マルメロ(榲桲)の育て方|春の淡桃色の花と加工向きの硬い果実を楽しむ方法

マルメロの育て方|綿毛のある芳香果を楽しむ剪定・収穫方法を解説

マルメロ

マルメロは、春に白色から淡い桃色の花を咲かせ、秋に黄色く香りのよい果実をつける落葉果樹です。果実は洋ナシに似た形をしており、品種によって表面に細かな綿毛が見られます。

成熟した果実は甘い芳香を放ちますが、果肉は硬く、強い酸味や渋味があるため、生食にはあまり向きません。加熱すると香りが引き立ち、ジャム、ゼリー、コンポート、シロップ、果実酒などに利用できます。

カリンとよく似ていますが、植物学上は異なる果樹です。マルメロはマルメロ属、カリンはカリン属に分類されます。果実の形や表面の綿毛、樹皮の特徴などにも違いがあります。

この記事では、マルメロの特徴、種類、植え付け、水やり、肥料、剪定、受粉、摘果、収穫、実がならない原因、鉢植え管理、病害虫、増やし方まで詳しく解説します。

マルメロの基本情報

  • 和名:マルメロ(榲桲)

  • 別名:セイヨウカリン

  • 学名:Cydonia oblonga

  • 科名:バラ科

  • 属名:マルメロ属

  • 分類:落葉低木、落葉小高木、果樹

  • 原産地:西アジア、中央アジア、コーカサス地方周辺

  • 樹高:3m〜6m程度

  • 開花期:4月〜5月頃

  • 花色:白色、淡い桃色

  • 収穫期:10月〜11月頃

  • 実の色:緑色から黄色

  • 植え付け時期:11月〜3月頃

  • 植え替え時期:11月〜3月頃

  • 剪定時期:12月〜2月頃

  • 成長速度:普通

  • 耐寒性:強い

  • 耐暑性:普通〜強い

  • 栽培難易度:初心者〜中級者向き。日当たり、受粉、剪定、病害虫対策がポイント

マルメロとは?

マルメロは、バラ科マルメロ属に分類される落葉果樹です。

春に新しい葉を広げ、枝先や短い枝へ白色から淡い桃色の花を咲かせます。花はリンゴやナシに似ていますが、一つずつ大きく咲く傾向があります。

受粉後は小さな果実ができ、夏から秋にかけて大きくなります。成熟すると果皮が黄色くなり、甘く濃厚な香りを放ちます。

果実は丸みのある形や洋ナシ形になり、若い果実の表面には細かな綿毛があります。成熟すると綿毛が減る品種もあります。

果肉は硬く、生のままでは酸味や渋味を強く感じます。加熱すると果肉がやわらかくなり、香りと風味を生かした加工品を作れます。

マルメロの特徴

春に大きな淡桃色の花を咲かせる

マルメロは、4月〜5月頃に白色から淡い桃色の花を咲かせます。

花は直径4cm〜5cm程度になることがあり、リンゴやナシの花より大きく見える場合があります。

新緑とやわらかな花色のコントラストが美しく、果実だけでなく花木としても楽しめます。

秋に香りの強い黄色い果実をつける

果実は夏の間に大きくなり、秋になると緑色から黄色へ変化します。

成熟した果実は、置いているだけでも周囲に香りが広がります。

香りを楽しむために室内へ飾ることもできますが、果実が傷む前に加工しましょう。

果実の表面に綿毛がある

若いマルメロの果実には、灰白色や淡褐色の細かな綿毛があります。

品種や熟度によっては、成熟後も一部に綿毛が残ります。

加工するときは、布やキッチンペーパーなどで果実の表面をこすり、綿毛を落としてから洗いましょう。

果肉が硬く生食に向かない

マルメロの果肉は緻密で硬く、酸味と渋味があります。

完熟してもリンゴやナシのようにやわらかくならないため、生食には一般的に向きません。

加熱すると芳香が引き立ち、赤みを帯びる場合があります。ジャムやゼリー、コンポートなどへ加工すると食べやすくなります。

寒さに強い

マルメロは耐寒性が強く、冷涼な地域でも育てられます。

冬に葉を落として休眠し、低温に当たった後、春に芽吹きます。

暖地でも育てられますが、夏の高温が強すぎる地域では果実の成熟や花芽形成に影響する場合があります。

一株でも実をつける品種がある

マルメロには、一株でも結実する品種があります。

品種や栽培環境によっては、別品種を近くに植えたほうが実つきが安定します。

苗木を購入するときは、自家結実性の有無や受粉樹の必要性を確認しましょう。

マルメロとカリンの違い

マルメロとカリンは、どちらも秋に黄色く香りのよい果実をつけます。

利用方法も似ていますが、別の植物です。

マルメロはマルメロ属に分類され、果実は丸形や洋ナシ形になります。若い果実の表面には、細かな綿毛が見られます。

カリンはカリン属に分類され、果実の表面は比較的滑らかです。細長い楕円形になるものが多く、成木では樹皮がうろこ状にはがれ、まだら模様になります。

マルメロの葉の裏側には毛が見られることがあり、カリンの葉は比較的滑らかです。

流通名では混同される場合があるため、苗木を購入するときは学名やラベルを確認しましょう。

マルメロの主な種類・品種

スミルナ

スミルナは、大きな果実をつける代表的なマルメロの品種です。

果実は洋ナシ形に近く、成熟すると黄色くなります。

香りが強く、ジャム、ゼリー、コンポートなどの加工に向いています。

チャンピオン

チャンピオンは、比較的大きく丸みのある果実をつける品種です。

果実は芳香があり、加工用として利用されます。

樹勢や実つきが比較的安定している品種として栽培されます。

オレンジ

オレンジは、丸みのある果実をつけるマルメロです。

果肉が加熱によって橙色や赤みを帯びることがあります。

ゼリー、ジャム、コンポートなどに利用できます。

ポルトガル

ポルトガルは、香りのよい大きな果実をつける品種です。

果実は洋ナシ形になり、加工すると色と香りを楽しめます。

暖かな地域でも比較的育てやすいとされます。

在来系統

日本では、長野県などの冷涼な地域を中心にマルメロが栽培されています。

地域に適応した系統や品種が流通することがあります。

家庭で育てる場合は、栽培地域への適応性と受粉樹の必要性を確認しましょう。

マルメロの育て方

日当たり

マルメロは、日当たりのよい場所を好みます。

一日6時間以上日が当たる場所が理想です。

日照不足になると花芽がつきにくくなり、果実の肥大、着色、香りにも影響します。

果実の収穫を目的とする場合は、建物や高木の陰にならない場所へ植えましょう。

風通し

風通しのよい場所で育てます。

枝葉が密集すると、赤星病、黒星病、うどんこ病などが発生しやすくなります。

内側へ伸びる枝や、ほかの枝と重なる枝を整理しましょう。

強風が直接当たる場所では、開花期に花が傷んだり、果実が落ちたりする場合があります。

用土

マルメロは、水はけと保水性のバランスがよい土を好みます。

庭植えでは、植え付け場所を深く耕し、腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。

粘土質で水がたまりやすい場所では、軽石や腐葉土を混ぜ、周囲より少し高く植えましょう。

鉢植えでは、果樹用培養土を利用できます。赤玉土、腐葉土、軽石などを配合した用土も適しています。

植え付け時期

マルメロの植え付けは、落葉期の11月〜3月頃が適しています。

寒冷地では厳寒期を避け、雪解け後から芽吹き前に植え付けましょう。

暖地では秋から冬にも植えられますが、乾燥と寒風に注意します。

植え付け場所の選び方

日当たり、水はけ、風通しのよい場所を選びます。

マルメロは成長すると樹高と横幅が大きくなります。建物、隣地、通路、電線などから十分な距離を確保しましょう。

硬く重い果実が落下する場合があります。駐車場、玄関、ベンチ、通路などの近くは避けると安全です。

受粉樹を植える場合は、ハチなどが移動しやすい距離へ配置しましょう。

庭植えの方法

苗木の根鉢よりも広く、深い植え穴を掘ります。

掘り上げた土へ腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。

接ぎ木苗の場合は、接ぎ木部分が土に埋まらない高さで苗木を置きます。

土を戻して軽く押さえ、たっぷりと水を与えましょう。

風で苗木が動かないように支柱を立て、幹をゆるく固定します。

鉢植えの方法

マルメロは鉢植えでも育てられます。

小さな苗木には、8号〜10号程度の深鉢を用意します。成長に合わせて大型鉢へ植え替えましょう。

鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れます。

根鉢を大きく崩さずに植え付け、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。

果実の重みで倒れないように、安定感のある鉢を選びましょう。

水やり

基本の水やり

庭植えでは、植え付け後に根付くまで土を乾燥させないように水を与えます。

根付いた後は、通常の降雨だけでも育ちます。高温と乾燥が長く続く場合は、株元へたっぷりと水を与えましょう。

鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。

春の水やり

春は新芽が伸び、花が咲く時期です。

開花期に水切れすると、花や幼い実が落ちることがあります。

鉢植えでは、土の表面を確認しながら乾燥させすぎないようにしましょう。

夏の水やり

夏は葉が茂り、果実も大きくなるため、水を多く必要とします。

鉢植えでは、朝に土の状態を確認しましょう。真夏は夕方にも確認が必要になる場合があります。

高温の日中を避け、朝か夕方の涼しい時間帯に水を与えます。

果実肥大期の水やり

果実が大きくなる時期に水切れすると、実が小さくなる場合があります。

土を極端に乾燥させた後、一度に大量の水を与える管理は避けましょう。

株元へ敷きわらやバークチップを敷くと、土壌水分を安定させやすくなります。

秋の水やり

秋は果実が成熟する時期です。

土の乾燥状態を確認しながら水を与え、水の与えすぎは避けましょう。

気温が下がるにつれて、鉢植えの水やり回数を減らします。

冬の水やり

冬は落葉して休眠期に入ります。

庭植えでは、雨が長期間降らない場合を除き、水やりは必要ありません。

鉢植えでは、土が乾いてから暖かい日の午前中に水を与えましょう。

肥料

マルメロは、毎年花と果実を楽しむために適度な肥料を必要とします。

庭植えでは、落葉後から冬に寒肥として、完熟堆肥や緩効性肥料を施します。

春の芽出し前や、収穫後に追肥する方法もあります。

鉢植えでは、春から初夏に緩効性肥料を与え、収穫後にも少量施しましょう。

窒素肥料を与えすぎると、枝葉ばかりが強く伸び、花芽がつきにくくなります。

新梢が長く伸び、葉色が濃い場合は肥料を控えましょう。

マルメロの花

マルメロは、4月〜5月頃に白色から淡い桃色の花を咲かせます。

一つの花は比較的大きく、枝先や短い枝につきます。

つぼみは桃色を帯び、開花すると白色に近くなる場合があります。

花芽は前年までに伸びた短い枝や、充実した枝へつきます。

開花期に霜や低温へ当たると、雌しべが傷み、結実しない場合があります。

マルメロの受粉

マルメロには、一株でも実をつける品種と、別品種があったほうが結実しやすい品種があります。

苗木を購入するときは、受粉樹が必要か確認しましょう。

受粉樹を植える場合は、開花時期の重なる異なる品種を選びます。

開花期に低温や長雨が続くと、ハチなどの活動が少なくなります。

実つきが悪い場合は、筆や綿棒を使って人工授粉を行いましょう。

花の中心をやさしくなで、別の花へ花粉を移します。開花期間中に数回行うと結実を助けられます。

マルメロの摘果

摘果が必要な理由

マルメロの果実は大きく重くなります。

一つの枝へ多くの実を残すと、枝が垂れ下がり、折れる場合があります。

養分が分散して果実が小さくなり、樹が消耗する原因にもなります。

摘果の時期

自然に落ちる幼果が少なくなった6月〜7月頃に行います。

小さい実、形の悪い実、傷のある実、病害虫の被害がある実を取り除きましょう。

果実同士が接触している場合は、片方を摘果して間隔を確保します。

若木の摘果

植え付けたばかりの若木は、幹、枝、根を育てる時期です。

果実を多く残すと樹の成長が遅れるため、最初の数年間はすべて摘果するか、数個だけ残しましょう。

幹や主枝が充実してから、少しずつ着果数を増やします。

マルメロの剪定

剪定が必要な理由

マルメロは、放置すると枝が上へ伸び、樹冠内部が密集します。

日当たりと風通しが悪くなると、花芽が少なくなり、病害虫も発生しやすくなります。

花芽をつける短い枝を残しながら、不要な枝を整理することが大切です。

剪定時期

基本的な剪定は、落葉後の12月〜2月頃に行います。

寒冷地では、厳寒期を避けて春先に行う方法もあります。

夏には、樹冠内部を暗くする徒長枝を軽く整理できます。

若木の剪定

若木では、主幹を一本決め、外側へバランスよく伸びる枝を主枝として残します。

主枝は3本〜4本程度にすると、樹冠内部へ日光が入りやすくなります。

内側へ伸びる枝、競合する枝、狭い角度で立ち上がる枝を整理しましょう。

樹高を低く仕立てると、人工授粉、摘果、収穫がしやすくなります。

成木の剪定

成木では、枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝などを取り除きます。

不要な枝を付け根から切る間引き剪定を中心にします。

枝先をすべて短く切ると、花芽が減り、徒長枝が増える場合があります。

樹高を下げる場合は、横方向へ伸びる枝の分岐部分まで戻して切りましょう。

短果枝を残す

マルメロは、短い枝へ花芽をつけます。

数cmから十数cm程度の短い枝は、花や果実をつける可能性があります。

枯れていない短果枝を、不要枝と間違えて切り落とさないようにしましょう。

剪定で取り除く枝

剪定では、次のような枝を取り除きます。

  • 枯れた枝

  • 病害虫の被害を受けた枝

  • 内側へ向かって伸びる枝

  • ほかの枝と交差する枝

  • 真上へ強く伸びる徒長枝

  • 下向きに伸びる枝

  • 細く弱い枝

  • 樹冠内部を暗くする枝

  • 主幹と競合する枝

  • 株元から伸びるひこばえ

  • 通路や隣地へ伸びる枝

太い枝を一度に多く切らず、毎年少しずつ樹形を整えましょう。

枝を支える方法

マルメロの果実は大きく重いため、細い枝へ複数の実がつくと枝が垂れ下がります。

支柱を立てて枝を下から支えましょう。

上からひもで吊る方法もあります。

枝へひもが食い込まないように、布や保護材を挟みます。

台風や強風が予想される場合は、着果数と支柱の状態を確認しましょう。

マルメロの果実

マルメロの果実は、受粉後に緑色の小さな実として成長します。

夏から秋にかけて大きくなり、成熟すると黄色へ変化します。

果実の形は丸形、扁円形、洋ナシ形など、品種によって異なります。

若い果実の表面には細かな綿毛があり、成熟に伴って少なくなる場合があります。

果肉は硬く、中心には褐色の種が入っています。

マルメロの収穫

収穫時期

マルメロの収穫時期は、10月〜11月頃です。

地域、品種、開花時期によって成熟時期が異なります。

果皮が黄色くなり、甘い香りが強くなった頃に収穫しましょう。

収穫の目安

果実全体が緑色から黄色へ変化した頃が目安です。

未熟な果実は緑色が強く、香りも弱い状態です。

果梗周辺まで黄色くなり、表面の綿毛が取れやすくなったら収穫期に近づいています。

成熟すると自然に落果する場合があるため、落ちる前に収穫しましょう。

収穫方法

果実を片手で支え、果梗を剪定ばさみで切ります。

強く引っ張ると、枝や花芽をつける短い枝を傷める場合があります。

果実は硬く重いため、落下させないように注意しましょう。

高い場所では、安定した脚立や高枝切りばさみを利用します。

収穫後の追熟

少し緑色が残る果実は、室内の涼しい場所へ置くと黄色くなる場合があります。

追熟によって香りは強くなりますが、果肉が生食できるほどやわらかくなるわけではありません。

果皮が黄色くなり、香りが十分に出たら加工しましょう。

保存方法

傷のない果実は、涼しく風通しのよい場所で保存できます。

一つずつ新聞紙やキッチンペーパーで包み、冷蔵庫の野菜室へ入れる方法もあります。

熟した果実は香りが強くなりますが、長く置くと内部が褐変する場合があります。

加工する場合は、収穫後早めに利用しましょう。

マルメロの利用方法

マルメロは果肉が硬いため、加熱や漬け込みによって利用します。

加工前に表面の綿毛を布などで落とし、よく洗いましょう。

主な利用方法には、次のものがあります。

  • ジャム

  • ゼリー

  • コンポート

  • シロップ

  • 蜂蜜漬け

  • 砂糖漬け

  • 果実酒

  • 果実酢

  • ペースト

  • 菓子

  • 芳香用

マルメロにはペクチンが多く、ゼリーやジャムを作りやすい特徴があります。

果実は非常に硬いため、包丁で切る際は安定したまな板を使い、手を滑らせないように注意しましょう。

マルメロが実をつけない原因

樹が若い

植え付けたばかりの苗木は、根や枝を育てることを優先します。

接ぎ木苗でも、植え付けから数年は花や果実が少ない場合があります。

若木のうちは樹形づくりを優先しましょう。

受粉樹が必要な品種を一本で育てている

品種によっては、一株だけでは十分に結実しない場合があります。

苗木の品種と受粉特性を確認し、必要に応じて開花期の合う別品種を植えましょう。

開花時期が合っていない

異なる品種を植えていても、開花時期が重ならなければ受粉できません。

受粉樹を選ぶ場合は、開花期と受粉相性を確認しましょう。

日照不足

日当たりが悪いと、花芽がつきにくくなります。

枝葉は茂っているのに花が少ない場合は、周囲の建物や樹木による日陰を確認しましょう。

枝が密集している場合は間引き剪定を行います。

剪定で花芽を切っている

マルメロは短い枝へ花芽をつけます。

短果枝をすべて切り落とすと、花と果実が少なくなります。

冬の剪定では、短い枝と花芽を確認しながら作業しましょう。

肥料が多すぎる

窒素肥料を与えすぎると、新梢ばかりが長く伸びます。

花芽がつきにくくなり、実つきも悪くなる場合があります。

葉色が濃く、枝の伸びが強い場合は肥料を控えましょう。

開花期の天候が悪い

開花期に低温、長雨、強風が続くと、受粉を助ける昆虫が活動しにくくなります。

必要に応じて人工授粉を行いましょう。

遅霜で花が傷んだ

開花期に霜へ当たると、雌しべが傷み、結実しない場合があります。

鉢植えは、遅霜が予想される夜に軒下へ移動しましょう。

庭植えでは、冷気がたまりやすい低い場所を避けます。

マルメロの実が落ちる原因

マルメロは、受粉後に一部の花や幼果を自然に落とします。

樹が育てられる果実を選ぶ生理落果であり、すべてが異常ではありません。

実が落ちる主な原因には、次のようなものがあります。

  • 受粉不良

  • 開花期の低温

  • 遅霜

  • 水切れ

  • 水の与えすぎ

  • 日照不足

  • 肥料不足

  • 肥料の与えすぎ

  • 実のつけすぎ

  • 強風

  • 病害虫

幼い実が多数落ちる場合は、受粉、水分管理、肥料、日当たりを確認しましょう。

マルメロの実が小さい原因

摘果が不足している

多くの果実を残すと、養分が分散します。

小さい実、傷のある実、密集している実を摘果しましょう。

日照不足

葉へ十分な日光が当たらないと、果実を育てる養分が不足します。

枝葉を間引き、樹冠内部へ光を入れましょう。

水切れ

果実が大きくなる夏に水切れすると、肥大が止まる場合があります。

鉢植えや乾燥が続く庭植えでは、土の状態をこまめに確認します。

肥料不足

肥料不足では、枝葉と果実の成長が弱くなります。

葉色や新梢の伸びを確認し、必要に応じて適量を追肥しましょう。

根詰まり

鉢植えで根詰まりすると、水分と養分を十分に吸収できません。

鉢底から根が出る、水切れが早い、新芽の伸びが悪い場合は植え替えを検討しましょう。

マルメロの鉢植え管理

マルメロは鉢植えでも育てられます。

庭植えより樹高を抑えやすく、開花期や収穫期に管理しやすい利点があります。

鉢の選び方

深さと安定感のある鉢を選びます。

小さな苗木には8号〜10号程度の鉢を使い、成長に合わせて大型鉢へ植え替えましょう。

果実が重いため、軽くて倒れやすい鉢は避けます。

置き場所

春から秋は、屋外の日当たりと風通しのよい場所へ置きます。

花と果実を楽しむには、十分な日照が必要です。

強風が当たる場所では、鉢を固定するか、風の弱い場所へ移動しましょう。

植え替え

鉢植えは、2年〜3年に1回を目安に植え替えます。

鉢底から根が出る、水切れが早い、水が染み込みにくい場合は根詰まりが考えられます。

植え替えは、落葉期の11月〜3月頃に行いましょう。

古い土を一部落とし、傷んだ根を取り除いて、ひと回り大きな鉢へ植え替えます。

鉢植えで実をならせるコツ

自家結実性のある品種を選ぶか、受粉可能な別品種を近くへ置きます。

開花期に昆虫が少ない場合は、人工授粉を行いましょう。

短果枝を切りすぎず、日当たりを悪くする枝を中心に剪定します。

果実が多くついた場合は摘果し、枝と株の負担を減らしましょう。

マルメロの冬越し

マルメロは耐寒性が強く、日本の多くの地域で屋外越冬できます。

冬は葉を落として休眠します。

庭植えの成木は、特別な防寒を必要としない場合が多くあります。

植え付けたばかりの若木や寒冷地では、株元へ腐葉土、わら、バークチップなどを敷きましょう。

鉢植えでは、鉢土が凍結し続けないように、風の当たりにくい軒下や建物の南側へ移動します。

暖かい室内へ入れる必要はありません。

冬は水やりを控えますが、鉢土を完全に乾燥させないようにしましょう。

マルメロの増やし方

種まき

マルメロは種から育てられます。

成熟した果実から種を取り出し、果肉を洗い落とします。

秋にまくか、湿らせた状態で一定期間低温へ当ててから春にまきましょう。

実生苗は、親株と同じ果実や性質になるとは限りません。

開花と結実まで長い年月が必要です。

接ぎ木

品種の性質を維持し、早く花や果実を楽しむ場合は接ぎ木を行います。

台木へ育てたい品種の枝や芽を接ぎます。

家庭で確実に果実を収穫したい場合は、品種名の明確な接ぎ木苗を購入しましょう。

挿し木

マルメロは挿し木で増やせる場合があります。

春から初夏に伸びた枝を使い、数節残して挿し穂を作ります。

下葉を取り除き、清潔な挿し木用土へ挿しましょう。

発根まで乾燥させず、明るい日陰で管理します。

取り木

低い位置の枝を地面へ曲げ、一部へ土をかぶせて発根させます。

十分に発根した後、親株から切り離して別の場所へ植え付けましょう。

マルメロに発生しやすい病気

赤星病

赤星病は、葉に黄色や橙色の斑点が現れる病気です。

症状が進むと、葉裏に突起状の病斑ができる場合があります。

バラ科植物とビャクシン類の間を行き来する病原菌によって発生します。

被害葉を取り除き、落ち葉も放置しないようにしましょう。

黒星病

黒星病は、葉や果実に黒褐色の斑点が現れる病気です。

雨が多く、葉や果実が長時間ぬれる環境で発生しやすくなります。

被害葉や果実を取り除き、樹冠内部の風通しを改善しましょう。

うどんこ病

うどんこ病は、葉や新梢に白い粉をまぶしたような症状が現れる病気です。

枝葉が密集し、風通しが悪い場所で発生しやすくなります。

被害葉を取り除き、剪定によって風通しを確保しましょう。

火傷病に似た枝枯れ症状

枝先や花が黒く枯れ込む場合は、細菌性の病気や枝枯れが疑われます。

症状のある枝は、健康な部分まで切り戻しましょう。

剪定道具を清潔にし、病気の枝を切った後は刃を消毒します。

根腐れ

水はけの悪い土や水の与えすぎによって、根腐れを起こすことがあります。

葉が黄色くなる、新芽が伸びない、枝先が枯れるなどの症状が現れます。

水がたまる場所を避け、鉢植えでは受け皿の水を捨てましょう。

マルメロにつきやすい害虫

アブラムシ

アブラムシは、新芽や若い葉へ集まり、樹液を吸います。

被害を受けた葉は縮れ、新しい枝の生育が悪くなる場合があります。

数が少ないうちに、水で洗い流すか手で取り除きましょう。

カイガラムシ

カイガラムシは、枝や幹へ付着して樹液を吸います。

数が増えると樹勢が低下し、すす病の原因になります。

少数であれば、ブラシや布でこすり落としましょう。

ハマキムシ類

ハマキムシ類の幼虫は、葉を巻いた内部で食害します。

巻かれた葉や糸でつづられた葉を見つけたら、幼虫ごと取り除きましょう。

シンクイムシ類

シンクイムシ類の幼虫が、果実の内部へ入り込んで食害する場合があります。

果実に穴や虫ふんが見られる場合は、被害が疑われます。

傷んだ果実は早めに取り除きましょう。

カメムシ類

カメムシ類は、幼果や成熟した果実へ口を刺して汁を吸います。

被害を受けた果実は、変形や変色が起こる場合があります。

見つけたら捕殺し、ほかの果実も確認しましょう。

コスカシバ

コスカシバの幼虫は、幹や枝の内部を食害します。

幹から樹液や虫ふんが出ている場合は、被害が疑われます。

被害が進むと枝が枯れるため、早期発見が大切です。

農薬を使用する場合は、マルメロへの登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数、収穫前日数を確認します。

マルメロを育てるときの注意点

カリンと間違えない

マルメロとカリンは別の植物です。

品種、受粉特性、果実の形、表面の綿毛などが異なります。

苗木を購入するときは、植物名と学名を確認しましょう。

果実の綿毛を落としてから利用する

マルメロの果実には細かな綿毛が残る場合があります。

加工前に乾いた布などで表面をこすり、その後よく洗いましょう。

果実を生で無理に食べない

果肉は非常に硬く、強い酸味や渋味があります。

加熱調理や漬け込みによって利用しましょう。

短果枝を切りすぎない

マルメロは短い枝へ花芽をつけます。

冬の剪定で短果枝をすべて切ると、翌春の花と果実が少なくなります。

受粉特性を確認する

一株で実をつける品種もありますが、別品種が必要な場合があります。

苗木を購入するときに、受粉樹の必要性と相性を確認しましょう。

落果する場所へ植えない

成熟した果実は硬く重いため、落下すると危険です。

通路、駐車場、玄関、屋根などの近くは避けましょう。

強く剪定しすぎない

強剪定を行うと、徒長枝が増え、花芽が減る場合があります。

不要な枝を付け根から切る間引き剪定を中心にしましょう。

マルメロの育て方に関するよくある質問

マルメロは一本だけでも実がなりますか?

一株でも結実する品種があります。

品種によっては、開花期の合う別品種を近くへ植えたほうが実つきが安定します。

苗木を購入するときに受粉特性を確認しましょう。

マルメロは植えてから何年で実がなりますか?

接ぎ木苗では、植え付けから3年〜5年程度で実をつけ始める場合があります。

苗木の大きさ、品種、栽培環境によって異なります。

マルメロは鉢植えでも育てられますか?

大型の鉢と日当たりのよい場所を用意すれば、鉢植えでも育てられます。

水切れ、根詰まり、果実のつけすぎに注意しましょう。

マルメロの剪定はいつ行いますか?

基本的な剪定は、落葉後の12月〜2月頃に行います。

枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝などを取り除きます。

短果枝や花芽を切りすぎないようにしましょう。

マルメロの花は咲くのに実がならないのはなぜですか?

受粉樹不足、開花時期のずれ、低温、長雨、遅霜、日照不足などが考えられます。

必要に応じて人工授粉を行いましょう。

マルメロの実が落ちるのはなぜですか?

受粉不良、生理落果、水切れ、実のつけすぎ、強風などが考えられます。

成熟した果実が自然に落ちることもあるため、収穫期には早めに収穫しましょう。

マルメロの実は生で食べられますか?

果肉が非常に硬く、酸味や渋味が強いため、生食には一般的に向きません。

ジャム、ゼリー、コンポート、シロップなどへ加工して利用します。

マルメロの実はいつ黄色くなりますか?

一般的には10月〜11月頃に、緑色から黄色へ変化します。

果実から強い香りが出始めたら、収穫時期に近づいています。

マルメロとカリンは同じ植物ですか?

マルメロとカリンは別の植物です。

マルメロはマルメロ属、カリンはカリン属に分類されます。

マルメロの若い果実には綿毛があり、カリンの果実は比較的滑らかです。

マルメロの葉に橙色の斑点が出るのはなぜですか?

赤星病の可能性があります。

被害葉を取り除き、落ち葉も清掃しましょう。

近くにビャクシン類がある場合は、発生へ関係することがあります。

まとめ

マルメロは、春に白色から淡い桃色の花を咲かせ、秋に綿毛のある黄色い芳香果をつける落葉果樹です。

果実は洋ナシに似た形になり、成熟すると甘く濃厚な香りを放ちます。

果肉は非常に硬く、酸味や渋味もあるため、生食には一般的に向きません。ジャム、ゼリー、コンポート、シロップ、果実酒などへ加工して利用します。

日当たりと水はけのよい場所を好み、寒さにも強いため、日本の多くの地域で庭植えできます。

品種によっては一株でも結実しますが、別品種が必要な場合があります。苗木を購入するときは、自家結実性や受粉樹の必要性を確認しましょう。

剪定は落葉期に行い、枯れ枝、交差枝、内向枝、徒長枝を取り除きます。

短い枝へ花芽をつけるため、短果枝をすべて切り落とさないことが大切です。

果実が多くついた場合は摘果し、枝の負担を減らしましょう。果実の重みで枝が垂れる場合は、支柱やひもで支えます。

秋に果皮が黄色くなり、香りが強くなったら収穫適期です。表面の綿毛を落としてから洗い、加熱や漬け込みによって利用しましょう。

botanny

「BOTANICA」の編集者です。本記事はAIを活用した記事です。内容に誤りがある場合には、コメント欄、あるいはお問合せよりお知らせください。

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