ナズナ(薺)とは?特徴・春の七草としての食べ方・育て方・駆除方法

ナズナとは?特徴・春の七草としての食べ方・育て方・駆除方法を解説

ナズナ

ナズナは、春の七草の一つとして親しまれているアブラナ科の越年草です。道端や畑、田んぼのあぜなどに生え、春になると白い小花とハート形の果実をつけます。

「ペンペングサ」という別名でも知られ、身近な野草でありながら、食用、草遊び、季節の風物詩など、さまざまな形で暮らしと関わってきました。

この記事では、ナズナの特徴や名前の由来、似た植物との見分け方、七草粥での食べ方、育て方、庭で増えた場合の駆除方法について詳しく解説します。

ナズナとは

ナズナは、北半球の温帯を中心に世界各地へ広く分布するアブラナ科ナズナ属の植物です。秋に発芽してロゼットの状態で冬を越し、春に花を咲かせるのが基本的な生育サイクルです。

日本には非常に古い時代に農耕とともに入ってきた、史前帰化植物の一つと考えられています。

基本情報は次のとおりです。

  • 和名:ナズナ

  • 漢字表記:薺

  • 別名:ペンペングサ、シャミセングサ

  • 学名:Capsella bursa-pastoris

  • 科名:アブラナ科

  • 属名:ナズナ属

  • 分類:一年草または越年草

  • 草丈:約10~50cm

  • 開花時期:3~6月ごろ

  • 花色:白色

  • 主な繁殖方法:種子

  • 主な生育場所:畑、あぜ、道端、空き地など

暖かい地域や生育条件のよい場所では、冬を含めて長期間花を咲かせることがあります。

ナズナの名前の由来

ナズナの語源には複数の説があります。

よく知られている説は次のとおりです。

  • 撫でたいほどかわいらしい菜を意味する「撫菜」が変化した

  • 夏になると枯れて姿を消すことから「夏無」と呼ばれた

  • 食用になる身近な菜として古くから呼ばれていた

どの説が確実な語源なのかは、はっきりしていません。

ペンペングサと呼ばれる理由

ナズナの果実は、平たい三角形からハート形をしています。この形を三味線の撥に見立てたことから、シャミセングサやペンペングサと呼ばれるようになりました。

果実の柄を茎から少しはがし、茎を回すと果実同士が触れて小さな音がします。この草遊びも「ペンペン」という呼び名に関係しているとされています。

「ぺんぺん草も生えない」という言葉は、雑草さえ生えないほど荒れ果てている状態を表す慣用句です。

ナズナの特徴

根生葉の特徴

発芽したナズナは、地面に葉を放射状に広げたロゼットをつくります。

  • 葉は地面に沿って広がる

  • 葉の長さは数cmから10cmほど

  • 葉の縁が深く切れ込む

  • 葉の形は個体による変化が大きい

  • 葉や葉柄に細かな毛がある

  • ロゼットの状態で冬を越す

日当たりや水分、土壌の状態によっては、葉の切れ込みが浅くなることもあります。葉だけで判別せず、花や果実も確認しましょう。

茎につく葉の特徴

春になると、ロゼットの中心から花茎を伸ばします。花茎につく葉は根生葉とは形が異なります。

  • 細長い披針形

  • 葉柄がない

  • 茎に互い違いにつく

  • 葉の基部が矢じり状になる

  • 葉の基部で茎を抱くようにつく

  • 上部へ行くほど小さくなる

茎を抱く葉の形は、ナズナを識別する手掛かりになります。

花の特徴

ナズナはアブラナ科らしい十字形の花を咲かせます。

  • 花弁は4枚

  • 花色は白色

  • 花の直径は数ミリ程度

  • 茎の先端にまとまって咲く

  • 下から順番に開花する

  • 開花しながら茎が伸びる

茎の先端に花が咲き、その下に若い果実、さらに下に熟した果実が並びます。

果実の特徴

ナズナを見分けるうえで最も分かりやすい特徴が、平たい三角形の果実です。

  • 三角形からハート形

  • 長い柄の先につく

  • 茎から横向きに広がる

  • 果実の幅と長さが近い

  • 熟すと黄褐色になる

  • 内部に多数の小さな種子が入る

英語では、果実の形が昔の羊飼いの袋に似ていることから「シェパーズパース」と呼ばれます。

根の特徴

ナズナには、地中へ伸びる主根があります。地下茎で横へ広がる植物ではないため、小さいうちなら比較的簡単に抜き取れます。

株が大きくなると根が太くなり、硬い土では途中で切れることがあります。

ナズナが生える場所

ナズナは日当たりのよい、やや開けた土地を好みます。

主な生育場所は次のとおりです。

  • 水田のあぜ

  • 道端

  • 空き地

  • 河川敷

  • 土手

  • 公園

  • 花壇

  • 芝生

  • 住宅地の庭

  • 駐車場の周辺

  • 石垣や舗装の隙間

耕した後の畑や造成地など、地表がかく乱された場所へ素早く入り込みます。

ナズナの生育サイクル

一般的なナズナは、秋に発芽する越年草として生育します。

  • 夏の終わりから秋:種子が発芽する

  • 秋:ロゼット状に葉を広げる

  • 冬:地面に葉を伏せて越冬する

  • 早春:新しい葉を伸ばす

  • 春:花茎を伸ばして開花する

  • 春から初夏:果実と種子をつくる

  • 梅雨前後:種子を落として株が枯れる

環境によっては春に発芽し、その年のうちに開花することもあります。

ナズナは春の七草の一つ

ナズナは、1月7日の七草粥に使われる春の七草の一つです。

春の七草は次の7種類です。

  • セリ

  • ナズナ

  • ゴギョウ

  • ハコベラ

  • ホトケノザ

  • スズナ

  • スズシロ

七草粥には、若く柔らかいロゼット状の葉を使用します。花茎が伸びた株は葉や茎が硬くなり、苦味も強くなる傾向があります。

七草の「ホトケノザ」は、現在一般的にホトケノザと呼ばれるシソ科の植物ではなく、コオニタビラコを指します。野外で七草を集める場合は、植物の取り違えに注意してください。

ナズナの旬

食用に適した旬は、冬から早春です。花茎が伸びる前の若い葉を利用します。

  • 主な旬:1~3月ごろ

  • 七草粥での利用:1月上旬

  • 暖地での採取適期:冬から早春

  • 寒冷地での採取適期:雪解け後から春

開花後も食べられないわけではありませんが、茎や葉が硬くなり、繊維や苦味が目立ちます。

ナズナに含まれる主な栄養成分

ナズナの若葉には、β-カロテン、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄、食物繊維などが含まれます。

生の葉100g当たりに含まれる主な成分の例は次のとおりです。

  • エネルギー:35kcal

  • たんぱく質:4.3g

  • 食物繊維:5.4g

  • カリウム:440mg

  • カルシウム:290mg

  • 鉄:2.4mg

  • β-カロテン:5,200μg

  • ビタミンK:330μg

  • 葉酸:180μg

  • ビタミンC:110mg

栄養成分の量は、生育環境や収穫時期、調理方法によって変化します。

ビタミンKの摂取について指示を受けている人や抗凝固薬を服用している人は、食べる量を自己判断で大きく変えず、医師や薬剤師の指示に従ってください。

ナズナの食べ方

ナズナは、花茎が伸びる前の柔らかい葉を食用にします。生育が進むと苦味が出るため、下ゆでしてから調理すると食べやすくなります。

主な料理は次のとおりです。

  • 七草粥

  • おひたし

  • ごまあえ

  • 白あえ

  • みそ汁

  • 吸い物

  • 卵とじ

  • 天ぷら

  • 炒め物

  • 混ぜご飯

ナズナの下処理

基本的な下処理は次のとおりです。

  • 枯れ葉や傷んだ部分を取り除く

  • 根元に入り込んだ泥を流水で洗う

  • たっぷりの湯で短時間ゆでる

  • 冷水に取る

  • 水気を絞って食べやすく切る

七草粥では細かく刻み、粥の仕上げに加えて短時間加熱すると、色と香りを残しやすくなります。

野生のナズナを採取する際の注意点

ナズナは食用になりますが、野生株ならどこで採っても安全というわけではありません。

次の場所での採取は避けましょう。

  • 交通量の多い道路沿い

  • 農薬の使用状況が分からない農地

  • 除草剤が散布された公園や空き地

  • 犬や猫が頻繁に通る場所

  • 生活排水が流れ込む場所

  • 土壌汚染の可能性がある場所

  • 私有地や採取禁止区域

ナズナであると確実に判断できない植物は、採らない、食べない、人に譲らないことが原則です。食用には市販の七草セットや、自分で正しく栽培したものを利用すると安心です。

ナズナとタネツケバナの違い

タネツケバナも、春に白い4弁花を咲かせるアブラナ科の植物です。

ナズナ

  • 果実は平たい三角形からハート形

  • 根生葉が深く切れ込む

  • 茎葉の基部が茎を抱く

  • 花茎は比較的まっすぐ伸びる

  • 乾いた畑や道端にも生える

タネツケバナ

  • 果実は細長い棒状

  • 葉は複数の丸い小葉に分かれる

  • 茎や葉に水分が多い

  • 湿った場所を好む

  • 果実が熟すと種子を勢いよく飛ばす

花だけでは似ていますが、果実を確認すれば比較的簡単に見分けられます。

ナズナとグンバイナズナの違い

グンバイナズナは、果実が相撲の軍配に似ていることから名づけられた外来植物です。

ナズナ

  • 果実は三角形からハート形

  • 果実の幅と長さが近い

  • 花は白く小さい

  • 草丈は10~50cmほど

グンバイナズナ

  • 果実は丸みのある大きな平たい形

  • 果実の先端にくぼみがある

  • 果実が軍配のように見える

  • ナズナより大型になることがある

どちらも名前にナズナがつきますが、別の属に分類されます。

ナズナとマメグンバイナズナの違い

マメグンバイナズナは、北アメリカ原産の外来植物です。道端や空き地などでよく見られます。

ナズナ

  • 果実は三角形からハート形

  • 茎葉が茎を抱く

  • ロゼットの葉が深く切れ込む

  • 春に目立って開花する

マメグンバイナズナ

  • 果実は小さな円形から楕円形

  • 茎が上部で多数枝分かれする

  • 小さな花と果実が多数並ぶ

  • 初夏以降にもよく見られる

果実の形が三角形か、丸みを帯びているかを確認しましょう。

ナズナとイヌナズナの違い

イヌナズナもアブラナ科ですが、ナズナとは花色が異なります。

ナズナ

  • 白い花を咲かせる

  • 果実は三角形からハート形

  • 花茎に平たい果実が並ぶ

  • 春の七草に含まれる

イヌナズナ

  • 黄色い小花を咲かせる

  • 果実は楕円形から長楕円形

  • 茎や葉に毛が多い

  • 春の七草には含まれない

「イヌ」という言葉がついていても、ナズナの若い株という意味ではありません。

ナズナは薬草として使える?

ナズナは、古くから全草が民間利用されてきた植物です。しかし、伝統的な利用例があることと、自己判断で安全に治療へ使えることは同じではありません。

次のような利用は避けましょう。

  • 病気の治療を目的に大量摂取する

  • 自己判断で濃い煎じ液を飲む

  • 妊娠中や授乳中に薬用目的で使用する

  • 服用中の薬を中止してナズナを使う

  • 傷口へ野生株を直接当てる

持病がある人や薬を服用している人が継続的に利用する場合は、医師や薬剤師へ相談してください。

ナズナの育て方

ナズナは丈夫で、家庭でも比較的育てやすい植物です。七草粥用として栽培する場合は、秋に種をまきます。

栽培に適した環境

  • 日当たりのよい場所

  • 水はけのよい土

  • 肥料が多すぎない環境

  • 冬に極端な高温にならない場所

  • 雨が当たり、過度に乾燥しない場所

半日陰でも育ちますが、日照が不足すると茎が間延びすることがあります。

種まきの時期

種まきの適期は秋です。

  • 暖地:9~11月ごろ

  • 寒冷地:8月下旬~10月ごろ

  • 春まき:早春に可能だが、収穫期間が短くなりやすい

地域の気温によって適期は変わります。

種まきの方法

ナズナの種子は小さいため、深く埋めないようにします。

  • プランターへ野菜用培養土を入れる

  • 土の表面を平らにする

  • 種が重なりすぎないよう薄くまく

  • ごく薄く土をかける

  • 種が流れないよう静かに水を与える

  • 発芽までは乾燥させない

発芽後に混み合っている場合は、数回に分けて間引きます。間引いた若苗も、種類が確実で栽培環境が清潔なら料理に利用できます。

水やりと肥料

土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。常に水がたまる状態では根が傷みやすくなります。

肥料を多く与える必要はありません。葉色が薄く、生育が悪い場合に限り、薄い液体肥料などを少量与えます。

収穫方法

食用には、花茎が伸びる前のロゼット葉を収穫します。

  • 葉の長さが5~10cmほどになったら収穫する

  • 株元を清潔なはさみで切る

  • 硬くなった外葉を取り除く

  • 花茎が伸びる前に収穫を終える

  • 種を採る株は数株残す

翌年も栽培したい場合は果実が熟すまで残し、こぼれ種が広がりすぎないよう採種します。

ナズナを駆除する方法

ナズナは地下茎で増えないため、花や種子ができる前に根から抜けば管理しやすい植物です。

ロゼットのうちに抜く

秋から早春の小さな株を抜き取ります。

  • 雨の後など土が柔らかい日に作業する

  • ロゼットの中心を持つ

  • 主根を切らないよう真上へ抜く

  • 硬い土では除草フォークを使う

  • 抜いた株を土の上へ放置しない

開花前であれば、種子が周囲へ落ちる心配も少なくなります。

花茎が伸びる前に刈る

広い場所では、開花前または果実が未熟なうちに刈り取ります。

  • 白い花が増える前に刈る

  • 地際に近い位置で切る

  • 刈り草をその場へ厚く残さない

  • 再生した株を再び取り除く

  • 周辺の株も同時に管理する

すでに果実が茶色くなっている場合は、種子をこぼさないよう袋へ入れながら回収します。

土を裸地にしない

ナズナは地表に隙間がある場所で発芽しやすいため、除去後の環境管理も重要です。

  • 芝生を健全に育てる

  • 花壇へ適切にマルチングする

  • グラウンドカバーで土を覆う

  • 耕した土を長期間放置しない

  • 持ち込む土や堆肥に種子が混ざっていないか注意する

除草剤を使用する

多数発生して手作業が難しい場合は、除草剤を検討します。

  • 使用場所に登録された製品を選ぶ

  • 対象雑草にナズナが含まれるか確認する

  • 作物や芝生への適用を確認する

  • 製品ラベルの用量と使用回数を守る

  • 花壇や樹木への飛散を防ぐ

  • 強風時や降雨前の散布を避ける

食用として収穫する場所では、使用できる農薬と収穫前日数を必ず確認してください。

ナズナに関するよくある質問

ナズナは多年草ですか?

基本的には一年草または越年草です。秋に発芽して冬を越し、翌春に開花して種子を残した後に枯れます。

ナズナの花はいつ咲きますか?

主な開花時期は3~6月ごろです。暖かい地域では冬や秋に咲くこともあります。

ナズナは食べられますか?

若い葉は食用になり、春の七草として七草粥に利用されます。ただし、種類と採取場所の安全性を確実に確認してください。

花が咲いたナズナも食べられますか?

食べられないわけではありませんが、花茎が伸びると葉や茎が硬くなり、苦味も強くなります。食用には花茎が伸びる前の若葉が適しています。

ペンペングサとナズナは同じですか?

同じ植物です。三角形の果実が三味線の撥に似ていることから、ペンペングサと呼ばれます。

タネツケバナとの簡単な見分け方は?

果実を確認します。ナズナの果実は三角形からハート形ですが、タネツケバナの果実は細長い棒状です。

ナズナは外来種ですか?

日本へ古い時代に農耕とともに入ってきた史前帰化植物と考えられています。現在では日本全国に普通に見られ、日本の文化や食習慣に深く定着しています。

庭のナズナは抜いたほうがよいですか?

園芸植物や芝生に影響がなく、種子の拡散も問題にならない場合は必ずしも抜く必要はありません。増やしたくない場合は、果実が熟す前に根から抜きます。

まとめ

ナズナは、白い十字形の花と三角形からハート形の果実が特徴的なアブラナ科の越年草です。春の七草の一つで、若い葉を七草粥などに利用できます。

覚えておきたいポイントは次のとおりです。

  • 秋に発芽し、ロゼットで冬を越す

  • 草丈は約10~50cm

  • 春に白い4弁花を咲かせる

  • 果実は平たい三角形からハート形

  • ペンペングサという別名がある

  • 春の七草の一つ

  • 食用には花茎が伸びる前の若葉を使う

  • 野生株は採取場所の安全性を確認する

  • タネツケバナの果実は細長い

  • 庭では種子が熟す前の抜き取りが有効

食用にする場合は、ナズナであることを確実に確認し、汚染や薬剤散布の心配がない株を選びましょう。庭で増やしたくない場合は、秋から早春のロゼット期に根から抜くと効率的です。

botanny

「BOTANICA」の編集者です。本記事はAIを活用した記事です。内容に誤りがある場合には、コメント欄、あるいはお問合せよりお知らせください。

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