エリシマムの育て方|春に鮮やかな花を咲かせる丈夫な多年草の管理方法
エリシマムの育て方|春に鮮やかな花を咲かせる丈夫な多年草の管理方法
エリシマムは、春を中心に黄色、橙色、赤色、桃色、紫色などの鮮やかな花を咲かせる植物です。細長い花穂に小花を次々とつけ、花壇や鉢植えを華やかに彩ります。
種類によって一年草、二年草、多年草、低木状に育つものがあります。園芸では、ウォールフラワーの名前でも知られています。
日当たりと水はけのよい場所を好み、乾燥や寒さに比較的強い植物です。高温多湿を苦手とするため、日本では梅雨から夏にかけての蒸れ対策が重要になります。
この記事では、エリシマムの特徴、種類、植え付け、水やり、肥料、花がら摘み、切り戻し、植え替え、増やし方、夏越し、冬越し、花が咲かない原因、病害虫まで詳しく解説します。
エリシマムの基本情報
和名:ニオイアラセイトウ(匂紫羅欄花)など
流通名:エリシマム、ウォールフラワー
学名:Erysimum spp.
科名:アブラナ科
属名:エゾスズシロ属
分類:一年草、二年草、多年草、常緑多年草、低木状植物
原産地:ヨーロッパ、地中海沿岸、アジア、北アメリカなど
草丈:20cm〜100cm程度。種類や品種により異なる
開花期:3月〜6月頃。品種や地域により秋まで咲く場合がある
花色:黄色、橙色、赤色、桃色、紫色、白色、複色
植え付け時期:3月〜5月頃、9月〜11月頃
植え替え時期:3月〜5月頃、9月〜10月頃
種まき時期:9月〜10月頃、3月〜4月頃
挿し木時期:5月〜6月頃、9月頃
成長速度:普通〜やや早い
耐寒性:普通〜強い
耐暑性:やや弱い
栽培難易度:初心者〜中級者向き。日当たり、水はけ、夏の蒸れ対策がポイント
エリシマムとは?
エリシマムは、アブラナ科エゾスズシロ属に分類される植物の総称です。
ヨーロッパや地中海沿岸を中心に多くの種類があり、岩場、草地、石垣などに自生します。
園芸では、春に芳香のある花を咲かせるウォールフラワーとして広く知られています。
花は4枚の花びらを持ち、アブラナ科らしい十字形になります。枝先や茎の先へ花穂を作り、下から上へ順に開花します。
種類によって草姿が異なり、一年草や二年草として育てるタイプ、毎年花を咲かせる多年草タイプ、枝が木質化する半低木タイプがあります。
代表的な園芸品種には、咲き進むにつれて花色が変化するボーレス・モーブや、黄色から橙色、赤色へ色が変わる品種があります。
エリシマムの特徴
春に鮮やかな花を咲かせる
エリシマムは、春を中心に花を咲かせます。
黄色や橙色の暖色系が多く、紫色や桃色の品種もあります。
花穂に多数の小花をつけるため、開花期には株全体が鮮やかに彩られます。
花色が変化する品種がある
エリシマムには、咲き始めと咲き終わりで花色が変化する品種があります。
黄色から橙色、赤色へ変化するものや、紫色の濃淡が変わるものがあります。
一株の中に複数の花色が混在し、自然なグラデーションを楽しめます。
芳香を持つ種類がある
種類や品種によっては、花から甘い香りを感じられます。
特にウォールフラワーと呼ばれる系統は、芳香のある花として知られています。
玄関周り、通路沿い、鉢植えなど、人が通る場所へ植えると香りを楽しみやすくなります。
寒さに比較的強い
多くのエリシマムは寒さに強く、冬を越して春に花を咲かせます。
秋に苗を植え付けると、冬の間に根を張り、春に株いっぱいの花を楽しめます。
寒冷地では、霜や凍結から若い苗を保護しましょう。
乾燥に比較的強い
水はけのよい岩場や石垣に自生する種類があり、根付いた後は乾燥に比較的強くなります。
土を常に湿らせるより、乾燥気味に管理するほうが株が締まります。
高温多湿では根や株元が傷みやすいため、水の与えすぎに注意しましょう。
高温多湿を苦手とする
エリシマムは、冷涼で乾燥した環境を好む植物です。
日本の梅雨や蒸し暑い夏では、株元が蒸れて枯れる場合があります。
多年草タイプでも、暖地では夏越しできず、一年草や二年草として扱われることがあります。
エリシマムの主な種類・品種
ニオイアラセイトウ
ニオイアラセイトウは、ウォールフラワーとして知られる代表的な種類です。
黄色、橙色、赤褐色、紫色などの花を咲かせます。
芳香があり、二年草または短命な多年草として育てられます。
エリシマム・ボーレス・モーブ
ボーレス・モーブは、紫色から淡紫色の花を長期間咲かせる人気品種です。
枝分かれが多く、こんもりとした株になります。
常緑多年草または低木状に育ちますが、高温多湿には弱いため、夏越しが栽培のポイントです。
エリシマム・オレンジ系品種
橙色、黄色、赤色が混じる華やかな品種があります。
咲き進むにつれて花色が変化し、一株で複数の色を楽しめます。
春の花壇や寄せ植えのアクセントに向いています。
エリシマム・ゴールド系品種
鮮やかな黄色の花を咲かせる品種です。
春の花壇を明るく見せ、青色や紫色の草花とのコントラストも楽しめます。
パンジー、ビオラ、ネモフィラなどと組み合わせられます。
矮性品種
草丈が低く、コンパクトに育つ品種です。
鉢植え、花壇の縁取り、ロックガーデンに向いています。
風で倒れにくく、寄せ植えにも利用しやすい特徴があります。
エリシマムの育て方
日当たり
エリシマムは、日当たりのよい場所を好みます。
一日5時間〜6時間以上日が当たる場所が理想です。
日照不足になると茎が細長く伸び、花数が少なくなります。
春と秋は日なたで育てましょう。
夏の暑さが厳しい地域では、午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になる場所が適しています。
風通し
風通しのよい場所で育てます。
枝葉が密集すると、梅雨から夏に株元が蒸れやすくなります。
複数植える場合は、株間を確保しましょう。
花後に切り戻して枝を整理すると、風通しを改善できます。
用土
エリシマムは、水はけのよい土を好みます。
庭植えでは、植え付け場所へ腐葉土、完熟堆肥、軽石、川砂などを混ぜます。
粘土質で雨後に水がたまる場所は避けましょう。
鉢植えでは、草花用培養土を利用できます。
水はけを高めたい場合は、軽石やパーライトを混ぜます。
土壌の酸度
弱酸性から中性付近の土で育てられます。
極端に酸性へ傾いた土では生育が悪くなる場合があります。
必要に応じて、植え付け前に苦土石灰を少量混ぜ、土壌を調整しましょう。
植え付け時期
植え付けは、3月〜5月頃または9月〜11月頃が適しています。
秋に植え付けると、冬までに根を張り、翌春に多くの花を咲かせます。
寒冷地では春植えが管理しやすくなります。
真夏や土が凍る時期の植え付けは避けましょう。
エリシマムの植え付け
苗の選び方
株元から複数の枝が伸び、葉色のよい苗を選びます。
次のような苗は避けましょう。
茎が極端に細く間延びしている
下葉が広範囲に黄色くなっている
株元が黒く変色している
土が常に水浸しになっている
病斑や害虫が多く見られる
つぼみが多く、根元がしっかりした苗を選ぶと、植え付け後に長く花を楽しめます。
庭植えの方法
日当たりと水はけのよい場所を選びます。
苗の根鉢よりひと回り大きな植え穴を掘り、腐葉土や軽石を混ぜましょう。
根鉢の表面が地面と同じ高さになるように植え付けます。
深植えすると株元が蒸れやすくなります。
土を戻して軽く押さえ、植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
株間は20cm〜40cm程度を目安にし、品種の大きさに合わせて調整します。
鉢植えの方法
苗よりひと回り大きな鉢を選びます。
大きすぎる鉢は土が乾きにくく、根腐れの原因になります。
鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れましょう。
根鉢を大きく崩さず、元と同じ深さで植え付けます。
植え付け後は鉢底から水が流れ出るまで与えましょう。
水やり
基本の水やり
エリシマムは、過湿を苦手とします。
鉢植えでは、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出るまで与えましょう。
庭植えでは、植え付け後に根付くまで水を与えます。
根付いた後は、長期間雨が降らない場合を除き、頻繁な水やりは必要ありません。
春の水やり
春は新芽と花茎が伸びる時期です。
開花中に強く水切れすると、花が早くしおれたり、つぼみが落ちたりする場合があります。
鉢植えでは、土の表面を確認しながら水を与えましょう。
梅雨時期の水やり
梅雨は土が乾きにくくなります。
庭植えでは、基本的に水やりは必要ありません。
鉢植えは長雨の当たらない場所へ移し、土が乾いてから水を与えましょう。
受け皿へ水をためないことも大切です。
夏の水やり
夏は土が乾きやすくなりますが、蒸れと根腐れにも注意が必要です。
鉢植えでは朝に土の状態を確認し、乾いていればたっぷりと水を与えます。
夕方まで土が湿り続けると根が傷みやすいため、基本的には朝の水やりが適しています。
庭植えでは、葉がしおれるほど乾燥した場合に株元へ水を与えましょう。
秋の水やり
秋は気温が下がり、生育しやすくなります。
植え付けたばかりの株は、根付くまで乾燥させないようにします。
根付いた後は、土が乾いてから水を与えましょう。
冬の水やり
冬は生育が緩やかになります。
庭植えでは、雨が長期間降らない場合を除き、水やりは必要ありません。
鉢植えでは、土が乾いてから暖かい日の午前中に水を与えましょう。
肥料
エリシマムは、多くの肥料を必要としません。
庭植えでは、植え付け時に緩効性肥料を少量混ぜます。
春の生育開始時と、花後に少量の追肥を行うと、株の回復を助けられます。
鉢植えでは、春と秋に緩効性肥料を施すか、開花中に薄めた液体肥料を月に1回〜2回程度与えましょう。
窒素肥料を与えすぎると、葉や茎ばかりが伸び、花つきが悪くなります。
株が軟弱になり、蒸れやすくなるため、肥料は控えめにします。
エリシマムの花
エリシマムは、春を中心に花を咲かせます。
枝先や茎の先へ花穂を作り、下から上へ順に開花します。
花は4枚の花びらを持ち、十字形に見えます。
品種によって黄色、橙色、赤色、桃色、紫色、白色などがあります。
一つの花穂で順番に咲くため、比較的長期間花を楽しめます。
花色が変化する品種では、咲き始めと咲き終わりの花が同時に見られます。
花がら摘み
花が終わったら、花穂の付け根から切り取ります。
花がらを残すと種を作り、株の養分が使われます。
種を採取しない場合は、早めに切り取りましょう。
花がらを摘むと、脇芽から新しい花穂が伸び、開花期間が長くなる場合があります。
咲き終わった花をこまめに取り除くことで、株元の風通しも改善します。
エリシマムの切り戻し
切り戻しが必要な理由
花後に枝をそのまま伸ばすと、株姿が乱れ、株元が蒸れやすくなります。
枝を軽く切り戻すことで、脇芽の発生を促し、こんもりとした草姿を保てます。
多年草タイプでは、株の老化を抑えるためにも切り戻しが有効です。
切り戻し時期
主な切り戻しは、花が一通り終わった後に行います。
春の開花後、梅雨へ入る前の時期が適しています。
秋に枝が伸びすぎた場合も、軽く整えられます。
真夏、厳冬期の強い切り戻しは避けましょう。
切り戻し方法
花が終わった枝を、葉が残る位置まで切り戻します。
全体の3分の1程度を目安に整えましょう。
枯れ枝、細い枝、内側へ伸びる枝も取り除きます。
株元まで一度に深く切ると、回復が遅れる場合があります。
木質化した枝を強く切らない
多年草や低木状に育つ品種は、枝の下部が木質化します。
葉のない古い枝まで強く切ると、新芽が出にくい場合があります。
必ず緑色の葉や芽が残る位置で切りましょう。
エリシマムの植え替え
植え替えが必要な理由
鉢植えでは、根が鉢の中へ広がり、根詰まりを起こします。
水切れが早い、水が染み込みにくい、新しい枝が伸びない場合は、植え替えを検討しましょう。
多年草タイプでは、古い土を新しくすることで、水はけと根の生育を改善できます。
植え替え時期
植え替えは、3月〜5月頃または9月〜10月頃が適しています。
開花最盛期、真夏、厳冬期は避けましょう。
寒冷地では春、暖地では秋の植え替えが適しています。
鉢植えの植え替え方法
鉢から株を抜き、根の状態を確認します。
古い土を軽く落とし、黒く傷んだ根や枯れた根を取り除きましょう。
ひと回り大きな鉢へ植え替えます。
株が古くなっている場合は、挿し木で若い株を作る方法もあります。
植え替え後は水を与え、数日間は強い直射日光を避けましょう。
植え替えの頻度
鉢植えは、1年〜2年に1回を目安に植え替えます。
成長の早い品種では、毎年植え替える場合があります。
庭植えは、株が弱った場合や植え場所を変更したい場合に植え替えましょう。
エリシマムの増やし方
種まき
一年草や二年草タイプは、種まきで増やせます。
秋の9月〜10月頃にまくと、冬を越して春に花を咲かせます。
寒冷地では、春の3月〜4月頃にまく方法があります。
種まき用土の表面へ種をまき、薄く土をかけましょう。
発芽するまでは土を乾燥させないようにします。
園芸品種から採取した種は、親株と異なる花色や草姿になる場合があります。
挿し木
多年草タイプや園芸品種は、挿し木で増やせます。
5月〜6月頃または9月頃に、元気な枝を5cm〜10cm程度切ります。
下部の葉を取り除き、清潔な挿し木用土へ挿しましょう。
明るい日陰で管理し、発根するまで用土を乾燥させないようにします。
過湿になると切り口が腐るため、水浸しにしないようにしましょう。
株分け
株元から複数の芽が出る多年草タイプは、株分けできる場合があります。
春または秋に株を掘り上げ、芽と根が残るように分けましょう。
木質化が進んだ株は、株分けよりも挿し木で更新したほうが安全な場合があります。
エリシマムが咲かない原因
日照不足
日当たりが悪いと、花芽がつきにくくなります。
茎葉は伸びているのに花が少ない場合は、日当たりのよい場所へ移しましょう。
肥料が多すぎる
窒素肥料を与えすぎると、葉や茎ばかりが伸びます。
葉色が濃く、株が大きいのに花が少ない場合は、肥料を控えましょう。
株が若い
種から育てた二年草タイプは、十分に株が育つまで花を咲かせない場合があります。
秋に種をまいた株は、翌春の開花を待ちましょう。
高温で株が弱った
夏の高温多湿によって株が弱ると、秋や翌春の花つきが悪くなる場合があります。
夏は風通しのよい半日陰で管理し、蒸れを防ぎましょう。
過湿で根が傷んでいる
土が常に湿っていると根が弱り、花芽を育てる力が低下します。
水やりと土の排水性を見直しましょう。
剪定時期が遅い
花芽ができる時期に強く剪定すると、花数が減る場合があります。
基本的な切り戻しは花後に行いましょう。
株が古くなっている
多年草タイプでも、数年で株が弱る場合があります。
枝が木質化し、花数が減った場合は、挿し木で若い株へ更新しましょう。
エリシマムの葉が黄色くなる原因
水の与えすぎ
土が長期間湿っていると根が傷み、下葉から黄色くなる場合があります。
水やりを控え、用土の水はけを確認しましょう。
水切れ
鉢植えで強く乾燥すると、葉先や下葉が黄色くなることがあります。
土が乾いている場合は、鉢底から水が流れ出るまで与えましょう。
肥料不足
生育期に葉全体の色が薄くなる場合は、肥料不足が考えられます。
春と秋に緩効性肥料や薄めた液体肥料を適量与えましょう。
高温多湿
梅雨や夏に株元が蒸れると、葉が黄色や茶色になり、枝が枯れ込む場合があります。
切り戻しによって風通しを改善しましょう。
自然な葉の更新
株元の古い葉だけが少しずつ黄色くなる場合は、自然な葉の更新である可能性があります。
黄色くなった葉を取り除き、株元を清潔に保ちましょう。
エリシマムが枯れる原因
高温多湿
エリシマムが夏に枯れる主な原因の一つです。
梅雨や真夏に土と株元が湿り続けると、根腐れや蒸れが起こります。
花後に切り戻し、風通しのよい場所へ移しましょう。
水の与えすぎ
乾燥に比較的強い植物へ頻繁に水を与えると、根が傷みます。
土が乾いてから水を与えましょう。
水はけの悪い土
粘土質や古く崩れた培養土では、水分が長く残ります。
軽石やパーライトを混ぜ、排水性を改善しましょう。
強い暑さ
冷涼な環境を好むため、暖地では夏を越せない場合があります。
鉢植えは、夏に風通しのよい明るい半日陰へ移動しましょう。
根詰まり
鉢の中で根が詰まると、水分や養分を吸収しにくくなります。
水切れが早い、新芽が小さい場合は、春か秋に植え替えましょう。
株の寿命
二年草や短命な多年草タイプでは、開花後に株が弱って枯れることがあります。
種を採取するか、挿し木で若い株を作っておきましょう。
エリシマムの鉢植え管理
エリシマムは鉢植えでも育てやすい植物です。
梅雨や夏に移動できるため、高温多湿を避けやすくなります。
鉢の選び方
苗よりひと回り大きな鉢を選びます。
水はけのよい素焼き鉢や、底穴の大きな鉢が適しています。
草丈の高い品種には、安定感のある鉢を選びましょう。
置き場所
春と秋は、日当たりと風通しのよい屋外へ置きます。
梅雨は長雨の当たらない軒下へ移動しましょう。
夏は午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になる場所が適しています。
冬は日当たりのよい屋外で管理できますが、鉢土が凍結し続ける地域では軒下へ移しましょう。
鉢植えの水やり
土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
受け皿へ水をためると根腐れの原因になります。
梅雨と冬は、水やりの回数を減らしましょう。
鉢植えの肥料
春と秋に、緩効性肥料を少量与えます。
開花中は、薄めた液体肥料を月に1回〜2回程度施せます。
真夏と冬は肥料を控えましょう。
寄せ植え
パンジー、ビオラ、アリッサム、ネメシア、チューリップなどと組み合わせられます。
同じように日当たりと水はけのよい環境を好む植物を選びましょう。
草丈の高い品種は鉢の中央や後方、矮性品種は手前へ配置します。
エリシマムの夏越し
エリシマムの栽培では、夏越しが大きなポイントです。
高温多湿を避け、風通しのよい場所で管理しましょう。
花後に枝を全体の3分の1程度切り戻し、株元へ光と風が入るようにします。
鉢植えは長雨を避け、午前中に日が当たる明るい半日陰へ移動しましょう。
庭植えでは、水がたまらない場所を選びます。
株元へ枯れ葉や花がらをためないことも大切です。
水やりは朝に行い、土が湿っている場合は与えません。
暖地では、夏に株が枯れることがあります。挿し木や種まきで次の株を準備しておくと安心です。
エリシマムの冬越し
エリシマムは、耐寒性が比較的強い植物です。
多くの地域で屋外越冬できます。
秋植えの若い苗や、鉢植えの株は、強い霜や寒風から保護しましょう。
庭植えでは、株元へ腐葉土やバークチップを薄く敷くと、土の凍結と乾燥を抑えられます。
鉢植えは、日当たりのよい軒下へ移動します。
冬も葉を残して生育するため、鉢土を完全に乾燥させないようにしましょう。
暖房の効いた室内へ入れる必要はありません。
エリシマムに発生しやすい病気
うどんこ病
うどんこ病は、葉や茎へ白い粉をまぶしたような症状が現れる病気です。
株が密集し、風通しが悪い環境で発生しやすくなります。
被害葉を取り除き、枝を整理して風通しを改善しましょう。
灰色かび病
灰色かび病は、花や葉へ褐色の斑点が現れ、灰色のカビが発生する病気です。
長雨、低温多湿、花がらの放置によって発生しやすくなります。
傷んだ花や葉を早めに取り除きましょう。
根腐れ
水はけの悪い土や水の与えすぎによって、根腐れを起こします。
葉が黄色くなる、株がしおれる、新芽が伸びないなどの症状が現れます。
水やりを控え、鉢植えは新しい用土へ植え替えましょう。
べと病
葉に黄色や褐色の斑点が現れ、葉裏へカビが発生する場合があります。
低温多湿な環境で発生しやすくなります。
葉へ水をかけ続けず、株元へ水を与えましょう。
立枯病
苗や若い株の地際部分がくびれ、倒れることがあります。
過湿、深植え、通気性の悪い土などが原因になります。
清潔で水はけのよい土を使い、株元を湿らせすぎないようにしましょう。
エリシマムにつきやすい害虫
アブラムシ
アブラムシは、新芽、つぼみ、花茎へ集まり、汁を吸います。
数が増えると、新芽や花が変形する場合があります。
少数であれば、水で洗い流すか手で取り除きましょう。
アオムシ
アブラナ科の植物であるため、モンシロチョウなどの幼虫が葉を食べることがあります。
葉に大きな食害跡がある場合は、葉裏や株元を確認しましょう。
見つけた幼虫は捕殺します。
コナガ
コナガの幼虫が葉を食害する場合があります。
葉に小さな穴や、薄く透けた食害跡が現れます。
被害葉が少ない場合は、幼虫ごと取り除きましょう。
ナメクジ
ナメクジは、若い葉、花、つぼみを食害します。
鉢の下、落ち葉の下、湿った株元へ隠れます。
粘液の跡や食害が見られる場合は、夜間や雨上がりに確認しましょう。
ハダニ
ハダニは、葉裏へ発生して汁を吸います。
被害葉は白くかすれたようになります。
高温で乾燥した時期に増えやすいため、夏は葉裏を確認しましょう。
農薬を使用する場合は、エリシマムまたは花き類への登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数を確認します。
エリシマムを育てるときの注意点
水はけの悪い場所へ植えない
エリシマムは過湿を苦手とします。
雨後に水がたまる場所では、根腐れや株腐れが起こりやすくなります。
土壌改良や高植えによって排水性を確保しましょう。
深植えしない
株元を深く埋めると、茎の付け根へ湿気がたまります。
根鉢の表面が地面と同じ高さになるように植え付けましょう。
肥料を与えすぎない
肥料が多いと、葉や茎ばかりが伸びます。
花つきが悪くなり、株も蒸れやすくなるため、施肥は控えめにしましょう。
花後に切り戻す
花後に枝を整理すると、株姿と風通しを保てます。
緑色の葉を残し、木質化した古い枝まで強く切らないようにしましょう。
梅雨の長雨を避ける
鉢植えは、雨の当たり続けない明るい軒下へ移動します。
庭植えでは、水がたまらない場所と風通しを確保しましょう。
夏の暑さに注意する
暖地では、高温多湿によって多年草タイプも枯れる場合があります。
夏は風通しのよい半日陰で管理し、挿し木や種で株を更新しましょう。
株の寿命を考えて更新する
エリシマムには、短命な多年草や二年草が含まれます。
数年で株が弱る場合があるため、種まきや挿し木で若い株を準備しておきましょう。
エリシマムの育て方に関するよくある質問
エリシマムは毎年咲きますか?
多年草タイプは、夏越しと冬越しができれば毎年花を咲かせます。
二年草や短命な多年草タイプでは、数年で株が弱る場合があります。
エリシマムは植えっぱなしでも育ちますか?
日当たりと水はけのよい場所であれば、植えっぱなしでも育てられます。
高温多湿の地域では夏に枯れることがあるため、挿し木や種で株を更新しましょう。
エリシマムは鉢植えでも育てられますか?
鉢植えでも育てられます。
梅雨や夏に移動できるため、暖地では鉢植えのほうが管理しやすくなります。
エリシマムの花が咲かないのはなぜですか?
日照不足、肥料過多、株が若い、過湿、夏のダメージ、剪定時期などが考えられます。
日当たりと水はけを確認し、肥料は控えめにしましょう。
エリシマムの花が終わったらどうしますか?
花穂を付け根から切り取り、全体の枝を軽く切り戻します。
花がらを取り除くと、脇芽から新しい花が咲く場合があります。
エリシマムは夏越しできますか?
冷涼な地域では夏越ししやすい植物です。
暖地では梅雨と高温多湿で枯れる場合があるため、花後に切り戻し、風通しのよい半日陰で管理しましょう。
エリシマムは冬に屋外で育てられますか?
耐寒性が比較的強く、多くの地域で屋外越冬できます。
寒冷地では、秋植えの若い苗や鉢植えを霜と寒風から保護しましょう。
エリシマムの葉が黄色くなるのはなぜですか?
水の与えすぎ、水切れ、肥料不足、高温多湿、自然な葉の更新などが考えられます。
土の湿り方と、黄色くなった葉の位置を確認しましょう。
エリシマムは挿し木で増やせますか?
多年草タイプは、春から初夏または秋に挿し木で増やせます。
元気な枝を切り、水はけのよい清潔な用土へ挿しましょう。
ウォールフラワーとエリシマムは同じですか?
ウォールフラワーは、エリシマム属の植物に使われる英名や流通名です。
特に芳香のある花を咲かせるニオイアラセイトウ系統を指すことが多くあります。
まとめ
エリシマムは、春を中心に黄色、橙色、赤色、桃色、紫色などの鮮やかな花を咲かせるアブラナ科の植物です。
ウォールフラワーの名前でも知られ、種類によっては甘い香りを楽しめます。
一つの花穂に多数の小花をつけ、下から上へ順に開花します。
咲き進むにつれて花色が変化する品種もあり、一株の中で複数の色を楽しめます。
日当たりと水はけのよい場所を好み、寒さと乾燥には比較的強い植物です。
水を与えすぎると根腐れしやすいため、鉢植えでは土の表面が乾いてから水を与えましょう。
花が終わったら花穂を切り取り、枝を軽く切り戻します。
花がら摘みと切り戻しによって、脇芽の発生を促し、株姿と風通しを整えられます。
高温多湿を苦手とするため、日本では梅雨から夏の管理が重要です。
鉢植えは長雨を避け、夏は風通しのよい明るい半日陰へ移動しましょう。
多年草タイプでも、暖地では夏越しできない場合があります。挿し木や種まきで若い株を準備しておくと、毎年花を楽しみやすくなります。