グラジオラス(唐菖蒲)の育て方|夏に長い花穂を咲かせる球根の植え付けと管理
グラジオラスの育て方|夏に長い花穂を咲かせる球根植物の管理方法
グラジオラスは、まっすぐ伸びる花茎に大きな花を連ねて咲かせる球根植物です。赤色、桃色、白色、黄色、橙色、紫色、緑色、複色など花色が豊富で、夏の花壇や切り花として親しまれています。
花茎は下から上へ順に開花し、品種によっては草丈が1mを超えます。花壇の後方へ植えると立体感が生まれ、切り花にすると豪華な花姿を長く楽しめます。
春に球根を植え付け、夏に開花する春植え球根が一般的です。日当たりと水はけのよい場所を好み、成長期には適度な水分と肥料を必要とします。草丈が高くなるため、強風や大雨による倒伏対策も大切です。
この記事では、グラジオラスの特徴、種類、植え付け、水やり、肥料、支柱、花後の管理、球根の掘り上げ、保存、増やし方、花が咲かない原因、病害虫まで詳しく解説します。
グラジオラスの基本情報
和名:トウショウブ(唐菖蒲)
流通名:グラジオラス
学名:Gladiolus spp.
科名:アヤメ科
属名:グラジオラス属
分類:多年草、球根植物
原産地:南アフリカ、地中海沿岸、熱帯アフリカなど
草丈:50cm〜150cm程度。品種により異なる
株幅:10cm〜30cm程度
開花期:6月〜10月頃。植え付け時期と品種により異なる
花色:赤色、桃色、白色、黄色、橙色、紫色、緑色、複色
植え付け時期:3月〜6月頃
球根の掘り上げ時期:10月〜12月頃。地上部が黄変した後
成長速度:早い
耐寒性:弱い〜普通。品種や地域により異なる
耐暑性:強い
栽培難易度:初心者向き。日当たり、水はけ、倒伏対策、球根の保存がポイント
グラジオラスとは?
グラジオラスは、アヤメ科グラジオラス属に分類される球根植物です。
細長く剣のような葉を伸ばし、株の中心から太い花茎を立ち上げます。花茎には多くのつぼみが並び、下から上へ順に開花します。
地下には、一般的な球根とは少し異なる球茎を持ちます。球茎は茎の一部が肥大したもので、生育中に新しい球茎と小さな木子を作ります。
春に植え付けた球茎は、夏に葉と花茎を伸ばし、開花後に新しい球茎へ養分を蓄えます。
冬の寒さに弱い品種が多いため、寒冷地では秋に球根を掘り上げ、凍らない場所で保存します。
グラジオラスの特徴
長い花穂へ大きな花を咲かせる
グラジオラスは、一本の花茎へ多くの花をつけます。
花は下から上へ順に咲くため、比較的長期間観賞できます。
大輪品種では一輪の花が大きく、花壇でも切り花でも強い存在感があります。
花色が豊富
赤色、桃色、白色、黄色、橙色、紫色、緑色など、幅広い花色があります。
花びらの中心に異なる色が入る品種、覆輪、絞り、グラデーションなどもあります。
複数の品種を組み合わせると、夏の花壇を華やかに彩れます。
切り花に向いている
花茎が長く、花もちも比較的よいため、切り花として広く利用されます。
つぼみが多く残った状態で切ると、花瓶の中でも下から順に開花します。
仏花、花束、フラワーアレンジメントなど幅広い用途があります。
植え付け時期をずらして長く咲かせられる
グラジオラスは、植え付けから開花までの日数が比較的読みやすい球根植物です。
2週間程度ずつ時期をずらして植えると、開花時期を分散できます。
一度にすべて咲かせず、夏から秋まで順番に花を楽しめます。
草丈が高く倒れやすい
高性品種は草丈が1mを超えます。
大きな花と長い葉が風を受けるため、強風や大雨で倒れる場合があります。
深めに植え、支柱を早めに立てることが大切です。
木子で増やせる
親球の周囲に小さな木子ができます。
木子を植えて育てると、数年後に花を咲かせる球根へ成長します。
グラジオラスの主な種類
夏咲きグラジオラス
春に球根を植え、夏から秋に花を咲かせる一般的なタイプです。
大輪で花色が豊富な園芸品種が多く、花壇や切り花に向いています。
耐寒性はあまり強くなく、寒冷地では掘り上げて保存します。
春咲きグラジオラス
秋に植え付け、春に花を咲かせる系統です。
南アフリカ原産の原種や原種系品種が多く、一般的な夏咲き種より繊細な花姿を持ちます。
寒さや高温多湿に弱い種類もあるため、品種に合った管理が必要です。
大輪咲き品種
花径が大きく、花茎も高く伸びます。
花壇の後方、切り花、豪華なアレンジメントに向いています。
花と茎の重みで倒れやすいため、支柱が必要です。
中輪・小輪咲き品種
花はやや小さいものの、軽やかで自然な印象があります。
大輪品種より倒れにくく、狭い花壇や鉢植えにも利用しやすいタイプです。
矮性グラジオラス
草丈が低く、鉢植えや花壇の前方に向く品種です。
一般的な高性品種より支柱の必要性が少なく、限られた場所でも育てやすくなります。
原種系グラジオラス
小さく繊細な花や、芳香を持つ種類があります。
一般的な園芸品種とは異なる素朴な姿が魅力です。
種類によって開花期や耐寒性が異なります。
グラジオラスの育て方
日当たり
グラジオラスは、日当たりのよい場所を好みます。
一日6時間以上日が当たる場所が理想です。
日照不足になると、葉や花茎が細く伸び、花数が減ります。
半日陰でも育つ場合がありますが、花茎が倒れやすくなります。
風通し
風通しのよい場所で育てます。
葉が密集し、湿気がこもると、病気が発生しやすくなります。
ただし、強風が直接当たる場所では、長い花茎が折れることがあります。
建物や低い植栽で風を和らげられる場所が適しています。
用土
水はけがよく、適度な保水性と肥沃さのある土を好みます。
庭植えでは、腐葉土や完熟堆肥を混ぜて土を耕しましょう。
粘土質で水がたまりやすい場所では、軽石、川砂、腐葉土などを混ぜて排水性を改善します。
鉢植えでは、草花用培養土を利用できます。
用土を配合する場合は、次の割合が目安です。
赤玉土小粒:5
腐葉土:3
軽石またはパーライト:2
土壌の酸度
弱酸性から中性付近の土を好みます。
極端な酸性土では、生育が悪くなる場合があります。
庭植えでは、必要に応じて植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を少量混ぜましょう。
グラジオラスの球根
グラジオラスの球根は、正確には球茎と呼ばれます。
球茎は円盤状から丸みのある形をしており、上部から芽、下部から根が出ます。
生育後には古い球茎の上へ新しい球茎が作られます。
周囲には木子と呼ばれる小さな球茎ができます。
球根の選び方
硬く締まり、大きく厚みのある球根を選びます。
次のような球根は避けましょう。
全体がやわらかい
黒く腐っている
カビが広がっている
異臭がする
傷が多い
極端に薄くしなびている
大きく充実した球根ほど、太い花茎と多くの花をつけやすくなります。
球根の上下
尖った芽のある側を上にします。
根が出る平らな面を下にしましょう。
上下が分かりにくい場合は、球根を横向きに植えると、芽が自然に上へ伸びます。
グラジオラスの植え付け
植え付け時期
夏咲きグラジオラスは、3月〜6月頃に植え付けます。
遅霜の心配が少なくなり、地温が上がってから植えましょう。
寒い土へ早く植えると、発芽が遅れたり球根が腐ったりする場合があります。
暖地では3月下旬頃、寒冷地では4月下旬〜5月頃が目安です。
開花時期をずらす植え方
一度にすべての球根を植えず、2週間程度ずつ分けて植え付けます。
3月下旬、4月中旬、5月上旬などに分けると、開花時期も順番にずれます。
品種によって開花までの日数が異なるため、球根の説明も確認しましょう。
植え付けの深さ
一般的には、球根の上へ5cm〜10cm程度の土がかかる深さへ植えます。
球根の高さの2倍〜3倍程度の深さが目安です。
高性品種や風の強い場所では、やや深めに植えると倒れにくくなります。
浅植えすると花茎が不安定になります。
植え付け間隔
球根同士を10cm〜15cm程度離して植えます。
大輪品種や大きな球根では、15cm〜20cm程度の間隔を確保しましょう。
密植すると風通しが悪くなり、花茎も細くなります。
庭植えの方法
日当たりと水はけのよい場所を選びます。
土を深く耕し、腐葉土、完熟堆肥、緩効性肥料を混ぜましょう。
球根の芽を上へ向け、品種に合った深さへ植えます。
土を戻して軽く押さえ、植え付け後はたっぷりと水を与えましょう。
列状に植える場合は、支柱を立てる位置も考えて配置します。
鉢植えの方法
高性品種は、深さと安定感のある大きめの鉢を選びます。
8号〜10号程度の鉢へ、3球〜5球を目安に植えられます。
矮性品種は、やや小さな鉢でも育てられます。
鉢底穴を鉢底ネットで覆い、鉢底石と培養土を入れましょう。
球根を均等に並べ、上から5cm〜8cm程度の土をかけます。
植え付け後はたっぷりと水を与えます。
水やり
基本の水やり
鉢植えでは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
庭植えでは、植え付け後から発芽するまで、土が極端に乾燥しないように管理しましょう。
根付いた後も、つぼみが育つ時期や開花期に水切れすると、花が小さくなる場合があります。
植え付け直後の水やり
植え付け後は、土と球根をなじませるために水を与えます。
その後は、土の表面が乾くまで追加の水やりを控えましょう。
発芽前に土が湿り続けると、球根が腐る場合があります。
春の水やり
発芽後は、土の表面が乾いたら水を与えます。
葉が伸び始めると、必要な水分量も増えます。
庭植えでも、雨が少なく乾燥する時期は株元へ水を与えましょう。
梅雨時期の水やり
梅雨は自然の雨で土が湿ります。
庭植えでは、基本的に水やりは必要ありません。
鉢植えも、土が湿っている場合は水を与えないようにしましょう。
排水性が悪いと、球根腐敗や病気が起こりやすくなります。
夏の水やり
開花期の夏は、水切れに注意します。
鉢植えでは、朝に土の状態を確認し、乾いていればたっぷりと水を与えましょう。
猛暑日には夕方にも乾燥状態を確認します。
庭植えでは、乾燥が続く場合に株元へ十分に水を与えます。
秋の水やり
花後も葉が緑色の間は、水やりを続けます。
葉は光合成を行い、新しい球根へ養分を蓄えています。
葉が黄色くなり始めたら、水やりの回数を減らしましょう。
冬の水やり
球根を掘り上げて保存する場合は、水やりを行いません。
暖地で地中へ残す場合も、休眠中は自然の雨に任せます。
鉢植えのまま越冬させる場合は、土を乾燥気味に保ちましょう。
肥料
グラジオラスは、大きな葉と花茎を育てるため、適度な肥料を必要とします。
植え付け時に、緩効性肥料を元肥として混ぜます。
葉が3枚〜4枚程度になった頃に、最初の追肥を行いましょう。
つぼみが見え始める前にも、少量の追肥を行うと花つきがよくなります。
花後は、球根を充実させるために、カリウムを含む肥料を少量与えられます。
窒素肥料を与えすぎると、葉ばかりが伸び、花茎が軟弱になります。
肥料は株元や球根へ直接触れないように施しましょう。
グラジオラスの花
グラジオラスの花は、長い花茎の下部から上部へ順に開花します。
一つの花がしおれても、上部のつぼみが次々に開きます。
品種によっては、一つの花茎に10輪以上の花をつけます。
花穂全体が咲き上がるまで長く楽しめます。
花がら摘み
下部の花がしおれたら、一輪ずつ摘み取ります。
花がらを残すと種を作り、球根の養分が使われます。
種を採取しない場合は、早めに取り除きましょう。
すべての花が終わったら、花茎だけを切り取ります。
葉は球根を育てるために残しましょう。
花後の花茎の切り方
花がすべて終わったら、花茎を葉の付け根近くで切り取ります。
葉を一緒に切らないように注意しましょう。
花後の葉は、新しい球根へ養分を蓄える重要な役割があります。
葉が自然に黄色くなるまで残します。
グラジオラスの支柱立て
支柱が必要な理由
高性品種は、長い花茎と大きな花によって重心が高くなります。
強風、大雨、土のゆるみなどによって倒れやすくなります。
倒れると花茎が折れ、球根も傷む場合があります。
支柱を立てる時期
花茎が大きく伸びる前に立てます。
葉が30cm〜40cm程度になった頃が目安です。
開花直前に無理に支柱を入れると、球根や根を傷つける場合があります。
支柱の立て方
株から少し離れた場所へ支柱を差し込みます。
花茎と支柱を、ひもで8の字に緩く結びましょう。
複数株を列状に植えた場合は、両端と途中へ支柱を立て、ひもで囲む方法もあります。
倒れにくくする植え方
球根を適切な深さへ植えます。
浅植えを避け、日当たりのよい場所で丈夫な花茎を育てましょう。
肥料を与えすぎないことも大切です。
切り花として楽しむ方法
切る時期
花穂の一番下の花が開き始めた頃に切ると、花瓶の中で上部のつぼみも順番に開きます。
すべての花が開いてから切ると、観賞期間が短くなります。
切り方
清潔なハサミやナイフを使い、花茎を斜めに切ります。
球根を育てるため、株には葉を3枚〜4枚以上残しましょう。
葉をすべて切ると、翌年の球根が充実しません。
花瓶で長持ちさせる方法
花瓶と水を清潔に保ちます。
水へ浸かる下葉を取り除き、毎日または数日ごとに水を交換しましょう。
花茎の切り口を少し切り戻すと、水を吸いやすくなります。
しおれた下の花は、順番に摘み取ります。
グラジオラスの掘り上げ
掘り上げが必要な理由
夏咲きグラジオラスの多くは、強い霜や凍結を苦手とします。
寒冷地では、球根を地中へ残すと腐敗や凍結で傷む場合があります。
掘り上げることで、球根の状態を確認し、病気の球根を取り除けます。
掘り上げ時期
花後すぐには掘り上げません。
葉が黄色くなり、地上部が枯れ始めてから掘り上げます。
一般的には、10月〜12月頃が目安です。
強い霜が降りる前に作業しましょう。
掘り上げ方法
晴天が続き、土が乾いている日に行います。
株元から少し離れた場所へスコップを入れ、球根を傷つけないように掘り上げます。
葉と茎を数センチ残して切り、土を軽く落としましょう。
古い球根の処理
生育後には、新しい球根の下へ古い球根が残ります。
乾燥後、古い球根を新しい球根から取り外します。
腐った部分や病斑のある球根は処分しましょう。
木子の分離
親球の周囲にできた小さな木子を分けます。
大きめの木子は翌春に植え付けられます。
小さな木子は開花まで数年かかる場合があります。
球根の保存方法
掘り上げた球根は、風通しのよい日陰で1週間〜2週間程度乾燥させます。
土や古い根を取り除き、ネット袋、紙袋、浅い箱などへ入れましょう。
凍結せず、湿気の少ない涼しい場所で保存します。
保存温度は5℃〜10℃程度が目安です。
密閉したビニール袋へ入れると蒸れて腐る場合があります。
保存中も定期的に確認し、やわらかくなった球根やカビの出た球根を取り除きましょう。
植えっぱなしで育てる方法
暖地で土が凍らない場所では、球根を植えっぱなしにできる場合があります。
水はけのよい場所を選び、冬は株元へ腐葉土や落ち葉を敷いて防寒しましょう。
雨がたまりやすい場所では、冬の過湿で球根が腐ることがあります。
植えっぱなしでは球根が混み合い、花が小さくなる場合があります。
2年〜3年に1回を目安に掘り上げ、球根を整理しましょう。
グラジオラスの増やし方
分球
成長した親球の周囲にできた新しい球根を分けて増やせます。
掘り上げ後に球根を整理し、翌春に植え付けましょう。
大きな球根は翌年に開花しやすくなります。
木子
小さな木子を植えて育てられます。
春に2cm〜3cm程度の深さへ植え、葉を育てましょう。
小さな木子は、開花まで2年〜3年程度かかる場合があります。
種まき
種から育てることもできますが、開花まで数年かかります。
園芸品種では、親株と異なる花色や花形になる場合があります。
一般家庭では、分球や木子による繁殖が向いています。
グラジオラスが咲かない原因
日照不足
日当たりが悪いと、葉は伸びても花茎が出にくくなります。
一日6時間以上日が当たる場所へ植えましょう。
球根が小さい
小さな球根や木子は、葉だけを伸ばして花を咲かせない場合があります。
葉を十分に育て、球根が充実するのを待ちましょう。
植え付け時期が遅い
植え付けが遅すぎると、生育期間が短くなります。
花芽が育つ前に気温が下がり、開花しない場合があります。
肥料不足
葉色が薄く、株全体の成長が弱い場合は、肥料不足が考えられます。
生育期に適量の肥料を与えましょう。
窒素肥料が多すぎる
葉ばかりが大きく育ち、花が咲かない場合があります。
肥料の成分と量を見直しましょう。
水切れ
葉と花茎が伸びる時期に水切れを繰り返すと、花芽が育ちません。
特に鉢植えは、夏の乾燥に注意しましょう。
球根が腐っている
過湿や病気によって球根が傷むと、芽は出ても十分に育たない場合があります。
掘り上げて球根の状態を確認しましょう。
前年に葉を早く切った
花後の葉を早く切ると、球根へ十分な養分が蓄えられません。
翌年の花が少なくなったり、咲かなかったりする場合があります。
花茎が曲がる原因
日照不足
光の方向へ向かって花茎が曲がります。
鉢植えは定期的に向きを変えると、まっすぐ育ちやすくなります。
つぼみがついた後に急に向きを変えると、花茎が不自然に曲がることがあります。
強風
長い花茎が風にあおられ、曲がる場合があります。
早めに支柱を立てましょう。
浅植え
球根が浅い位置にあると、株元が安定しません。
適切な深さへ植えることが大切です。
肥料過多
窒素肥料が多いと、茎が軟弱に伸びます。
肥料を控えめにし、日当たりを確保しましょう。
葉が黄色くなる原因
花後の自然な変化
花後から秋に葉が黄色くなる場合は、休眠へ向かう自然な変化です。
葉が完全に黄色くなるまで残し、球根へ養分を蓄えさせましょう。
水切れ
生育中に土が極端に乾燥すると、葉先や下葉から黄色くなります。
土が乾いている場合は、たっぷりと水を与えましょう。
水の与えすぎ
土が湿り続けると根や球根が傷み、葉が黄色くなります。
水やりを控え、排水性を確認しましょう。
肥料不足
生育期に葉全体の色が薄くなる場合は、肥料不足が考えられます。
適量の肥料を与えましょう。
病気
葉に斑点や筋があり、黄色くなる場合は、病気が疑われます。
被害葉と球根の状態を確認しましょう。
葉先が枯れる原因
水切れ
鉢植えや夏の乾燥によって、葉先から枯れる場合があります。
土の表面が乾いたら水を与えましょう。
強風
細長い葉が風に傷つき、葉先や縁が枯れることがあります。
風の強い場所を避けましょう。
肥料焼け
濃い液体肥料や多量の化成肥料によって根が傷むと、葉先が枯れます。
肥料を控え、鉢植えでは水を流して余分な肥料分を排出しましょう。
根詰まり
鉢の中で根が詰まると、水分を十分に吸収できません。
翌春は大きめの鉢へ植えるか、球根の数を減らしましょう。
グラジオラスが倒れる原因
草丈が高い
高性品種は、花と葉の重みで倒れやすくなります。
支柱を早めに立てましょう。
浅植え
球根を浅く植えると、株元が安定しません。
球根の上へ5cm〜10cm程度の土がかかる深さが目安です。
日照不足
日照不足では、茎が細長く軟弱になります。
日当たりのよい場所で育てましょう。
肥料の与えすぎ
窒素肥料が多いと、茎がやわらかくなります。
施肥量を見直しましょう。
強風や大雨
長い花茎が風や雨を受け、曲がったり折れたりします。
支柱や風よけで対策しましょう。
鉢植えでの管理
グラジオラスは鉢植えでも育てられます。
矮性品種や中輪品種を選ぶと、管理しやすくなります。
鉢の選び方
高性品種は、深さと安定感のある大きな鉢を選びます。
8号〜10号程度の鉢が目安です。
矮性品種は、6号程度から育てられます。
置き場所
春から秋は、日当たりと風通しのよい屋外へ置きます。
高性品種は風で倒れやすいため、壁際や支柱を利用しましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
つぼみが伸びる時期と開花期は、水切れに注意しましょう。
肥料
植え付け時の元肥に加え、葉が3枚〜4枚になった頃と、つぼみが出る前に追肥します。
肥料を与えすぎると倒れやすくなります。
花後
花茎だけを切り、葉は残します。
葉が黄色くなったら、球根を掘り上げるか、鉢を乾燥気味にして越冬させましょう。
庭植えでの管理
庭植えでは、日当たり、水はけ、風当たりを考えて場所を選びます。
高性品種は花壇の後方へ植えると、ほかの植物を隠しにくくなります。
同じ場所で連続して育てると、土壌病害が発生しやすくなる場合があります。
毎年または数年ごとに植え場所を変えると安心です。
寄せ植え
矮性グラジオラスは、大型の鉢や花壇で寄せ植えに利用できます。
相性のよい植物には、次のようなものがあります。
マリーゴールド
ペチュニア
サルビア
ニチニチソウ
アゲラタム
アリッサム
バーベナ
コリウス
グラス類
グラジオラスを中央や後方へ植え、低い草花を手前へ配置します。
球根の周囲を密植しすぎると、風通しが悪くなるため注意しましょう。
グラジオラスの夏越し
夏咲きグラジオラスは暑さに強く、夏に生育と開花の最盛期を迎えます。
鉢植えでは、朝に土の状態を確認し、水切れを防ぎましょう。
花茎が伸びたら、支柱を立てます。
しおれた花をこまめに摘み、病気の葉を早めに取り除きましょう。
強風や台風が予想される場合は、鉢植えを安全な場所へ移動します。
庭植えでは、支柱とひもで株を支えましょう。
グラジオラスの冬越し
暖地での冬越し
土が凍らない暖地では、球根を植えたまま越冬できる場合があります。
地上部が枯れたら切り取り、株元へ腐葉土や落ち葉を敷いて防寒しましょう。
冬に雨水がたまりやすい場所では、球根が腐る場合があります。
寒冷地での冬越し
強い霜や凍結がある地域では、秋に球根を掘り上げます。
乾燥させた後、凍結しない涼しい場所で保存しましょう。
鉢植えの冬越し
鉢植えでは、地上部が枯れた後に球根を掘り上げる方法が安全です。
暖地では鉢のまま軒下へ移し、土を乾燥気味に保てます。
グラジオラスに発生しやすい病気
首腐病・球根腐敗
球根や茎の付け根が腐り、葉が黄色くなったり株が倒れたりします。
水はけの悪い土、過湿、傷ついた球根などが原因になります。
腐った球根は処分し、同じ場所への植え付けを避けましょう。
斑点病
葉へ褐色や黒褐色の斑点が現れます。
長雨、風通しの悪さ、葉がぬれた状態が続く環境で発生しやすくなります。
被害葉を取り除き、水やりは株元へ行いましょう。
灰色かび病
花や葉へ褐色の斑点が現れ、灰色のカビが発生します。
長雨、低温多湿、花がらの放置などが原因になります。
傷んだ花や葉を早めに取り除きましょう。
さび病
葉へ黄色や褐色の斑点が現れ、葉裏に粉状の胞子が見られる場合があります。
株が密集し、湿度が高い環境で発生しやすくなります。
被害葉を取り除き、風通しを改善しましょう。
モザイク病
葉に濃淡のあるモザイク模様、黄色い筋、変形などが現れます。
ウイルスが原因で、アブラムシや刃物を通じて広がる場合があります。
治療は難しいため、症状の強い株と球根は処分しましょう。
グラジオラスにつきやすい害虫
アブラムシ
新芽、花茎、つぼみへ集まり、汁を吸います。
数が増えると、花や葉が変形する場合があります。
ウイルス病を媒介することもあるため、早めに取り除きましょう。
アザミウマ
グラジオラスで特に注意したい害虫です。
葉、つぼみ、花へ被害を与え、白っぽいかすれや褐色の傷を作ります。
つぼみが開かない、花びらが変形する場合もあります。
球根の表面や葉の隙間へ潜むことがあるため、保存前にも確認しましょう。
ハダニ
高温で乾燥した時期に葉裏へ発生します。
被害葉は白くかすれたようになり、症状が進むと枯れます。
葉裏を定期的に確認しましょう。
ヨトウムシ類
幼虫が夜間に葉やつぼみを食害します。
昼間は株元や土の中へ隠れています。
葉が大きく食べられている場合は、株元を確認しましょう。
ナメクジ
若い芽や葉を食害する場合があります。
春の発芽時期と雨の多い季節に注意しましょう。
鉢の下、落ち葉、湿った場所を確認します。
農薬を使用する場合は、グラジオラスまたは花き類への登録、対象病害虫、希釈倍率、使用時期、使用回数を確認します。
グラジオラスを育てるときの注意点
日当たりのよい場所へ植える
日照不足では花茎が細くなり、花数も減ります。
一日6時間以上日が当たる場所を選びましょう。
球根を浅く植えない
浅植えでは株が倒れやすくなります。
球根の上へ5cm〜10cm程度の土をかけましょう。
支柱を早めに立てる
花茎が高く伸びてから支柱を差すと、根や球根を傷つける場合があります。
葉が伸び始めた時期に支柱を立てましょう。
花後の葉を切らない
緑色の葉は、新しい球根へ養分を蓄えています。
黄色くなるまで残しましょう。
連作を避ける
同じ場所で毎年育てると、土壌病害が発生する場合があります。
植え場所を変えるか、土を入れ替えましょう。
病気の球根を保存しない
病斑、腐敗、カビのある球根を一緒に保存すると、ほかの球根へ被害が広がります。
保存前と保存中に状態を確認しましょう。
保存中の湿気を避ける
密閉容器や湿った場所では、球根が腐ります。
ネット袋や紙袋を使い、風通しのよい場所で保存しましょう。
アザミウマに注意する
葉や花だけでなく、球根にも潜む場合があります。
掘り上げ後に球根をよく確認し、被害の強いものは処分しましょう。
グラジオラスの育て方に関するよくある質問
グラジオラスは毎年咲きますか?
球根を適切に冬越しさせれば、翌年も花を咲かせます。
花後の葉を黄色くなるまで残し、球根へ養分を蓄えさせましょう。
グラジオラスは植えっぱなしでも育ちますか?
暖地で土が凍らず、水はけのよい場所では植えっぱなしにできる場合があります。
寒冷地では秋に掘り上げるほうが安全です。
グラジオラスは鉢植えでも育てられますか?
鉢植えでも育てられます。
深さと安定感のある鉢を選び、支柱と水切れ対策を行いましょう。
グラジオラスの球根はいつ植えますか?
夏咲き品種は、3月〜6月頃に植えます。
遅霜の心配が少なくなり、地温が上がってから植え付けましょう。
グラジオラスの花が咲かないのはなぜですか?
日照不足、球根が小さい、植え付けが遅い、肥料不足、窒素過多、水切れなどが考えられます。
前年に葉を早く切った場合も、翌年の花が少なくなります。
花が終わったらどうしますか?
花茎だけを切り取り、葉は残します。
葉が黄色くなった後に、球根を掘り上げましょう。
支柱は必要ですか?
高性品種や風の強い場所では必要です。
花茎が大きく伸びる前に支柱を立てましょう。
球根はいつ掘り上げますか?
花後すぐではなく、葉が黄色くなってから掘り上げます。
強い霜が降りる前に作業しましょう。
掘り上げた球根はどう保存しますか?
日陰で乾燥させ、ネット袋や紙袋へ入れます。
凍結せず、湿気の少ない涼しい場所で保存しましょう。
木子から花が咲くまで何年かかりますか?
木子の大きさによりますが、一般的には2年〜3年程度かかります。
毎年葉を育て、球根を充実させましょう。
まとめ
グラジオラスは、まっすぐ伸びる花茎へ大きな花を連ねて咲かせる球根植物です。
赤色、桃色、白色、黄色、橙色、紫色、緑色、複色など花色が豊富で、夏の花壇や切り花に向いています。
夏咲き品種は、遅霜の心配が少なくなる3月〜6月頃に球根を植え付けます。
日当たりと水はけのよい場所を選び、球根の上へ5cm〜10cm程度の土をかけましょう。
高性品種は草丈が1mを超え、花の重みや強風で倒れやすくなります。
花茎が大きく伸びる前に支柱を立てることが大切です。
生育期は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
つぼみが育つ時期や開花期の水切れは、花数や花の大きさに影響します。
咲き終わった花は順番に摘み、花穂全体が終わったら花茎だけを切り取ります。
緑色の葉は、新しい球根へ養分を蓄えるために残しましょう。
葉が黄色くなった後、寒冷地では球根を掘り上げます。
掘り上げた球根は日陰で乾燥させ、凍結せず湿気の少ない場所で保存しましょう。
植え付け時期を2週間程度ずつずらすと、夏から秋まで順番に花を楽しめます。
日当たり、植え付けの深さ、水切れ、支柱、花後の葉の管理を意識すれば、毎年華やかな花を咲かせられます。