クレソンの育て方|種まき・水管理・挿し芽・摘み取り収穫まで解説
クレソンの育て方|種まき・水管理・挿し芽・摘み取り収穫まで解説
クレソンは、爽やかな香りとピリッとした辛味が特徴の葉物野菜です。肉料理の付け合わせやサラダのほか、スープや炒め物にも利用できます。
水辺で育つイメージがありますが、家庭では土を使った鉢植えでも栽培できます。乾燥を防ぎながら、夏の高温や根の蒸れを避けることが、やわらかな茎葉を収穫するポイントです。
この記事では、クレソンの基本情報から種まき、水管理、挿し芽、収穫までを紹介します。
クレソンの基本情報
植物名:クレソン
和名:オランダガラシ
別名:ウォータークレス
学名:Nasturtium officinale
科名:アブラナ科
属名:オランダガラシ属
分類:多年草
主に食べる部分:若い葉、やわらかい茎
花の色:白色
栽培しやすい季節:春・秋
日照条件:日なた〜明るい半日陰
土壌条件:適度な湿り気を保てる土
主な栽培方法:鉢植え、プランター、水耕栽培
主な用途:サラダ、付け合わせ、スープ、和え物
多年草ですが、古い株を育て続けるより、挿し芽などで更新すると若い茎葉を収穫しやすくなります。
クレソンの特徴
辛味と香りを楽しむ野菜
クレソンには、アブラナ科らしい爽やかな辛味があります。葉だけでなく、やわらかい茎も食べられます。
辛味の感じ方は、葉の若さや栽培環境、調理方法によって変わります。食べやすさを重視する場合は、若い茎先を中心に収穫しましょう。
茎の節から根が出やすい
茎が湿った土や水に触れると、節から根が出ることがあります。
この性質を利用して挿し芽で増やせますが、庭や水辺では広がりやすいため、栽培する範囲を決めて管理することが大切です。
流れる水がなくても育てられる
清流で育つ姿がよく知られていますが、家庭栽培で流水設備が必須というわけではありません。
土を乾かしすぎず、根の状態を保てれば、鉢やプランターでも収穫できます。
クレソンの品種と種・苗の選び方
一般に流通する「クレソン」
丸みのある小葉と、爽やかな辛味が特徴のオランダガラシです。国内では固有の品種名を付けず「クレソン」「ウォータークレス」として販売されることが多く、若い茎葉を摘み取ってサラダや加熱料理に利用できます。
ガーデンクレスとは別の植物
ガーデンクレスやランドクレスは、同じアブラナ科でもクレソンとは別の植物です。
クレソン:Nasturtium officinale
ガーデンクレス:Lepidium sativum
ランドクレス:Barbarea verna
種を購入するときは、「クレス」という表記だけで判断しないようにしてください。
健康な苗を選ぶ
葉に張りがある
茎の根元が黒く傷んでいない
葉裏に害虫が付いていない
茎が極端に細く伸びていない
用土や根から異臭がしない
食用栽培には、栽培用として販売される苗や種を使うと管理しやすくなります。
クレソンの種まき時期
春と秋が取り組みやすい
穏やかな気温の春と秋は、家庭栽培を始めやすい季節です。
温暖地では春まきや秋まきができますが、地域の気候と種袋の適期を優先してください。
真夏は発芽と育苗に注意する
小さな苗は、高温や乾燥で傷みやすくなります。
真夏に始める場合は、明るい日陰で育苗するなど、用土の温度が上がりすぎない工夫が必要です。初めてなら、春か秋から始める方が取り組みやすいでしょう。
冬は生育が緩やかになる
寒い時期は葉や茎の伸びが遅くなります。
低温下で収穫を続けすぎず、強い凍結が予想される場合は軒下や不織布などで保護しましょう。
クレソンに適した場所と土づくり
明るさと涼しさを確保する
春や秋は日当たりのよい場所で育てます。
夏は強い西日や照り返しを避け、午前中に日が当たる場所や、明るい半日陰へ移すと管理しやすくなります。
保水性と通気性のある土を使う
土で育てる場合は、適度に水分を保ちながら、余分な水が抜ける用土を使います。
市販の野菜用培養土も利用できます。細かな泥のようになり、長く空気が入らない状態は避けましょう。
容器栽培なら広がりを管理しやすい
庭へ植えると、茎が地面に触れた場所から根を出す場合があります。
初めてなら鉢やプランターで育てると、水やりや収穫、株の更新を行いやすくなります。
クレソンの種まき方法
小さな種を深く埋めない
種は細かいため、深く埋めず、種袋の指示に合わせてごく薄く覆土します。
一か所に固めてまくと間引きが難しくなるため、できるだけ均一にまきましょう。
種まきの手順
清潔な用土を容器に入れる
土をあらかじめ湿らせる
種を薄くまく
ごく薄く土をかける
細かな水流でやさしく水を与える
明るい場所で乾燥を防いで管理する
強い水流を当てると種が流れるため、細かな穴のジョウロなどを使います。
発芽後は混み合った苗を間引く
本葉が出て苗が重なってきたら、弱い苗を取り除きます。
大きく育てて摘み取りを続ける場合は、株間10〜15cm程度を一つの目安にし、枝葉の広がりに合わせて調整してください。
クレソンの苗の植え付け
根鉢がまとまった若い苗を使う
本葉が数枚出て、根が土を軽くまとめるようになった苗を植えます。
小さな容器で長く育てすぎ、根詰まりさせないようにしましょう。
深植えを避ける
苗の根元が、元のポットと同じ程度の高さになるように植えます。
株の中心を土で埋めず、植え付け後は水を与えて土をなじませてください。
クレソンの水やり
土を完全に乾かさない
クレソンは乾燥するとしおれやすいため、用土の湿り気をこまめに確認します。
鉢植えでは表面が乾き始めたら十分に水を与え、根鉢全体が乾き切る状態を避けましょう。
腰水は水質と水温も管理する
鉢底を浅い水に浸す「腰水」を利用する方法もあります。
ただし、水を足し続けるだけにせず、受け皿を洗い、水を入れ替えます。特に夏は水温が上がりやすいため、通常の水やりで湿り気を保つ方法へ切り替えることも検討してください。
葉がしおれていても土を確認する
湿った土でしおれている場合は、高温や根の傷みが原因のこともあります。
水不足と決めつけず、容器の熱さ、根元の変色、異臭などがないかを確認しましょう。
クレソンの水耕栽培
発根させる水挿しと長期栽培は別
茎を水に挿すと、節から根が出る場合があります。
ただし、水だけで発根することと、長期間たくさん収穫できることは別です。継続して育てるには、養分や根への酸素供給も必要になります。
葉を水に沈めない
水挿しでは、水に浸かる部分の葉を取り除きます。
葉が沈んだままだと腐りやすくなるため、水に入れるのは茎の下部を中心にし、葉は水面より上へ出してください。
清潔な水と容器を使う
水が濁る、ぬめりが増える、異臭がするといった変化を放置しないようにします。
長期の水耕栽培では、食用葉菜に対応した肥料や栽培方式の説明に従い、濃度と水位を管理しましょう。
クレソンの肥料
生育に合わせて少量ずつ与える
元肥入りの土で育てる場合は、まず株の生育を観察します。
収穫を続けて新芽の伸びが鈍くなったら、根の状態を確認したうえで、必要に応じて薄めの液体肥料などを与えましょう。
濃い肥料を与えない
水切れした株や高温で弱った株に、濃い肥料を与えることは避けます。
量と間隔は製品表示を守り、水耕用と土栽培用の使い方を混同しないようにしてください。
クレソンの摘心と収穫方法
葉を残して茎先を摘み取る
茎が伸び、収穫後も十分な葉が残せる状態になったら、やわらかい先端を切り取ります。
株側に葉と節を残すことで、わき芽の生育につながります。株元まで一度に刈り込まないようにしましょう。
若い茎葉をこまめに収穫する
長く伸ばした茎は、硬くなったり、葉が小さくなったりする場合があります。
若い部分を少量ずつ収穫すると、料理に使いやすくなります。株が弱っているときは収穫を休ませてください。
花が増えた株は更新を考える
生育段階や環境によって、茎先に白い花が咲きます。
葉の収穫を優先する場合は花茎を整理し、若い芽を育てます。古い株の勢いが戻らない場合は、挿し芽で新しい株を用意しましょう。
クレソンの増やし方
挿し芽で増やす
健康で若い茎を選び、数節が含まれる長さに切ります。
茎の下部の葉を取り除く
清潔な水、または湿らせた用土へ挿す
明るい日陰で管理する
乾燥や水の傷みを防ぐ
発根と新芽の成長を確認して育てる
花が多く付いた硬い茎より、勢いのある若い茎が扱いやすくなります。
根の出た茎を分ける
土に接した節から根が出ている場合は、その部分を分けて植えられます。
一度に親株を大きく崩さず、根の付いた部分を丁寧に扱いましょう。
クレソンの夏越しと冬越し
夏は容器と根を熱くしすぎない
クレソンでは、水分を与えていても高温で生育が鈍る場合があります。
強い西日を避ける
コンクリートの照り返しを減らす
容器の側面を遮光する
混み合った茎葉を整理する
たまった水を高温のまま放置しない
冬は乾燥と強い凍結を避ける
寒い時期は生育が緩やかになりますが、水分が不要になるわけではありません。
乾き具合を見て給水し、強く凍る地域では軒下などで保護します。低温期は肥料と収穫を控えめにしましょう。
クレソンの病害虫と不調
アブラナ科の害虫に注意する
アブラムシや葉を食べる幼虫などが付いていないか、葉裏と茎先を確認します。
防虫ネットを使う場合は、風通しを保ち、株が押しつぶされないように設置してください。
黄色い葉が増えたら根と環境を確認する
葉の黄化には、古い葉の老化、日照不足、養分不足、根の傷みなどが関わります。
肥料を増やす前に、水温、用土の状態、根詰まりを確認しましょう。
農薬はクレソンへの適用を確認する
葉を繰り返し収穫するため、農薬を使う場合はクレソンと対象の病害虫に適用がある製品を選びます。
使用回数や収穫前日数を守り、ほかのアブラナ科野菜用の薬剤を安易に流用しないようにしてください。
クレソンを育てる際の注意点
食用栽培には清潔な水を使う
栽培には水道水など、衛生状態を管理できる水を使います。
見た目が澄んだ川や用水路でも、食用栽培に適した水とは限りません。家庭では、管理できる容器と水で育てる方法が取り入れやすいでしょう。
川や池へ植えない
クレソンは茎の断片からも増えることがあります。
自然の水辺へ植えたり、不要な茎を流したりしないようにしてください。栽培を終えた株も、庭や水路へ広がらないように処理します。
クレソンの食べ方と保存方法
若い茎葉を料理に使う
収穫したクレソンは、流水で丁寧に洗い、傷んだ葉や硬い茎を取り除きます。
肉料理の付け合わせ
サラダ
おひたし
ごま和え
スープ
炒め物
卵料理
辛味を穏やかにしたい場合は、加熱料理やほかの食材との組み合わせを試しましょう。
乾燥を防いで冷蔵する
水気を軽く取り、湿らせたキッチンペーパーなどで包んで袋や保存容器に入れます。
葉を強く押し込まず、できるだけ早めに使ってください。
余った分は加熱用に冷凍する
さっと加熱して水気を取り、小分けにして冷凍できます。
冷凍後は生とは食感が変わるため、スープや炒め物などに利用すると使いやすくなります。
まとめ
クレソンは、土を使った鉢植えでも育てられ、若い茎葉を繰り返し収穫できる野菜です。乾燥を防ぎながら、根の蒸れや夏の高水温を避けることが大切になります。
春や秋の穏やかな時期に栽培を始める
明るさと適度な湿り気を確保する
腰水や水耕では水質と水温を管理する
葉と節を残して若い茎先を収穫する
古い株は挿し芽で更新する
自然の川や池へ広げない
初めてなら、苗を鉢へ植える方法が取り組みやすいでしょう。採れたての香りと辛味を、サラダや加熱料理で楽しんでください。