リシマキアの育て方|黄色い花と黄金葉を楽しむグランドカバーの植え付け・増やし方
リシマキアの育て方|黄色い花と美しい葉を楽しむグランドカバーの管理方法を解説
リシマキアは、鮮やかな黄色い花や美しい葉を楽しめる多年草です。地面を這うように広がる種類から、茎を立ち上げて花穂を付ける種類まで、さまざまな草姿があります。
グランドカバーとして人気が高いリシマキア・ヌンムラリアは、丸い葉を連ねながら地面を覆います。明るい黄緑色の葉を持つ「オーレア」は、花壇、鉢植え、寄せ植えの彩りとして広く利用されています。
細長い花穂を付けるオカトラノオ、黄色い花を茎の周囲へ咲かせるリシマキア・プンクタータ、紫褐色の葉が美しいリシマキア・ファイヤークラッカーなども、リシマキア属の仲間です。
丈夫で育てやすい一方、種類によっては地下茎やほふく茎を伸ばし、想像以上に広がることがあります。植える場所を選び、切り戻しや株分けで広がりを調整することが大切です。
この記事では、リシマキアの特徴、主な種類、植え付け、水やり、肥料、剪定、切り戻し、増やし方、夏越し、冬越し、病害虫、花が咲かない原因、枯れる原因まで詳しく解説します。
リシマキアの基本情報
和名:リシマキア
学名:Lysimachia
科名:サクラソウ科
属名:オカトラノオ属
分類:多年草、一年草
原産地:ヨーロッパ、アジア、北アメリカなど
草丈:5〜120cmほど
開花期:5月〜8月頃
花色:黄色、白、紫紅色など
葉色:緑、黄緑、黄色、銅葉、紫褐色、斑入りなど
植え付け時期:3月〜5月頃、9月〜10月頃
植え替え時期:3月〜5月頃、9月〜10月頃
株分け時期:3月〜5月頃、9月〜10月頃
挿し芽時期:5月〜7月頃、9月頃
成長速度:早い
耐寒性:強い
耐暑性:普通〜強い
栽培難易度:初心者向き
リシマキアとは?
リシマキアは、サクラソウ科オカトラノオ属に分類される植物の総称です。
世界の温帯地域を中心に多くの種類が分布し、日本にもオカトラノオ、クサレダマ、ヌマトラノオなどが自生しています。
種類によって草姿が大きく異なります。
地面を這う種類は、ほふく茎を伸ばし、節から根を出しながら広がります。花壇の縁、石垣、鉢の縁、グランドカバーなどに利用できます。
立ち上がる種類は、直立した茎に多数の花を付けます。花壇の中央や後方へ植えると、夏の庭に高さと立体感を加えられます。
黄色い花を咲かせる種類が多いものの、白い花穂を付けるオカトラノオや、紫紅色の花を咲かせる種類もあります。
リシマキアの名前の由来
属名の「Lysimachia」は、古代マケドニアの王リュシマコスの名前に由来するとされています。
リュシマコスが植物を利用して猛獣を鎮めたという伝承に基づく説があります。
日本の属名であるオカトラノオ属は、代表種のオカトラノオに由来します。
オカトラノオは、細長く曲がった白い花穂をトラの尾に見立てて名付けられました。
リシマキアの特徴
種類によって草姿が異なる
リシマキアには、地面を這うほふく性の種類と、茎を立ち上げる直立性の種類があります。
ほふく性の種類は草丈が低く、地面を覆うように広がります。
直立性の種類は、草丈50〜120cmほどに育ち、茎の先端や葉の付け根へ花を咲かせます。
植える場所や目的に合わせて種類を選ぶことが大切です。
黄色い花を咲かせる種類が多い
リシマキア属には、鮮やかな黄色い花を咲かせる種類が多くあります。
星形やカップ形の小花を咲かせ、初夏から夏の花壇を明るく彩ります。
リシマキア・ヌンムラリアは、葉の付け根へ一輪ずつ黄色い花を咲かせます。
リシマキア・プンクタータは、直立する茎の周囲へ黄色い花を密集させます。
葉色が豊富
リシマキアは、花だけでなく葉も観賞できます。
代表的な葉色には、次のようなものがあります。
緑色
明るい黄緑色
黄金色
紫褐色
銅色
緑と白の斑入り
緑と黄色の斑入り
花のない時期にも葉色を楽しめるため、カラーリーフとして寄せ植えや花壇へ利用できます。
ほふく茎や地下茎で広がる
ほふく性のリシマキアは、地面を這う茎を伸ばし、節から根を出します。
直立性の種類も、地下茎を伸ばして株を広げることがあります。
環境が合うと短期間で広範囲へ広がるため、ほかの植物を覆わないように管理が必要です。
広がりすぎた部分は、茎を切る、地下茎を掘り取る、株分けするなどの方法で調整します。
丈夫で育てやすい
リシマキアは環境への適応力があり、初心者でも育てやすい植物です。
日当たりから半日陰まで育てられる種類が多く、土質もそれほど選びません。
適度に湿り気のある土を好み、乾燥させすぎなければ元気に育ちます。
湿り気のある土を好む
リシマキアの多くは、乾燥しすぎる場所より、適度に湿り気のある場所を好みます。
水辺や湿地に自生する種類もあります。
鉢植えや浅い土へ植えた株は乾燥しやすいため、夏の水切れに注意が必要です。
耐寒性が強い
多くのリシマキアは耐寒性が強く、地植えのまま冬越しできます。
冬に地上部が枯れる種類もありますが、地下の根や地下茎が生きていれば、春に新芽を出します。
常緑性や半常緑性の種類は、寒さで葉色が変化したり、一部の葉が枯れたりすることがあります。
リシマキアの主な種類
リシマキア・ヌンムラリア
リシマキア・ヌンムラリアは、丸い葉を連ねながら地面を這う多年草です。
英名では、クリーピングジェニーやマネーワートと呼ばれます。
草丈は5〜10cmほどで、ほふく茎を長く伸ばします。
初夏に黄色い花を咲かせ、グランドカバー、鉢植え、ハンギングバスケットなどに利用できます。
リシマキア・ヌンムラリア・オーレア
オーレアは、明るい黄金色から黄緑色の葉を持つ品種です。
園芸店で「リシマキア」として広く流通しています。
半日陰では鮮やかな黄緑色になり、日当たりのよい場所では黄色が強くなります。
強い夏の日差しでは葉焼けすることがあるため、暖地では明るい半日陰が適しています。
鉢の縁から茎を垂らすように育てると、明るい葉色を生かせます。
リシマキア・ミッドナイトサン
ミッドナイトサンは、黒褐色から紫褐色の葉を持つほふく性の品種です。
初夏には、濃い葉色と鮮やかな黄色い花のコントラストを楽しめます。
寄せ植え、ハンギングバスケット、花壇の縁取りに向いています。
日照不足では葉色が緑色に近づくことがあります。
リシマキア・プンクタータ
リシマキア・プンクタータは、茎を直立させて黄色い花を咲かせる多年草です。
草丈は60〜100cmほどになり、初夏から夏に星形の花を茎の周囲へ密集させます。
地下茎で広がるため、花壇では植える範囲を決めて管理します。
リシマキア・プンクタータ・アレキサンダー
アレキサンダーは、葉の縁にクリーム色の斑が入る品種です。
春の新芽にはピンク色が混じることがあり、季節による葉色の変化を楽しめます。
初夏には黄色い花を咲かせ、斑入り葉との明るい組み合わせが魅力です。
リシマキア・ファイヤークラッカー
ファイヤークラッカーは、紫褐色の葉と黄色い花を楽しめる直立性の品種です。
草丈は70〜100cmほどになります。
濃い葉色と黄色い花の鮮やかなコントラストが特徴です。
地下茎で広がりやすいため、広がりすぎた場合は株分けや根切りを行います。
オカトラノオ
オカトラノオ(岡虎の尾)は、日本の山野に自生する多年草です。
学名はLysimachia clethroidesです。
草丈は60〜100cmほどになり、初夏から夏に白い小花を密集させた花穂を付けます。
花穂の先端が曲がる姿をトラの尾に見立てて名付けられました。
地下茎で広がり、群生すると美しい景観を作ります。
ヌマトラノオ
ヌマトラノオ(沼虎の尾)は、湿地や水辺に自生する多年草です。
白い花穂を直立させます。
オカトラノオより花穂の曲がりが少なく、まっすぐ立つ傾向があります。
湿り気のある場所へ向きます。
クサレダマ
クサレダマ(草連玉)は、日本の湿地に自生する多年草です。
学名はLysimachia vulgaris var. davuricaです。
草丈は80〜120cmほどになり、夏に黄色い花を咲かせます。
名前に「レダマ」と付きますが、マメ科のレダマとは異なる植物です。
リシマキア・アトロプルプレア
リシマキア・アトロプルプレアは、細長い花穂へ濃い赤紫色の花を咲かせます。
銀緑色の葉を持つ品種もあり、黄色い花が多いリシマキア属の中では個性的な花色です。
一般的なほふく性のリシマキアとは異なり、茎を立ち上げる草姿になります。
リシマキア・オーレアとミッドナイトサンの違い
リシマキア・オーレアとミッドナイトサンは、どちらも地面を這うように広がる品種です。
オーレアは、黄金色から明るい黄緑色の葉を持ちます。
ミッドナイトサンは、紫褐色から黒褐色の葉を持ちます。
どちらも黄色い花を咲かせますが、葉色によって印象が大きく異なります。
明るい寄せ植えにはオーレア、落ち着いた寄せ植えや濃色の花との組み合わせにはミッドナイトサンが向いています。
リシマキアとオカトラノオの違い
リシマキアは、オカトラノオ属に含まれる植物全体を示す名称です。
オカトラノオは、リシマキア属の一種です。
園芸店でリシマキアとして流通する植物は、オーレアなどのほふく性品種を指すことが多くあります。
オカトラノオは茎を直立させ、白い花穂を付けます。
ほふく性のリシマキアは草丈が低く、地面や鉢の縁を這うように育ちます。
リシマキアの選び方
利用目的に合う種類を選ぶ
グランドカバーや寄せ植えには、ヌンムラリアやオーレアなどのほふく性品種が適しています。
花壇へ高さを出したい場合は、プンクタータ、ファイヤークラッカー、オカトラノオなどを選びます。
湿地や水辺には、ヌマトラノオやクサレダマなどが向いています。
葉色がよい苗を選ぶ
葉色が鮮やかで、枯れ込みや斑点の少ない苗を選びます。
オーレアは明るい黄緑色、ミッドナイトサンは濃い紫褐色の葉が均一に付いた株がおすすめです。
葉色が極端に薄い株は、日照不足や肥料不足で弱っている可能性があります。
株元がしっかりした苗を選ぶ
株元から複数の芽や茎が伸びている苗を選びます。
茎が細長く間延びしている苗は、日照不足によって徒長している可能性があります。
ポットの中に根が適度に回り、株がぐらつかないものが適しています。
病害虫を確認する
葉の表と裏、茎、株元を確認します。
アブラムシ、ハダニ、白い粉、褐色の斑点などがない苗を選びましょう。
リシマキアの育て方
日当たり
リシマキアは、日当たりのよい場所から半日陰で育てられます。
花を多く咲かせたい場合は、午前中を中心に日光が当たる場所が適しています。
日照不足では茎が間延びし、花数が減ることがあります。
葉色を楽しむ品種は、光の強さによって葉色が変化します。
オーレアは日照が多いほど黄色が濃くなりますが、真夏の強い直射日光では葉焼けすることがあります。
ミッドナイトサンやファイヤークラッカーは、適度に日光へ当てると濃い葉色を保ちやすくなります。
半日陰での育て方
半日陰では、土が乾燥しにくく、葉焼けを防ぎやすくなります。
暖地では、午前中に日が当たり、午後は日陰になる場所が適しています。
暗すぎる場所では葉色が緑色に近づき、花が少なくなることがあります。
置き場所
鉢植えは、風通しのよい屋外で育てます。
ほふく性品種は、鉢の縁から茎を垂らせる台やハンギングバスケットへ置くと草姿を生かせます。
夏は西日とコンクリートの照り返しを避けます。
冬は多くの地域で屋外管理できます。
風通し
リシマキアは丈夫ですが、葉や茎が密集すると蒸れやすくなります。
伸びすぎた茎を切り戻し、株の内部へ風が通るようにします。
枯れた葉や落ち葉も早めに取り除きましょう。
リシマキアの用土
リシマキアは、適度な保水性と水はけを備えた土を好みます。
市販の草花用培養土を使用できます。
乾燥しやすい土では、生育が悪くなったり、葉先が枯れたりすることがあります。
土を配合する場合は、次の割合が目安です。
赤玉土小粒6
腐葉土3
軽石小粒またはパーライト1
ほふく性品種を鉢植えにする場合は、腐葉土をやや多めにして保水性を確保できます。
地植えでは、植え付け前に腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。
水辺を好む種類を除き、水が長期間たまる場所では根腐れすることがあります。
リシマキアの植え付け
植え付け時期
植え付けは、3月〜5月頃または9月〜10月頃が適しています。
真夏の高温期と、土が凍結する厳冬期は避けます。
ポット苗は根鉢を大きく崩さず植え付けましょう。
地植えの植え付け方法
日当たりから半日陰で、適度に湿り気のある場所を選びます。
土を20〜30cmほど耕し、腐葉土や完熟堆肥を混ぜます。
根鉢より一回り大きな植え穴を掘り、苗をポットから抜きます。
根鉢の上部と地面の高さが同じになるように植えます。
周囲へ土を戻し、植え付け後は十分に水を与えます。
株間
ほふく性品種は、株間を20〜30cmほど確保します。
直立性の種類は、30〜50cmほどが目安です。
リシマキアは成長が早いため、植え付け直後に隙間があっても徐々に広がります。
密植しすぎると蒸れや病気の原因になります。
鉢植えの植え付け方法
ほふく性品種は、5〜6号鉢へ一株が目安です。
直立性の種類は、6〜8号以上の鉢を使用します。
鉢底へ鉢底ネットと鉢底石を入れ、培養土を加えます。
苗を以前と同じ深さへ植え、株元を深く埋めないようにします。
植え付け後は、鉢底から水が流れるまで与えます。
リシマキアの水やり
水やりの基本
リシマキアは、極端な乾燥を苦手とします。
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるまで十分に与えます。
地植えでは、根付いた後は降雨だけで育てられる場合が多くあります。
夏に雨が少なく、土が強く乾燥している場合は水を与えましょう。
春の水やり
春は新芽が伸び、生育が活発になります。
鉢植えは土の表面が乾いたら水を与えます。
葉や茎が増えるにつれて土が乾きやすくなるため、状態を毎日確認しましょう。
夏の水やり
夏は水切れに注意します。
ほふく性品種は根が浅い位置へ広がるため、鉢や浅い花壇では乾燥しやすくなります。
朝の涼しい時間帯に水を与えます。
真昼の高温時に冷たい水を大量に与えることは避けましょう。
秋の水やり
秋は気温が下がり、土の乾燥が緩やかになります。
土の表面が乾いてから水を与えます。
植え付けや株分けをした株は、根付くまで乾燥させないようにします。
冬の水やり
冬に地上部が枯れる種類は、水を吸う量が減ります。
鉢植えは、土が乾いてから暖かい日の午前中に水を与えます。
常緑性のほふく性品種も、生育が緩やかな冬は水やり回数を減らします。
地植えの水やり
植え付け直後から根付くまでは、土の表面が乾いたら水を与えます。
根付いた後は、長期間雨が降らない場合を除き、基本的に水やりは必要ありません。
木の根元など乾燥しやすい場所では、土の状態を確認しましょう。
リシマキアの肥料
元肥
植え付け時に、緩効性肥料を少量土へ混ぜます。
肥料入り培養土を使用する場合は、追加の元肥を控えます。
肥料を多く与えすぎると茎葉が伸びすぎ、株が乱れることがあります。
地植えの肥料
地植えでは、肥沃な土であれば多くの肥料を必要としません。
春に新芽が伸び始めたら、緩効性肥料を少量与えます。
花付きや葉色がよい場合は、追肥を省略できます。
鉢植えの肥料
鉢植えは、春と秋の生育期に肥料を与えます。
緩効性肥料を1〜2か月に1回程度施すか、液体肥料を2〜3週間に1回程度与えます。
夏の高温期と冬の低温期は、肥料を控えます。
葉色が薄い場合
葉色が本来より薄く、生育が悪い場合は、肥料不足や根詰まりが考えられます。
肥料を追加する前に、日照、土の乾燥、根詰まりの状態も確認しましょう。
オーレアはもともと明るい葉色を持つため、黄色い葉をすべて肥料不足と判断しないことが大切です。
肥料の与えすぎに注意する
窒素肥料を与えすぎると、茎が長く伸び、花付きが悪くなることがあります。
ほふく性品種では、葉が大きくなりすぎて寄せ植えのほかの植物を覆う場合があります。
肥料は少量を守りましょう。
リシマキアの花
開花時期
リシマキアの主な開花期は、5月〜8月頃です。
種類や地域によって開花時期は異なります。
ヌンムラリアは初夏、プンクタータやオカトラノオは初夏から夏に開花します。
花を多く咲かせる方法
花を多く咲かせるには、次の管理が大切です。
葉の生育期に日光を当てる
極端な乾燥を避ける
肥料を与えすぎない
株が密集しすぎたら株分けする
古い茎を切り戻す
根詰まりを防ぐ
種類に合った日当たりへ植える
日照不足では、葉や茎は育っても花が少なくなることがあります。
花後の管理
花が咲き終わったら、花がらや花穂を切り取ります。
種を採らない場合は早めに切ると、株の消耗を抑えられます。
直立性の種類は、花後に茎を半分程度まで切り戻すと株姿を整えられます。
リシマキアの花がら摘み
ほふく性品種の花がら摘み
ヌンムラリアなどの花は、葉の付け根へ一輪ずつ咲きます。
花がらを一つずつ摘む必要はありません。
見た目が気になる場合は、花後に茎全体を軽く切り戻します。
直立性品種の花がら摘み
プンクタータやオカトラノオは、花穂や花がすべて咲き終わったら、花茎を切り取ります。
花穂の下に健康な葉を残し、その上で切ります。
種を採る場合は、一部の花穂だけを残します。
リシマキアの切り戻し
切り戻しの目的
リシマキアは成長が早く、茎が伸びすぎることがあります。
切り戻しには、次の効果があります。
株姿を整える
広がりすぎを防ぐ
風通しを改善する
蒸れを防ぐ
新しい芽を増やす
寄せ植えのほかの植物を守る
ほふく性品種の切り戻し
オーレアやミッドナイトサンは、伸びすぎた茎を好みの長さで切ります。
株元に近い部分へ葉を残して切ると、新しい枝が伸びます。
春から秋の生育期であれば、繰り返し切り戻せます。
真夏に株が弱っている場合は、強い切り戻しを避けます。
直立性品種の切り戻し
直立性の種類は、花後に花茎を半分程度まで切ります。
秋に地上部が枯れる種類は、完全に枯れてから地際で切り取ります。
春に芽が伸びすぎる場合は、開花前に先端を摘むと草丈を抑えられますが、開花時期が遅れることがあります。
広がりすぎた場合
地植えで広がりすぎた場合は、地上部だけでなく、地下茎や根も掘り取ります。
ほふく性品種は、地面に接した節から発根しているため、不要な部分を根ごと取り除きます。
花壇の境界へ根止めを設置する方法もあります。
リシマキアの花が咲かない原因
日照不足
半日陰でも育ちますが、暗すぎる場所では花が少なくなります。
花を楽しみたい場合は、午前中を中心に数時間日光が当たる場所へ移します。
肥料の与えすぎ
窒素肥料を多く与えると、茎葉ばかりが伸び、花付きが悪くなります。
肥料の量を減らし、リン酸を含む草花用肥料を少量使用します。
株が若い
植え付けたばかりの苗や、株分けしたばかりの株は、根を伸ばすことを優先して花を付けない場合があります。
翌年以降に株が充実すると、花を咲かせやすくなります。
株が密集している
地下茎やほふく茎が密集すると、株が混み合い、花付きが悪くなることがあります。
春または秋に株分けし、古い根や茎を整理します。
乾燥
生育期に水切れを繰り返すと、花芽が育たないことがあります。
鉢植えは、土の表面が乾いたら十分に水を与えます。
切り戻し時期が遅い
花芽ができた後に強く切り戻すと、その年の花が咲かないことがあります。
花を楽しみたい場合は、春の強剪定を避け、花後に切り戻します。
根詰まり
鉢の中が根でいっぱいになると、水分や養分を十分に吸収できません。
春または秋に植え替えや株分けを行います。
リシマキアの植え替え
植え替え時期
植え替えは、3月〜5月頃または9月〜10月頃が適しています。
真夏と真冬は株への負担が大きいため避けます。
植え替えの目安
鉢植えは、1〜2年に一度を目安に植え替えます。
次のような状態が見られたら、植え替えを検討します。
鉢底から根が出ている
水が土へ染み込みにくい
水やり後すぐに乾く
茎や葉が小さくなった
花付きが悪くなった
鉢の中が地下茎でいっぱいになった
植え替え方法
株を鉢から抜き、古い土を軽く落とします。
黒く傷んだ根や、枯れた地下茎を取り除きます。
株を大きくしたい場合は、一回り大きな鉢へ植え替えます。
大きさを保ちたい場合は、株分けして同じ大きさの鉢へ植え直します。
植え替え後は十分に水を与え、数日間は明るい日陰で管理します。
リシマキアの増やし方
株分け
リシマキアは、株分けで簡単に増やせます。
適期は3月〜5月頃または9月〜10月頃です。
株を掘り上げ、芽と根が付くように数株へ分けます。
小さく分けすぎると回復に時間がかかるため、数本の芽をまとめて分けます。
ほふく茎で増やす
ほふく性品種は、地面へ接した茎の節から根を出します。
根付いた部分を切り離し、別の鉢や場所へ植えれば増やせます。
根が十分に伸びてから切り離すと、植え付け後の生育が安定します。
挿し芽
5月〜7月頃または9月頃に、健康な茎を5〜10cmほど切ります。
下部の葉を取り除き、赤玉土小粒や挿し木用土へ挿します。
明るい日陰で乾燥させないように管理すると、比較的容易に発根します。
水挿し
ほふく性品種は、水挿しでも発根することがあります。
茎の下部の葉を取り、節が水へ浸かるようにします。
水を定期的に交換し、根が数cm伸びたら土へ植え付けます。
種まき
種類によっては、種まきで増やせます。
採取した種を秋または春にまきます。
園芸品種から採取した種は、親株と同じ葉色や花色にならない場合があります。
家庭では、株分けや挿し芽のほうが簡単です。
リシマキアの夏越し
夏の強い日差しを避ける
多くのリシマキアは暑さに耐えますが、オーレアなど明るい葉色の品種は、真夏の直射日光で葉焼けすることがあります。
暖地では、午前中に日が当たり、午後は日陰になる場所へ移します。
水切れを防ぐ
夏は土が乾きやすくなります。
特に鉢植えやハンギングバスケットは、毎日土の状態を確認します。
水切れすると、葉がしおれ、葉先から茶色く枯れます。
蒸れを防ぐ
茎葉が密集している場合は、軽く切り戻して風通しを改善します。
枯れ葉や傷んだ茎を取り除きます。
鉢を壁際へ密着させず、鉢同士の間隔を空けましょう。
夏の肥料
真夏に生育が弱っている場合は、肥料を控えます。
高温期に肥料を与えすぎると、根が傷むことがあります。
秋に新しい芽が伸び始めてから追肥を再開します。
リシマキアの冬越し
地植えの冬越し
多くのリシマキアは耐寒性が強く、地植えのまま冬越しできます。
直立性の種類は、秋から冬に地上部が枯れることがあります。
完全に枯れた茎は、地際から切り取ります。
地下の根や地下茎が生きていれば、春に新芽を出します。
ほふく性品種の冬越し
オーレアやミッドナイトサンは、地域によって常緑または半常緑で冬を越します。
寒さで葉が茶色く傷むことがありますが、根が生きていれば春に回復します。
寒冷地では、株元へ腐葉土やバークチップを敷いて防寒します。
鉢植えの冬越し
鉢植えは、土が凍結し続けない軒下へ移すと安心です。
耐寒性があるため、暖房の効いた室内へ入れる必要はありません。
冬も土を完全に乾燥させず、暖かい日の午前中に水を与えます。
冬の肥料
冬の低温期は肥料を与えません。
春に新芽が伸び始めてから、緩効性肥料を少量施します。
リシマキアの病気
うどんこ病
うどんこ病は、葉や茎へ白い粉をまぶしたような症状が現れる病気です。
株が密集し、風通しが悪い環境で発生しやすくなります。
症状のある葉を取り除き、伸びすぎた茎を切り戻します。
灰色かび病
灰色かび病は、葉、茎、花へ灰色のかびが発生する病気です。
低温多湿、長雨、枯れた花や葉の放置などが原因になります。
発病した部分を取り除き、株の風通しを改善します。
葉枯病
葉枯病では、葉へ褐色の斑点が現れ、症状が広がると葉が枯れます。
葉が長時間ぬれた状態や、株が密集した環境で発生しやすくなります。
水やりでは株元へ水を与えます。
根腐れ
根腐れは、水はけの悪い土や過湿によって発生します。
土が湿っているのに葉がしおれる場合は、根腐れの可能性があります。
鉢植えでは、腐った根を取り除き、水はけのよい新しい土へ植え替えます。
リシマキアの害虫
アブラムシ
アブラムシは、新芽、花茎、つぼみへ発生します。
植物の汁を吸い、茎や葉を変形させます。
見つけたら早めに取り除きましょう。
ハダニ
ハダニは、高温で乾燥した時期に発生します。
葉の裏から汁を吸い、葉の表面が白っぽくかすれます。
鉢植えや軒下で管理する株は、葉の裏を定期的に確認します。
ナメクジ
ナメクジは、柔らかい葉や新芽を食害します。
地面を這う品種は被害を受けやすくなります。
鉢の下、落ち葉、石の陰などの隠れ場所を減らします。
ヨトウムシ
ヨトウムシは、夜間に葉を食害します。
昼間は株元や土の中へ隠れます。
葉に大きな穴が開いた場合は、夜間に株を確認しましょう。
リシマキアが枯れる原因
水切れ
リシマキアが枯れる主な原因の一つが水切れです。
ほふく性品種は根が浅く、鉢植えや浅い土では乾燥しやすくなります。
葉がしおれ、葉先が茶色くなった場合は、土の乾燥を確認します。
水の与えすぎ
湿り気を好みますが、水が長期間たまる土では根腐れを起こします。
土が湿っているのに株がしおれる場合は、根が傷んでいる可能性があります。
水はけのよい土を使用しましょう。
強い直射日光
オーレアなど黄金葉の品種は、真夏の強い日差しで葉焼けすることがあります。
葉が白く抜ける、茶色く焦げる場合は、明るい半日陰へ移します。
日照不足
暗い場所では茎が細長く伸び、葉色が悪くなります。
ミッドナイトサンなど濃色葉の品種は、日照不足で緑色に近づくことがあります。
急に強い日光へ当てず、少しずつ明るい場所へ移します。
蒸れ
茎や葉が密集すると、株元へ湿気がこもります。
葉が黄色くなり、病気や茎腐れが発生することがあります。
伸びすぎた茎を切り戻し、風通しを確保します。
根詰まり
鉢の中が根や地下茎でいっぱいになると、水切れを起こしやすくなります。
葉が小さくなったり、生育が止まったりした場合は、植え替えや株分けを行います。
肥料の与えすぎ
肥料を多く与えると、根が傷み、葉先が枯れることがあります。
弱っている株や高温期には肥料を与えません。
冬の自然な休眠
直立性のリシマキアは、冬に地上部が枯れることがあります。
秋から冬に茎葉が黄色くなった場合は、病気ではなく自然な休眠である可能性があります。
地上部が完全に枯れた後に切り取り、春の芽吹きを待ちます。
病害虫
うどんこ病、根腐れ、アブラムシ、ナメクジなどの被害が広がると株が弱ります。
葉、茎、株元を定期的に確認し、早めに対処しましょう。
リシマキアをグランドカバーとして育てる方法
植える場所
グランドカバーには、リシマキア・ヌンムラリアやオーレアなどのほふく性品種を使用します。
明るい半日陰や、午前中に日が当たる場所が適しています。
適度に湿り気があり、極端に乾燥しない土へ植えます。
植え付け間隔
株間を20〜30cmほど空けて植えます。
植え付け直後は隙間がありますが、ほふく茎を伸ばして徐々に地面を覆います。
早く覆いたい場合でも、密植しすぎると蒸れやすくなります。
踏みつけへの強さ
リシマキアは地面を覆いますが、芝生のような強い踏みつけには向きません。
人が頻繁に歩く場所では茎が切れ、土が踏み固められます。
園路の脇、飛び石の周囲、花壇の縁などへ植えましょう。
広がりを抑える方法
花壇の外へ広がった茎は、定期的に切り取ります。
地面へ根付いた節も掘り取ります。
必要に応じて根止めを設置したり、鉢ごと地面へ埋めたりすると、広がる範囲を制限できます。
リシマキアを鉢植えや寄せ植えで楽しむ方法
鉢の縁から垂らす
ほふく性品種は、鉢の縁へ植えると茎が外側へ垂れます。
オーレアの明るい葉や、ミッドナイトサンの濃い葉を生かした立体的な寄せ植えを作れます。
ハンギングバスケットへ植える
ほふく茎を長く垂らせるため、ハンギングバスケットにも向いています。
夏は乾燥しやすいため、水切れに注意します。
茎が伸びすぎたら、好みの長さへ切り戻します。
寄せ植えに利用する
リシマキア・オーレアは、明るい葉色で寄せ植え全体を引き立てます。
相性のよい植物には、次のようなものがあります。
ヒューケラ
ギボウシ
アジュガ
ビオラ
パンジー
ネメシア
ロベリア
ペチュニア
カリブラコア
ベゴニア
コリウス
アイビー
生育が旺盛なため、ほかの植物を覆う前に切り戻します。
湿り気のある花壇へ植える
オカトラノオ、ヌマトラノオ、クサレダマなどは、湿り気のある花壇や水辺の植栽に向きます。
シダ類、ギボウシ、アスチルベなどと組み合わせると、自然な雰囲気を作れます。
リシマキアの花言葉
リシマキアの代表的な花言葉には、「強気」「勝負好き」「勝負強い」などがあります。
地面を力強く広がる性質や、丈夫に育つ姿に由来すると考えられています。
オカトラノオには、「忠実」「貞操」「優しい風情」などの花言葉が紹介されることもあります。
花言葉の内容は、種類や資料によって異なる場合があります。
まとめ
リシマキアは、黄色い花や美しい葉を楽しめる、サクラソウ科オカトラノオ属の植物です。
地面を這うほふく性の種類と、茎を立ち上げる直立性の種類があります。
グランドカバーとして人気のリシマキア・ヌンムラリアは、丸い葉を連ねながら広がります。オーレアは黄金色から黄緑色、ミッドナイトサンは紫褐色の葉が特徴です。
直立性のプンクタータやファイヤークラッカーは黄色い花を咲かせ、オカトラノオは白く曲がった花穂を付けます。
日当たりから半日陰で育てられ、適度に湿り気のある土を好みます。鉢植えでは、土の表面が乾いたら十分に水を与えます。
肥料は春と秋に少量与えます。肥料を多く与えると茎葉が伸びすぎ、花付きが悪くなることがあります。
成長が早く、ほふく茎や地下茎で広がるため、伸びすぎた茎は定期的に切り戻します。地植えで広がりすぎた場合は、根や地下茎も掘り取ります。
増やす場合は、株分け、ほふく茎の切り離し、挿し芽が簡単です。
多くの種類は耐寒性が強く、地植えのまま冬越しできます。直立性の種類は冬に地上部が枯れても、春になると地下の根から新芽を伸ばします。
乾燥、過湿、真夏の葉焼け、株の蒸れに注意すれば、花壇、鉢植え、寄せ植え、グランドカバーとして長く楽しめます。