ユズ(柚子)の基本情報と育て方|冬に香る果実を楽しむ庭木の管理方法
ユズの育て方|剪定・肥料・収穫方法と実をつけるコツを解説
ユズは、さわやかな香りと強い酸味を持つ果実をつける常緑果樹です。果汁や果皮は料理、菓子、飲み物、調味料など幅広く利用されます。冬至のユズ湯にも使われ、日本の暮らしに深く根付いている果樹です。
柑橘類の中では寒さに比較的強く、東北地方南部から九州地方まで広い地域で栽培されています。成長はやや遅く、種から育てると結実まで長い年月がかかります。家庭で早く収穫したい場合は、品種名の明確な接ぎ木苗を選びましょう。
枝には鋭いトゲがあり、成木になると樹高も高くなります。若木のうちから樹形を整え、日当たりと風通しを確保することが大切です。
この記事では、ユズの特徴、品種、植え付け、水やり、肥料、剪定、摘果、収穫、実がならない原因、鉢植え管理、病害虫、増やし方まで詳しく解説します。
ユズの基本情報
和名:ユズ(柚子)
学名:Citrus junos
科名:ミカン科
属名:ミカン属
分類:常緑小高木、果樹
原産地:中国中部から長江上流域周辺
樹高:3m〜6m程度
開花期:5月〜6月頃
花色:白色
収穫期:8月〜12月頃
実の色:緑色から黄色
植え付け時期:3月〜5月頃
植え替え時期:3月〜5月頃
剪定時期:2月〜4月頃
成長速度:やや遅い
耐寒性:強い
耐暑性:強い
栽培難易度:初心者〜中級者向き。日当たり、剪定、肥料、トゲへの注意がポイント
ユズとは?
ユズは、ミカン科ミカン属に分類される常緑果樹です。
春から初夏にかけて白い花を咲かせ、秋から冬に黄色い果実を実らせます。未熟な青ユズは夏から秋に収穫でき、黄色く熟した黄ユズは晩秋から冬に収穫されます。
果実は温州ミカンほど甘くなく、果汁には強い酸味があります。果皮には豊かな香りがあり、薬味、吸い物、鍋料理、菓子、ユズ茶、ユズ胡椒などに利用されます。
樹には鋭いトゲがあり、枝葉は密集しやすい性質があります。剪定や収穫の際は、厚手の手袋と長袖を着用しましょう。
ユズは実生から育てると結実まで長い年月がかかります。「桃栗三年柿八年、ユズの大馬鹿十八年」といわれることもあり、早く収穫したい場合は接ぎ木苗が適しています。
ユズの特徴
香りの強い果実をつける
ユズの果実は、果皮に強い芳香があります。
果汁には酸味があり、料理や飲み物へ少量加えるだけでも香りを楽しめます。
未熟な青ユズと、成熟した黄ユズでは香りや用途が異なります。青ユズはさわやかで鋭い香りがあり、黄ユズはまろやかで豊かな香りがあります。
柑橘類の中では寒さに強い
ユズは、レモンやライムなどと比べて耐寒性が強い柑橘類です。
成木は比較的寒さに耐えますが、若木は霜や寒風で枝葉が傷むことがあります。
寒冷地では、建物の南側や北風の当たりにくい場所へ植えましょう。
枝に鋭いトゲがある
ユズの枝には、長く鋭いトゲがあります。
若い枝ほどトゲが目立ち、剪定や収穫の際に手や顔を傷つけることがあります。
通路、玄関、駐車場、子どもやペットが通る場所の近くへ植える場合は注意が必要です。
管理しやすい範囲で、不要なトゲを剪定ばさみで切る方法もあります。
一株でも実をつける
ユズは自家結実性があり、一般的には一株でも実をつけます。
受粉樹を別に植える必要はありません。花の時期にハチなどの訪花昆虫が来ると、結実しやすくなります。
開花期の長雨、低温、日照不足などによって、実つきが悪くなる場合があります。
成長と結実が遅い
ユズは成長がやや遅く、実生苗では結実まで長い年月がかかります。
接ぎ木苗は実生苗より早く花を咲かせ、植え付けから数年で収穫できる場合があります。
苗木を購入するときは、接ぎ木部分がしっかりしているか確認しましょう。
ユズの主な種類・品種
本ユズ
本ユズは、一般的にユズとして流通している代表的な種類です。
果実は直径5cm〜8cm程度で、表面に凹凸があります。香りが強く、果汁と果皮の両方を利用できます。
樹には鋭いトゲがあり、成長すると大きくなります。
ハナユズ
ハナユズは、本ユズよりも小さな果実をつけます。
花ユズや一才ユズと呼ばれることもあります。若木のうちから実をつけやすく、鉢植えや狭い庭でも育てやすい種類です。
本ユズより香りがやや弱い場合がありますが、家庭栽培では扱いやすい特徴があります。
多田錦
多田錦は、種が少ない、または種がほとんど入らないユズの品種です。
果汁を搾りやすく、加工にも向いています。枝のトゲが比較的少ない個体もあります。
家庭で利用しやすい品種を探している場合に適しています。
木頭系ユズ
木頭系ユズは、徳島県の木頭地域で選抜、栽培されてきた系統です。
果実が大きく、果汁が多く、香りにも優れます。
加工用や果汁利用を重視する場合に向いています。
獅子ユズ
獅子ユズは、大きな果実をつける柑橘類です。
名前にユズがつきますが、本ユズとは異なる種類です。鬼ユズとも呼ばれます。
果実は観賞用やマーマレードなどに利用されます。一般的なユズと同じ香りや味ではありません。
ユズの育て方
日当たり
ユズは、日当たりのよい場所を好みます。
日照不足になると、花つきと実つきが悪くなります。枝葉だけが伸び、果実の着色や香りにも影響する場合があります。
一日を通してよく日が当たる場所が理想です。少なくとも半日以上日が当たる場所を選びましょう。
風通し
風通しのよい場所で育てます。
枝葉が密集すると、カイガラムシ、アブラムシ、すす病、かいよう病などが発生しやすくなります。
内側へ伸びる枝や交差する枝を整理し、樹冠内部へ光と風を入れましょう。
寒冷地では、冬の冷たい風が直接当たらない場所が適しています。
用土
ユズは、水はけと保水性のバランスがよい土を好みます。
庭植えでは、植え付け場所を深く耕し、腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。
水がたまりやすい粘土質の場所では、周囲より少し高く植えましょう。
鉢植えでは、柑橘用培養土や果樹用培養土を利用できます。赤玉土、腐葉土、軽石などを混ぜた用土も適しています。
植え付け時期
ユズの植え付けは、3月〜5月頃が適しています。
寒さが和らぎ、新しい根が動き始める春に植えると活着しやすくなります。
寒冷地では、遅霜の心配が少なくなってから植え付けましょう。
秋にも植え付けられますが、冬までに根付かないと寒さで弱ることがあります。
植え付け場所の選び方
日当たり、水はけ、風通しのよい場所を選びます。
成木は枝を広げ、樹高も高くなります。建物、通路、隣地、電線などから十分な距離を確保しましょう。
トゲによるけがを防ぐため、人が頻繁に通る場所のすぐ近くは避けます。
果実が落下する可能性もあるため、駐車場や物置の上へ枝が伸びないようにしましょう。
庭植えの方法
苗木の根鉢よりも広く、深い植え穴を掘ります。
掘り上げた土へ腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。肥料を根へ直接触れさせないようにしましょう。
接ぎ木部分が土に埋まらない高さで苗木を置きます。
土を戻して軽く押さえ、たっぷりと水を与えます。
風で苗木が動かないように支柱を立て、ひもでゆるく固定しましょう。
鉢植えの方法
ユズは鉢植えでも育てられます。
小さな苗木には、8号〜10号程度の深鉢を用意します。成長に合わせて10号以上の大型鉢へ植え替えましょう。
鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れます。
接ぎ木部分を土の上へ出し、根鉢を大きく崩さずに植え付けます。
植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えましょう。
水やり
基本の水やり
庭植えでは、植え付け後に根付くまで土を乾燥させないように水を与えます。
根付いた後は、通常の降雨だけでも育ちます。高温と乾燥が長く続く場合は、株元へたっぷりと水を与えましょう。
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
春の水やり
春は新芽が伸び、花が咲く時期です。
開花期に水切れすると、花や小さな実が落ちることがあります。
鉢植えでは、土の乾燥状態をこまめに確認しましょう。
気温が低い時期は土が乾きにくいため、過湿にも注意します。
夏の水やり
夏は枝葉がよく茂り、果実も大きくなるため、水を多く必要とします。
鉢植えでは水切れしやすいため、朝に土の状態を確認しましょう。
真夏は夕方にも確認が必要になる場合があります。
高温の日中を避け、朝か夕方の涼しい時間帯に水を与えます。
果実肥大期の水やり
果実が大きくなる時期に水切れすると、実が小さくなる、落果するなどの原因になります。
極端に乾燥させた後に大量の水を与えると、果実や根へ負担がかかります。
土の乾湿差を大きくしないように管理しましょう。
秋の水やり
秋は果実が成熟し、枝も冬へ向けて充実する時期です。
土の表面が乾いたら水を与えます。
気温が下がるにつれて、鉢植えの水やり回数を減らしましょう。
冬の水やり
冬も葉をつけていますが、生育は鈍くなります。
庭植えでは、雨が長期間降らず土が乾燥している場合を除き、水やりは必要ありません。
鉢植えでは、土が乾いてから暖かい日の午前中に水を与えます。
受け皿へ水をため続けないようにしましょう。
肥料
ユズは、花や果実をつけるために肥料を必要とします。
庭植えでは、春、初夏、秋の年3回程度に分けて肥料を与えます。
春は新芽と花の生育を助けるため、初夏は果実の肥大を助けるため、秋は収穫後の樹勢回復を目的として施します。
冬には寒肥として、完熟堆肥や緩効性肥料を与える場合もあります。
鉢植えでは、春から秋に緩効性肥料を施します。肥料切れすると葉色が薄くなり、新梢の伸びや実つきが悪くなります。
窒素肥料を与えすぎると、枝葉ばかりが伸び、花つきが悪くなることがあります。
製品に記載された使用量を守り、根や幹へ直接触れさせないようにしましょう。
ユズの花
ユズは、5月〜6月頃に白い花を咲かせます。
花にはさわやかな香りがあり、枝先や葉の付け根につきます。
一株でも結実できますが、開花期に長雨が続くと受粉がうまく進まない場合があります。
若木や樹勢の弱い株では、花が咲いても実が落ちることがあります。
花が多すぎる場合でも、樹が育てられる実だけが残り、多くは自然に落花、落果します。
ユズの受粉
ユズは自家結実性があるため、基本的に人工授粉は必要ありません。
ハチやアブなどの昆虫が花粉を運びます。
開花期に雨が多い、昆虫が少ない、鉢植えを室内や網戸の内側で管理している場合は、人工授粉を行うと結実を助けられます。
筆や綿棒で花の中心をやさしくなで、別の花へ花粉を移しましょう。
開花期間中に数回行うと効果的です。
ユズの摘果
摘果が必要な理由
ユズは、樹の大きさに対して多くの実をつける場合があります。
すべて残すと果実が小さくなり、樹が消耗します。翌年に花が少なくなる隔年結果の原因にもなります。
若木や鉢植えでは、早めに実の数を減らしましょう。
摘果の時期
生理落果が落ち着く6月〜8月頃に行います。
小さい実、形の悪い実、傷のある実、病害虫の被害がある実を取り除きます。
最初から減らしすぎず、果実の成長を見ながら数回に分けて調整しましょう。
残す実の目安
枝が細い場合や葉が少ない枝では、実を取り除きます。
葉が十分にある枝へ実を残しましょう。
鉢植えでは、樹の大きさに対して実を多く残さないことが大切です。
植え付けて間もない若木では、樹を育てるために果実をすべて取り除く場合もあります。
ユズの剪定
剪定が必要な理由
ユズは枝葉が密集しやすく、放置すると樹冠内部が暗くなります。
日当たりと風通しが悪くなると、花つき、実つき、果実の着色に影響します。
カイガラムシ、アブラムシ、すす病なども発生しやすくなります。
不要な枝を整理し、樹冠内部へ光と風を入れましょう。
剪定時期
基本的な剪定は、寒さが和らぐ2月〜4月頃に行います。
強い寒さが残る時期に剪定すると、切り口や新芽が寒害を受けることがあります。
暖地では2月頃から、寒冷地では3月〜4月頃が適しています。
収穫後に混み合う枝を軽く整理することもできます。
若木の剪定
若木のうちは、主幹から外側へ伸びる枝を3本〜4本程度選び、主枝として育てます。
内側へ向かう枝、極端に上へ伸びる枝、地面近くから出る枝を整理します。
一度に強く切りすぎず、数年かけて樹形を作りましょう。
成木の剪定
成木では、枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝などを取り除きます。
樹冠内部まで日光が入る程度に枝を間引きます。
枝先をすべて短く切ると、花芽や実つきに影響することがあります。
切り戻しよりも、不要な枝を付け根から切る間引き剪定を中心に行いましょう。
剪定で取り除く枝
剪定では、次のような枝を取り除きます。
枯れた枝
病害虫の被害を受けた枝
内側へ向かって伸びる枝
ほかの枝と交差する枝
真上へ強く伸びる徒長枝
下向きに伸びる枝
細く弱い枝
樹冠の内部を暗くする枝
株元や接ぎ木部分より下から伸びるひこばえ
通路や隣地へ伸びる枝
太い枝を一度に多く切ると、樹勢が乱れて徒長枝が増える場合があります。
トゲの処理
作業の妨げになるトゲは、剪定ばさみで切り取れます。
トゲだけを切っても、樹の生育へ大きな影響はありません。
すべてのトゲを取り除く必要はなく、収穫や通行に支障がある部分を中心に処理しましょう。
ユズの果実
ユズの果実は、開花後に緑色の小さな実として成長します。
夏から秋にかけて大きくなり、気温が下がると黄色く色づきます。
果皮の表面には凹凸があり、内部には複数の種が入ります。
果汁は少なめですが、強い酸味と香りがあります。
未熟な青ユズと成熟した黄ユズの両方を利用できます。
ユズの収穫
青ユズの収穫時期
青ユズは、8月〜10月頃に収穫します。
果実が十分な大きさになり、果皮が濃い緑色の時期に収穫しましょう。
青ユズは、ユズ胡椒、薬味、そうめん、刺身、焼き魚などに利用できます。
すべて青いうちに収穫せず、黄ユズ用の果実も残しておきましょう。
黄ユズの収穫時期
黄ユズは、10月〜12月頃に収穫します。
果皮全体が黄色くなり、香りが強くなった頃が目安です。
地域や気温によって着色時期が異なります。
霜に長く当たると果皮が傷みやすくなるため、寒さが厳しくなる前に収穫しましょう。
収穫方法
果実を手で引っ張らず、果梗をハサミで切ります。
枝のトゲに注意し、厚手の手袋と長袖を着用しましょう。
果皮を傷つけると香りや保存性が低下するため、果実を強く握らないようにします。
果梗を短く切りすぎると果実を傷つける場合があります。少し残して切りましょう。
保存方法
収穫したユズは、乾燥を防いで冷暗所や冷蔵庫で保存します。
一つずつ新聞紙やキッチンペーパーで包み、保存袋へ入れると乾燥を抑えられます。
長期保存する場合は、果汁、果皮、輪切りなどに分けて冷凍できます。
果皮は黄色い部分だけを薄く削り、冷凍しておくと料理に使いやすくなります。
ユズの利用方法
ユズは、果汁、果皮、種をさまざまな用途に利用できます。
薬味
吸い物
鍋料理
焼き魚
刺身
ポン酢
ユズ胡椒
ユズ味噌
ユズ茶
ジャム
マーマレード
ゼリー
菓子
ジュース
シロップ
果実酒
ユズ湯
果皮を利用する場合は、表面をよく洗いましょう。
白い内皮には苦味があるため、香りを楽しみたい場合は黄色い表皮部分を薄く削ります。
ユズが実をつけない原因
樹が若い
ユズは、植え付けてすぐに実をつける果樹ではありません。
接ぎ木苗でも、結実まで数年かかる場合があります。
実生苗は、さらに長い年月が必要です。
若木のうちは樹形づくりと根の成長を優先しましょう。
種から育てている
ユズの種から育てた株は、結実まで10年以上かかる場合があります。
親と同じ大きさや品質の果実になるとも限りません。
早く収穫したい場合は、接ぎ木苗を選びましょう。
日当たりが悪い
日照不足になると、花芽がつきにくくなります。
枝葉は茂っているのに花が少ない場合は、周囲の建物や樹木による日陰を確認しましょう。
枝が密集している場合は、間引き剪定を行います。
肥料が多すぎる
窒素肥料を与えすぎると、枝葉ばかりが伸び、花が少なくなることがあります。
新梢が長く伸び、葉色が濃い場合は、肥料を控えましょう。
肥料が不足している
肥料不足でも、枝葉や花芽の生育が悪くなります。
葉色が薄い、新梢の伸びが弱い、果実が小さい場合は、肥料不足が考えられます。
春、初夏、秋に分けて適量を与えましょう。
剪定が強すぎる
枝を毎年強く切り戻すと、花芽をつける枝が不足します。
徒長枝ばかりが伸び、実つきが悪くなる場合もあります。
枯れ枝や混み合う枝を中心に、間引き剪定を行いましょう。
開花期の天候が悪い
開花期に低温や長雨が続くと、受粉や結実がうまく進まないことがあります。
鉢植えでは、長雨の間だけ軒下へ移動する方法があります。
隔年結果を起こしている
前年に多くの実をつけすぎると、翌年の花が少なくなることがあります。
実が多い年に摘果を行い、樹の負担を減らしましょう。
毎年安定して収穫するには、着果量を調整することが重要です。
ユズの実が落ちる原因
ユズは、受粉後に一部の花や幼果を自然に落とします。
樹が育てられる果実を選ぶ生理落果であり、すべてが異常ではありません。
実が落ちる主な原因には、次のようなものがあります。
受粉不良
樹が若い
水切れ
水の与えすぎ
日照不足
肥料不足
肥料の与えすぎ
実のつけすぎ
強風
病害虫
幼い実が多数落ちる場合は、水分管理、肥料、日当たりを確認しましょう。
ユズの実が小さい原因
摘果が不足している
実を多く残しすぎると、養分が分散して一つひとつの果実が小さくなります。
小さい実や傷のある実を取り除き、残した果実へ養分を集中させましょう。
水切れしている
果実が大きくなる夏に水切れすると、肥大が止まる場合があります。
鉢植えは特に乾燥しやすいため、土の状態をこまめに確認します。
肥料が不足している
肥料不足では、枝葉や果実の成長が弱くなります。
春から秋に適量の肥料を与えましょう。
日照不足
日当たりが悪いと、光合成で作られる養分が不足します。
枝を整理し、樹冠内部まで光を入れましょう。
根詰まりしている
鉢植えで根詰まりすると、水分や養分を十分に吸収できなくなります。
鉢底から根が出ている場合や、水切れが早い場合は、植え替えを検討しましょう。
ユズの鉢植え管理
ユズは鉢植えでも花と果実を楽しめます。
庭植えより樹を小さく保ちやすく、寒冷地では冬に風の当たりにくい場所へ移動できます。
鉢の選び方
深さと安定感のある鉢を選びます。
小さな苗木には8号〜10号程度の鉢を使い、成長に合わせて10号以上の大型鉢へ植え替えましょう。
果実と枝葉が増えると重くなるため、倒れにくい鉢が適しています。
置き場所
春から秋は、屋外の日当たりと風通しのよい場所へ置きます。
夏に鉢土が高温になりすぎる場合は、鉢の側面へ強い西日が当たり続けないようにしましょう。
冬は寒風を避け、建物の南側や軒下へ移動します。
植え替え
鉢植えは、2年〜3年に1回を目安に植え替えます。
鉢底から根が出る、水切れが早い、新梢の伸びが悪い場合は根詰まりが考えられます。
植え替えは、3月〜5月頃に行います。
根鉢の外側を軽くほぐし、傷んだ根を取り除いて、ひと回り大きな鉢へ植え替えましょう。
根を大きく切ると株が弱るため、整理は最小限にします。
鉢植えで実をならせるコツ
日当たりを確保し、肥料切れと水切れを防ぎます。
枝葉が密集した場合は、春に間引き剪定を行いましょう。
実が多くついた場合は摘果し、樹の大きさに合った数へ減らします。
小さな鉢植えでは、実を数個から十数個程度に抑え、樹勢に合わせて調整しましょう。
ユズの冬越し
ユズは柑橘類の中では寒さに強い果樹です。
成木は日本の多くの地域で屋外越冬できます。
若木は寒風、霜、土の凍結で傷むことがあります。株元へ腐葉土やわらを敷き、不織布で幹や枝を保護しましょう。
鉢植えでは、風の当たりにくい軒下や建物の南側へ移動します。
暖かい室内へ長期間入れる必要はありません。急に高温の室内へ入れると、落葉や生育の乱れが起こる場合があります。
冬は水やりを控えますが、鉢土を完全に乾燥させないようにしましょう。
ユズの増やし方
種まき
ユズは種から育てられます。
果実から取り出した種を洗い、乾燥させないうちにまきます。
種まき用土へ浅く植え、土を乾燥させないように管理しましょう。
発芽した苗は親と同じ性質になるとは限りません。結実まで長い年月がかかります。
観葉や台木づくりとして楽しむ方法に向いています。
接ぎ木
品種を維持し、早く収穫するためには接ぎ木を行います。
カラタチなどを台木として、育てたいユズの枝や芽を接ぎます。
市販されているユズ苗の多くは接ぎ木苗です。
家庭で確実に収穫したい場合は、品種名の明確な接ぎ木苗を購入しましょう。
挿し木
ユズは挿し木で発根しにくい果樹です。
条件によっては発根する場合がありますが、一般的には種まきや接ぎ木で増やします。
ユズに発生しやすい病気
かいよう病
かいよう病は、葉、枝、果実に褐色の盛り上がった病斑が現れる病気です。
風雨によって広がりやすく、傷ついた部分から感染することがあります。
風当たりを弱め、被害を受けた枝葉や果実を取り除きましょう。
ミカンハモグリガなどによる葉の傷も感染のきっかけになります。
そうか病
そうか病は、葉や果実にいぼ状の病斑が現れる病気です。
若い葉や果実が雨に当たる時期に発生しやすくなります。
枝葉の風通しを確保し、被害部分を早めに取り除きましょう。
黒点病
黒点病は、果実や葉に小さな黒い斑点が現れる病気です。
枯れ枝などに病原菌が残り、雨によって広がることがあります。
枯れ枝を剪定し、樹冠内部を清潔に保ちましょう。
すす病
すす病は、葉や枝、果実が黒いすすで覆われたようになる病気です。
アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミなどの排せつ物を原因として発生します。
原因となる害虫を取り除くことが重要です。
根腐れ
根腐れは、水はけの悪い土や水の与えすぎによって起こります。
葉が黄色くなる、新芽が伸びない、枝が枯れるなどの症状が現れます。
水がたまる場所を避け、鉢植えでは受け皿の水を捨てましょう。
ユズにつきやすい害虫
アゲハチョウ類
アゲハチョウ類の幼虫は、ユズの葉を食べます。
若木では、数匹の幼虫でも葉が大きく減ることがあります。
葉を定期的に確認し、卵や幼虫を見つけたら取り除きましょう。
ミカンハモグリガ
ミカンハモグリガの幼虫は、若い葉の内部へ入り込んで食害します。
葉に白い曲線状の食害跡が現れ、葉が縮れることがあります。
特に夏から秋の新芽で発生しやすくなります。
被害葉が少ない場合は、取り除いて処分しましょう。
アブラムシ
アブラムシは、新芽や若い葉に集まり、樹液を吸います。
新芽が縮れ、生育が悪くなることがあります。
排せつ物によってすす病が発生する場合もあります。
数が少ないうちに水で洗い流すか、手で取り除きましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは、枝、幹、葉へ付着して樹液を吸います。
数が増えると樹勢が低下し、すす病の原因になります。
少数であれば、ブラシや布でこすり落としましょう。
ハダニ
ハダニは葉裏に発生し、葉の汁を吸います。
被害を受けた葉は、白くかすれたようになります。
高温で乾燥した時期に増えやすいため、夏は葉裏を確認しましょう。
カメムシ類
カメムシ類は、果実へ口を刺して汁を吸います。
被害を受けた果実は、変形や変色が起こる場合があります。
見つけたら捕殺し、果実の状態を確認しましょう。
コナジラミ
コナジラミは葉裏へ寄生し、樹液を吸います。
株に触れたときに、小さな白い虫が飛ぶことがあります。
排せつ物によってすす病が発生することもあります。
農薬を使用する場合は、ユズやかんきつへの登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数、収穫前日数を確認します。
ユズを育てるときの注意点
トゲによるけがに注意する
ユズの枝には鋭いトゲがあります。
剪定、摘果、収穫では厚手の手袋、長袖、保護眼鏡を着用しましょう。
顔を枝へ近づけないように注意します。
通路へ伸びる枝や、作業の妨げになるトゲは早めに整理しましょう。
接ぎ木部分より下の枝を残さない
接ぎ木部分より下から伸びる枝は、台木の芽である可能性があります。
放置すると台木の枝が強く伸び、ユズの枝が弱る場合があります。
見つけたら付け根から取り除きましょう。
強く剪定しすぎない
ユズは強剪定を行うと、徒長枝が多く伸びることがあります。
花芽のつく枝も減り、実つきが悪くなる場合があります。
不要な枝を付け根から切る間引き剪定を中心に行いましょう。
実をつけすぎない
実を多く残すと、樹が消耗して翌年の花が少なくなることがあります。
若木や鉢植えでは、早めに摘果しましょう。
枯れ枝を放置しない
枯れ枝は黒点病などの病原菌が残る場所になることがあります。
見つけたら健康な部分まで切り戻し、樹冠内部を清潔に保ちましょう。
落ちた果実を放置しない
落果や病気で傷んだ果実は、害虫や病原菌の発生源になります。
見つけたら早めに拾い、適切に処分しましょう。
ユズの育て方に関するよくある質問
ユズは一本だけでも実がなりますか?
ユズは自家結実性があり、一般的には一株でも実をつけます。
開花期の天候や樹の状態によって、結実が悪くなる場合があります。
ユズは植えてから何年で実がなりますか?
接ぎ木苗では、植え付けから3年〜5年程度で実をつけ始める場合があります。
苗木の大きさや栽培環境によって異なります。
種から育てた実生苗では、10年以上かかることがあります。
ユズは鉢植えでも育てられますか?
大型の鉢と日当たりのよい場所を用意すれば、鉢植えでも育てられます。
水切れ、根詰まり、肥料切れ、実のつけすぎに注意しましょう。
ユズの剪定はいつ行いますか?
寒さが和らぐ2月〜4月頃に行います。
枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝などを取り除きます。
強く切り戻すよりも、間引き剪定を中心に行いましょう。
ユズの花が咲かないのはなぜですか?
樹が若い、日照不足、肥料過多、強剪定などが考えられます。
種から育てた株は、開花まで長い年月がかかります。
ユズの花は咲くのに実がならないのはなぜですか?
開花期の低温、長雨、水切れ、樹勢低下などが考えられます。
鉢植えや昆虫の少ない環境では、人工授粉を行う方法もあります。
ユズの実が毎年ならないのはなぜですか?
前年に実を多くつけすぎたことによる隔年結果が考えられます。
実が多い年に摘果し、収穫後に肥料を与えて樹勢を回復させましょう。
ユズの葉が黄色くなるのはなぜですか?
肥料不足、根腐れ、根詰まり、低温、水切れなどが考えられます。
発生した時期、土の湿り方、肥料、根の状態を確認しましょう。
ユズの葉が食べられているのはなぜですか?
アゲハチョウ類の幼虫が葉を食べている可能性があります。
葉の表裏や枝を確認し、卵や幼虫を取り除きましょう。
ユズのトゲは切っても大丈夫ですか?
作業や通行の妨げになるトゲは切っても問題ありません。
枝を傷つけないように、清潔な剪定ばさみでトゲの根元から切りましょう。
まとめ
ユズは、香りの強い果皮と酸味のある果汁を楽しめる常緑果樹です。
柑橘類の中では寒さに強く、日本の広い地域で庭植えや鉢植えにできます。
日当たりと水はけのよい場所を選び、枝葉が密集しないように管理しましょう。剪定は寒さが和らぐ2月〜4月頃に行い、不要な枝を付け根から切る間引き剪定を中心にします。
ユズは一株でも実をつけます。接ぎ木苗を選ぶと、種から育てるよりも早く収穫できます。
実を多くつけすぎると樹が消耗し、翌年の花が少なくなることがあります。若木や鉢植えでは摘果を行い、樹の大きさに合った数へ調整しましょう。
夏から秋には青ユズ、晩秋から冬には黄ユズを収穫できます。果汁だけでなく、香りの強い果皮も料理や加工に利用できます。
枝には鋭いトゲがあるため、剪定や収穫では厚手の手袋と長袖を着用しましょう。
日当たり、肥料、水分、剪定、着果量を適切に管理すれば、家庭でも毎年香り豊かなユズを楽しめます。