アマリリスの育て方|花後の手入れと冬越し、翌年も咲かせるコツを解説
アマリリスは、太い花茎の先に大きな花を咲かせる球根植物です。赤や白、桃色のほか、縞模様や八重咲きなどもあり、一鉢でも華やかな存在感があります。
購入した球根は蓄えた養分で開花することがありますが、翌年も花を楽しむには、花後に葉を育て、球根を充実させることが大切です。
この記事では、アマリリスの特徴と代表品種、植え付け、水やり、花後の管理、冬越しまでを紹介します。
アマリリスの基本情報
植物名:アマリリス
学名:Hippeastrum spp. およびその園芸交配種
英名:Amaryllis
分類:ヒガンバナ科ヒッペアストルム属
原産地:原種は熱帯〜亜熱帯アメリカを中心に分布
生活形:球根性多年草
草丈:30〜60cm程度。品種によって異なる
主な開花時期:5〜6月ごろ。開花調整された商品は冬などにも咲く
花色:赤、白、桃、橙、複色など
主な用途:鉢植え、花壇、切り花
耐寒性:一般的な大輪園芸品種は弱い
栽培のポイント:浅植え、過湿の防止、花後の葉の管理
一般にアマリリスとして販売されるものは、植物分類上のアマリリス属ではなく、ヒッペアストルム属の植物です。
アマリリスの特徴
大きな花を数輪ずつ咲かせる
球根から太い花茎が伸び、その先に複数の花をつけます。花の大きさや数、花茎の本数には品種や球根の充実度による違いがあります。
大輪の丸弁品種だけでなく、細い花弁をもつものや八重咲きもあり、好みに合わせて選べます。
花後の葉が翌年の開花につながる
アマリリスの葉は、球根へ養分を蓄える大切な器官です。
花が終わったからといって葉を切り取ると、球根が十分に太れず、翌年は葉だけになることがあります。開花後から秋まで、健康な葉を保つことが栽培の重要なポイントです。
促成栽培の球根は開花時期が異なる
冬に室内で咲かせるため、温度管理などを受けた球根も流通しています。
こうした商品は一般的な春植え球根と管理の開始時期が異なります。購入時は、その商品の説明書を優先してください。
アマリリスの代表品種
レッドライオン
濃い赤色の大輪花を咲かせる代表的な品種です。鮮やかな花色と存在感があり、一鉢でも室内や玄関を華やかに彩ります。赤いアマリリスらしい印象を楽しみたい場合に選びやすい品種です。
アップルブロッサム
白を基調に、淡い桃色が広がる一重咲き品種です。やわらかな色合いが特徴で、赤花品種とは異なる明るく優しい雰囲気を楽しめます。花ごとの色の濃淡や細かな筋模様も見どころです。
ピコティ
白い花弁の縁に細い赤色の覆輪が入る品種です。花の輪郭がくっきりと見え、すっきりした華やかさがあります。花色の強い草花と組み合わせても、単独で飾っても楽しめるアマリリスです。
アマリリスの育て方
日当たりと置き場所
春から初夏は、日当たりと風通しのよい場所で育てます。室内で開花した株を屋外へ出す場合は、明るい日陰から少しずつ日差しに慣らしましょう。
真夏の強い西日や照り返しで葉が傷む場合は、午後に日陰になる場所へ移します。一年中暗い室内に置くと、球根が充実しにくくなります。
開花中は、強風や激しい雨を避けると花を傷めにくくなります。
用土
水はけと適度な保水性を備えた土が適しています。市販の球根用培養土を利用すると扱いやすいでしょう。
球根の周囲がいつも湿っている状態は、腐敗の原因になります。鉢底穴がふさがっていないことを確認し、排水の悪い場所への庭植えは避けます。
植え付けの時期
一般的な春植えでは、寒さが緩み、遅霜の心配が少なくなるころに植え付けます。中間地では4月ごろがひとつの目安です。
寒冷地では気温の上昇を待つか、鉢植えにして暖かい場所で管理します。
球根は浅く植える
球根をすべて土に埋めず、上部から肩が見える浅植えにします。一般には球根の上部3分の1程度を出す方法がありますが、購入した球根の説明に合わせて調整してください。
球根よりひと回り大きい鉢を選ぶ
健康な根はできるだけ残す
腐った根や完全に枯れた根を除く
球根に肥料を直接触れさせない
花茎が伸びても倒れにくい鉢を使う
発根前の球根は水を十分に吸えないため、植え付け直後から土を常に湿らせないことも大切です。
水やりと肥料の管理
鉢植えの水やり
根と葉が動き始めたら、土の表面が乾いてから鉢底へ流れ出るまで水を与えます。受け皿にたまった水は捨てましょう。
球根の首や葉の付け根へ水をためず、周囲の土へ与えるようにします。
発根前、葉が茂る生育期、冬の休眠期では必要な水の量が異なるため、年間を通して同じ頻度で与えないようにしてください。
庭植えの水やり
根付いた後は降雨を基本とし、晴天が続いて土が強く乾く場合に水を補います。
庭植えは、品種の耐寒性と地域の冬の気候を確認して行います。暖地で越冬している例があっても、すべての大輪品種が同じように耐えられるわけではありません。
肥料は葉の生育に合わせて与える
葉が伸び、根が活動している時期に、緩効性肥料や液体肥料を製品表示に従って与えます。
とくに花後は、葉を育てて球根を充実させる時期です。ただし、早く太らせようとして多量に施すのは避けましょう。根が傷んでいる株や、休眠している球根には肥料を与えません。
花後の手入れ
しおれた花を摘み取る
種を採らない場合は、しおれた花を子房ごと取り除きます。種づくりに養分を使わせず、球根の回復につなげます。
同じ花茎にまだつぼみが残っている場合は、咲き終わった花だけを摘みましょう。
花茎と葉を区別する
花がすべて終わった花茎は、葉を傷つけないように切り取ります。花茎を残して自然に黄変してから除く方法もあります。
重要なのは、緑色の葉を一緒に切らないことです。葉は自然に黄色くなるまで残し、生育中は光と水、適量の肥料を確保します。
小さな栽培容器は植え替えを検討する
贈答用などの小さな容器では、翌年に向けて根を十分に伸ばせない場合があります。
花後、気温が適した時期にひと回り大きな鉢へ植え替えます。根を大きく傷めず、球根を深く埋めないようにしてください。
アマリリスの冬越し
霜と凍結を避ける
一般的な大輪園芸品種は寒さに弱いため、鉢植えは霜が降りる前に室内などへ移します。目安として5〜10℃程度以上を確保できる、凍らない場所が管理しやすいでしょう。
窓辺は夜間に冷え込むことがあるため、室温だけでなく鉢の置き場所にも注意します。
葉が枯れた株は乾かし気味に管理する
低温や季節の変化によって葉が黄変したら、自然に枯れた葉を取り除き、水やりを減らします。
休眠中に生育期と同じ量の水を与えると、球根が腐る原因になります。乾燥気味に保ち、暖かくなって新芽が動き始めたら徐々に水やりを再開します。
緑の葉が残る株は無理に切らない
暖かい環境や品種によっては、冬も葉が残ります。
葉がある株を一律に完全断水したり、休眠させるために健康な葉を切ったりする必要はありません。明るい場所で土の乾きに応じて控えめに水を与え、品種や商品の説明に合わせて管理します。
花が咲かない主な原因
球根が十分に太っていない
初年度は咲いても、その後に球根が小さくなり、翌年は開花を休むことがあります。
花後の葉を長く健康に保ち、球根を育て直しましょう。すぐに肥料を増やすより、日照や根の状態を確認することが先です。
日照不足や葉の早切り
暗い場所で育て続けたり、花後に葉を切ったりすると、球根に蓄えられる養分が少なくなります。
生育期には適度に日を当て、葉を残して管理します。
根傷みや子球の増加
過湿や根詰まりで根が傷むと、十分に生育できません。また、子球が増えて鉢内が混み合った場合は、植え替えや分球を検討します。
増やし方
分球で増やす
親球の周囲にできた子球を、植え替え時に分けて増やします。
小さすぎる子球を無理に外さず、十分に育ってから分けます。子球はすぐに開花するとは限らず、数年かけて球根を太らせる場合があります。
種から育てる
受粉させて種を採り、実生で増やすこともできます。ただし、開花までに年数がかかり、親と同じ花になるとは限りません。
お気に入りの品種を同じ性質で増やしたい場合は、分球が基本です。
病害虫と注意点
赤斑病や球根の腐敗
葉や花茎、球根に赤い斑点が出たり、組織が傷んだりする場合があります。ただし、赤みだけで病気と断定せず、斑点の広がりや変形、腐敗の有無も確認します。
球根が軟らかくなる、異臭がするなどの症状がある場合は、過湿や腐敗を疑い、ほかの株と分けて状態を調べましょう。
ハマオモトヨトウ
葉の内部や株の中心に入り込み、食害することがあります。葉の穴や黒いふんを見つけたら、葉の付け根や内部も確認してください。
見える幼虫を取り除き、数日後に新しい食害がないか再点検します。薬剤を使う場合は、アマリリスと対象害虫への適用を確認します。
球根を食用植物と混同しない
アマリリスは観賞用の植物で、球根などに有毒成分を含みます。タマネギなどの食品とは分けて保管し、子どもやペットが口にしない場所で管理しましょう。
まとめ
アマリリスを翌年も咲かせるには、花後に葉を残し、球根を充実させることが大切です。浅植えと水はけを基本に、生育中は適度な日光、水、肥料を確保します。
冬は霜や凍結を避け、葉の有無や生育状態に合わせて水やりを調整しましょう。品種ごとの花色や咲き方を選びながら、毎年の開花を楽しめる球根植物です。