キク(菊)の育て方|秋に美しい花を咲かせる摘芯・水やり・冬越し
キクの育て方|秋に美しい花を咲かせる多年草の管理方法
キクは、日本の秋を代表する花の一つです。白色、黄色、桃色、赤色、橙色、紫色、緑色、複色など花色が豊富で、花の大きさや咲き方にも多くの種類があります。
花壇、鉢植え、切り花、仏花、盆栽、菊花展など、幅広い用途で親しまれています。小さな花を多数咲かせる小菊、大きな花を一輪咲かせる大菊、こんもりと丸く仕立てるポットマムなど、品種によって草姿と管理方法が異なります。
日当たりと風通しのよい場所を好み、適切な摘芯や切り戻しを行うことで花数を増やせます。秋に開花する品種は、夜の長さが一定以上になると花芽を作る性質があります。夜間に照明が当たり続ける場所では、開花が遅れたり花が咲かなかったりする場合があります。
この記事では、キクの特徴、種類、植え付け、水やり、肥料、摘芯、切り戻し、植え替え、株分け、挿し芽、夏越し、冬越し、花が咲かない原因、病害虫まで詳しく解説します。
キクの基本情報
和名:キク(菊)
別名:イエギク(家菊)、栽培菊
学名:Chrysanthemum morifolium
科名:キク科
属名:キク属
分類:多年草、宿根草
原産地:中国を中心とする東アジア
草丈:20cm〜150cm程度。品種や仕立て方により異なる
株幅:20cm〜100cm程度
開花期:9月〜12月頃。夏咲き、寒咲き品種もある
花色:白色、黄色、桃色、赤色、橙色、紫色、緑色、複色
植え付け時期:3月〜5月頃、9月〜10月頃
植え替え時期:3月〜5月頃
株分け時期:3月〜4月頃
挿し芽時期:4月〜6月頃
摘芯時期:5月〜7月頃。品種や開花時期により異なる
成長速度:早い
耐寒性:強い
耐暑性:普通〜強い。高温多湿には注意
栽培難易度:初心者〜中級者向き。日当たり、摘芯、肥料、夜間照明、病害虫対策がポイント
キクとは?
キクは、キク科キク属に分類される多年草です。
現在栽培されている園芸用のキクは、中国で古くから栽培されてきた複数の野生種をもとに改良されたと考えられています。
日本へは古い時代に伝わり、観賞用、薬用、食用、文化行事などに利用されてきました。
春になると株元や地下茎から新芽を伸ばし、夏に茎葉を成長させます。秋になると花芽を作り、品種ごとに異なる花を咲かせます。
冬は地上部が枯れますが、株元や地下の芽が生きていれば、翌春に再び芽を伸ばします。
キクの特徴
花色と花形が豊富
キクには、白色、黄色、桃色、赤色、紫色、橙色、緑色など、多くの花色があります。
花形も豊富で、花びらが平たく広がるもの、管状になるもの、内側へ巻くもの、外側へ反るものなどがあります。
同じキクでも、品種によって全く異なる印象を楽しめます。
秋を中心に開花する
多くのキクは、日が短くなり、夜が長くなると花芽を作ります。
自然条件では、夏の終わりから秋に花芽が形成され、秋から初冬に開花します。
品種改良によって、夏に咲く夏菊、秋に咲く秋菊、冬に咲く寒菊もあります。
摘芯で花数を増やせる
キクは、茎の先端を摘むと脇芽を伸ばします。
摘芯を繰り返すことで枝数が増え、多くの花を咲かせられます。
花壇や鉢植えでこんもりと仕立てたい場合は、適切な時期に摘芯を行いましょう。
毎年育てられる
キクは多年草のため、適切に管理すれば毎年花を楽しめます。
花後に地上部を切り戻し、冬越しさせると、春に新芽が伸びます。
古い株は病害虫が発生しやすくなるため、挿し芽や株分けで更新すると育てやすくなります。
切り花として長持ちする
キクは、切り花にした後も比較的長く観賞できます。
仏花、供花、花束、フラワーアレンジメントなどに広く利用されています。
花色や花形が豊富なため、和風だけでなく洋風の装飾にも使われます。
キクの主な種類
大菊
大菊は、直径18cm以上になる大きな花を咲かせる系統です。
一本の茎に一輪の花を大きく咲かせる一輪仕立てや、一本の株から三本の茎を伸ばす三本仕立てなどがあります。
菊花展や観賞用として利用され、支柱、摘蕾、輪台などを使って仕立てます。
中菊
中菊は、大菊より小さく、小菊より大きな花を咲かせます。
切り花、鉢植え、仏花などに利用されます。
花形や花色が豊富で、家庭でも育てやすい系統です。
小菊
小菊は、小さな花を多数咲かせる系統です。
丈夫で育てやすく、庭植え、花壇、切り花に向いています。
摘芯すると枝数が増え、株いっぱいに花を咲かせます。
スプレーギク
一本の茎が枝分かれし、複数の花を咲かせるタイプです。
花束やフラワーアレンジメントに利用されます。
花色や花形が豊富で、洋風の雰囲気を持つ品種も多くあります。
ポットマム
鉢植え用にコンパクトに改良されたキクです。
草丈が低く、株全体が丸くまとまり、多数の花を咲かせます。
購入後も適切に管理すれば翌年育てられますが、生産時に草丈調整が行われている場合があり、翌年は購入時より高く育つことがあります。
クッションマム
細かく枝分かれし、クッションのような丸い株になるタイプです。
鉢植えや花壇の縁取りに向いています。
多数の小花が株全体を覆うように咲きます。
嵯峨菊
細長い花びらがまっすぐ立ち上がる、伝統的な古典菊です。
独特の花姿を持ち、細く伸びる草姿も特徴です。
伊勢菊
花びらが垂れ下がるように咲く古典菊です。
柔らかく流れるような花姿を楽しめます。
肥後菊
細い花びらが放射状に広がり、中心部が見える古典菊です。
葉や花の配置にも伝統的な仕立て方があります。
江戸菊
咲き進むにつれて花びらが変化し、複雑な花姿になる古典菊です。
開花の途中で形が変わるため、長く観察して楽しめます。
寒菊
晩秋から冬に花を咲かせる系統です。
寒さの中でも開花し、冬の庭や切り花に利用されます。
キクの育て方
日当たり
キクは、日当たりのよい場所を好みます。
一日5時間〜6時間以上日が当たる場所が理想です。
日照不足になると茎が細長く伸び、花数が減ります。
株元の葉も黄色くなりやすくなるため、できるだけ日なたで育てましょう。
夜間照明に注意する
秋咲きのキクは、夜が一定時間以上長くなることで花芽を作ります。
街灯、玄関灯、室内灯などが夜間も当たり続ける場所では、花芽ができにくくなります。
葉はよく育つのに秋になっても花が咲かない場合は、夜間照明の影響を確認しましょう。
夜は暗くなる場所へ移動するか、光を遮れる場所で管理します。
風通し
風通しのよい場所で育てます。
株が密集すると、うどんこ病、白さび病、灰色かび病などが発生しやすくなります。
複数植える場合は株間を確保し、不要な枝や下葉を整理しましょう。
用土
キクは、肥沃で水はけのよい土を好みます。
鉢植えでは、草花用培養土を利用できます。
用土を配合する場合は、次の割合が目安です。
赤玉土小粒:5
腐葉土:3
軽石またはパーライト:1
完熟堆肥:1
庭植えでは、腐葉土や完熟堆肥を混ぜて土を耕します。
水がたまりやすい場所では、軽石や川砂を加えて排水性を改善しましょう。
土壌の酸度
弱酸性から中性付近の土を好みます。
極端な酸性土では生育が悪くなる場合があります。
庭植えでは、必要に応じて植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を少量混ぜましょう。
キクの植え付け
植え付け時期
植え付けは、3月〜5月頃または9月〜10月頃が適しています。
春に植え付けると、秋までに株を大きく育てられます。
秋に開花株を植える場合は、根鉢を崩しすぎないようにしましょう。
真夏や厳冬期の植え付けは避けます。
苗の選び方
株元から新しい芽が出て、葉色のよい苗を選びます。
次のような苗は避けましょう。
茎が極端に細く間延びしている
下葉が広範囲に黄色くなっている
葉に白い粉や斑点がある
葉裏にさび色の斑点がある
株元が黒くやわらかい
害虫が多くついている
開花株では、咲いている花だけでなく、つぼみの数や株元の状態も確認しましょう。
庭植えの方法
日当たりと風通し、水はけのよい場所を選びます。
植え穴を根鉢よりひと回り大きく掘り、腐葉土、完熟堆肥、緩効性肥料を混ぜましょう。
根鉢の表面が地面と同じ高さになるように植え付けます。
深植えすると株元が蒸れ、根腐れや茎腐れの原因になります。
植え付け後はたっぷりと水を与えます。
株間は、小型品種で20cm〜30cm、大型品種で40cm〜60cm程度を目安にしましょう。
鉢植えの方法
苗よりひと回り大きな鉢を選びます。
大きく育つ品種には、深さと安定感のある鉢が向いています。
鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れましょう。
根鉢を軽くほぐし、元と同じ深さで植え付けます。
植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
水やり
基本の水やり
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
庭植えでは、植え付け後に根付くまで水を与えましょう。
根付いた後は、長期間雨が降らない場合に株元へ水を与えます。
水の与えすぎは根腐れにつながりますが、開花期の強い水切れにも注意が必要です。
葉や花へ水をかけすぎない
水やりは株元へ行います。
葉が長時間ぬれると、白さび病や斑点病が発生しやすくなります。
花へ水がかかると、花びらが傷み、灰色かび病の原因になる場合があります。
春の水やり
春は新芽が伸びる時期です。
鉢土の表面が乾いてから水を与えましょう。
植え替えや株分け直後は、根付くまで極端に乾燥させないようにします。
梅雨時期の水やり
梅雨は土が乾きにくくなります。
庭植えでは、基本的に水やりは必要ありません。
鉢植えは、土が湿っている場合に水を与えないようにしましょう。
鉢底や受け皿へ水をためないことも大切です。
夏の水やり
夏は成長が盛んになり、鉢土も乾きやすくなります。
朝の涼しい時間帯に土を確認し、乾いていればたっぷりと水を与えましょう。
猛暑日には、夕方にも乾燥状態を確認します。
庭植えでも、強い乾燥が続く場合は株元へ水を与えましょう。
秋の水やり
秋は花芽と花が育つ時期です。
水切れするとつぼみが小さくなったり、花が早くしおれたりします。
鉢土の表面が乾いたら、十分に水を与えましょう。
冬の水やり
冬は地上部が枯れ、生育が緩やかになります。
庭植えでは、基本的に水やりは必要ありません。
鉢植えでは、土が完全に乾燥し続けない程度に、暖かい日の午前中へ水を与えましょう。
肥料
キクは生育が旺盛で、花を多く咲かせるため、適度な肥料を必要とします。
植え付け時に、緩効性肥料を元肥として混ぜましょう。
春から夏の生育期には、緩効性肥料を1か月に1回程度施すか、薄めた液体肥料を7日〜14日に1回程度与えます。
花芽が見え始めたら、窒素分の多い肥料を控えます。
窒素肥料を与えすぎると、葉や茎ばかりが伸び、花つきが悪くなる場合があります。
開花中は、株の状態を見ながら薄い液体肥料を与えられます。
花後、真冬、株が弱っている時期は施肥を控えましょう。
キクの摘芯
摘芯が必要な理由
摘芯は、茎の先端を切り、脇芽を増やす作業です。
枝数が増えることで、花数の多いこんもりとした株へ仕立てられます。
小菊、スプレーギク、ポットマムなどでは、摘芯が花数と株姿に大きく影響します。
摘芯の時期
一般的には、5月〜7月頃に行います。
苗の草丈が10cm〜15cm程度になり、葉が5枚〜6枚以上ついた頃が目安です。
品種の開花時期によって適期が異なります。
遅い時期まで摘芯を続けると、花芽を切ってしまい、開花が遅れる場合があります。
秋咲き品種では、7月下旬頃までに摘芯を終えるのが一般的です。
摘芯の方法
茎の先端を、葉のある節の上で切ります。
摘芯後に伸びた脇芽が長くなったら、必要に応じて再び先端を摘みます。
最初から強く切りすぎず、株の大きさと仕立て方に合わせて行いましょう。
大菊の摘芯
大菊では、目的の仕立て方によって摘芯方法が異なります。
三本仕立てでは、主茎を摘芯して伸びた脇芽から、太く均等な3本を残します。
残した茎以外の芽は取り除き、各茎の先に一輪ずつ花を咲かせます。
芽かき
芽かきは、不要な脇芽を取り除く作業です。
大菊や一輪咲きでは、花を大きくするために、目的の茎や花芽以外を取り除きます。
小菊やスプレーギクでは、多くの花を咲かせるため、芽を残す育て方が基本です。
育てる品種と仕立て方に合わせて判断しましょう。
摘蕾
摘蕾は、不要なつぼみを取り除く作業です。
大輪の花を咲かせたい場合は、茎の先端についた主蕾を一つ残し、周囲の小さなつぼみを取り除きます。
小菊やスプレーギクでは、複数の花を楽しむため、基本的に摘蕾を行いません。
キクの切り戻し
生育中の切り戻し
茎が伸びすぎた場合や株姿が乱れた場合は、初夏までに切り戻せます。
葉のある節の上で切ると、脇芽が伸びます。
秋咲き品種を夏の終わりに強く切り戻すと、花芽を失う場合があるため注意しましょう。
花後の切り戻し
花がすべて終わったら、地上部を株元から10cm〜15cm程度残して切り戻します。
株元に新しい芽が出ている場合は、新芽を傷つけないようにしましょう。
枯れた茎や病気の葉も取り除き、株元を清潔にします。
冬の切り戻し
地上部が完全に枯れたら、地際近くまで切り取れます。
寒冷地では、数センチ残すと株元の目印になります。
切り取った茎葉は病害虫が残っている可能性があるため、株元へ放置しないようにしましょう。
キクの支柱立て
草丈の高い品種や大輪品種は、花や葉の重みで倒れる場合があります。
茎が伸び始めた時期に支柱を立てましょう。
茎が曲がってから無理に立てると折れることがあります。
支柱と茎は、ひもを8の字にして緩く結びます。
小菊では、株の周囲へ支柱を立て、ひもで囲むように支える方法もあります。
キクの植え替え
植え替えが必要な理由
鉢植えでは、根が鉢の中へ広がり、根詰まりを起こします。
水切れが早い、水が染み込みにくい、新芽が細い、花数が減った場合は植え替えを検討しましょう。
庭植えでも、古い株は中心部が弱り、病害虫が発生しやすくなります。
植え替え時期
植え替えは、3月〜5月頃が適しています。
春に株元から新芽が伸び始めた頃に行いましょう。
秋の開花中や真夏の植え替えは、株へ大きな負担をかけます。
鉢植えの植え替え方法
鉢から株を抜き、根の状態を確認します。
古い土を軽く落とし、黒く傷んだ根や枯れた根を取り除きましょう。
ひと回り大きな鉢へ植え替えるか、株分けして同じ大きさの鉢へ植え直します。
植え替え後は水を与え、数日間は強い直射日光を避けましょう。
植え替えの頻度
鉢植えは、毎年または1年〜2年に1回を目安に植え替えます。
生育が早く、根がよく広がるため、小さな鉢では毎年の植え替えが適しています。
庭植えは、2年〜3年に1回程度を目安に株分けや植え直しを行うと、株を若く保てます。
キクの株分け
株分けの時期
株分けは、3月〜4月頃が適しています。
春に株元から新芽が出始めた頃に行いましょう。
株分けの方法
株を掘り上げ、根についた土を軽く落とします。
若く元気な芽と根が残るように分けましょう。
古く木質化した中心部や、黒く傷んだ根は取り除きます。
それぞれに複数の芽と十分な根を残すと、植え付け後の生育が安定します。
株分け後の管理
分けた株は、元と同じ深さへ植え付けます。
植え付け後はたっぷりと水を与え、根付くまで乾燥させないようにしましょう。
数日間は強い日差しや乾燥風を避けます。
キクの増やし方
挿し芽
キクを増やす一般的な方法です。
親株と同じ花色や花形を維持でき、古い株を若返らせる方法としても適しています。
4月〜6月頃に、株元や茎から伸びた元気な新芽を使います。
挿し芽の方法
病害虫のない元気な新芽を選ぶ
先端から5cm〜8cm程度の長さで切る
下部の葉を取り除く
切り口を水へ短時間浸ける
清潔な挿し芽用土へ挿す
明るい日陰で管理する
発根するまで用土を乾燥させない
発根後に鉢上げし、徐々に日光へ慣らす
挿し芽用土には、赤玉土小粒、鹿沼土小粒、バーミキュライトなどを利用できます。
株分け
春に大きくなった株を分けて増やせます。
挿し芽より簡単ですが、古い株の病害虫を引き継ぐ場合があります。
健康な若い部分を選びましょう。
種まき
種から育てることもできますが、園芸品種では親株と同じ花が咲かない場合があります。
新品種作りや変化を楽しみたい場合に向いています。
一般家庭では、挿し芽や株分けのほうが確実です。
購入した鉢植えのキクの管理
購入した鉢植えは、日当たりと風通しのよい屋外で管理します。
室内では日照不足になりやすく、花が早く傷むことがあります。
短期間室内で楽しむ場合も、暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。
鉢土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
花や葉へ水をかけず、株元へ水を与えましょう。
ラッピングされている場合は外し、鉢底から水が抜ける状態にします。
咲き終わった花をこまめに摘むと、残ったつぼみが開きやすくなります。
花後の鉢植えを翌年も咲かせる方法
花がすべて終わったら、地上部を10cm〜15cm程度残して切り戻します。
日当たりと風通しのよい場所で冬越しさせましょう。
冬は水やりを減らし、土が完全に乾燥し続けない程度に管理します。
春に新芽が出たら、古い土を落として植え替えます。
若い新芽を挿し芽して新しい株へ更新すると、病害虫を減らし、形のよい株を作りやすくなります。
購入時のような低く丸い姿にするには、春から初夏に摘芯を繰り返す必要があります。
キクが咲かない原因
夜間照明
秋咲きのキクが咲かない代表的な原因です。
街灯、玄関灯、防犯灯、室内から漏れる光などが夜間も当たり続けると、花芽ができにくくなります。
夜は暗くなる場所へ移動しましょう。
日照不足
昼間の日光が不足すると、株が弱り、花芽も育ちにくくなります。
一日5時間〜6時間以上日が当たる場所で育てましょう。
肥料が多すぎる
窒素肥料を与えすぎると、葉や茎ばかりが伸びます。
葉色が濃く、茎が長いのに花が少ない場合は、肥料を控えましょう。
摘芯の時期が遅い
花芽が作られた後に摘芯すると、つぼみになる部分を切り取ってしまいます。
秋咲き品種では、一般的に7月下旬頃までに摘芯を終えましょう。
切り戻しが遅い
夏の終わりから秋に強く切り戻すと、開花が遅れたり、花が咲かなかったりします。
強い切り戻しは初夏までに行います。
水切れ
夏から秋に水切れを繰り返すと、花芽が十分に育ちません。
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
根詰まり
鉢の中で根が詰まると、生育と花つきが悪くなります。
春に植え替えや株分けを行いましょう。
株が古くなっている
古い株は茎が細くなり、病害虫も発生しやすくなります。
春に挿し芽を行い、若い株へ更新しましょう。
キクのつぼみが開かない原因
水切れ
つぼみが育つ時期に水切れすると、開花前に枯れることがあります。
土の表面が乾いたら、十分に水を与えましょう。
日照不足
日光が不足すると、つぼみの成長が遅くなります。
日当たりのよい場所へ移動しましょう。
気温が低すぎる
晩秋から冬に急激な寒さが来ると、つぼみが開かずに傷む場合があります。
鉢植えは日当たりのよい軒下へ移動しましょう。
肥料不足
株の養分が不足すると、つぼみが小さいまま成長を止めることがあります。
生育期に適量の肥料を与えましょう。
害虫の被害
アブラムシやアザミウマがつぼみを吸汁すると、正常に開かない場合があります。
つぼみや花茎を確認しましょう。
灰色かび病
湿度が高い環境では、つぼみが褐色になり、開かずに腐る場合があります。
傷んだつぼみを取り除き、風通しを改善しましょう。
キクの葉が黄色くなる原因
水の与えすぎ
土が長期間湿っていると、根が傷み、下葉から黄色くなる場合があります。
水やりを控え、用土の排水性を確認しましょう。
水切れ
鉢土が極端に乾燥すると、葉がしおれ、黄色くなる場合があります。
土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えましょう。
日照不足
暗い場所では、下葉が黄色くなり、茎が間延びします。
日当たりのよい場所へ移動しましょう。
肥料不足
生育期に葉全体の色が薄くなり、新芽が小さい場合は、肥料不足が考えられます。
適量の緩効性肥料や液体肥料を与えましょう。
株元の蒸れ
枝葉が密集すると、内側や下部の葉から黄色くなる場合があります。
不要な枝や下葉を整理し、風通しを改善しましょう。
秋から冬の自然な休眠
花後に気温が下がると、葉が黄色くなり、地上部が枯れます。
休眠へ入る自然な変化です。
キクが枯れる原因
水の与えすぎ
土が常に湿っていると、根腐れを起こします。
土の表面が乾いてから水を与えましょう。
水はけの悪い土
粘土質や古い培養土では、根の周囲へ水が残りやすくなります。
植え替えや土壌改良で排水性を改善しましょう。
夏の高温多湿
キクは暑さへ比較的強いものの、株元の蒸れを苦手とします。
枝葉が密集している場合は、初夏までに整理しましょう。
強い水切れ
鉢植えでは、夏に急速に土が乾きます。
水切れを繰り返すと、下葉が枯れ、株全体が弱ります。
病害虫
白さび病、立枯病、アブラムシ、ハダニなどによって、株が弱る場合があります。
葉表、葉裏、茎、株元を定期的に確認しましょう。
連作障害
同じ場所で長年キクを育て続けると、土壌病害や生育不良が起こる場合があります。
庭植えでは植え場所を変えるか、土を入れ替えましょう。
株の老化
古い株は中心部が弱り、枯れ込みやすくなります。
挿し芽や株分けで若い株へ更新しましょう。
キクの鉢植え管理
キクは鉢植えでも育てやすい植物です。
摘芯、施肥、支柱立てなどを行うことで、品種に合った形へ仕立てられます。
鉢の選び方
小菊やポットマムには、5号〜7号程度の鉢を利用できます。
大菊や高性品種には、深さと安定感のある大きめの鉢が向いています。
鉢底穴が大きく、水が抜けやすい鉢を選びましょう。
置き場所
春から秋は、日当たりと風通しのよい屋外へ置きます。
夜間照明が長時間当たらない場所を選びましょう。
梅雨は株が密集しないようにし、長雨の際は軒下へ移動できます。
冬は日当たりのよい屋外や軒下で管理します。
鉢植えの水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
夏と開花期は、水切れに注意しましょう。
受け皿へ水をためると根腐れの原因になります。
鉢植えの肥料
春から夏の生育期に、緩効性肥料や薄めた液体肥料を与えます。
花芽が形成される時期には、窒素分の与えすぎを避けましょう。
花後と冬は施肥を控えます。
キクの庭植え
庭植えでは、日当たりと風通し、水はけのよい場所を選びます。
小菊や寒菊は庭植えしやすく、毎年花を楽しめます。
草丈の高い品種は、花壇の後方へ植えましょう。
複数株を密植すると病気が発生しやすくなるため、十分な株間を確保します。
同じ場所で長年育てると生育が悪くなる場合があります。
2年〜3年を目安に株分けし、植え場所や土を更新しましょう。
キクの寄せ植え
ポットマムや矮性の小菊は、秋の寄せ植えに利用できます。
相性のよい植物には、次のようなものがあります。
ケイトウ
コリウス
アキランサス
ハツユキカズラ
ヘデラ
カルーナ
観賞用トウガラシ
ススキ類
ヒューケラ
ビオラ
日当たりと水はけのよい環境を好む植物を組み合わせましょう。
キクの株元を密植しすぎると蒸れやすくなるため、風が通る空間を確保します。
キクの夏越し
キクは暑さに比較的強く、屋外で夏越しできます。
夏は茎葉が大きく成長するため、水切れ、肥料切れ、病害虫に注意しましょう。
鉢植えは朝に土を確認し、乾いていれば十分に水を与えます。
強い西日で鉢土が急速に乾く場合は、午後に明るい日陰になる場所へ移動できます。
株元へ枯れ葉をためず、風通しを確保しましょう。
秋咲き品種では、摘芯を遅くまで続けないことが大切です。
キクの冬越し
キクは耐寒性が強く、多くの地域で屋外越冬できます。
花後に地上部を10cm〜15cm程度残して切り戻しましょう。
寒さが進むと、株元から冬至芽と呼ばれる新しい芽が出る場合があります。
庭植えでは、株元へ腐葉土や落ち葉を薄く敷くと、土の凍結と乾燥を抑えられます。
鉢植えは、寒風が強く当たらない日当たりのよい軒下へ移動しましょう。
冬は水やりを減らし、肥料を与えません。
キクに発生しやすい病気
白さび病
白さび病は、キクで特に注意したい病気です。
葉の表面に淡黄色の斑点が現れ、葉裏には白色から淡褐色の盛り上がった斑点ができます。
低温多湿や長雨で発生しやすくなります。
被害葉を早めに取り除き、株を密集させないようにしましょう。
水やりは株元へ行い、葉を長時間ぬらさないことも大切です。
うどんこ病
葉や茎へ白い粉をまぶしたような症状が現れます。
風通しが悪く、昼夜の温度差が大きい環境で発生しやすくなります。
被害葉を取り除き、枝葉を整理しましょう。
灰色かび病
花、つぼみ、葉へ褐色の斑点が現れ、灰色のカビが発生します。
長雨、低温多湿、花がらの放置によって発生しやすくなります。
傷んだ花や葉を早めに取り除きましょう。
黒斑病・褐斑病
葉へ黒色や褐色の斑点が現れ、症状が進むと葉が黄色くなって落ちます。
雨や水やりによる泥はねで広がる場合があります。
被害葉を取り除き、株元への水やりを心がけましょう。
立枯病
株元や根が傷み、株全体がしおれて枯れる病気です。
過湿、水はけの悪い土、連作などが原因になります。
被害株は早めに取り除き、同じ土の再利用を避けましょう。
根腐れ
水の与えすぎや排水性の悪い土によって、根が腐ります。
下葉が黄色くなる、株がしおれる、新芽が伸びないなどの症状が現れます。
水やりを控え、鉢植えでは新しい用土へ植え替えましょう。
ウイルス病
葉にモザイク状の模様、不自然な黄色い筋、縮れなどが現れる場合があります。
治療は難しく、アブラムシや刃物を通じて広がることがあります。
症状の強い株は隔離し、使用したハサミを消毒しましょう。
キクにつきやすい害虫
アブラムシ
新芽、つぼみ、花茎へ集まり、汁を吸います。
数が増えると、新芽や花が変形する場合があります。
ウイルス病を媒介することもあるため、早めに取り除きましょう。
ハダニ
葉裏へ発生し、葉の汁を吸います。
被害葉は白くかすれたようになり、症状が進むと葉が枯れます。
高温で乾燥した時期に増えやすいため、夏は葉裏を確認しましょう。
アザミウマ
つぼみや花の内部へ入り、花びらを傷めます。
花へ白っぽいかすれや茶色い傷が現れ、つぼみが開かない場合があります。
被害花を取り除き、株全体を確認しましょう。
キクスイカミキリ
成虫が茎へ傷をつけて産卵し、その上部がしおれることがあります。
春から初夏に、茎の先が急に垂れ下がった場合は注意が必要です。
被害部分を幼虫ごと切り取り、処分しましょう。
ヨトウムシ類
幼虫が夜間に葉やつぼみを食害します。
昼間は株元や土の中へ隠れています。
葉が大きく食べられている場合は、夜間や株元を確認しましょう。
ハモグリバエ類
幼虫が葉の内部を食べ進み、白い筋状の跡を残します。
被害が少ない場合は、葉を取り除きましょう。
ナメクジ
若い芽、葉、花を食害します。
鉢の下、落ち葉の下、湿った株元へ隠れます。
雨上がりや夜間に確認しましょう。
農薬を使用する場合は、キクへの登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数を確認します。
キクを育てるときの注意点
夜間照明が当たらない場所で育てる
秋咲きのキクは、夜の長さを感じて花芽を作ります。
街灯や玄関灯が当たり続ける場所では、開花が遅れる場合があります。
摘芯を遅くまで行わない
遅い時期の摘芯は、花芽を切り取る原因になります。
品種の開花時期を確認し、秋咲き品種では夏の前半までに終えましょう。
株を密集させない
密植すると、白さび病やうどんこ病が発生しやすくなります。
株間を確保し、不要な枝や下葉を整理しましょう。
葉へ水をかけ続けない
葉がぬれた状態が続くと、病気が広がりやすくなります。
水やりは株元へ行いましょう。
同じ場所で長年育て続けない
連作によって土壌病害や生育不良が起こる場合があります。
定期的に株分けし、植え場所や土を更新しましょう。
古い株を更新する
数年育てた株は、病害虫が発生しやすくなります。
春に挿し芽を行い、若い株へ更新すると健康に育てやすくなります。
支柱を早めに立てる
草丈の高い品種は、風や花の重みで倒れます。
茎が大きく曲がる前に支柱を立てましょう。
病気の葉を株元へ放置しない
白さび病や斑点病の葉を放置すると、翌年も病気が発生する原因になります。
被害葉や枯れ葉は集めて処分しましょう。
キクの育て方に関するよくある質問
キクは毎年咲きますか?
多年草のため、適切に冬越しできれば毎年花を咲かせます。
花後に切り戻し、春に植え替えや挿し芽を行うと、健康な株を維持できます。
キクは植えっぱなしでも育ちますか?
植えっぱなしでも育ちますが、古い株は病害虫が発生しやすくなります。
2年〜3年に1回を目安に株分けや植え直しを行いましょう。
キクは鉢植えでも育てられますか?
鉢植えでも育てられます。
日当たり、夜間照明、水切れ、根詰まりに注意しましょう。
キクの花が咲かないのはなぜですか?
夜間照明、日照不足、肥料過多、摘芯や切り戻しの遅れ、根詰まりなどが考えられます。
特に秋咲き品種では、夜も明るい場所を避けましょう。
キクの摘芯はいつまで行えますか?
秋咲き品種では、一般的に7月下旬頃までが目安です。
品種や地域によって異なるため、開花予定時期から逆算して行いましょう。
キクの花が終わったらどうしますか?
地上部を株元から10cm〜15cm程度残して切り戻します。
冬越し後、春に出た新芽を植え替えるか、挿し芽で株を更新しましょう。
購入した鉢植えのキクは翌年も咲きますか?
適切に冬越しし、春に植え替えと摘芯を行えば、翌年も咲かせられます。
翌年は購入時より草丈が高くなる場合があります。
キクの葉裏に白い斑点があるのはなぜですか?
白さび病の可能性があります。
被害葉を早めに取り除き、株を隔離し、風通しを改善しましょう。
キクは挿し芽で増やせますか?
4月〜6月頃に、元気な新芽を使って増やせます。
親株と同じ花色や花形を維持でき、株の若返りにも向いています。
冬に地上部が枯れましたが大丈夫ですか?
キクは冬に地上部が枯れることがあります。
株元や地下の芽が生きていれば、春に再び新芽を伸ばします。
まとめ
キクは、秋を中心に多彩な花を咲かせるキク科の多年草です。
白色、黄色、桃色、赤色、橙色、紫色、緑色など花色が豊富で、大菊、中菊、小菊、スプレーギク、ポットマム、古典菊など多くの系統があります。
日当たりと風通し、水はけのよい場所を好みます。
鉢植えでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
秋咲きのキクは、夜が長くなることで花芽を作ります。
夜間に街灯や玄関灯が当たり続けると、花が咲かない場合があります。夜は暗くなる場所で育てましょう。
小菊やポットマムは、春から初夏に摘芯すると枝数が増え、多くの花を咲かせます。
摘芯を遅くまで続けると花芽を切ってしまうため、秋咲き品種では夏の前半までに終えることが大切です。
花後は地上部を10cm〜15cm程度残して切り戻します。
冬越し後、春に植え替え、株分け、挿し芽を行うと、若く健康な株を育てられます。
キクは白さび病、うどんこ病、アブラムシ、ハダニなどが発生しやすい植物です。
株を密集させず、葉へ水をかけ続けず、病気の葉を早めに取り除きましょう。
日当たり、夜間照明、摘芯、水やり、病害虫対策を意識すれば、毎年秋に美しい花を楽しめます。