毒があり注意が必要な庭木5選|子ども・ペットの誤食に注意
毒があり注意が必要な庭木5選|子ども・ペット・剪定作業で気をつけたい有毒植物
庭木や生垣、寺社、公園などで見かける植物の中には、毒をもつものがあります。花が美しい木、実がなる木、常緑で扱いやすい木の中にも、葉・枝・種子・樹液などに有毒成分を含むものがあるため注意が必要です。
ただし、「毒がある=すぐに危険だから植えてはいけない」というわけではありません。多くの有毒植物は、食べたり、樹液に触れたり、燃やした煙を吸ったりしないように気をつければ、庭木として観賞できます。
この記事では、庭木として見かけることがあり、特に注意したい有毒植物を5つ紹介します。小さな子どもやペットがいる家庭、剪定や伐採を行う方は、ぜひ参考にしてください。
毒がある庭木とは?
毒がある庭木とは、葉、枝、花、実、種子、樹皮、樹液などに、人や動物に有害な成分を含む樹木のことです。
有毒成分は植物によって異なります。誤って食べると、吐き気、下痢、腹痛、めまい、しびれ、呼吸困難、けいれんなどを起こすことがあります。なかには、少量でも強い中毒症状につながるものもあります。
厚生労働省は、植物性自然毒による食中毒に注意を呼びかけており、有毒植物を食用植物と誤って食べることによる食中毒事例があると説明しています。農林水産省も、有毒植物と食べられる植物を間違えないよう注意喚起しています。
庭木の場合、特に注意したいのは次のような場面です。
子どもが実や葉を口に入れる
ペットが葉や枝をかじる
剪定中に樹液が皮膚につく
剪定枝を燃やして煙を吸う
食用植物と勘違いして採取する
伐採材を食器や箸などに加工する
有毒植物を扱うときは、「観賞する植物」と「食べる植物」をしっかり分けることが大切です。
毒があり注意が必要な庭木5選
1. キョウチクトウ
キョウチクトウは、夏に美しい花を咲かせる常緑低木です。暑さや乾燥、大気汚染に強く、庭木や公園、街路樹として利用されることがあります。ピンクや白、赤などの花が咲き、見た目は華やかですが、非常に注意が必要な有毒植物です。
キョウチクトウには、強心配糖体のオレアンドリンなどの有毒成分が含まれます。葉、枝、花、樹液など、植物全体に毒性があるとされます。中毒事例が知られており、庭木として扱う場合も誤食や樹液への接触に注意が必要です。
特に気をつけたいのは、剪定枝の扱いです。枝や葉を子どもやペットが口にしないようにし、作業後は手を洗いましょう。また、キョウチクトウは燃やした煙にも注意が必要とされています。剪定枝を安易に焼却するのは避けてください。
キョウチクトウの注意点
キョウチクトウは、花が美しく丈夫な庭木ですが、毒性が強い植物です。小さな子どもやペットがいる家庭では、植える場所や管理方法を慎重に考えましょう。剪定や伐採を行う場合は、手袋を着用し、枝葉を口に入れないよう注意してください。
2. アセビ
アセビは、早春に白やピンクの小さな壺形の花を咲かせる常緑低木です。漢字では「馬酔木」と書きます。これは、馬が葉を食べると毒にあたり、酔ったようにふらつくことに由来するとされています。
庭木や公園樹として利用されることがあり、和風の庭にもよく合います。病害虫に比較的強く、花も美しいため人気がありますが、全株に毒があるとされる植物です。
岐阜医療科学大学薬学部の解説では、アセビは全株が有毒で、食べて数時間以内に、よだれ、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、呼吸困難、四肢麻痺、視覚障害などが現れる場合があると紹介されています。重症例ではけいれんや昏睡、死亡に至るケースもあるとされています。
アセビの注意点
アセビは、葉や花を食べないように注意が必要です。庭に植える場合は、子どもやペットが届きにくい場所に植える、落ちた葉や花を放置しないなどの管理を意識しましょう。切り花として室内に飾る場合も、乳幼児やペットが触れない場所に置くと安心です。
3. イチイ
イチイは、常緑針葉樹の庭木として使われることがある木です。生垣や仕立て物、和風庭園の庭木として見かけることがあります。秋になると赤い実のように見えるものをつけるため、観賞価値もあります。
ただし、イチイは毒性に注意が必要な樹木です。赤い果肉状の部分は仮種皮と呼ばれ、中心に種子があります。岡山理科大学の植物生態研究室では、イチイの仮種皮は甘く食べられるが、中心部の種子は有毒であると説明されています。
庭木として管理する場合、赤い実のようなものを子どもが口に入れないよう注意が必要です。特に種子を噛み砕いたり飲み込んだりすることは避けなければなりません。剪定枝や葉も、ペットがかじらないように注意しましょう。
イチイの注意点
イチイは、赤い実のような見た目が子どもの興味を引きやすい植物です。庭に植えている場合は、実がつく時期に注意し、落ちた実を放置しないようにしましょう。食用目的で扱わないことが大切です。
4. シキミ
シキミは、常緑の庭木として利用されることがあり、寺院や墓地周辺でも見かける植物です。葉に香りがあり、仏事に使われることもあります。一方で、強い毒性をもつ植物としても知られています。
特に注意したいのが、実や種子です。シキミの実は食中毒の原因になることがあり、国立保健医療科学院の健康危機管理情報支援ライブラリーにも、シキミの実を食べたことによる食中毒事例が掲載されています。
シキミは、食用のスパイスであるスターアニス、つまり八角と混同されることがあります。見た目が似ている部分があるため、知識がないまま採取して食べるのは危険です。庭や寺社で見かけても、実や葉を口にしないようにしましょう。
シキミの注意点
シキミは、仏事や庭木として身近にある一方、誤食に注意が必要な植物です。実を拾って遊んだり、香りがあるからといって料理に使ったりしてはいけません。剪定枝や実は、子どもやペットが触れにくいように処分しましょう。
5. シャクナゲ・レンゲツツジ類
シャクナゲ
シャクナゲやレンゲツツジは、春から初夏に美しい花を咲かせるツツジ科の植物です。庭木や公園、山地の観賞植物として親しまれています。花が華やかで人気がありますが、ツツジ科の一部には毒性成分を含むものがあります。
厚生労働省の自然毒リスクプロファイルでは、ツツジ科の植物には毒をもつものが多く、蜜にも毒性成分がある場合があるため注意が必要とされています。特にレンゲツツジはグラヤノトキシン類を含み、海外では花の蜜を吸った児童や家畜の中毒例が報告されていると説明されています。
一般的な園芸用ツツジすべてを過度に怖がる必要はありませんが、花の蜜を吸う、葉を食べる、枝葉をペットがかじるといった行為は避けるべきです。
レンゲツツジ
シャクナゲ・レンゲツツジ類の注意点
庭に植えている場合は、子どもに「花の蜜を吸わない」「葉や花を口に入れない」と伝えておきましょう。ペットが庭で遊ぶ場合も、葉や花をかじらないよう様子を見ることが大切です。
有毒な庭木を扱うときの注意点
有毒植物は、正しく扱えば観賞用として楽しめるものも多くあります。大切なのは、どの植物にどのようなリスクがあるかを知り、誤食や接触を防ぐことです。
子どもやペットの誤食を防ぐ
子どもやペットは、花や実に興味を持ちやすいものです。赤い実、香りのある葉、落ちた花などは、口に入れてしまう可能性があります。
有毒植物を植える場合は、手の届きにくい場所に植える、落ち葉や実をこまめに掃除する、食べられる植物と混ぜて植えないなどの工夫が必要です。
剪定作業では手袋を使う
有毒植物を剪定するときは、手袋、長袖、保護メガネを使うと安心です。樹液が皮膚につくと、かぶれや刺激を感じる場合があります。
剪定後は、手や道具を洗い、枝葉を放置しないようにしましょう。特にペットがいる家庭では、剪定枝を庭に積んだままにしないことが大切です。
剪定枝を燃やさない
植物によっては、燃やした煙にも注意が必要です。特にキョウチクトウのような有毒植物は、剪定枝を安易に焼却しないようにしましょう。
処分する場合は、自治体のごみ出しルールに従って、可燃ごみや剪定枝回収などで処分します。大量にある場合は、造園業者や廃棄物処理業者に相談するのも方法です。
食用植物と混同しない
庭木や野草には、食用植物と似たものがあります。香りがあるから、実がきれいだから、昔から植えられているからといって、食べられるとは限りません。
厚生労働省や農林水産省も、有毒植物を食用植物と誤って食べることへの注意を呼びかけています。判断できない植物は、採らない・食べない・人にあげないことが基本です。
伐採木や剪定枝を再利用するときの注意
庭木の剪定枝や伐採木を、木工品や食器に再利用したいと考える人もいるでしょう。しかし、有毒植物の材は、用途に注意が必要です。
特に、食器、箸、スプーン、まな板、子どものおもちゃ、ペット用品には使わないほうが安全です。キョウチクトウ、アセビ、イチイ、シキミ、ウルシ、キョウチクトウ科の植物などは、樹種がわからないまま加工しないようにしましょう。
観賞用のオブジェにする場合でも、削り粉を吸い込まないよう防じんマスクを使い、作業後は手洗いを徹底してください。
まとめ
庭木の中には、美しい花や実を楽しめる一方で、毒をもつものがあります。特に注意したい庭木として、キョウチクトウ、アセビ、イチイ、シキミ、シャクナゲ・レンゲツツジ類が挙げられます。
これらの植物は、食べたり、樹液に触れたり、剪定枝を燃やしたりすることで中毒や皮膚トラブルにつながる場合があります。小さな子どもやペットがいる家庭では、植える場所や管理方法に注意しましょう。
有毒植物は、正しい知識を持って扱えば、庭の景観をつくる植物として楽しめるものもあります。大切なのは、「知らずに触る・食べる・燃やす」ことを避けることです。
庭木を選ぶときや剪定・伐採をするときは、植物の美しさだけでなく、安全性にも目を向けてみましょう。