冬至の七草とは?「ん」が2つ付く7つの食べ物と由来、楽しみ方を解説
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冬至の食べ物といえばカボチャがよく知られていますが、「冬至の七草」と呼ばれる7つの食べ物があることをご存じでしょうか。
冬至の七草は、なんきん、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどんの7つです。どれも名前に「ん」が2つ入り、運を呼び込む縁起物として親しまれています。
この記事では、冬至の七草の由来やそれぞれの特徴、家庭での取り入れ方を紹介します。
冬至の七草とは
冬至の七草は、冬至に食べる縁起物として挙げられる7種類の食べ物です。「冬至の七種」とも書き、草花だけでなく、野菜や果実、海藻から作る寒天、加工食品のうどんも含まれます。
なんきん(南京):カボチャ
れんこん(蓮根):ハスの地下茎
にんじん(人参):主に根を食べる野菜
ぎんなん(銀杏):イチョウの種子
きんかん(金柑):皮ごと食べられる小さなかんきつ類
かんてん(寒天):テングサなどの海藻から作る食品
うんどん(饂飩):うどんの古い呼び名
植物として共通する仲間ではなく、食べ物の名前に込められた縁起を楽しむ組み合わせです。
「ん」が2つ付くことが縁起につながる
冬至には、「ん」の付く食べ物を「運」に結び付けて食べる「運盛り」という風習があります。
その中でも冬至の七草は、名前に「ん」が2つ入るため、運を重ねて呼び込む食べ物として紹介されます。
カボチャを「なんきん」、うどんを「うんどん」と呼ぶのは、この言葉遊びを理解するポイントです。幸運や健康を願う季節の習わしであり、食べることで運がよくなると科学的に証明されているものではありません。
冬至はどんな日?2026年は12月22日
冬至は二十四節気の一つで、日本を含む北半球では、一年のうちで昼が最も短く、夜が最も長くなる頃です。2026年の冬至は12月22日です。
冬至を過ぎると、昼の長さは少しずつ長くなっていきます。この季節の転換に、衰えていた陽の力が戻り始めるという意味を重ねた言葉が「一陽来復」です。
冬至の七草も、こうした節目に運を呼び込み、寒い季節を健やかに過ごしたいという願いとともに楽しめます。ただし、冬至を過ぎてすぐ暖かくなるわけではなく、本格的な寒さはその後も続きます。
冬至の七草に数えられる7つの食べ物
1.なんきん(南京)|冬至の食卓を彩るカボチャ
なんきんは、カボチャの別名です。ウリ科の一年草で、つるを伸ばしながら育ち、食用にするのは果実の部分です。
カボチャは夏から秋に収穫されるものが多く、丸ごとの果実は適切に保存すると比較的長持ちします。冬至のカボチャには、収穫した作物を蓄え、冬の食卓に生かす暮らしの知恵も感じられます。
冬至には、定番の煮物のほか、スープや蒸し料理にすると取り入れやすいでしょう。小豆と組み合わせた「いとこ煮」も、地域によって冬至に食べられています。
植物の仲間:ウリ科
食べる部分:果実
取り入れ方:煮物、スープ、蒸し料理、いとこ煮
2.れんこん(蓮根)|穴の開いたハスの地下茎
れんこんは、水辺で育つハスの地下茎が肥大したものです。名前に「根」とありますが、植物学的には茎に当たります。
断面に見える穴は、水中や泥の中で暮らす植物の体内に空気を通す仕組みの一部です。また、その穴から向こう側が見えることにちなみ、「先を見通す」という縁起も重ねられています。
薄く切ると歯切れのよい食感を楽しめ、厚めに切って煮込むと違った味わいになります。冬至には、にんじんと一緒に煮物や汁物にするのもよいでしょう。
植物の仲間:ハス科
食べる部分:肥大した地下茎
取り入れ方:煮物、きんぴら、天ぷら、汁物
3.にんじん(人参)|いつもの料理に加えやすい身近な野菜
にんじんはセリ科の野菜で、主に肥大した根を食べます。細かく分かれた葉も特徴で、家庭菜園では根だけでなく地上部の姿も楽しめます。
一年を通して手に入りやすく、冬至の七草の中でも普段の献立に取り入れやすい食材です。煮物や汁物に加えると、鮮やかな色が料理のアクセントになります。
れんこんと炊き合わせたり、カボチャと一緒にスープにしたりすると、複数の七草を一皿で楽しめます。
植物の仲間:セリ科
食べる部分:主に根
取り入れ方:煮物、汁物、きんぴら、蒸し料理
4.ぎんなん(銀杏)|イチョウの種子を味わう秋冬の食材
ぎんなんは、街路樹や公園で見かけるイチョウの種子です。イチョウには雄株と雌株があり、種子を付けるのは雌株です。
食用にするのは、硬い殻の内側にある部分です。独特の風味ともっちりとした食感があり、茶碗蒸しや炊き込みご飯などに用いられます。
ただし、ぎんなんは食べ過ぎると中毒を起こすおそれがあり、加熱しても有毒成分がなくなるわけではありません。小さな子どもには食べさせないようにしましょう。 七草をそろえるために、無理に食べる必要はありません。
植物の仲間:イチョウ科
食べる部分:種子の殻の内側
取り入れ方:茶碗蒸し、炊き込みご飯など
注意点:食べ過ぎを避け、小さな子どもには与えない
5.きんかん(金柑)|皮の香りと甘みを楽しむ小さな果実
きんかんはミカン科の常緑果樹で、小さな橙色の果実を付けます。皮に甘みと香りがあることが特徴で、食用として販売されている果実は、よく洗って皮ごと楽しめます。
品種や地域によって収穫時期が異なり、冬から春にかけて見かける身近な果実です。庭木や鉢植えとしても親しまれ、緑の葉と色付いた実が冬の庭を彩ります。
冬至には生食のほか、甘露煮やジャムにしてもよいでしょう。種を取り除くと食べやすくなります。
植物の仲間:ミカン科
食べる部分:果実の皮と果肉
取り入れ方:生食、甘露煮、ジャム
6.かんてん(寒天)|海藻から生まれる七草の一つ
寒天は、テングサやオゴノリなどの紅藻類を原料とする食品です。野菜や果実とは異なりますが、名前に「ん」が2つ入ることから冬至の七草に数えられています。
粉寒天、棒寒天、糸寒天などの形で販売され、菓子にも料理にも使えます。ゼラチンとは原料や固まり方、食感が異なるため、置き換える場合は分量や調理方法の調整が必要です。
きんかんの甘露煮を寒天で固めると、冬至の七草を組み合わせたデザートになります。
原料の仲間:テングサ、オゴノリなどの紅藻類
利用するもの:海藻から取り出した凝固成分
取り入れ方:寒天寄せ、ようかん、果物入りの寒天菓子
7.うんどん(饂飩)|温かい一杯で楽しむうどん
うんどんは、うどんの古い呼び名です。現在一般的な「うどん」では「ん」が1つですが、「うんどん」と呼ぶことで2つになります。
うどんの原料は、イネ科のコムギの穀粒をひいた小麦粉です。植物をそのまま食べるものだけでなく、加工した食品も七草に含まれることが分かります。
寒い冬至には、にんじんやれんこんを加えた煮込みうどんが取り入れやすい献立です。カボチャを加えると甘みが出て、食べ応えのある一杯になります。
原料となる植物:コムギ
利用する部分:穀粒を製粉した小麦粉
取り入れ方:かけうどん、煮込みうどん、鍋料理
冬至の七草を家庭で楽しむ方法
普段の献立に少しずつ取り入れる
冬至の七草は、必ず7種類すべてを一度に食べなければならないものではありません。好みや体質に合わせ、用意しやすい食材から楽しみましょう。
例えば、次のような献立なら、身近な料理に取り入れられます。
主食:にんじんとれんこん入りの温かいうどん
副菜:カボチャの煮物
デザート:きんかんの甘露煮を添えた寒天
特別な料理を何品も作らなくても、食材の名前や由来を話題にするだけで、冬至らしい食卓になります。
植物のどの部分を食べているか比べる
冬至の七草には、果実、根、地下茎、種子、海藻由来の食品が含まれます。
カボチャときんかんは果実、にんじんは主に根、れんこんは地下茎、ぎんなんは種子です。うどんも、もとをたどればコムギの穀粒から作られています。
名前の「ん」を数えることに加え、食べ物と植物のつながりを観察する題材としても楽しめます。
春の七草・秋の七草との違い
同じ「七草」でも、季節によって内容や楽しみ方は異なります。
春の七草:セリ、ナズナなど。1月7日に七草がゆとして食べる風習がある。
秋の七草:ハギ、キキョウなど。主に花や草姿を観賞し、秋の風情を楽しむ。
冬至の七草:なんきん、れんこんなど。「ん」が2つ付く食べ物を縁起物として楽しむ。
冬至の七草は、冬の野原で7種類の草を摘む行事ではありません。野菜や果実に加えて加工食品も含むため、「冬至の七種」と考えると理解しやすくなります。
ユズ湯も冬至の風習の一つ
冬至には、七草やカボチャを食べるほか、ユズ湯に入る風習もあります。ユズは冬至の七草には含まれませんが、冬至を代表する植物の一つです。
食卓では七草を楽しみ、ユズの香りで季節を感じるなど、暮らしに合った形で取り入れてみましょう。
まとめ
冬至の七草は、なんきん、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどんの7つです。名前に「ん」が2つ入ることから、運を呼び込む食べ物として親しまれています。
野菜や果実、種子、海藻由来の食品など、内容が多彩なのも特徴です。すべてをそろえることにこだわらず、好みの食材を普段の料理に取り入れながら、季節の節目を楽しんでみてください。