セイヨウノコギリソウ(ヤロウ)の育て方|花壇・鉢植え・ドライフラワーで楽しむ方法
セイヨウノコギリソウの育て方|丈夫な多年草を花壇やドライフラワーで楽しむ方法
セイヨウノコギリソウは、細かく切れ込んだ葉と、白色、黄色、桃色、赤色などの小花が集まった平らな花序を楽しめる多年草です。英名のヤロウでも知られ、ナチュラルガーデン、宿根草花壇、ハーブガーデン、切り花、ドライフラワーなどに利用されます。
日当たりと水はけのよい場所を好み、乾燥や寒さに比較的強い丈夫な植物です。肥料や水を与えすぎると茎が倒れやすくなり、地下茎で広がりすぎる場合があります。
初夏から秋にかけて花を咲かせ、花後に切り戻すと再び開花することがあります。定期的な株分けや地下茎の整理を行うと、株姿を整えながら長く育てられます。
この記事では、セイヨウノコギリソウの特徴、種類、植え付け、水やり、肥料、花がら摘み、切り戻し、株分け、増やし方、夏越し、冬越し、花が咲かない原因、病害虫まで詳しく解説します。
セイヨウノコギリソウの基本情報
和名:セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)
別名:ヤロウ、アキレア
学名:Achillea millefolium
科名:キク科
属名:ノコギリソウ属
分類:多年草、宿根草、ハーブ
原産地:ヨーロッパ、西アジア、北アメリカなど
草丈:30cm〜100cm程度。品種により異なる
株幅:30cm〜80cm程度。地下茎で広がる
開花期:5月〜10月頃
花色:白色、黄色、桃色、赤色、橙色、複色
植え付け時期:3月〜5月頃、9月〜11月頃
植え替え時期:3月〜4月頃、10月〜11月頃
株分け時期:3月〜4月頃、10月頃
挿し木時期:5月〜6月頃、9月頃
種まき時期:3月〜5月頃、9月〜10月頃
成長速度:早い
耐寒性:強い
耐暑性:強い〜普通。高温多湿には注意
栽培難易度:初心者向き。日当たり、水はけ、肥料過多、広がりすぎに注意
セイヨウノコギリソウとは?
セイヨウノコギリソウは、キク科ノコギリソウ属に分類される多年草です。
葉は細かく深く切れ込み、鋸の歯のように見えることからノコギリソウの名前がついています。
初夏になると茎の先へ小さな花を多数つけます。小花が集まって平らな花序を作るため、一つの大きな花のように見えます。
地下茎を伸ばして横へ広がる性質があり、環境が合うと大きな群落になります。
冬は地上部が枯れるか、葉を少し残した状態で休眠します。春になると株元や地下茎から新しい芽を伸ばします。
セイヨウノコギリソウの特徴
細かく切れ込んだ葉を持つ
葉は羽状に細かく切れ込み、柔らかな印象があります。
品種によっては葉に芳香があり、触れると独特の香りを感じます。
花がない時期も、繊細な葉姿を楽しめます。
小花が集まった平らな花を咲かせる
一つひとつの花は小さいものの、多数が集まって平らな花序を作ります。
花壇では横へ広がる花の面が目立ち、立体感のある景観を作れます。
花色が豊富
原種に近いものは白色の花を咲かせます。
園芸品種には、黄色、桃色、赤色、橙色、複色などがあります。
咲き進むにつれて花色が淡く変化する品種もあります。
丈夫で乾燥に強い
根付いた株は乾燥に比較的強く、頻繁な水やりを必要としません。
肥沃すぎない土でも育ち、初心者にも扱いやすい植物です。
寒さに強い
耐寒性が強く、多くの地域で屋外越冬できます。
冬に地上部が枯れても、春になると再び芽を出します。
地下茎で広がる
地下茎を伸ばし、親株から離れた場所にも芽を出します。
群生させると美しい一方、狭い花壇では周囲の植物を圧迫することがあります。
切り花やドライフラワーに使える
花茎が長く、花序の形が崩れにくいため、切り花やドライフラワーに向いています。
ほかの草花と組み合わせると、花束やアレンジメントへ自然な雰囲気を加えられます。
セイヨウノコギリソウの主な種類・品種
白花系
原種に近い白色の花を咲かせます。
自然な印象があり、野草風の庭やハーブガーデンに向いています。
黄色花系
鮮やかな黄色や淡黄色の花を咲かせます。
青紫色や白色の花とのコントラストを楽しめます。
赤花系
赤色、暗赤色、赤橙色などの花を咲かせます。
咲き進むにつれて桃色や淡色へ変化する品種もあります。
桃花系
淡桃色から濃桃色の花を咲かせます。
柔らかな印象があり、宿根草花壇やナチュラルガーデンへ合わせやすい花色です。
アキレア・ムーンシャイン
明るい黄色の花と、銀灰色を帯びた葉が特徴です。
株が比較的まとまりやすく、乾燥にも強い品種です。
アキレア・テラコッタ
橙色から黄土色、淡黄色へ花色が変化します。
落ち着いた色合いで、グラス類や銅葉植物とよく合います。
アキレア・セリーズクイーン
濃い桃色から赤紫色の花を咲かせます。
花壇のアクセントとして利用できます。
アキレア・サマーワイン
深い赤色や赤紫色の花が特徴です。
白花や淡色の草花と組み合わせると、花色が引き立ちます。
セイヨウノコギリソウとノコギリソウの違い
セイヨウノコギリソウと日本に自生するノコギリソウは、同じノコギリソウ属の近縁植物です。
園芸や流通では、複数の種類や交配種をアキレアとして扱う場合があります。
セイヨウノコギリソウ
ヨーロッパなどを原産とする
白花の原種と多彩な園芸品種がある
地下茎でよく広がる
ハーブとしても知られる
ノコギリソウ
日本を含む東アジアに分布する種類がある
白色や淡桃色の花が多い
山野や草地で見られる
園芸品種では交配が進んでいるため、正確な種類を確認したい場合は学名や品種名を確認しましょう。
セイヨウノコギリソウの育て方
日当たり
セイヨウノコギリソウは、日当たりのよい場所を好みます。
一日5時間〜6時間以上日が当たる場所が理想です。
日照不足になると茎が細く間延びし、花数が減ります。
半日陰でも育つ場合がありますが、株姿が乱れやすくなります。
風通し
風通しのよい場所で育てます。
葉や茎が密集すると、梅雨から夏に株元が蒸れます。
十分な株間を確保し、花後の切り戻しや間引きで風通しを改善しましょう。
用土
水はけのよい土を好みます。
肥沃すぎる土では茎葉が大きくなり、倒れやすくなる場合があります。
庭植えでは、粘土質の土へ腐葉土や軽石、川砂を混ぜて排水性を改善しましょう。
鉢植えでは、草花用培養土を利用できます。
用土を配合する場合は、次の割合が目安です。
赤玉土小粒:5
腐葉土:2
軽石またはパーライト:3
土壌の酸度
弱酸性から中性付近の土を好みます。
極端な酸性土では生育が悪くなる場合があります。
庭植えでは、必要に応じて植え付け前に苦土石灰を少量混ぜましょう。
セイヨウノコギリソウの植え付け
植え付け時期
植え付けは、3月〜5月頃または9月〜11月頃が適しています。
春は新芽が伸び始める頃、秋は気温が下がった頃に植えましょう。
梅雨、真夏、厳冬期の植え付けは避けます。
苗の選び方
株元から複数の芽が出て、葉色のよい苗を選びます。
次のような苗は避けましょう。
茎が細く間延びしている
下葉が広範囲に黄色くなっている
株元が黒くやわらかい
鉢土が常に湿っている
葉に白い粉や広い病斑がある
害虫が多数ついている
庭植えの方法
日当たりと水はけのよい場所を選びます。
根鉢よりひと回り大きな植え穴を掘り、必要に応じて腐葉土や軽石を混ぜましょう。
根鉢の表面が周囲の土と同じ高さになるように植え付けます。
深植えすると株元が蒸れやすくなります。
植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
株間は30cm〜50cm程度確保します。
鉢植えの方法
苗よりひと回り大きな鉢を選びます。
地下茎で横へ広がるため、深さだけでなく幅のある鉢が向いています。
鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れましょう。
根鉢を軽くほぐし、元と同じ深さで植え付けます。
植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまで与えましょう。
水やり
基本の水やり
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
庭植えでは、植え付け後に根付くまで水を与えましょう。
根付いた後は、長期間雨が降らない場合を除き、頻繁な水やりは必要ありません。
春の水やり
春は新芽と茎が伸びる時期です。
鉢植えでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
植え付けたばかりの庭植え株は、根付くまで乾燥させないようにしましょう。
梅雨時期の水やり
梅雨は自然の雨で土が湿ります。
庭植えでは、基本的に水やりは必要ありません。
鉢植えは長雨の当たらない場所へ移し、土が乾いてから水を与えましょう。
夏の水やり
鉢植えでは、朝の涼しい時間帯に土の状態を確認します。
土が乾いていれば、たっぷりと水を与えましょう。
庭植えでは、強い乾燥が続く場合に株元へ水を与えます。
乾燥には比較的強いものの、開花期の極端な水切れは花の寿命を短くします。
秋の水やり
秋は再び生育しやすくなる時期です。
鉢土の表面が乾いたら水を与えましょう。
気温の低下に合わせて、水やりの回数を減らします。
冬の水やり
庭植えでは、基本的に自然の雨へ任せます。
鉢植えでは、土が乾いてから暖かい日の午前中に水を与えましょう。
地上部が枯れていても、根を完全に乾燥させないようにします。
肥料
セイヨウノコギリソウは、多くの肥料を必要としません。
庭植えでは、植え付け時に緩効性肥料を少量混ぜる程度で育てられます。
春の芽出し時期や花後に、株の生育が弱い場合だけ少量の追肥を行いましょう。
鉢植えでは、春と秋に緩効性肥料を少量与えるか、薄めた液体肥料を月に1回程度施します。
窒素肥料を与えすぎると、茎葉が軟弱に伸び、倒れやすくなります。
真夏と冬は、基本的に施肥を控えましょう。
セイヨウノコギリソウの花
セイヨウノコギリソウは、初夏から秋にかけて花を咲かせます。
茎の先端で枝分かれし、多数の小花が集まった平らな花序を作ります。
一つの花序には多くの花が含まれ、外側から順に開花します。
花色は白色、黄色、桃色、赤色、橙色などがあります。
品種によっては、咲き進むにつれて色が淡く変化します。
花がら摘み
花が色あせたら、花序の下にある葉の少し上から切り取ります。
花がらを残すと種を作り、株の養分が使われます。
こぼれ種で増やしたくない場合も、早めに取り除きましょう。
花がら摘みを続けると、新しい花茎が伸び、開花期間が長くなる場合があります。
セイヨウノコギリソウの切り戻し
切り戻しが必要な理由
開花後に茎が長く残ると、株姿が乱れます。
切り戻すと新しい芽が伸び、風通しも改善できます。
梅雨から夏の蒸れ対策にも有効です。
切り戻し時期
初夏の花が一段落した頃に行います。
秋まで繰り返し咲かせたい場合は、花序が色あせた時点で早めに切り戻しましょう。
秋の花後や地上部が枯れた後にも整理できます。
切り戻し方法
咲き終わった花茎を、株元から10cm〜20cm程度残して切ります。
株元に新芽や緑色の葉がある位置で切りましょう。
枯れた茎、細い茎、内側へ入り込む茎も取り除きます。
切り戻し後の管理
切り戻し後は、土が乾いたら水を与えます。
株の生育が弱い場合は、新芽が伸び始めてから少量の肥料を与えられます。
真夏の高温期は施肥を控えましょう。
摘芯
春に伸び始めた茎の先端を摘むと、脇芽が増えて株が低くまとまります。
草丈が10cm〜20cm程度の頃に、先端を軽く摘みましょう。
摘芯すると開花時期は少し遅れますが、花茎の数を増やせます。
高性品種や風の強い場所では、倒伏防止にも役立ちます。
倒伏対策
日当たりを確保する
日照不足では茎が細く伸び、倒れやすくなります。
日当たりのよい場所で育てましょう。
肥料を控える
窒素肥料が多いと、茎が軟弱になります。
肥料は少なめに施します。
春に摘芯する
摘芯によって枝数を増やすと、草丈を抑えながら花数を増やせます。
支柱を使う
高性品種や風の強い場所では、支柱を利用できます。
株の周囲へ支柱を立て、ひもで囲むように支えると自然に見えます。
セイヨウノコギリソウの植え替え
植え替えが必要な理由
鉢植えでは、根と地下茎が鉢いっぱいに広がります。
水切れが早い、水が染み込みにくい、花数が減った場合は植え替えを検討しましょう。
庭植えでも、株が広がりすぎたり、中心部が弱ったりした場合に植え直します。
植え替え時期
3月〜4月頃または10月〜11月頃が適しています。
春は新芽が大きく伸びる前、秋は気温が下がった頃に行いましょう。
真夏と厳冬期は避けます。
鉢植えの植え替え方法
鉢から株を抜き、古い土を軽く落とします。
黒く傷んだ根や枯れた地下茎を取り除きましょう。
ひと回り大きな鉢へ植え替えるか、株分けして同じ大きさの鉢へ植え直します。
植え替え後はたっぷりと水を与え、数日間は強い直射日光を避けましょう。
植え替えの頻度
鉢植えは、1年〜2年に1回が目安です。
庭植えは、3年〜4年に1回程度を目安に株分けできます。
セイヨウノコギリソウの株分け
株分けの時期
3月〜4月頃または10月頃が適しています。
春は芽出し前から新芽が短い時期、秋は花後に行いましょう。
株分けの方法
株を掘り上げ、根についた土を軽く落とします。
それぞれに芽と十分な根が残るように分けましょう。
大きな株は、清潔なスコップやナイフで切り分けます。
古く弱った中心部や、黒く傷んだ根は取り除きます。
株分け後の管理
分けた株は、元と同じ深さへ植え付けます。
植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
根付くまでは極端な乾燥を避け、強い直射日光や乾燥風から守ります。
セイヨウノコギリソウの増やし方
株分け
最も簡単で確実な増やし方です。
親株と同じ花色や草姿を維持でき、株の若返りにも向いています。
地下茎から出た芽の移植
親株から離れた場所へ出た芽を、根や地下茎ごと掘り上げて移植できます。
春か秋に行いましょう。
挿し木
5月〜6月頃または9月頃に挿し木で増やせます。
花のついていない元気な茎を5cm〜10cm程度切り、下部の葉を取り除きます。
清潔な挿し木用土へ挿し、明るい日陰で管理しましょう。
発根するまで用土を乾燥させないようにします。
種まき
春または秋に種をまいて増やせます。
種まき用土へまき、薄く土をかけるか、土へ軽く押し付けます。
園芸品種から採取した種は、親株と異なる花色や草丈になる場合があります。
品種の特徴を維持したい場合は、株分けや挿し木が適しています。
広がりすぎた場合の対処
セイヨウノコギリソウは、地下茎でよく広がります。
環境が合うと、親株から離れた場所へも芽を出します。
不要な芽を抜く
小さな芽のうちに、地下茎や根ごと抜き取りましょう。
地上部だけを切ると、地下茎から再び芽が出ます。
地下茎を切る
春か秋に株の周囲を掘り、外側へ伸びた地下茎を切り取ります。
周囲の植物を傷つけないように作業しましょう。
株分けする
株全体が大きくなった場合は、掘り上げて必要な部分だけを植え直します。
根域を制限する
狭い花壇では、根止め材や底のない鉢を土へ埋めて育てる方法があります。
完全に広がりを止められない場合もありますが、管理しやすくなります。
鉢植えで育てる
広がる範囲を確実に制限したい場合は、鉢やプランターで育てましょう。
根詰まりしやすいため、定期的な株分けが必要です。
セイヨウノコギリソウが咲かない原因
日照不足
暗い場所では、茎葉は育っても花数が少なくなります。
一日5時間〜6時間以上日が当たる場所へ移しましょう。
肥料の与えすぎ
窒素肥料が多いと、葉や茎ばかりが伸びます。
葉色が濃く、草丈が高いのに花が少ない場合は、肥料を控えましょう。
肥料不足
極端にやせた土や、長期間植え替えていない鉢では、花数が減る場合があります。
春に少量の肥料を与えましょう。
株が若い
植え付けたばかりの苗や、株分け直後の小さな株は、花数が少ない場合があります。
根と株が充実するまで育てましょう。
水の与えすぎ
過湿によって根が傷むと、花を咲かせる力が低下します。
土の表面が乾いてから水を与えましょう。
株が混み合っている
地下茎と芽が密集すると、光や養分を奪い合います。
春か秋に株分けし、風通しを改善しましょう。
切り戻し時期が遅い
秋遅くに強く切り戻すと、新しい花茎が伸びる前に寒くなる場合があります。
繰り返し咲かせたい場合は、初夏の花後に早めに切り戻しましょう。
葉が黄色くなる原因
水の与えすぎ
土が湿り続けると根が傷み、下葉から黄色くなります。
水やりを控え、排水性を確認しましょう。
水切れ
鉢植えや植え付け直後の株では、強い乾燥によって葉先や下葉が黄色くなる場合があります。
土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えましょう。
株元の蒸れ
葉や茎が密集すると、内側の葉から黄色くなる場合があります。
切り戻しや間引きで風通しを改善しましょう。
日照不足
暗い場所では茎が間延びし、下葉が黄色くなります。
日当たりのよい場所へ移動しましょう。
肥料不足
生育期に葉全体の色が薄く、新芽が小さい場合は、肥料不足が考えられます。
適量の肥料を与えましょう。
秋から冬の自然な休眠
気温が下がると葉が黄色くなり、地上部が枯れる場合があります。
宿根草が休眠へ入る自然な変化です。
セイヨウノコギリソウが枯れる原因
水の与えすぎ
過湿によって根腐れを起こします。
土が乾く前に水を与え続けないようにしましょう。
水はけの悪い土
粘土質や低い場所では、水がたまりやすくなります。
軽石や川砂を混ぜるか、高植えにして排水性を改善しましょう。
高温多湿
梅雨から夏に株元が蒸れると、株が弱ります。
花後に切り戻し、風通しを確保しましょう。
極端な乾燥
根付いた庭植え株は乾燥に強いものの、鉢植えや植え付け直後は水切れで傷む場合があります。
根詰まり
鉢の中で根と地下茎が詰まると、水分や養分を吸収しにくくなります。
春か秋に植え替えましょう。
株の老化
長年育てた株は、中心部から枯れ込む場合があります。
株分けして外側の若い部分を植え直しましょう。
冬の自然な休眠
冬に地上部が枯れることは自然な変化です。
根が生きていれば、春に再び芽を出します。
セイヨウノコギリソウの鉢植え管理
セイヨウノコギリソウは鉢植えでも育てられます。
地下茎で広がるため、幅のある鉢を選びましょう。
鉢の選び方
苗よりひと回りから二回り大きな鉢を選びます。
鉢底穴が大きく、水が抜けやすい鉢が適しています。
高性品種では、安定感のある鉢を使いましょう。
置き場所
春と秋は、日当たりと風通しのよい屋外へ置きます。
梅雨は長雨の当たらない場所へ移動できます。
真夏の高温多湿で株が弱る場合は、午前中に日が当たり、午後は明るい日陰になる場所へ移しましょう。
鉢植えの水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
受け皿へ水をためないようにしましょう。
夏は朝、冬は暖かい日の午前中に水を与えます。
鉢植えの肥料
春と秋に、緩効性肥料を少量与えます。
肥料を与えすぎると、茎が倒れやすくなるため注意しましょう。
鉢植えの植え替え
1年〜2年に1回を目安に植え替えます。
地下茎と根を整理し、必要に応じて株分けしましょう。
セイヨウノコギリソウの庭植え
庭植えでは、日当たりと水はけのよい場所を選びます。
花壇の前方から中段、ロックガーデン、ハーブガーデンなどに向いています。
高性品種は花壇の中段から後方、矮性品種は前方や縁取りに利用できます。
同じ品種を数株まとめて植えると、平らな花序が連なり、見応えのある景観になります。
地下茎で広がるため、周囲の植物との間隔を確保しましょう。
グランドカバーとしての利用
草丈の低い品種や、葉がよく広がるタイプはグランドカバーに利用できます。
乾燥しやすい斜面や、日当たりのよい花壇の縁にも向いています。
地下茎で広がり、土の表面を覆います。
ただし、ほかの植物の株元へ侵入する場合があるため、定期的な整理が必要です。
寄せ植え
コンパクトな品種は、大型の鉢や寄せ植えに利用できます。
相性のよい植物には、次のようなものがあります。
ラベンダー
サルビア・ネモローサ
エキナセア
ガウラ
ネペタ
ゲラニウム
ルドベキア
エリンジウム
グラス類
バラ
日当たりと水はけのよい環境を好む植物を組み合わせましょう。
セイヨウノコギリソウは広がりやすいため、長期間同じ鉢で育てる場合は、ほかの植物を圧迫しないように整理します。
切り花として楽しむ方法
切る時期
花序の小花が全体の半分以上開いた頃に切ります。
つぼみが多すぎる段階で切ると、十分に開かない場合があります。
切り方
朝の涼しい時間帯に、清潔なハサミで花茎を切ります。
切り口を斜めにし、水へ浸かる下葉を取り除きましょう。
花瓶での管理
清潔な花瓶と水を使います。
水を定期的に交換し、切り口を少し切り戻しましょう。
高温や直射日光を避けると、花を長く楽しめます。
ドライフラワーの作り方
花が十分に開き、色が鮮やかな時期に切ります。
雨や朝露でぬれていない、乾いた花を選びましょう。
余分な葉を取り除き、数本ずつ束ねます。
風通しのよい暗所へ逆さに吊るして乾燥させましょう。
直射日光へ当てると、花色が退色しやすくなります。
完全に乾燥した後は、湿気の少ない場所で保管します。
セイヨウノコギリソウの夏越し
暑さには比較的強いものの、高温多湿と蒸れには注意が必要です。
初夏の花後に切り戻し、株元へ風が通るようにしましょう。
鉢植えは、長雨の当たらない風通しのよい場所へ移動できます。
暖地では、午後の強い西日を避けられる場所が適しています。
水やりは朝に行い、土が湿っている場合は与えません。
真夏は肥料を控えましょう。
セイヨウノコギリソウの冬越し
耐寒性が強く、多くの地域で屋外越冬できます。
寒くなると地上部が黄色くなり、やがて枯れます。
完全に枯れたら、株元から5cm〜10cm程度残して切り取りましょう。
寒冷地では、株元へ腐葉土や落ち葉を薄く敷くと、凍結と乾燥を抑えられます。
鉢植えは寒風が強く当たらない場所へ移します。
冬は水やりを減らし、肥料を与えません。
セイヨウノコギリソウに発生しやすい病気
うどんこ病
葉や茎へ白い粉をまぶしたような症状が現れます。
風通しの悪い環境や、昼夜の温度差が大きい時期に発生しやすくなります。
被害葉を取り除き、株を切り戻して風通しを改善しましょう。
灰色かび病
花、葉、茎へ褐色の斑点が現れ、灰色のカビが発生します。
長雨、低温多湿、花がらの放置などが原因になります。
傷んだ花や葉を早めに取り除きましょう。
斑点病
葉へ褐色や黒褐色の斑点が現れる場合があります。
葉が長時間ぬれた状態や、株が密集した環境で発生しやすくなります。
被害葉を取り除き、水やりは株元へ行いましょう。
根腐れ
水の与えすぎや排水性の悪い土によって、根が腐ります。
葉が黄色くなる、株がしおれる、新芽が伸びないなどの症状が現れます。
水やりを控え、鉢植えでは新しい用土へ植え替えましょう。
セイヨウノコギリソウにつきやすい害虫
アブラムシ
新芽、つぼみ、花茎へ集まり、汁を吸います。
数が増えると、花や新芽が変形する場合があります。
少数であれば、水で洗い流すか手で取り除きましょう。
ハダニ
高温で乾燥した時期に葉裏へ発生します。
被害葉は白くかすれたようになります。
葉裏を定期的に確認しましょう。
ヨトウムシ類
幼虫が夜間に葉や花を食害します。
昼間は株元や土の中へ隠れています。
葉が大きく食べられている場合は、株元を確認しましょう。
ナメクジ
新芽、葉、花を食害します。
鉢の下、落ち葉の下、湿った株元へ隠れます。
雨上がりや夜間に確認しましょう。
ハモグリバエ類
幼虫が葉の内部を食べ進み、白い筋状の跡を残す場合があります。
被害が少ない場合は、葉を取り除きましょう。
農薬を使用する場合は、セイヨウノコギリソウ、宿根草、ハーブまたは花き類への登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数を確認します。
セイヨウノコギリソウを育てるときの注意点
日当たりを確保する
日照不足では茎が間延びし、花数が減ります。
一日5時間〜6時間以上日が当たる場所が適しています。
水を与えすぎない
乾燥には比較的強く、過湿を苦手とします。
土の表面が乾いてから水を与えましょう。
肥料を与えすぎない
肥料が多いと茎が軟弱になり、倒れやすくなります。
庭植えでは、ほとんど肥料を必要としない場合もあります。
花後に切り戻す
花序が色あせたら、早めに切り戻しましょう。
新しい芽が伸び、再開花が期待できます。
地下茎の広がりを管理する
狭い花壇では、ほかの植物を圧迫する場合があります。
春か秋に不要な芽と地下茎を取り除きましょう。
株を密集させない
梅雨から夏に蒸れやすくなります。
株分け、切り戻し、間引きで風通しを確保しましょう。
ハーブとして利用する場合は品種を確認する
園芸品種や薬剤を使用した株を、安易に食用や飲用へ利用しないようにしましょう。
利用目的に適した品種であること、栽培中に使用した薬剤、体質や持病、妊娠中の使用などを慎重に確認する必要があります。
皮膚刺激に注意する
人によっては、葉や茎へ触れることで皮膚に刺激を感じる場合があります。
剪定や株分けでは手袋を着用すると安心です。
セイヨウノコギリソウの育て方に関するよくある質問
セイヨウノコギリソウは毎年咲きますか?
多年草のため、適した環境では毎年花を咲かせます。
冬に地上部が枯れても、春に株元や地下茎から新芽を出します。
植えっぱなしでも育ちますか?
日当たりと水はけがよければ、数年間植えっぱなしでも育ちます。
株が広がりすぎた場合や中心部が弱った場合は、春か秋に株分けしましょう。
鉢植えでも育てられますか?
鉢植えでも育てられます。
幅のある鉢を使い、水の与えすぎと根詰まりに注意しましょう。
花が咲かないのはなぜですか?
日照不足、肥料過多、株の混み合い、過湿、株が若いことなどが考えられます。
いつ切り戻しますか?
初夏の花が一段落した頃に行います。
株元から10cm〜20cm程度残して切ると、新芽が伸び、再び咲く場合があります。
広がりすぎた場合はどうしますか?
不要な芽を地下茎ごと抜き、春か秋に株の周囲を掘って地下茎を切りましょう。
狭い場所では鉢植えや根域制限も有効です。
株分けはいつ行いますか?
3月〜4月頃または10月頃が適しています。
それぞれに芽と十分な根を残して分けましょう。
ドライフラワーにできますか?
花が十分に開いた時期に切り、風通しのよい暗所へ逆さに吊るすとドライフラワーにできます。
冬に枯れましたが大丈夫ですか?
地上部が枯れることは自然な休眠です。
根が生きていれば、春に再び芽を伸ばします。
ハーブとして利用できますか?
ヤロウとして利用される植物ですが、園芸品種や薬剤を使用した株を安易に飲食へ使わないようにしましょう。
体質、服薬、妊娠、アレルギーなどにも注意が必要です。
まとめ
セイヨウノコギリソウは、細かく切れ込んだ葉と、小花が集まった平らな花序を楽しめるキク科の多年草です。
白色、黄色、桃色、赤色、橙色など花色が豊富で、ナチュラルガーデン、宿根草花壇、ハーブガーデン、切り花、ドライフラワーなどに利用できます。
日当たりと水はけのよい場所を好み、寒さと乾燥に比較的強い植物です。
鉢植えでは、土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。
庭植えでは、根付いた後に頻繁な水やりを必要としません。
肥料を与えすぎると茎が軟弱に伸び、倒れやすくなります。
春と秋に少量与える程度で十分です。
初夏の花が一段落した後に、株元から10cm〜20cm程度残して切り戻すと、新しい芽が伸びます。
環境が合えば、秋まで繰り返し花を楽しめます。
地下茎で広がるため、狭い花壇では定期的な整理が必要です。
不要な芽を地下茎ごと取り除き、3年〜4年に1回程度株分けすると、株の若返りにもつながります。
冬は地上部が枯れる場合がありますが、耐寒性が強く、多くの地域で屋外越冬できます。
十分な日照、排水性、控えめな水と肥料、花後の切り戻し、地下茎の管理を意識すれば、毎年丈夫な株と多くの花を楽しめます。