【庭用語】内芽と外芽とは?剪定で残す芽の選び方と、枝の伸び方を解説
内芽と外芽とは?剪定で残す芽の選び方と、枝の伸び方を解説
画像:AI作成
庭木の剪定では、枝を短くする長さだけでなく、どの芽を残すかが大切です。同じ枝でも、残す芽の向きによって、剪定後の枝の広がり方が変わります。
その判断に役立つのが「内芽」と「外芽」です。一般的には外芽を残すと樹形を外側へ広げやすくなりますが、内芽が必ず不要というわけではありません。
この記事では、内芽と外芽の意味や見分け方、剪定での使い分け、芽の上で切るときの注意点を解説します。
内芽と外芽とは
内芽は、株や樹冠の内側を向いた芽
内芽は「うちめ」と読み、株の中心や樹冠の内側に向いている芽を指します。ここでいう樹冠とは、幹の上部で枝葉が広がっている部分です。
内芽から伸びた枝は、株の中心方向に向かいやすく、周囲の枝と交差したり、樹冠の内側を混み合わせたりすることがあります。
ただし、芽の向きだけで枝の最終的な伸長方向が決まるわけではありません。光の当たり方や枝の性質によって、伸びる途中で向きが変わることもあります。
外芽は、株や樹冠の外側を向いた芽
外芽は「そとめ」と読み、株の中心から離れる方向を向いた芽を指します。
外芽を残して切り戻すと、新しい枝を外側へ誘導しやすくなります。枝同士の交差を減らし、樹冠の内側に光や風が入りやすい樹形をつくる際に役立ちます。
バラの剪定などでよく使われる考え方ですが、庭木や果樹の若い枝を整える場合にも応用できます。
内芽・外芽は、芽の位置や向きを表す言葉
内芽と外芽は、芽の働きによる分類ではありません。
例えば、次の言葉とは分類の基準が異なります。
葉芽:葉や枝になる芽。
花芽:花になる芽。
混合芽:葉や枝と花の両方になる芽。
頂芽:枝や茎の先端にある芽。
腋芽:葉の付け根と茎の間にできる芽。
内芽・外芽:株や樹冠に対する位置・向きを表す呼び方。
枝を伸ばす目的で芽を選ぶ場合は、向きだけでなく、その芽から枝葉が伸びるかどうかも確認します。
内芽と外芽の見分け方
まず株全体の中心を確認する
内芽と外芽を見分けるときは、一本の枝だけを近くで見る前に、少し離れて株全体を眺めます。
一本立ちの樹木では、主幹や樹冠の中心が判断の目安になります。株立ちの低木では、株全体の中心と、それぞれの幹や枝の配置を合わせて考えます。
単に「自分に近い側が外芽」「枝の右側が外芽」と決めることはできません。
葉の付け根や葉が落ちた跡を見る
多くの庭木では、葉の付け根付近に芽があります。落葉後は、葉がついていた跡である葉痕のすぐ上などに冬芽を確認できます。
葉柄や葉痕を手がかりに芽を探し、その位置が株の中心側か、外側かを見ます。
芽が小さい植物では、無理に触って探すと傷めることがあります。明るい場所で、枝を複数の方向から観察しましょう。
枝が伸びる空間まで確認する
外側を向いている芽でも、その先に別の枝や壁があれば、望ましい方向とは限りません。
芽を選ぶときは、次の点も確認します。
新しい枝が伸びる空間があるか。
隣の枝と交差しないか。
通路や建物に向かって伸びないか。
樹形の一部だけが広がりすぎないか。
花や実を残す目的に合っているか。
内芽か外芽かを判断することは、将来の枝の配置を考えるための出発点です。
剪定で外芽を残す理由
枝を外側へ広げやすくなる
外芽の上で切り戻すと、その芽から伸びる枝を外側へ誘導しやすくなります。
株の中心に枝が集まっている場合や、枝が互いに交差しやすい場合に有効です。特に、細い若枝の伸びる方向を整える場面で役立ちます。
樹冠の内側が混み合うのを抑える
内向きの枝が増えると、葉が重なり、樹冠の内側に光が届きにくくなります。枝同士がこすれ、樹皮を傷める場合もあります。
外芽を選ぶことで、こうした混み合いを抑えやすくなります。ただし、すでに枝が多すぎる場合は、芽の選択だけで解決しようとせず、不要な枝を付け根から整理する透かし剪定も検討します。
樹形を整えやすくなる
枝の長さだけをそろえると、翌年には不ぞろいな方向へ枝が伸びることがあります。
切る位置と残す芽をセットで考えることで、剪定直後だけでなく、その後に伸びた姿も整えやすくなります。
内芽を残すことが役立つ場面
外側へ広がりすぎた枝を調整したいとき
枝が外側へ張り出しすぎている場合は、内側や上方を向く芽を利用して、伸びる方向を調整することがあります。
ただし、内芽を残せば必ず枝が立ち上がるわけではありません。枝の傾き、芽の位置、樹種の性質を見て判断します。
樹形の空いた部分を補いたいとき
一部の枝が枯れたり、枝を取り除いたりして空間ができた場合、その方向に向く芽を残して、新しい枝を育てる方法があります。
その芽が内芽であっても、周囲に十分な空間があり、将来交差枝にならなければ、樹形を補う役割を持ちます。
仕立て方に合わせて枝を配置するとき
果樹や観賞用の低木では、目的とする仕立て方に合わせて、特定の方向へ枝を伸ばす場合があります。
このような場面では「外芽を残す」という原則だけでなく、必要な場所に枝をつくることを優先します。内芽は一律に取り除く芽ではなく、使い方を選ぶ芽です。
芽の上で切るときの基本
健全な芽を選ぶ
向きがよくても、傷んでいたり、枯れていたりする芽では、期待した枝が伸びないことがあります。
芽のふくらみや傷の有無を確認し、その植物の正常な芽と比べて判断します。また、複数の芽がまとまってつく植物では、どれが葉芽や花芽なのかを確認することも大切です。
芽のすぐ上に、少し余裕を残して切る
細い枝を芽の上で切る場合は、芽から数mm程度、一般的には5mm前後を一つの目安にします。ただし、適切な距離は枝の太さや芽の大きさ、植物によって異なります。
芽に近すぎる切断:芽そのものや周囲の組織を傷めるおそれがある。
芽から遠すぎる切断:長い切り残しができ、その部分が枯れ込むことがある。
適切な位置での切断:芽を守りながら、不要な切り残しを少なくできる。
距離を機械的にそろえるより、芽を傷めず、長い棒状の切り残しをつくらないことを意識しましょう。
切り口を極端に斜めにしない
芽の反対側へ軽く傾けて切る方法がありますが、極端な斜め切りにすると、切断面が大きくなります。
一定の角度にこだわりすぎず、芽やその付け根を傷つけないように切ります。対生で一対の芽を残す場合は、両方の芽を傷めない位置を優先します。
太い枝の剪定とは分けて考える
芽の上で切る方法は、主に芽を確認できる細い枝を切り戻す場面で用います。
太い幹や古い大枝を、希望する位置で切るための方法ではありません。太い枝を短くする場合は、成長を引き継げる横枝のある分岐まで戻すなど、別の判断が必要です。
互生・対生と芽の選び方
互生では、芽の位置を順番に確認する
互生する植物では、葉が一つの節に1枚ずつつき、腋芽もそれに対応して配置されます。
枝をたどりながら、必要な方向を向く芽を探します。ただし、芽が必ず「内・外・内・外」と単純に並ぶわけではありません。らせん状につく植物や、枝がねじれている場合もあります。
対生では、一対の芽が伸びる場合がある
対生する植物では、一つの節の両側に芽があることが多く、切り戻し後に両方が伸びる場合があります。
外側に向く芽を残したつもりでも、反対側の芽からも枝が出ることがあるため、一本だけ伸びるとは限りません。
必要に応じて、芽が動いた後に枝の向きや強さを確認し、混み合う新梢を整理します。すべての内芽を事前に取り除く必要はありません。
内芽・外芽を選んでも、思いどおりに伸びない理由
芽の向きだけで成長は決まらない
枝の伸び方には、芽の向き以外にも多くの条件が関係します。
光の当たる方向。
枝の角度や重力への反応。
頂芽優勢の強さ。
樹種や品種の性質。
株の勢いや根の状態。
剪定の強さと時期。
外芽を残すことは成長方向を誘導する方法であり、枝の行き先を完全に固定するものではありません。
強く切ると複数の芽が動くことがある
強い切り戻しでは、切り口に近い芽だけでなく、その下の複数の芽や潜伏芽が動くことがあります。
特に萌芽力の強い植物では、新しい枝が密集して伸びる場合があります。芽の向きを選ぶとともに、必要以上に強く切らないことも大切です。
古い枝から芽を出しにくい植物もある
マツ類や多くのコニファーは、葉や芽のない古い部分まで切り戻すと、枝が再生しにくいことがあります。
外芽や内芽を選ぶ以前に、切ろうとしている位置に生きた芽があるか、その植物が切り戻しに耐えられるかを確認しましょう。
まとめ
内芽は株や樹冠の内側を向く芽、外芽は外側を向く芽です。外芽を残すと枝を外へ誘導しやすく、樹冠の混み合いを抑えるのに役立ちます。一方、内芽も、空いた部分を補ったり枝の方向を調整したりするために利用できます。
剪定では、芽の向きだけでなく、健全さ、芽の種類、周囲の空間、植物の性質を確認することが大切です。切った後にどこへ枝を伸ばしたいかを考えながら、残す芽と切る位置を選びましょう。