ドルフィンネックレスの育て方|イルカ形の葉を保つコツと水やり・増やし方
ドルフィンネックレスの育て方|イルカ形の葉を保つコツと水やり・増やし方
ドルフィンネックレスは、イルカが跳ねているような形の葉を持つ多肉植物です。細い茎に個性的な葉が連なり、吊り鉢や高さのある鉢から垂らすと、群れで泳ぐイルカを思わせます。
育てる際は、十分な明るさと風通しを確保し、土が湿り続けないようにすることが大切です。葉の形や茎の伸び方を観察すると、置き場所を見直す手がかりになります。
この記事では、ドルフィンネックレスの特徴や分類、季節ごとの管理、挿し木、葉の形が変わったときの対処法を紹介します。
ドルフィンネックレスの基本情報
植物名:ドルフィンネックレス
別名:ドルフィンプラント、ストリング・オブ・ドルフィンズ
学名表記:× Bacurio delphinatifolius
流通上よく使われる名称:Senecio peregrinus、Curio × peregrinusなど
科名:キク科
分類上の扱い:バクリオ属の属間交配植物として扱う分類がある
由来:グリーンネックレスと、七宝樹として知られるアルティクラツスの交配に由来するとされる
園芸分類:多肉植物、常緑多年草
英名:String of dolphins、Dolphin necklace
草姿:細い茎が横へ伸び、長くなると垂れ下がる
茎の長さ:30〜90cm程度が目安。栽培環境によって異なる
葉色:緑色
花色:白色
開花時期:秋〜春ごろに見られることがあるが、栽培環境で変わる
耐暑性:高温多湿と強い日差しに注意
耐寒性:霜や凍結を避ける
主な用途:吊り鉢、鉢植え、多肉植物の寄せ植え
分類や命名の整理により、資料や販売店によって学名の表記が異なります。一般には「ドルフィンネックレス」の園芸名で流通しており、広く定着した漢字名はありません。
ドルフィンネックレスの特徴と魅力
イルカに似た葉の形
肉厚の葉が緩やかに湾曲し、背びれのような突起を持ちます。この輪郭が、海面から跳ねるイルカに似ていることが名前の由来です。
葉は一枚ずつ完全に同じ形ではなく、生長段階や栽培環境によって大きさや厚みに違いが出ます。
垂れ下がる茎を楽しめる
茎が伸びるにつれて、鉢からこぼれるような姿になります。吊り鉢にすると葉を横から眺めやすく、イルカ形の輪郭が引き立ちます。
ただし、高い場所に吊るすと鉢の上部が暗くなりがちです。垂れた茎だけでなく、株元にも光が届く位置を選びましょう。
白い小花と香りも楽しめる
充実した株では、白い小花が集まった花を咲かせることがあります。花には甘くスパイシーな香りがあり、シナモンにたとえられることもあります。
葉姿を楽しむ植物として育てられることが多く、花が咲かなくても、茎葉が健康なら過度に心配する必要はありません。
品種と似ている種類の違い
ドルフィンネックレスは、それ自体が交配由来の植物です。ここでは一般的なドルフィンネックレスと、比較されることの多い別の種類を紹介します。
ドルフィンネックレス(一般的なタイプ)
緑色の肉厚な葉に背びれのような突起があり、イルカの姿を思わせます。長く伸びる茎を垂らして楽しむほか、切り戻して枝数を増やすこともできます。葉の形を観察しながら、明るさと水やりを調整して育てます。
グリーンネックレス(交配親の一つ)
Curio rowleyanusという植物で、丸い粒状の葉が連なるのが特徴です。ドルフィンネックレスの交配親の一つとされますが、同じ植物ではありません。球形の葉と、背びれ状の突起を持つ葉の違いが見分ける手がかりです。
バナナネックレス(別種)
Curio radicansという別種で、細長く湾曲した葉が小さなバナナのように見えます。ドルフィンネックレスのような背びれ状の突起は通常ありません。どちらも垂れる姿を楽しめますが、名前と葉の輪郭を確認して選びます。
栽培カレンダー
日本の一般的な温暖地を想定した目安です。気温と新しい葉の動きに合わせて調整します。
3〜5月:生育に合わせて水やりを増やし、植え替えや挿し木を行う
6〜7月:梅雨の長雨を避け、株元の蒸れに注意する
7〜8月:強い西日と鉢の過熱を防ぎ、生育が鈍る場合は水やりを控える
9〜10月:暑さが落ち着いたら、切り戻しや挿し木を行う
11月:冷え込みに備え、屋外の株の取り込みを検討する
12〜2月:明るく暖かい場所で管理し、生育に合わせて水やりを減らす
夏や冬の生育状態は置き場所で変わります。季節だけを理由に、一律の完全断水を続けないようにしましょう。
ドルフィンネックレスの育て方
日当たり・置き場所
明るく風通しのよい場所で育てます。室内では柔らかな日光が届く窓辺に置き、部屋の奥など暗い場所は避けます。
夏の強い西日や照り返しは、葉焼けの原因になることがあります。屋外では、午前中に日が当たり、午後は強い日差しを避けられる場所が管理しやすくなります。
購入直後や室内から屋外へ移す際は、明るい日陰から徐々に日光に慣らしてください。
水やり
生育中は、用土が十分に乾いてから鉢底から流れるまで水を与えます。受け皿や鉢カバーに残った水は捨てます。
乾燥に耐える植物ですが、葉や茎が干からびるまで繰り返し放置する管理は避けましょう。
土の表面だけでなく、内部の湿りや鉢の重さも確認する
用土が湿っている間は、水を追加しない
少量の水を毎日与える管理は避ける
葉への霧吹きだけで水やりを済ませない
低温時や生育が鈍った時期は、水やりの間隔を長くする
葉のしわだけで水不足と判断せず、土と根の状態を合わせて確認します。
用土と鉢
水はけと通気性のよい土を使います。市販のサボテン・多肉植物用培養土が手軽です。
配合する場合は、次の組み合わせを一例にできます。
赤玉土小粒:5
軽石小粒:3
腐葉土:2
鉢は底穴があり、根量に合うものを選びます。茎が長いからと大きすぎる鉢に植えると、土が乾きにくくなることがあります。
肥料
新しい茎や葉が伸びる時期に、薄めた液体肥料などを控えめに与えます。製品に表示された濃度と使用回数を守り、多肥にしないようにします。
肥料入りの培養土へ植え替えた直後は、追肥を急ぐ必要はありません。根が傷んだ株や、生育が止まった株への施肥は控えます。
イルカ形の葉を保つためのポイント
葉が平たくなったら光環境を確認する
新しく出る葉が平たく広がり、茎も間延びしている場合は、まず日照不足を確認します。吊り鉢の上部が陰になっていないかも見直しましょう。
ただし、葉の形だけで原因を断定することはできません。株ごとの性質や生長段階にも違いがあります。
置き場所を改善した後は、すでに変形した葉が戻ることを期待するより、新しく出る葉の形を観察します。
急に強光へ移さない
形を整えようとして、暗い場所から真夏の直射日光へ急に出すと、葉を傷めることがあります。
明るさは段階的に増やし、葉の変色や乾いた傷が出ていないか確認しながら調整します。
肥料や断水で無理に形を変えようとしない
肥料を増やしたり、極端に水を切ったりしても、イルカ形の葉を確実につくれるわけではありません。
健康な根を保ち、十分な光の下でゆっくり生育させることを基本にします。
植え替えの時期と方法
春か秋に行う
植え替えは、穏やかな気温の春、または残暑が落ち着いた秋に行います。1〜2年に1回を目安に、根詰まりや用土の劣化に合わせて検討します。
茎が絡んでいる場合は、作業前に広い場所へ置き、無理に引きほどかないようにします。
植え替えの手順
用土がやや乾いた状態で、株を鉢から抜く
古い土を軽く落とす
黒く傷んだ根や枯れた根を整理する
根量に合った鉢へ新しい用土で植える
株元を深く埋めず、茎を自然に配置する
明るい日陰で落ち着かせ、徐々に通常の管理へ戻す
健康な細根まで強くほぐす必要はありません。根を傷めた場合は、植え替え直後から用土を過湿にしないよう注意します。
ドルフィンネックレスの増やし方
節を含む茎を挿し木する
家庭では、健康な茎を使った挿し木が取り組みやすい方法です。穏やかな気温の春や秋に行います。
健康な茎を5〜10cm程度に切る
土へ挿す部分の葉を取り除く
切り口を軽く乾かす
葉の付け根に当たる節が土に触れるよう、浅く挿す
明るい日陰で、用土を過湿にしないよう管理する
発根して新芽が動いたら、徐々に通常の管理へ戻す
発根前後の苗は、成株ほど乾燥に耐えません。用土を軽く湿らせながら、常に水浸しにならないよう調整します。
葉だけより、茎を使う方法が確実
イルカ形の葉だけを外して置く方法では、新しい株へ育つとは限りません。増やしたいときは、節を含む茎を使います。
長い茎を土の上にはわせ、節を用土に接触させて発根を促す方法もあります。
種から同じ姿になるとは限らない
ドルフィンネックレスは交配由来の植物で、種から育てた苗が親と同じイルカ形の葉になるとは限りません。
気に入った株の特徴を引き継いで増やすには、挿し木を利用するとよいでしょう。
剪定・仕立て直し
伸びすぎた茎を切り戻す
茎が長くなりすぎたり、一方向へ偏ったりしたら、生育期に好みの長さへ切り戻します。健康な節を残すと、その付近から脇芽が伸びることがあります。
切った茎は挿し木に利用できます。株が弱っているときは大きな剪定を控え、傷んだ部分の整理を優先します。
株元が寂しくなったら原因も見直す
根元の葉が減る場合は、光不足、過湿、茎の傷み、根詰まりなどを確認します。
置き場所を改善したうえで、発根した挿し木苗を植え足したり、健康な茎を土の上にはわせたりすると、鉢の上部を茂らせやすくなります。
夏越し・冬越しのコツ
夏は蒸れと鉢の過熱を避ける
長雨にさらさず、軒下などで管理する
強い西日を避ける
鉢同士の間隔を空け、風を通す
枯れ葉や腐った茎を株元に残さない
閉め切った室内や温室の高温に注意する
土を乾かそうとして強い日差しへ出すのではなく、通風と排水を改善します。
冬は霜と凍結から守る
冬は、できれば10℃前後以上を確保できる明るい場所で管理すると安心です。これは枯死する温度の境界ではなく、安定して育てるための目安です。
夜間の窓際や冷たいすきま風を避け、暖房の風も直接当てないようにします。水やりは、生育と土の乾き方に合わせて減らします。
よくあるトラブルと対処法
葉がしわしわになる
土が乾き、茎や根が健全なら、水不足が考えられます。水やり後に葉の張りが戻るか観察します。
土が湿っているのにしわが増える場合は、根や茎が傷んで吸水できていない可能性があります。水を追加し続けないようにしてください。
葉が黄色くなり、軟らかくなる
過湿や低温による傷みが疑われます。葉が半透明になったり、茎が黒く軟らかくなったりする場合は、腐敗の有無を確認します。
健康な先端が残っていれば、傷んだ部分を除いて挿し木で更新できる場合があります。
葉が白っぽく焼ける
日光の当たる面に乾いた変色が出る場合は、葉焼けが考えられます。日差しを和らげ、被害が広がらないか確認します。
傷んだ部分は元に戻らないことがあるため、新しく育つ葉を健全に保ちましょう。
葉の付け根や新芽に虫が付く
コナカイガラムシやアブラムシなどが付くことがあります。葉の付け根や花茎まで定期的に点検します。
薬剤を使用する場合は、対象植物と害虫に適用のある製品を選び、表示に従って使用してください。
飾るときの注意点
ドルフィンネックレスは観賞用です。子どもやペットが葉を口にしない位置に飾ります。
吊り鉢は、水やり後の重さも考えて安定した金具に掛けましょう。葉を眺めやすいだけでなく、株元の点検や水やりがしやすい高さにすると、管理を続けやすくなります。
まとめ
ドルフィンネックレスは、イルカ形の葉を持つ交配由来の多肉植物
学名には複数の表記が使われ、園芸名で広く流通している
明るさと風通しを確保し、株元まで光を届ける
水やりは用土が乾いてから行い、過湿と極端な乾燥を避ける
葉の形が変わったら、日照や生育状態を確認する
節を含む挿し木で増やし、切り戻して姿を整えられる
夏は蒸れと強光、冬は霜と凍結に注意する
ドルフィンネックレスは、一枚ずつの葉を眺める楽しさと、茎が連なって垂れる美しさを併せ持つ植物です。新しい葉の形や張りを観察しながら、健康な株に育てていきましょう。