つるは右巻き?左巻き?植物ごとの違いと南半球・北半球の疑問を解説

つるは右巻き?左巻き?植物ごとの違いと南半球・北半球の疑問を解説

朝顔ツル

アサガオやフジのつるは、支柱に巻きつきながら上へ伸びていきます。何気なく見ている姿ですが、よく観察すると、植物によって巻く向きが異なります。

「北半球と南半球では逆向きになるのでは?」と思うかもしれません。しかし、つるの巻く向きは、育つ場所が北半球か南半球かによって一律に反転するものではありません。

また、「右巻き」「左巻き」という呼び方自体にも注意が必要です。見る方向や定義によって、同じつるが逆の呼び方になることがあります。

この記事では、巻き方の見分け方、植物ごとの違い、半球との関係、園芸での誘引のポイントを解説します。

まず確認したい「右巻き・左巻き」の見方

見る方向によって、時計回りと反時計回りが逆になる

支柱に巻きついたつるを、根元から先端へたどってみましょう。同じつるでも、上から見下ろした場合と下から見上げた場合では、時計回り・反時計回りの見え方が逆になります。

さらに、ねじの進み方を基準とした呼び方と、つるを上から眺めた呼び方では、「右巻き」「左巻き」の対応が異なることがあります。

そのため、図鑑や解説で「アサガオは左巻き」「アサガオは右巻き」という両方の記述が見つかっても、必ずしも実際の巻き方について意見が食い違っているわけではありません。

この記事では「上から見て、根元から先端へたどる」で統一

混乱を避けるため、この記事では次の条件に統一します。

  • 支柱が垂直に立ち、つるが上へ伸びている状態を見る

  • 支柱を上から見下ろす

  • つるを根元側から先端側へたどる

  • そのときの向きを「時計回り」「反時計回り」と表す

この見方では、アサガオは反時計回り、フジ〈ノダフジ〉は時計回りです。

「右か左か」だけを覚えるより、観察する向きと、つるをたどる方向をセットにすることが大切です。

横から見分ける「S巻き・Z巻き」もある

左右という言葉の混乱を避けるために、「S巻き」「Z巻き」という表し方も使われます。

垂直な支柱を正面から見たとき、手前にあるつるの傾きで判断します。

  • S巻き:手前のつるが左上がり。上からたどると時計回り

  • Z巻き:手前のつるが右上がり。上からたどると反時計回り

写真で比較するときにも便利な方法です。支柱の裏側に回った部分と取り違えないように観察しましょう。

植物によって巻く向きはどう違う?

アサガオ|上から見ると反時計回り

アサガオは、茎そのものを支柱に巻きつけて登ります。この記事の見方では反時計回りで、横から見るとZ巻きです。

学校などで「アサガオは左巻き」と習うことがありますが、これは上から見た回り方に対応する呼び方です。別の定義では右巻きと呼ばれるため、説明を読む際には基準を確認してください。

フジ〈ノダフジ〉|アサガオとは反対

一般にフジ、またはノダフジと呼ばれる植物は、上から見ると時計回りに巻きます。横から見ればS巻きで、アサガオとは反対です。

フジは成長するとつるが太く木質化し、巻きついた支柱や樹木を強く締めつけることがあります。庭では巻く方向だけでなく、将来の太さや重さを考えた支えが必要です。

ヤマフジ|同じフジの仲間でも逆向き

ヤマフジは、上から見ると反時計回りで、Z巻きになります。

  • フジ〈ノダフジ〉:時計回り・S巻き

  • ヤマフジ:反時計回り・Z巻き

近縁の植物でも、巻く向きが異なる例です。見分ける手がかりになりますが、葉や花序などの特徴も合わせて確認すると、より確実です。

アケビ・ミツバアケビ|アサガオと同じ向き

アケビやミツバアケビは、上から見ると反時計回りに巻くZ巻きの植物です。

葉の形は異なりますが、つるの巻く向きは共通しています。支柱に自然に巻きついた部分を観察すると、植物同士の比較がしやすくなります。

カナムグラ|フジと同じ向き

カナムグラは、上から見ると時計回りに巻くS巻きの植物です。

フジとは姿も寿命も異なりますが、巻き方には共通点があります。茎にはざらつくとげ状の部分があるため、観察時に素手で強く握らないようにしましょう。

北半球と南半球で巻く向きは変わる?

半球が変わっても、一律には反転しない

「北半球では左巻き、南半球では右巻き」というような法則は、つる植物には当てはまりません。

多くの巻きつき植物では、種ごとに一定の向きに巻く傾向があります。日本で育てている植物を南半球へ移せば、地球の反対側に行ったことを理由に巻く向きが反転する、というものではありません。

南北で見られる植物の種類が違えば、観察できる巻き方の割合が違う可能性はあります。しかし、それは「同じ植物が半球によって巻く方向を変える」という話とは別です。

世界各地の調査でも、半球による反転は支持されていない

2007年に発表された研究では、南北両半球を含む9か国17地点で、1,485本の巻きつく茎が調べられました。

調査では、上から見て反時計回りに相当する巻き方が約92%を占め、その割合と緯度・半球との間に有意な関係は認められませんでした。

この結果は、太陽の見かけの動きや地球の自転が、つるの巻く向きを決めるという説明を支持しません。

なお、この約92%は調査された茎の割合です。「世界のつる植物の92%の種が同じ向き」と言い換えることはできません。

台風の渦と、植物のつるは仕組みが違う

大規模な大気の運動には、地球の自転に伴うコリオリの力が重要な役割を果たします。

一方、つるが巻くのは、植物の成長や支柱との接触によって生まれる運動です。台風の渦と同じ仕組みで、つるの向きが決まるわけではありません。

また、「太陽を追いかけているから、その方向に巻く」という説明も適切ではありません。光は成長方向や伸び方に影響しますが、巻きつきの左右を太陽の通り道だけで説明することはできません。

つるはどうやって支柱に巻きつくのか?

先端が円や楕円を描く「回旋運動」

成長中のつるの先端は、静止画ではわかりにくいものの、時間をかけて円や楕円を描くように動きます。これを「回旋運動」といいます。

伸びる部分の周囲で成長の程度が時間とともに変わることで、先端の向きも変化します。この運動によって周囲の支えに出会う機会が生まれ、接触後の成長などを通して巻きついていきます。

植物ごとの性質が関係するが、すべては解明されていない

多くの種で巻く方向に一定の傾向があることから、遺伝的・発生的な性質が関わっていると考えられます。

植物の左右性には、細胞内の微小管や細胞壁のつくられ方、細胞の伸び方なども研究対象になっています。

ただし、「特定の遺伝子一つで、あらゆるつる植物の巻く向きが説明できる」という段階ではありません。なぜある種は一方へ巻き、近縁種は逆へ巻くのかなど、未解明の部分も残っています。

つる植物がすべて同じ方法で登るわけではない

茎が巻く植物と、巻きひげでつかまる植物

アサガオやフジは、茎そのものが支柱に巻きつきます。一方、キュウリ、ヘチマ、ブドウなどは、主に巻きひげを使って支えをつかみます。

巻きひげは、支えをつかんだあと、ばねのように縮れることがあります。その途中で、らせんの向きが反転する場合もあります。

この反転には、両端が固定された状態での組織の収縮や力学的な条件が関係します。茎が支柱を登る向きと、巻きひげが途中で縮れる向きは、分けて考える必要があります。

巻きつかずに登る植物もある

ほかにも、つる植物にはさまざまな登り方があります。

  • クレマチス類:葉柄を支えに巻きつける

  • キヅタ:付着根を使って登る

  • ツタ:巻きひげの先端にある吸盤で付着する

  • ノイバラなど:とげを周囲のものに引っかける

壁を覆っているからといって、すべてに「茎の右巻き・左巻き」があるわけではありません。まず、どの部分を使って登っているのかを観察しましょう。

園芸では巻く向きに合わせて誘引する

自然に伸びる方向を確かめる

つるを支柱やネットに誘引するときは、まだ固定されていない先端を観察し、自然な巻く向きに沿わせます。

アサガオなら、この記事の基準では上から見て反時計回りです。既存の巻きつき方を見ながら添わせると、左右の呼び方に迷わず作業できます。

逆向きに無理やり巻かない

本来と逆向きに固定しても、その先の新しく伸びる部分が、もとの向きに巻こうとすることがあります。

ただし、古い部分がすべて自動的にほどけるとは限りません。無理に巻き直すと、折れたり傷ついたりするため、自然な向きに合わせるのが基本です。

必要なときは、やわらかなひもで余裕を持たせて固定し、茎が太くなっても食い込まないようにします。

植物に合う支えを選ぶ

巻きつく植物でも、支柱が太すぎる、表面が滑りやすいなどの理由で、うまく登れない場合があります。

  • アサガオ:巻きつきやすい支柱やひも

  • キュウリなど:巻きひげがつかめるネット

  • クレマチス:葉柄が巻ける細めの支え

  • フジ:成長後の重さや締めつけに耐える丈夫な棚

「巻く向きが違うから登れない」と決めつけず、登り方と支えの相性も確認しましょう。

巻く向きを観察するコツ

根元から先端へ、同じ基準でたどる

観察するときは、次の順番で確認します。

  1. 茎そのものが巻いている部分を選ぶ

  2. 根元側と先端側を確認する

  3. 垂直な支柱に巻いた部分を探す

  4. 上から見て、根元から先端へたどる

  5. 時計回りか反時計回りかを記録する

写真には、先端の方向や「上から見た」といった条件を書き添えると、あとで比較しやすくなります。

1本だけでなく、複数のつるを比べる

手作業で誘引された部分や、障害物を避けた部分は、自然な巻き方がわかりにくいことがあります。

同じ株の複数のつるや、別の株も観察すると、通常の傾向がつかみやすくなります。例外のように見える部分があれば、植物名、支えの形、写真を残しておくとよいでしょう。

まとめ

つるの巻く向きは植物によって異なり、近縁のフジとヤマフジでも反対になります。一方、北半球と南半球に移ったことを理由に、一律に巻く向きが反転するわけではありません。

見分ける際は、「右巻き・左巻き」という言葉だけで判断せず、見る位置と、つるをたどる方向をそろえることが大切です。

上から見て根元から先端へたどると、アサガオは反時計回り、フジ〈ノダフジ〉は時計回り。身近なつるを観察し、その植物に合った方向と支えで誘引してみてください。

botanny

「BOTANICA」の編集者です。本記事はAIを活用した記事です。内容に誤りがある場合には、コメント欄、あるいはお問合せよりお知らせください。

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