レタスに似た方法で育てられます。やわらかな葉を収穫するには、適期に種をまき、乾燥や生育の停滞を防ぐことが大切です。収穫前に中心部の光を遮る「軟白」を行うと、苦味を和らげることもできます。
この記事では、代表的な品種から種まき、日常管理、軟白、収穫までを紹介します。
エンダイブの基本情報
植物名:エンダイブ
和名:キクヂシャ
学名:Cichorium endivia
科名:キク科
属名:キクニガナ属
原産地:地中海沿岸
分類:一年草または二年草
主に食べる部分:葉
種まき時期:春・夏の終わり〜秋が中心
収穫時期:若葉なら早め、株ごとの収穫では種まきから約2〜3か月が目安
日照条件:日当たりのよい場所
土壌条件:水はけと保水性のよい土
主な栽培方法:畑、プランター
主な用途:サラダ、付け合わせ、炒め物、スープ
種まきや収穫の時期は、地域と品種によって変わります。種袋の栽培適期を確認して始めましょう。
エンダイブの特徴
縮れ葉と広葉のタイプがある
エンダイブには、大きく分けて次のタイプがあります。
縮れ葉タイプ:葉に細かな切れ込みがあり、フリゼとも呼ばれる
広葉タイプ:葉幅が広く、エスカロールとも呼ばれる
これらは品種をまとめる呼び方であり、一つの品種名ではありません。
苦味を楽しむ葉物野菜
葉には特徴的な苦味があります。緑色の外葉と、淡い色の中心葉では、食感や苦味の感じ方が異なります。
若葉を収穫したり、軟白した中心部を利用したりすると、サラダにも取り入れやすくなります。
結球チコリとは別の植物
白く細長い芽を食べる結球チコリも、海外では「エンダイブ」と呼ばれることがあります。
ただし、結球チコリは主にCichorium intybusの仲間で、ここで紹介する葉物のエンダイブとは別です。根を掘り上げて暗所で芽を育てる方法を、そのまま当てはめないようにしましょう。
エンダイブの代表的な品種
国内では品種名を付けずに販売される種もあります。以下は海外でも栽培される代表例です。輸入種子では、名称の表記や適期を確認してください。
パンカリエリ(Pancalieri)
細かく縮れた、レース状の葉が特徴の品種です。葉を広げた姿が華やかで、サラダや付け合わせに向きます。若葉で収穫するほか、株を育てて中心部を軟白する方法もあり、葉の形とほろ苦い風味の両方を楽しめます。
ワロンヌ(Wallonne)
縮れ葉タイプの代表的な品種で、ワローヌなどの表記もあります。切れ込みのある葉がサラダに立体感を与え、若葉から株ごとの収穫まで楽しめます。大きく育てる場合は株間を確保し、葉が重なりすぎないように管理します。
フルハート・バタビアン(Full Heart Batavian)
幅広い葉を持つエスカロールタイプの品種です。縮れ葉タイプとは異なる、しっかりした葉の食感が特徴。中心部をサラダに使うほか、外葉は炒め物やスープにも利用でき、加熱料理にも使いたい場合に向いています。
エンダイブの種まき時期
初めてなら秋どりを目指す
暑さが和らいでから育てる秋作は、家庭菜園で取り組みやすい作型です。
ただし、涼しくなるまで待ちすぎると、十分に育つ前に寒くなります。寒冷地では暖地より早めに種をまくなど、地域に合わせて調整しましょう。
春まきは若いうちの収穫を心がける
春にも栽培できますが、低温への遭遇後に日が長くなることなどで、とう立ちが進む場合があります。
春まきに適した品種を使い、収穫を遅らせないことが大切です。
若葉用は少量ずつまく
ベビーリーフとして利用する場合は、適期の範囲で少量ずつ種まきを分けると便利です。
一度に多く育てるより、食べる量に合わせて収穫できます。
エンダイブに適した環境と土づくり
日当たりと風通しを確保する
基本は、日当たりのよい場所で育てます。日照不足では苗が細く伸びたり、生育が遅れたりします。
暑い時期の育苗では、強い西日を避けるなど、苗や用土が熱くなりすぎない工夫をしましょう。
適度に水分を保てる土を使う
乾燥しすぎず、余分な水が抜ける土が向いています。
プランターでは野菜用培養土を利用できます。畑では完熟堆肥などを適量混ぜ、土の大きな塊を崩しておきましょう。
元肥の重複を避ける
元肥入りの培養土を使う場合は、さらに肥料を大量に加える必要はありません。
畑でも、前作の肥料が残っていないかを考え、土の状態に合わせて施します。
エンダイブの種まき方法
ポット育苗と直まきができる
株ごと大きく育てたい場合は、ポットやセルトレイで育苗すると、株間をそろえて植えやすくなります。
若葉の収穫が目的なら、プランターなどへ直接すじまきする方法も便利です。
種まきの手順
清潔な用土を用意する
土をあらかじめ湿らせる
種が重なりすぎないようにまく
種袋の指示に合わせ、ごく薄く土をかける
やさしく水を与える
発芽に適した温度で管理する
小さな種なので、深く埋めたり、強い水流で流したりしないように注意します。
発芽までは表土を乾かさない
種まき後は、表面の乾き具合をこまめに確認します。
一方、常に水浸しにするのも避けます。保湿用のカバーを使っている場合は、発芽後に換気して蒸れを防いでください。
エンダイブの間引きと植え付け
元気な苗を残す
本葉が出てきたら、混み合った部分を間引きます。
極端に小さい苗
細く伸びすぎた苗
葉が傷んでいる苗
隣の株と重なっている苗
ポット育苗では、最終的に1ポット1株を基本にします。
本葉が数枚出たら植え付ける
根鉢がある程度まとまった若い苗を使い、根を大きく崩さずに植えます。
小さな容器で長く育てすぎ、根詰まりした苗にならないようにしましょう。
中心部を埋めない
葉が出てくる株の中心を土で埋めると、生育不良や腐敗の原因になります。
元のポットと同じ程度の深さに植え、株間は25〜30cm程度を一つの目安にします。大株になる品種では、種袋に合わせて広めに取ってください。
エンダイブの水やりと追肥
乾燥による生育の停滞を防ぐ
土の表面が乾いてきたら水を与えます。
プランターでは鉢底から流れるまで与え、受け皿の水は捨てましょう。乾燥で何度もしおれる状態は、葉の食感や生育に影響します。
株元へ水を与える
葉が茂ってきたら、できるだけ株元の土へ水を与えます。
特に軟白中は、結んだ葉の内部に水がたまらないように注意してください。
追肥は生育に合わせる
元肥が十分に入っていれば、若葉を短期間で収穫する栽培では追肥が少なくて済む場合があります。
大株に育てる場合は葉色や成長を見ながら、製品表示に従って少量ずつ補います。過湿や根の傷みがある株へ、肥料を追加し続けないようにしましょう。
エンダイブの軟白方法
軟白すると苦味が穏やかになる
軟白は、株の中心へ光が当たらないようにする管理です。
内側の葉が淡い色になり、やわらかな食感になります。ただし、軟白は必須ではありません。緑色の葉の苦味を楽しむ食べ方もできます。
十分に育った株で行う
小さな株を早くから覆うと、光合成できる葉が減り、生育を妨げます。
まず葉を十分に育て、収穫が近づいた株から少しずつ軟白しましょう。
葉が乾いている日に緩く結ぶ
外葉を中心へ寄せ、やわらかいひもなどで緩くまとめます。
葉がぬれたまま結ぶと腐りやすいため、乾いている日に行ってください。葉を折ったり、ひもで強く締め付けたりしないようにします。
状態を見ながら短期間で仕上げる
軟白の期間は、気温や品種、覆い方によって変わります。
数日おきに内側を確認し、目安として1〜2週間程度で葉色ややわらかさを見ます。低温期は時間がかかる場合もありますが、日数だけを基準に長く覆い続けないことが大切です。
雨や蒸れを避ける
鉢植えなら明るい軒下などへ移し、葉の内部がぬれ続けないようにします。
遮光用の容器を使う方法もありますが、透明なビニールでは遮光できず、高温や蒸れを招く場合があります。遮光と換気を両立させましょう。
エンダイブの収穫方法
若葉はやわらかいうちに収穫する
ベビーリーフとして育てたものは、葉が料理に使える大きさになったら収穫します。
再生を狙う場合は株元の生長点と葉を残しますが、繰り返し収穫できる回数は株の勢いや栽培条件によって変わります。
大株は株元を切り取る
株が十分に育ったら、清潔なハサミやナイフで株元を切ります。
軟白した株は、食べ頃になったら早めに収穫してください。覆ったまま長く置くと、内部から傷む場合があります。
収穫する分だけ軟白する
すべての株を一度に軟白すると、収穫と消費が重なります。
数株ずつ時期をずらすと、食べる量に合わせて管理しやすくなります。
エンダイブのとう立ち対策
花茎が伸びる前に収穫する
株の中心から茎が伸び始めると、葉物としての収穫適期は終盤です。
花を観賞する場合を除き、葉が硬くなる前に収穫を進めましょう。
品種と作期を合わせる
春まき向けか秋まき向けかを確認し、地域の適期を守ります。
つぼみや花茎を切るだけでは、若い状態へ戻るわけではありません。収穫後は次の株に切り替える方が管理しやすくなります。
エンダイブのプランター栽培
株の広がりに合わせて容器を選ぶ
深さ20cm程度以上の容器が一つの目安になります。
大株に育てる場合は横幅にも余裕を持たせ、苗を詰め込みすぎないようにしましょう。
若葉用と大株用を分ける
ベビーリーフ用は比較的密にまけますが、軟白する大株用は十分な株間が必要です。
同じ容器でも、目的によって残す株数を変えてください。
寒い時期は葉の傷みを防ぐ
強い霜が予想される場合は、不織布などで保護します。
日中に暖かくなる日は、覆いの内部が蒸れないように確認しましょう。寒さへの強さは品種によって異なります。
エンダイブの病害虫と不調
葉裏と株元を観察する
アブラムシや、葉を食べる幼虫、ナメクジなどに注意します。
縮れた葉の間には虫が隠れやすいため、外側だけでなく中心に近い部分も確認しましょう。
軟白前に傷んだ葉を取り除く
虫や傷んだ葉を内側に残したまま結ぶと、食害や腐敗に気付きにくくなります。
軟白前に株を確認し、必要な葉の整理を行ってください。
中心部が腐る場合
葉がぬれたまま結んだ、遮光期間が長すぎた、風通しが悪いといった原因が考えられます。
軟白を中止して状態を確認し、腐敗した部分は食用にしないようにします。次の株では、乾いた状態で短期間の軟白を試しましょう。
農薬は適用を確認する
農薬を使う場合は、エンダイブと対象の病害虫に適用がある製品を選びます。
レタスに似た野菜でも、レタス用の農薬をそのまま使えるとは限りません。使用方法や収穫前日数を守ってください。
エンダイブの食べ方と保存方法
サラダに苦味と食感を加える
収穫した葉は、葉の間の土や虫をよく洗い流し、水気を切って使います。
レタスと混ぜたサラダ
卵やベーコンを合わせたサラダ
柑橘類やリンゴとの組み合わせ
肉や魚料理の付け合わせ
苦味が強く感じられる場合は、若葉や軟白した中心葉を中心に使いましょう。
外葉は加熱料理にも使える
しっかりした外葉や広葉タイプは、炒め物やスープにも利用できます。
生の食感とは変わるため、葉の硬さに合わせて加熱時間を調整してください。
水気を取って冷蔵する
洗った葉は余分な水分を取り、キッチンペーパーなどで包んで袋や保存容器に入れます。
軟白した葉は傷みやすいため、早めに使い切りましょう。強く押し込まず、葉をつぶさないように保存します。
まとめ
エンダイブは、ほろ苦い葉をサラダや加熱料理で楽しめる野菜です。若葉で収穫する方法と、大株に育てて軟白する方法を、用途に合わせて選べます。
地域と品種に合う時期に種をまく
日当たりと適切な株間を確保する
乾燥と過湿の両方を防ぐ
軟白は十分に育った株で行う
葉が乾いた状態で緩く結び、腐敗を防ぐ
とう立ちする前に収穫する
初めてなら、若葉の収穫から始めると取り組みやすいでしょう。株が育ったら一部で軟白を試し、緑色の葉との食感や苦味の違いを楽しんでください。