アゾラ・クリスタータとは?特徴や在来種との違い、特定外来生物としての注意点を解説

アゾラ・クリスタータとは?特徴や在来種との違い、特定外来生物としての注意点を解説

アゾラ・クリスタータ

画像:AI作成

アゾラ・クリスタータは、水面に浮かんで生育する小さなシダ植物です。細かな葉が重なり、条件によって緑色から赤みを帯びた色へ変化します。

一見すると観賞用の浮草のようですが、日本では特定外来生物に指定され、栽培や運搬などが原則として禁止されています。また、よく似た在来のアカウキクサ類があるため、見た目だけで判断して取り除くことにも注意が必要です。

この記事では、アゾラ・クリスタータの基本情報と生態、見分ける際の注意点、見つけたときの対応を紹介します。

アゾラ・クリスタータの基本情報

  • 植物名:アゾラ・クリスタータ

  • 学名:Azolla cristata

  • 別名:アメリカオオアカウキクサ

  • 漢字表記:アメリカ大赤浮草

  • 分類:シダ植物

  • 科名:サンショウモ科。分類体系や資料によってはアカウキクサ科

  • 属名:アカウキクサ属

  • 原産地:南北アメリカ

  • 生育形態:水面に浮かぶ浮遊性の水生植物

  • 主な生育場所:池、水路、水田など

  • 開花:花は咲かない

  • 法律上の扱い:特定外来生物

「アゾラ」はアカウキクサ属を指す名前としても使われます。アゾラと呼ばれる植物が、すべてアゾラ・クリスタータというわけではありません。

アゾラ・クリスタータの特徴

水面に浮かんで広がる小さなシダ植物

細かく枝分かれする茎に小さな葉が重なり、水面に浮かんで育ちます。水中には根を伸ばしますが、通常の庭草のように土へ根を張って立ち上がる植物ではありません。

一つひとつは小さくても、多数が集まると水面を覆うようになります。風や水の流れで岸辺へ寄せられ、厚く重なって見える場合もあります。

緑色から赤みを帯びた色へ変化する

葉は常に赤いわけではなく、緑色の状態も見られます。光や温度、生育状態などによって赤みを帯び、群落全体が赤褐色に見えることがあります。

ただし、赤くなる性質はほかのアカウキクサ類にもあります。「水面に赤い浮草がある」というだけでは、本種と判断できません。

花や種子ではなく、胞子をつくる植物

アゾラ・クリスタータはシダ植物のため、花を咲かせず、種子もつくりません。生活環の中で胞子を形成します。

また、植物体が分かれることによっても増えます。そのため、種子ができないから広がらない、ということにはなりません。小さな植物片の移動にも注意が必要です。

窒素固定を行う微生物と共生する

アカウキクサ類は、葉の内部に共生するシアノバクテリアの働きによって、大気中の窒素を利用できます。

この性質から、アゾラ類は農業利用の対象にもなってきました。ただし、有用な性質があることと、日本で自由に利用できることは別です。アゾラ・クリスタータには外来生物法による規制があります。

なぜ特定外来生物に指定されているの?

水面を覆い、ほかの植物の生育に影響する

大量に増えて水面を覆うと、水中へ届く光が少なくなり、ほかの水生植物の生育環境を変えてしまいます。

また、在来のアカウキクサ類と生育場所が重なることも問題です。小さな浮草でも、水面を広く占めることで地域の植物相へ影響する可能性があります。

水路や農業施設の管理に支障を与える

増殖した植物体が集積すると、取水口や水路の流れを妨げる原因になります。流れの緩やかな水域では、除去しても残った植物体から再び増える場合があります。

農林水産省は、通水障害を起こす外来生物の一つとして、アゾラ・クリスタータの確認ポイントを紹介しています。

詳しくは、農林水産省「アゾラ・クリスタータの見分け方」で確認できます。

在来のアカウキクサ類との違い

色や大きさだけでは見分けにくい

日本には、在来のアカウキクサ類も分布しています。中には保全が必要なものもあり、外来種だと思い込んで一律に除去するのは適切ではありません。

見分ける際には、次のような特徴を組み合わせて確認します。

  • 植物体全体の形。

  • 枝分かれの仕方。

  • 葉の表面にある毛などの細かな構造。

  • 根の特徴。

  • 必要に応じて胞子に関わる構造。

細部の観察や専門的な判断が必要になるため、一般的な写真や植物識別アプリだけで確定するのが難しい場合もあります。

分類や名前の扱いが複雑な仲間

アカウキクサ類には、分類の見直しや学名の変更があり、古い資料と新しい資料で名前の対応が異なる場合があります。また、外来アゾラ類には雑種として扱われるものもあります。

「アゾラ」「赤い浮草」「オオアカウキクサ」といった呼び名だけで、規制対象かどうかを判断しないことが大切です。

同定や法律上の扱いが不明な場合は、自治体や地方環境事務所へ確認しましょう。

栽培や販売はできる?

一般家庭での栽培は原則禁止

アゾラ・クリスタータは、特定外来生物として規制されています。観賞用の水槽や庭の池などで、自由に育てることはできません。

主に、次のような行為が規制の対象になります。

  • 観賞用や農業用として栽培する。

  • 生きた植物体を保管・運搬する。

  • 野外へ放つ。

  • 販売したり、人に譲ったりする。

  • 海外から輸入する。

研究目的などで許可される場合はありますが、「屋内から出さない」「少量だけ育てる」という理由で規制がなくなるわけではありません。

指定対象は環境省「特定外来生物等一覧」、規制内容は環境省「何が禁止されているの?」で確認できます。

水草や農業資材としての持ち込みに注意する

名前が分からない浮草を、池や水田から採って持ち帰ることは避けましょう。

また、別の水草や水生植物を移動する際に、小さなアゾラ類が付着している場合もあります。知らない浮草が混じっていたときは、そのまま別の水域へ移さず、種類を確認することが大切です。

アゾラ・クリスタータを見つけたときの対処法

採取して持ち歩かず、写真を撮る

疑わしい植物を見つけたら、まず現場で写真を撮ります。

  • 水域全体と広がっている範囲。

  • 水面に浮かんでいる状態。

  • 可能な範囲で葉や植物体の拡大写真。

  • 発見場所と発見日。

確認のために、生きた植物を自宅や相談窓口へ持ち込むのは避けてください。まず写真で相談し、必要な調査方法について案内を受けましょう。

池や水路では管理者へ連絡する

公共の池、水路、農業用施設などで見つけた場合は、管理者や自治体へ連絡します。

自己判断で大量にすくい上げたり、下流へ流したりすると、植物体を広げるおそれがあります。似た在来植物を誤って除去する可能性もあるため、種類を確認してから対策を進めます。

庭の池でも排水による拡散を防ぐ

庭の池や容器で発生した場合は、植物体を側溝や川へ流さないことが重要です。

  • 植物体を含む水を、そのまま外へ排出しない。

  • 使用した網や容器に植物片を残して別の場所で使わない。

  • 生きた植物体を堆肥や花壇へ混ぜない。

  • 知人に分けたり、別の池へ移したりしない。

具体的な回収、枯死処理、運搬、廃棄の方法は、自治体や地方環境事務所に確認してください。見た目が乾いたことだけで、完全に死滅したと判断しないようにしましょう。

よくある質問

赤い浮草はすべてアゾラ・クリスタータですか?

違います。ほかのアカウキクサ類も赤みを帯びます。反対に、アゾラ・クリスタータが緑色の状態で生育していることもあります。色だけでの判別はできません。

アゾラ属の植物はすべて栽培禁止ですか?

アカウキクサ属全体が、特定外来生物として一括指定されているわけではありません。ただし、種類や雑種の確認が難しい仲間なので、名前の分からない株を安易に入手することは避けましょう。

寒くなれば自然になくなるので、放置してもよいですか?

季節によって見える量が減っても、それだけで完全に消失したとは判断できません。別の場所へ流出している可能性もあります。確認された場合は、管理者や自治体と対応を検討してください。

まとめ

アゾラ・クリスタータは、水面に浮かんで増える小型のシダ植物です。赤みを帯びた群落が目を引きますが、日本では特定外来生物に指定され、栽培や運搬などが原則として禁止されています。

一方で、似た在来植物もあるため、赤い浮草を見つけたからといって、すぐに駆除すればよいわけではありません。

見つけたときは、持ち帰らず、広げず、まず写真で確認することが基本です。正確な見分けと適切な処理が、水辺の環境を守ることにつながります。

botanny

「BOTANICA」の編集者です。本記事はAIを活用した記事です。内容に誤りがある場合には、コメント欄、あるいはお問合せよりお知らせください。

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