アスター(一年草)を庭で育てる方法|連作障害・立枯病・花が咲かない原因まで紹介
アスター(一年草)の育て方|夏から秋に咲く草花の特徴・種まき・切り花利用まで解説
アスターは、夏から秋にかけて色鮮やかな花を咲かせる一年草です。花色が豊富で、ピンク、紫、白、赤、青紫などがあり、花壇、鉢植え、切り花、仏花など幅広く利用されています。
園芸で「アスター」と呼ばれる一年草は、主にエゾギクの仲間を指します。キクに似た花姿をしており、和風・洋風どちらの庭にも合わせやすい草花です。花もちがよく、切り花として使いやすいことから、家庭菜園感覚で育てて花を収穫する楽しみもあります。
一方で、アスターは連作障害や立枯病が出やすい植物としても知られています。毎年同じ場所に植え続けると病気が出やすくなるため、植え場所や土づくりに注意が必要です。
この記事では、一年草のアスターの特徴、育て方、種まき、植え付け、水やり、肥料、切り花利用、花が咲かない原因、枯れる原因まで詳しく解説します。
アスターの基本情報
和名:エゾギク、蝦夷菊
流通名:アスター
学名:Callistephus chinensis
科名:キク科
属名:エゾギク属
分類:一年草
原産地:中国北部など
草丈:20〜80cmほど
開花期:7月〜10月頃
花色:白、ピンク、赤、紫、青紫、複色など
種まき時期:3月〜5月頃
植え付け時期:4月〜6月頃
耐寒性:弱い
耐暑性:普通
栽培難易度:初心者〜中級者向き
アスターとは?夏から秋に咲く一年草
アスターは、キク科エゾギク属の一年草です。春に種をまき、夏から秋に花を咲かせ、冬までには枯れる一年草として扱われます。
花はキクに似ており、一重咲き、八重咲き、ポンポン咲き、針状の花弁を持つものなど、品種によってさまざまな形があります。草丈も低いものから高いものまであり、花壇用、鉢植え用、切り花用と用途に合わせて選べます。
アスターはお盆の時期に咲く花としても親しまれ、仏花や切り花として使われることがあります。家庭で育てれば、庭で咲かせて楽しむだけでなく、室内に飾る花としても活用できます。
アスターの特徴
夏から秋に花を咲かせる
アスターは、7月〜10月頃に花を咲かせます。
夏の花壇に彩りを加え、秋まで楽しめるのが魅力です。品種や種まき時期によって開花期が変わるため、時期をずらして種をまくと、長く花を楽しめます。
夏の花壇では、マリーゴールド、ジニア、センニチコウ、ケイトウなどと組み合わせると、明るく季節感のある植栽になります。
花色が豊富
アスターは花色がとても豊富です。
白、ピンク、赤、紫、青紫、淡い色、複色などがあり、花壇の雰囲気に合わせて選べます。紫や青紫系のアスターは涼しげで、夏の庭に落ち着いた印象を与えます。
淡いピンクや白はやさしい雰囲気に、赤や濃い紫は花壇のアクセントになります。
花形のバリエーションがある
アスターには、花形の違う品種が多くあります。
シンプルな一重咲き、ボリュームのある八重咲き、丸くまとまるポンポン咲き、細い花弁が広がるタイプなどがあります。
切り花にするなら花もちのよい八重咲きや高性品種、鉢植えや花壇の前方には草丈の低い品種が向いています。
切り花に向いている
アスターは切り花としても使いやすい草花です。
花もちが比較的よく、仏花、花瓶、アレンジメントなどに利用できます。家庭で育てておくと、必要なときに庭から切って飾ることができます。
切り花にする場合は、花が開き始めた頃に切ると長く楽しめます。切った後は水揚げをし、余分な葉を取り除いて飾りましょう。
連作障害に注意が必要
アスターは、連作障害が出やすい植物です。
同じ場所に毎年植えると、土壌病害が発生しやすくなり、立枯病などで株が急に枯れることがあります。毎年植える場所を変えるか、新しい土で育てることが大切です。
花壇で育てる場合は、数年は同じ場所に植えないようにすると安心です。
アスターの主な種類
高性種
高性種は草丈が高く、切り花に向くタイプです。
草丈は60〜80cmほどになるものがあり、花茎が長いため、花瓶や仏花に使いやすいです。風で倒れやすい場合があるため、支柱を立てると安心です。
矮性種
矮性種は草丈が低く、花壇の前方や鉢植えに向くタイプです。
草丈20〜30cmほどにまとまりやすく、コンパクトに育てられます。寄せ植えやプランター栽培にも使いやすいアスターです。
八重咲き
八重咲きのアスターは、花弁が多く、ボリュームのある花姿になります。
華やかで見栄えがよく、切り花や花壇の主役に向いています。花色も豊富で、洋風ガーデンにもよく合います。
一重咲き
一重咲きのアスターは、シンプルで自然な花姿が魅力です。
ナチュラルガーデンや素朴な花壇に向いています。花の中心が見えやすく、キク科らしい明るい印象があります。
ポンポン咲き
ポンポン咲きのアスターは、丸く整った花姿が特徴です。
かわいらしい雰囲気があり、切り花やアレンジメントにも向いています。花壇に植えると、丸い花がリズムよく並びます。
アスターの育て方
日当たり
アスターは日当たりのよい場所を好みます。
日光が不足すると、茎が間延びし、花つきが悪くなります。花をしっかり咲かせるには、半日以上日が当たる場所に植えましょう。
ただし、真夏の強い西日や高温乾燥が厳しい場所では株が弱ることがあります。風通しがよく、日当たりのよい場所が理想です。
用土
アスターは、水はけのよい土を好みます。
過湿になると根が傷み、立枯病などの原因になります。植え付け前に腐葉土や堆肥を混ぜ、根が張りやすい土に整えましょう。
花壇では、同じ場所で連作しないことも大切です。以前にアスターを育てた場所では、病気が出やすくなることがあるため、植え場所を変えるか、土を入れ替えると安心です。
鉢植えでは、市販の草花用培養土を使うと管理しやすいです。古い土を使い回す場合は、病気のリスクがあるため注意しましょう。
種まき時期
アスターの種まき適期は、3月〜5月頃です。
寒さに弱いため、早くまきすぎると発芽や生育が不安定になることがあります。春になって気温が安定してから種をまくと育てやすくなります。
発芽適温はおおよそ15〜20℃前後です。暖地では春早めに、寒冷地では遅霜の心配がなくなってからまくとよいでしょう。
種まき方法
アスターは、育苗箱やポットに種をまいて育てます。
種をまいたら薄く土をかぶせ、乾かさないように管理します。発芽するまでは明るい日陰で管理し、発芽後は日当たりと風通しのよい場所に移します。
本葉が数枚になったら、根を傷めないようにポット上げします。苗がしっかりしてから花壇や鉢に植え付けます。
植え付け時期
アスターの植え付け適期は、4月〜6月頃です。
遅霜の心配がなくなり、気温が安定してから植え付けます。苗が小さすぎるうちに植えると傷みやすいため、本葉が増えてしっかりした苗になってから植えましょう。
植え付け後はたっぷり水を与え、根付くまで乾燥させないようにします。
植え付け間隔
アスターは、品種の草丈や株張りに合わせて間隔を決めます。
矮性種は20〜25cmほど、高性種は30〜40cmほどを目安に植えます。株間が狭すぎると風通しが悪くなり、病気が出やすくなります。
切り花用に育てる高性種は、風通しと作業性を考えてやや広めに植えると管理しやすくなります。
水やり
地植えの場合
地植えのアスターは、根付いた後は基本的に雨に任せて育てられます。
ただし、植え付け直後や夏の乾燥期には水やりが必要です。乾燥しすぎると生育が悪くなり、花数が減ることがあります。
水やりは株元に与え、葉や花に水をかけすぎないようにします。蒸れや病気を防ぐため、朝の時間帯に水やりするとよいでしょう。
鉢植えの場合
鉢植えのアスターは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。
夏は水切れしやすいため、朝と夕方に土の乾き具合を確認します。ただし、過湿になると根腐れしやすいため、受け皿に水をためないようにしましょう。
肥料
アスターは、花を咲かせるために適度な肥料が必要です。
植え付け時に、緩効性肥料を土に混ぜておきます。その後、生育を見ながら、開花前までに追肥を行います。
肥料が不足すると花数が少なくなりますが、肥料を与えすぎると茎葉ばかり茂ったり、倒れやすくなったりします。特に窒素分の多い肥料の与えすぎには注意しましょう。
鉢植えでは肥料切れしやすいため、液体肥料を薄めて定期的に与えると花つきが安定します。
アスターの摘心
摘心とは?
摘心とは、茎の先端を切って、わき芽を増やす作業です。
アスターは摘心を行うことで枝数が増え、花数を増やしやすくなります。特に花壇でこんもり咲かせたい場合や、切り花用に花茎を増やしたい場合に有効です。
摘心の時期
苗がある程度育ち、本葉が増えてきた頃に摘心します。
草丈が10〜15cmほどになったら、先端を軽く摘み取ります。摘心後はわき芽が伸び、株が広がります。
ただし、摘心が遅すぎると開花が遅れることがあります。花を早く咲かせたい場合や、品種によっては摘心しなくてもよいことがあります。
摘心の注意点
摘心後は、株が一時的に小さく見えますが、その後わき芽が伸びて花数が増えます。
ただし、風通しが悪くなるほど茂らせると病気が出やすくなります。株間をしっかり取り、混み合いすぎないように育てましょう。
アスターの支柱立て
支柱が必要な場合
高性種のアスターは、草丈が高くなり、風や雨で倒れることがあります。
特に切り花用の品種や、花が大きい品種では支柱を立てると安心です。倒れると茎が曲がったり、花が傷んだりするため、早めに支柱を準備しましょう。
支柱を立てる時期
支柱は、茎が伸び始めた頃に立てます。
開花直前になってから支柱を立てると、根や茎を傷めやすくなります。草丈が伸びる前に支柱を設置し、成長に合わせて軽く結びます。
支柱の立て方
株の近くに支柱を立て、茎をやわらかいひもでゆるく固定します。
強く縛ると茎が傷むため、余裕を持たせて結びましょう。複数株を育てる場合は、ネットや横ひもを使ってまとめて支える方法もあります。
アスターの花がら摘み
花がら摘みが必要な理由
アスターは花が終わった後に花がらを放置すると、種をつけようとして株の体力を使います。
花がらをこまめに摘むことで、次の花が咲きやすくなり、株全体も清潔に保てます。病気の予防にもつながります。
花がら摘みの方法
咲き終わった花は、花首の下で切り取ります。
傷んだ花や枯れた葉も一緒に取り除き、株元に落ちた花がらは放置しないようにしましょう。雨が多い時期は、傷んだ花を早めに取ることが大切です。
アスターの切り花利用
切り花にするタイミング
アスターを切り花にする場合は、花が開き始めた頃に切ります。
完全に咲ききってから切るよりも、少し早めに切る方が花もちしやすくなります。朝の涼しい時間帯に切ると、水揚げがよくなります。
切り花の水揚げ
切った花は、余分な葉を取り除き、水の中で茎を切り戻します。
花瓶に入れる前に水揚げをすると、花が長持ちしやすくなります。水に浸かる部分の葉は取り除き、水が汚れないようにしましょう。
切り花を長持ちさせるコツ
アスターの切り花を長持ちさせるには、清潔な水を保つことが大切です。
花瓶の水はこまめに替え、茎の先を切り戻します。直射日光やエアコンの風が当たる場所を避け、涼しい場所に飾ると花もちがよくなります。
アスターが咲かない原因
日照不足
アスターは日当たりを好む植物です。
日照不足になると、茎ばかり伸びて花が少なくなります。花をしっかり咲かせたい場合は、半日以上日が当たる場所で育てましょう。
肥料不足
肥料が不足すると、株が充実せず花数が少なくなります。
植え付け時に元肥を入れ、開花前までに適度な追肥を行いましょう。ただし、肥料の与えすぎにも注意が必要です。
窒素肥料が多すぎる
窒素分が多い肥料を与えすぎると、葉や茎ばかり茂って花が咲きにくくなることがあります。
花を咲かせたい場合は、リン酸やカリを含む草花用肥料をバランスよく使いましょう。
種まきが遅い
種まきが遅すぎると、株が十分に育つ前に開花期を迎えてしまい、花が少なくなることがあります。
春の適期に種をまき、十分に株を育ててから開花させることが大切です。
株が込み合っている
株間が狭すぎると、日当たりと風通しが悪くなり、花つきが落ちることがあります。
植え付け時には、品種に合った間隔を取りましょう。
アスターが枯れる原因
立枯病
アスターで特に注意したいのが立枯病です。
元気だった株が急にしおれ、株元から枯れることがあります。連作や過湿、風通しの悪さが原因になることが多いです。
発生した株は回復が難しいため、早めに抜き取り、周囲へ広がらないようにします。同じ場所での連作を避けることが予防になります。
連作障害
アスターは連作障害が出やすい植物です。
毎年同じ場所に植えると、土壌中の病原菌が増え、立枯病などが発生しやすくなります。花壇では植え場所を変え、鉢植えでは新しい土を使いましょう。
水はけが悪い
水はけの悪い土では、根が傷みやすくなります。
過湿が続くと根腐れや病気の原因になります。植え付け前に土壌改良を行い、水がたまりにくい環境に整えましょう。
水切れ
夏の乾燥期に水切れすると、葉がしおれ、花が傷みます。
特に鉢植えでは水切れしやすいため、土の乾き具合をこまめに確認します。ただし、水を与えすぎて過湿にしないよう注意しましょう。
蒸れ
株が混み合って風通しが悪くなると、蒸れて病気が出やすくなります。
株間を十分に取り、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
アスターの病害虫
立枯病
アスターで最も注意したい病気のひとつです。
株元から急にしおれ、枯れる症状が出ます。連作を避け、水はけと風通しのよい環境で育てることが予防になります。
うどんこ病
葉に白い粉をふいたような症状が出る病気です。
風通しが悪い場所や、乾燥と湿気が繰り返される環境で発生しやすくなります。株間を取り、混み合った葉を整理しましょう。
灰色かび病
雨が続く時期や湿気の多い環境で発生しやすい病気です。
花や葉が傷み、灰色のカビが出ることがあります。花がらや枯れ葉を放置せず、株元を清潔に保ちましょう。
アブラムシ
新芽やつぼみにアブラムシがつくことがあります。
多発すると生育が悪くなり、花にも影響します。見つけたら早めに水で洗い流すか、取り除きます。
ハダニ
高温乾燥期にはハダニが発生することがあります。
葉が白っぽくかすれる場合は注意しましょう。乾燥しすぎを避け、風通しを確保します。
ヨトウムシ
夜間に葉や花を食害することがあります。
葉が大きく食べられている場合は、株元や土の表面を確認しましょう。見つけたら取り除きます。
アスターを育てるときの注意点
同じ場所に毎年植えない
アスターは連作を嫌います。
毎年同じ場所に植えると、立枯病などの土壌病害が出やすくなります。花壇では植える場所を変え、鉢植えでは新しい土を使うことが大切です。
風通しをよくする
アスターは蒸れに弱い面があります。
株間を詰めすぎると、病気が出やすくなります。植え付け時には適度な間隔を取り、花がらや枯れ葉をこまめに取り除きましょう。
高性種は支柱を立てる
背が高くなる品種は、雨や風で倒れることがあります。
切り花用の高性種を育てる場合は、早めに支柱を立てるときれいな花茎を保ちやすくなります。
真夏の乾燥に注意する
アスターは過湿を嫌いますが、乾燥しすぎても株が弱ります。
夏の花壇や鉢植えでは、水切れに注意しましょう。朝の時間帯に水やりを行い、日中の高温時の水やりは避けます。
種まき時期をずらすと長く楽しめる
アスターは、種まき時期を少しずらすことで開花時期を調整できます。
春に数回に分けて種をまくと、夏から秋まで長く花を楽しみやすくなります。切り花として使いたい場合にも便利です。
アスターは鉢植えでも育てられる?
アスターは鉢植えでも育てられます。
矮性種を選べば、プランターや鉢でもコンパクトに育てやすく、ベランダや玄関先でも花を楽しめます。高性種を鉢で育てる場合は、深さのある鉢を使い、支柱を立てるとよいでしょう。
鉢植え管理のポイントは次の通りです。
水はけのよい新しい土を使う
日当たりのよい場所で育てる
土の表面が乾いたら水を与える
受け皿に水をためない
開花前まで適度に肥料を与える
花がらをこまめに摘む
高性種は支柱を立てる
風通しよく管理する
鉢植えでは土壌病害を避けるため、古い土を使い回さず、新しい培養土で育てると安心です。
アスターと相性のよい植物
アスターは夏から秋に咲く草花と相性がよく、花壇や鉢植えで組み合わせやすい植物です。
相性のよい植物には、次のようなものがあります。
マリーゴールド
ジニア
センニチコウ
ケイトウ
ニチニチソウ
ペンタス
コリウス
サルビア
トレニア
コスモス
ルドベキア
エキナセア
ガウラ
カレックス
アスターの花色に合わせて、同系色でまとめると上品に、反対色を合わせると明るく華やかな花壇になります。
アスターは切り花用に育てるのもおすすめ
アスターは、庭で咲かせるだけでなく、切り花として育てるのもおすすめです。
高性種を選ぶと花茎が長く、花瓶に飾りやすくなります。仏花や季節の花飾りにも使いやすいため、庭の一角に切り花用として育てておくと便利です。
切り花用に育てる場合は、日当たりのよい場所で育て、支柱を立ててまっすぐな茎に仕立てます。花が開き始めた頃に切ると、室内でも長く楽しめます。
まとめ|アスターは夏から秋に咲く切り花にも向く一年草
アスターは、夏から秋にかけて花を咲かせる一年草です。花色や花形が豊富で、花壇、鉢植え、切り花、仏花として幅広く利用できます。
育て方のポイントは、日当たりと水はけのよい場所で育てること、春に種をまくこと、株間をしっかり取り風通しをよくすることです。高性種は倒れやすいため、早めに支柱を立てるときれいに育ちます。
アスターは連作障害や立枯病に注意が必要な植物です。毎年同じ場所に植えず、鉢植えでは新しい土を使いましょう。花がらをこまめに摘み、株元を清潔に保つことも病気予防につながります。
夏から秋の花壇を彩りたい方や、家庭で切り花を楽しみたい方に、アスターはおすすめの一年草です。