果樹がよく実る年と実らない年があるのはなぜ?隔年結果の原因と対策

果樹がよく実る年と実らない年があるのはなぜ?隔年結果の原因と対策

ウンシュウミカン

「去年は食べきれないほど実ったのに、今年は数えるほどしかならない」。庭でミカンやカキ、リンゴなどを育てていると、このような実つきの違いを経験することがあります。

豊作の翌年に収穫量が減る代表的な原因が、隔年結果(かくねんけっか)です。果実を育てることと、翌年の開花・結実に向けた準備とのバランスが崩れることで起こります。

ただし、実が少ない原因は隔年結果だけではありません。開花期の天候、受粉の状況、剪定の方法なども関係します。この記事では、年によって実つきが変わる仕組みと、家庭でできる対策を解説します。

隔年結果とは?豊作と不作を繰り返す現象

隔年結果とは、実が多くなる年と少なくなる年を交互に繰り返す傾向のことです。一般に、実が多い年を「表年」、少ない年を「裏年」と呼びます。

  • 表年:花や果実が多く、収穫量が増える年。

  • 裏年:花や果実が少なく、収穫量が減る年。

ただし、必ず正確に1年おきになるわけではありません。果樹の種類や品種、樹勢、天候、栽培管理によって、実つきの波は変わります。

また、1回だけ不作になったからといって、すぐに隔年結果とは判断できません。過去数年間の収穫量と、その年の花つきを合わせて確認することが大切です。

なぜ豊作の翌年は実が少なくなるのか

果実を育てながら、翌年の準備も進めている

果樹は、その年の果実だけを育てているわけではありません。枝葉や根を伸ばし、体内に養分を蓄えながら、翌年の花や果実につながる芽も準備しています。

リンゴやカキなど、多くの果樹では、前年の生育期間中に翌年の花芽形成が進みます。そのため、今年の果実を育てる時期と、翌年の収穫に向けた準備の時期が重なります。

ただし、花芽ができる時期や仕組みは樹種によって異なります。すべての果樹に同じ暦で管理を行うことはできません。

実が多すぎると、翌年の花芽ができにくくなる

葉が光合成でつくる糖などは、果実の肥大だけでなく、枝葉や根の成長にも使われます。

果実を多く残しすぎると、果実への配分が大きくなり、新しい枝の充実や貯蔵養分の確保に影響します。その結果、翌年に花が少なくなり、収穫量が減ることがあります。

また、隔年結果には植物ホルモンなどによる花芽形成の調節も関係します。単に「土の肥料が足りなくなった」という現象ではないため、肥料を増やすだけでは十分な対策になりません。

実が少ない年の翌年に、再び多く実ることがある

実が少ない年は、果実を育てる負担が軽くなります。その分、枝葉の成長や翌年の花芽形成が進み、翌年に多くの花をつけることがあります。

そこで再び果実を残しすぎると、豊作と不作の繰り返しにつながります。

実が多い年に収穫量を適度に調整することが、翌年の実つきを安定させる重要な管理です。

隔年結果が問題になりやすい果樹

隔年結果の起こりやすさは、同じ樹種でも品種によって異なります。家庭で育てる果樹では、次のようなものが挙げられます。

  • ウンシュウミカンなどのカンキツ類
    実を多くつけすぎると、翌年の花つきや新しい枝の発生に影響することがあります。品種の性質に加え、着果量や収穫時期に応じた管理が大切です。

  • カキ
    実のならせすぎによって、翌年の花つきが不安定になることがあります。つぼみを減らす摘蕾や、果実を減らす摘果によって、木の力に合った着果量に調整します。

  • リンゴ
    隔年結果の出やすさに品種差があります。実を多く残した年の翌年に花が減ることがあり、花や幼果の段階で適切に数を調整することが重要です。

これらの果樹でも、毎年必ず隔年結果が起こるわけではありません。品種に合った管理を続けることで、年ごとの収穫量の差を小さくできる場合があります。

隔年結果以外にもある、実が少なくなる原因

開花期の低温や霜

花芽や開花中の花、結実直後の幼果が霜や低温で傷むと、収穫量が減ります。

花びらが残っていても、めしべなどが傷んで結実できないことがあります。「花は咲いたのに実にならなかった」という年は、開花前後の冷え込みも確認しましょう。

霜などで実が極端に減ったことをきっかけに、翌年の着果量が増え、その後の隔年結果につながる場合もあります。

受粉がうまくいかなかった

果樹によっては、相性のよい別品種の花粉が必要です。受粉相手があっても、開花時期が十分に重ならなければ結実しにくくなります。

開花期に雨や低温が続くと、花粉を運ぶ昆虫の活動が低下し、受粉の機会が減ることもあります。

  • 1本で実りやすい品種か。

  • 受粉相手として適した品種があるか。

  • 互いの開花時期が重なっているか。

  • 開花期に雨や低温が続かなかったか。

これらを確認すると、花は多いのに実が少ない原因を絞り込みやすくなります。

剪定で、実につながる枝や芽を切ってしまった

果樹は種類によって、実をつける枝の性質が異なります。見た目を整えるために枝先を一律に切ると、花芽や、実をつける枝のもとになる部分を落としてしまうことがあります。

また、強い剪定によって勢いのよい枝ばかりが伸び、花つきが悪くなる場合もあります。

前年の収穫量が普通でも、剪定方法を変えた翌年に花が減ったときは、枝の切り方を見直しましょう。

日照不足や早すぎる落葉

樹冠の内部が混み合っていたり、周囲の建物や樹木に遮られたりすると、葉が十分な光を受けられません。

また、病害虫や乾燥などで葉が早く落ちると、光合成を行える期間が短くなります。その年の果実の生育だけでなく、翌年の花つきにも影響することがあります。

収穫後も葉が残る果樹では、収穫が終わってからの葉の健康も大切です。

水分管理や根の状態が悪い

強い乾燥や、長期間の過湿は、根の働きを低下させます。根が水分や養分を十分に吸収できなくなると、果実の生育不良や落果につながります。

特に鉢植えは、庭植えよりも乾燥や根詰まりの影響を受けやすいため、土の乾き方や排水の状態を確認しましょう。

若木で、まだ収穫が安定していない

植え付けて間もない木や、種から育てた若い木は、まだ十分に実をつける段階に達していないことがあります。

初めて実った翌年に少なかったとしても、すぐに典型的な隔年結果と考える必要はありません。若木では、無理に収穫量を増やすより、枝葉や根を育てることを優先します。

花と果実の様子から、原因を見分ける

花そのものが少なかった場合

前年のならせすぎ、花芽を落とす剪定、日照不足、早期落葉などを確認します。

特に、前年が豊作で、今年は開花前からつぼみが少なかった場合は、隔年結果の可能性があります。

花は多かったのに、実がつかなかった場合

受粉相手や開花時期のずれ、開花期の雨・低温、霜の被害などを確認します。

花が十分に咲いているなら、「前年に実をつけすぎて花芽ができなかった」という説明だけでは当てはまりません。

小さな実がついたあと、たくさん落ちた場合

果樹には、生育途中で一部の幼果が自然に落ちる「生理落果」があります。少し落ちたからといって、すぐに病気とは限りません。

ただし、落果が非常に多い場合や、葉のしおれ、果実の食害、枝枯れなどを伴う場合は、受粉不良、水分ストレス、病害虫なども調べる必要があります。

実は多いものの、小さくて味がよくない場合

果実の数が、木の力に対して多すぎる可能性があります。

収穫個数が多くても、小玉が増え、翌年の花つきまで悪くなるようなら、着果量を見直す目安になります。ただし、味には日照や成熟度、品種なども関係します。

毎年の実つきを安定させるための対策

1.実が多い年こそ、摘蕾・摘果を行う

つぼみを減らす作業を「摘蕾」、果実を減らす作業を「摘果」といいます。果実の数を木の大きさや葉の量に合わせることで、過度な負担を防ぎます。

摘果では、傷んだ果実、形の悪い果実、混み合った果実などを優先して取り除き、残す数を調整します。

ただし、適切な時期や残す数は果樹・品種ごとに異なります。「どの果樹も半分に減らす」といった一律の方法は避けましょう。

翌年の花芽形成が進んだあとでは、摘果しても隔年結果の軽減に十分つながらない場合があります。大きくなった果実を収穫直前に減らすだけでなく、その果樹に適した時期から調整することが重要です。

2.葉を健全に保ち、日当たりを確保する

病害虫による早期落葉を防ぎ、葉が十分に働ける状態を保ちます。

枝が混み合っている場合は、不要な枝を適度に間引いて光を入れます。ただし、日当たりを改善しようとして一度に大量の枝葉を切ると、かえって木に負担がかかります。

果実だけでなく、葉の色や傷み、枝の伸び方も観察しましょう。

3.肥料は樹勢と着果量に合わせる

実が少ないからといって、肥料不足とは限りません。

窒素肥料が多すぎると、枝葉の成長が強くなり、花つきとのバランスが崩れることがあります。反対に、養分不足で樹勢が弱っている場合は、その果樹に合った施肥が必要です。

葉色、枝の伸び、着果量、これまでの施肥量を合わせて判断し、肥料の表示や地域の栽培指針に沿って管理します。収穫後の肥料も、すべての果樹に同じ時期・同じ量を与えるものではありません。

4.極端な乾燥と過湿を避ける

庭植えでも、雨が少なく強い乾燥が続くときは、土の状態を確認して水やりを行います。

鉢植えは、表面だけでなく鉢の重さなども参考に乾き具合を確認し、必要なときに十分に与えます。受け皿に水をため続けないようにしましょう。

長雨のときは、追加の水やりよりも排水の確認が重要です。

5.収穫量だけでなく、花つきも記録する

原因を見分けるには、数年間の記録が役立ちます。

  • 花の多さと開花時期。

  • 収穫した果実の個数や重さ。

  • 摘蕾・摘果を行った時期。

  • 剪定の時期と程度。

  • 開花期の霜や長雨。

  • 病害虫や早期落葉の有無。

記録を続けると、「豊作の翌年は花が少ない」「花は多いが雨の年に実が残らない」など、その木の傾向が見えてきます。

よくある質問

実が少ない年は、何もせず休ませたほうがよいですか?

果実を育てる負担は軽くなっていますが、水分管理や病害虫の観察は必要です。翌年に向けて枝葉を健全に育てましょう。

実が少ないことを理由に、強い剪定や多量の施肥を行う必要はありません。

豊作の年に実を全部残すと、翌年は必ず不作になりますか?

必ず不作になるわけではありません。ただし、木の力に対して実が多すぎると、翌年の花つきが悪くなる可能性が高まります。

大きな木でも、葉が少ない枝や弱った枝に果実が集中している場合は調整が必要です。

隔年結果は完全に防げますか?

品種の性質や天候も関係するため、毎年同じ収穫量を保証することはできません。

それでも、適切な時期に着果量を調整し、葉や根を健全に保つことで、豊作と不作の差を小さくできる場合があります。

まとめ

果樹がよく実る年と実らない年を繰り返す代表的な理由は、隔年結果です。果実を多く育てすぎると、翌年の花芽形成や枝の充実に影響し、収穫量が減ることがあります。

一方、霜や受粉不良、剪定、日照不足などでも実つきは変わります。まずは「花が少なかったのか」「花は咲いたのに実らなかったのか」を見分けましょう。

毎年の収穫を安定させるには、豊作の年こそ適切に実を減らし、翌年に向けて葉や枝を健全に保つことが大切です。

botanny

「BOTANICA」の編集者です。本記事はAIを活用した記事です。内容に誤りがある場合には、コメント欄、あるいはお問合せよりお知らせください。

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